商標拒絶査定不服審判
2024-014698
タテモノタンケンタイ
- 審判番号
- 2024-014698
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-093066
- 請求日
- 2024年09月13日
- 審決日
- 2025年07月10日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社竹中工務店
- 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【請求人代理人】中村 稔
- 【請求人代理人】田中 伸一郎
- 【請求人代理人】藤倉 大作
- 【請求人代理人】相良 由里子
- 【請求人代理人】渡辺 光
- 【請求人代理人】石戸 孝
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .13 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-93066拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年8月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年2月6日付け:拒絶理由通知書
令和6年4月17日:意見書の提出
令和6年6月17日付け:拒絶査定
令和6年9月13日:審判請求書の提出
令和7年4月24日付け:証拠調べ通知書
令和7年6月6日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「たてもの探検隊」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「たてもの探検隊」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「たてもの」の文字は、「人が住んだり、物を入れたり、仕事をしたりするために建てたもの。建築物。」の意味を表す「建物」の語を平仮名で表したものと理解でき、「探検」の文字は、「危険を冒して未知の領域に入り、実地に調べること。」の意味を表す語であり、「隊」の文字は、「ある目的のために二人以上が集まって一団となっているもの。」の意味を表す語である。そして、様々な施設において、普段では見学できない場所を見学したり、調べたりすることにより、その施設に関することを学ぶことを目的としたイベントや講座が開催されており、これらのイベントや講座について、「たてもの探検隊」の文字が使用されている実情がある。そうすると、本願商標は、その構成全体として、「建物の中を調べるイベント」程の意味合いを認識させるものであるから、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に「建物の中を調べるイベントに関する役務」のように、単に役務の特徴や質を表すものであることを理解、認識するにすぎず、本願商標は、単に役務の特徴や質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1(1)ないし(6)及び別掲2(1)ないし(13)に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
証拠調べ通知書に提示されているとおり、「たてもの探検隊(建物探検隊)」の使用例が存在するものの、その数は非常に少ないこと、また、それらの使用例は具体的な役務の内容に関する説明とともに用いられていることに鑑みれば、本願商標が「建物の中を調べるイベント」といった一義的な意味合いで需要者に認識されるには至っていないというべきである。
また、別途、提示されている「美術館探検隊」、「図書館探検隊」、「博物館探検隊」、「水族館探検隊」、「学校探検隊」の各使用についても「たてもの探検隊(建物探検隊)」と同様に使用例は少ないこと、本願商標は、「建物」であり、その用途に限定はなく、構造などにおいても千差万別であるから、より間接的かつ抽象的な意味合いを認識させるにとどまるものである。
したがって、本願商標は本来的に自他商品識別力を有するものであり、商標法第3条第1項第3号には該当しない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「たてもの探検隊」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「たてもの」の文字は、「建築物。建造物。」の意味を表す「建物」の語を平仮名で表したものと理解でき、「探検」の文字は、「未知のものなどを実地に探りしらべること。また、危険を冒して実地を探ること。」の意味を表す語であり、「隊」の文字は、「共同の行動をとるために組織された集団。くみ。」の意味をそれぞれ有する語((いずれも出典は「広辞苑 第七版」岩波書店)である。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、本願の指定役務に関する分野において、様々な施設(建物)において、普段では見学できない場所を見学したり、調べたりすることにより、その施設(建物)に関することを学ぶことを目的としたイベントや講座が開催されており、これらのイベントや講座について、「たてもの探検隊(建物探検隊)」の文字が使用されている事実(別掲1)に加え、本願商標の構成に類する「○○探検隊」(○○には施設の名称が入る。)の文字が使用されている事実(別掲2)も見受けられる。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「建物の中を調べるイベント」であると認識するというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その指定役務との関係において、役務の質(内容)を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他役務の識別力を欠くというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、証拠調べ通知書に提示されている証拠には、「たてもの探検隊(建物探検隊)」及び「○○探検隊」(○○には施設の名称が入る。)の使用例は少ないことに加え、提示されている証拠は様々な説明的な語と併せて使用されているものである。そのため、これらの使用例があることをもって、「たてもの探検隊」からなる本願商標について、需要者が「建物の中を調べるイベント」といった一義的な意味合いを理解し、直接的・具体的に役務の質・用途等を認識する根拠とはならない旨主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、本願の指定役務に関連する分野において、本願の指定役務に関連する分野において、「たてもの探検隊(建物探検隊)」及び「○○探検隊」(○○には施設の名称が入る。)の語が、「建物(施設)の中を調べるイベント」程の意味を有する語として一般的に使用されている事実を踏まえると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「建物の中を調べるイベント」であると認識するというのが相当である。
イ 請求人は、過去の登録例、及び過去の審決例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定役務との関係において、自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成態様や指定役務が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他役務の識別力を欠くものであることは、上記(2)のとおりであるから、登録例や審決例があるからといって、その判断が左右されることはない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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