商標拒絶査定不服審判
2024-014690
セキュリティヒョーカプラットフォーム、セキュリティヒョーカ、ヒョーカプラットフォーム
- 審判番号
- 2024-014690
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-080486
- 請求日
- 2024年09月13日
- 審決日
- 2025年06月16日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ビジョナル株式会社
- 【請求人代理人】IPTech弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .13 -Z (W093542) / T18 .272-Z (W093542)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-80486拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年7月20日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年3月5日付け:拒絶理由通知書
令和6年4月12日:意見書の提出
令和6年7月17日付け:拒絶査定
令和6年9月13日:審判請求書の提出
令和7年3月17日付け:審尋
令和7年4月22日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「セキュリティ評価プラットフォーム」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「セキュリティ評価プラットフォーム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「セキュリティ」の文字は、「安全。また、保安。防犯。防犯装置。」の意味を、「評価」の文字は、「事物や人物の、善悪・美醜などの価値を判断して決めること。」等の意味を、「プラットフォーム」の文字は、「オペレーティングシステムやハードウエアなど、コンピュータを動作させる際の基本的な環境や設定。」等の意味をそれぞれ有する語であると認められる。また、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「セキュリティ評価」の文字は、「製品、サービス、情報技術、組織のセキュリティ態勢等のセキュリティの評価」程の意味合いで広く使用されている実情がみられ、また、当該セキュリティ評価に関するプラットフォームを「セキュリティ評価プラットフォーム」と称して使用している実情もみられる。そうすると、本願商標は、全体として、「セキュリティ評価に関するプラットフォーム」程の意味合いを容易に認識させるものである。そのため、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「セキュリティ評価に関するプラットフォーム」又は「当該プラットフォームに関する商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして、また、その指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「セキュリティ評価に関するプラットフォームの提供」又は「当該プラットフォームに関する役務」であること、すなわち、役務の質を表示したものと認識するものとみるのが相当である。また、上記認定によれば、本願商標を上記商品(上記役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品の品質(役務の質)の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について、請求人に対し、審尋で、別掲3(1)ないし(7)の事実を示すとともに、当審における合議体の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は、上記4の審尋に対して、上記1の当審における意見書において、要旨、以下のように主張した。
(1)セキュリティの分野は、サイバー攻撃・アプリケーションのIoT/oT・自動運転システム・情報セキュリティと様々であり、単に「セキュリティ評価プラットフォーム」という文言のみが記載されているだけでは、商品サービスの内容まで特定することは不可能である。
(2)本願商標からは複数の意味合いも生じることから、「セキュリティ評価プラットフォーム」という語のみからでは必ずしも需要者が具体的な概念を想起するものではないため、需要者はどのような商品又はサービスが提供されるかを判断することできない。
(3)したがって、本願商標は第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当せず、登録されるべきである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「セキュリティ評価プラットフォーム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「セキュリティ」の文字は、「安全。また、保安。防犯。防犯装置。」の意味を、「評価」の文字は、「事物や人物の、善悪・美醜などの価値を判断して決めること。」等の意味を、「プラットフォーム」の文字は、「オペレーティングシステムやハードウエアなど、コンピューターを動作させる際の基本的な環境や設定。」(いずれも出典は「デジタル大辞泉」株式会社小学館)等の意味をそれぞれ有する語であると認められる。
また、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「セキュリティ評価」の文字が、「製品、サービス、情報技術、組織のセキュリティ態勢等のセキュリティの評価」程の意味合いで広く使用されている事実(別掲2)に加え、当該セキュリティ評価に関するプラットフォームを「セキュリティ評価プラットフォーム」と称して使用している事実(別掲3)もみられる。
そうすると、本願商標は、構成全体として、「セキュリティ評価に関するプラットフォーム」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そのため、本願商標を、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),業務用テレビゲーム機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「セキュリティ評価に関するプラットフォーム」又は「当該プラットフォームに関する商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして、また、その指定役務中、第35類「事業の管理,事業の管理に関する助言・指導・情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,商品の販売に関する指導・助言・情報の提供,コンピュータデータベースへの情報構築若しくは情報編集及びこれらに関する情報の提供,コンピュータデータベースへの情報構築若しくは情報編集及びこれらに関する指導及び助言,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,消費者のための商品及び役務の選択における指導,マーケティング,ビジネスコンサルティング」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),クラウドコンピューティングを介した仮想コンピュータシステムの提供,クラウドコンピューティングに関する情報の提供,ウェブサーバーの貸与,コンピュータ技術に関する助言,コンピュータシステムの分析,コンピュータシステムの監視・調査・分析及びこれに関する情報の提供・指導及び助言」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「セキュリティ評価に関するプラットフォームの提供」又は「当該プラットフォームに関する役務」であること、すなわち、役務の質を表示したものとして、認識するものとみるのが相当である。
また、上記認定によれば、本願商標を上記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標からは「住まいのセキュリティ」や「施設のセキュリティ」といった複数の意味合いも生じることから、「セキュリティ評価プラットフォーム」という語のみからでは必ずしも需要者が具体的な概念を想起するものではないため、需要者はどのような商品又はサービスが提供されるかを判断することできない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「セキュリティ評価」の文字が、「製品、サービス、情報技術、組織のセキュリティ態勢等のセキュリティの評価」程の意味合いで広く使用されている実情がみられ、また、当該セキュリティ評価に関するプラットフォームを「セキュリティ評価プラットフォーム」と称して使用している実情があることは、上記(2)のとおりである。
また、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標が指定商品及び指定役務との関係で、将来を含め、その取引者、需要者によって商品の品質又は役務の質を表示するものと一般に認識されるものであれば足りることは、上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品及び指定役務との関係において、自他商品又は役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成態様や指定商品及び指定役務が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他商品及び役務の識別力を欠くものであることは、上記(2)のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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