商標拒絶査定不服審判
2024-014217
ヨコヤマセーヤク
- 審判番号
- 2024-014217
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-102384
- 請求日
- 2024年09月05日
- 審決日
- 2025年02月10日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】横山製薬株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 吉沢 恵美子
- 審判官 真鍋 伸行
- 分類
- T18 .014-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項4号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第4号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-102384拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年9月13日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年3月 8日付け:拒絶理由通知書
令和6年4月12日付け:意見書
令和6年6月17日付け:拒絶査定
令和6年9月 5日 :審判請求書、手続補正書
2 本願商標
本願商標は、「横山製薬」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記1の手続補正により、第41類「オンラインによる動画の提供,インターネット・携帯電話を含む通信回線を用いて行う音楽・音声・画像・動画の提供及びこれらに関する情報の提供,オンラインによる音楽・音声・映像・画像・文字情報の提供,動画の制作,知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,インターネットを利用したセミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,電子出版物の提供,オンラインによる娯楽の提供,オンラインによる娯楽情報の提供」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「横山製薬」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「横山」の文字は、我が国においてありふれた氏の一つと一般に認識されるものであり、また、「製薬」の文字は、医薬品の製造・販売を行う業種名として普通に使用されているものである。
そうすると、本願商標は、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第4号該当性について
本願商標は、「横山製薬」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「横山」の文字部分は、「姓氏のひとつ」(「広辞苑第七版」岩波書店参照)を意味し、原審が提示した事実によれば、我が国においてありふれた氏の一つと一般に認識されるものであり、また、「製薬」の文字部分は「医薬品を製造すること」(前掲書参照)を意味し、医薬品の製造・販売を行う業種名として普通に使用されているものである。
そうすると、本願商標は、ありふれた氏である「横山」と、業種名である「製薬」を組み合わせた「横山製薬」の文字を標準文字で表したものであり、「横山」氏又は「横山」の名を有する法人等が運営する製薬会社というほどの意味を有する「横山製薬」というありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第4号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「製薬」の文字は、医薬品の製造・販売を行う業種名として普通に使用される語ではあるものの、本願商標の指定役務「オンラインによる動画の提供」等については通常用いられるものではなく、指定役務の分野において将来的に「製薬」の文字を用いた名称が多数使用されることも想定しづらい旨を主張する。
しかしながら、本願商標の指定役務にかかる需要者は、「オンラインによる動画の提供」や「知識の教授」など娯楽・レクリエーションを目的とするサービス又は教育・訓練に関するサービスを求める一般消費者であるところ、例えば、製薬会社を表すものとして「○○製薬」(○○は任意の語)などと称して「製薬」の文字が使用されていることからすれば、「製薬」の文字から、医薬品の製造・販売を行う業種名を連想することは容易であり、また、「横山」の文字も我が国においてありふれた氏の一つと一般に認識されるものであることからすれば、需要者である一般消費者にとって、ありふれた氏である「横山」と医薬品の製造・販売を行う業種名である「製薬」を組み合わせた「横山製薬」の文字は、ありふれた名称であると認識するにすぎないことは上記(1)で述べたとおりである。
イ 次に、請求人は既に「オンラインによる動画の提供」等について本願商標を使用しており一定以上の認知度が推認され、本願商標には保護に値する信用が既に蓄積されている旨を主張し、証拠として甲第3号証ないし甲第21号証(以下「甲○」と表記する。)を提出している。
そこで、上記証拠及び請求人の主張について、以下のとおり検討する。
(ア)請求人は、医薬品・医薬部外品、化粧品、その他健康関連商品の製造販売を業とし行う事業者であり、1900年に創業、1919年から現在に至るまで「横山製薬」の名称を継続して使用している(甲4~甲6)。
(イ)請求人は、2023年に一般用医薬品を販売する資格である登録販売者を対象に、「横山製薬株式会社」または「横山製薬」の文字を使用して研修会を全国各地で5回開催している(甲8~甲12)。
また、動画を投稿することができる各種SNS(YouTube、インスタグラム、TikTok)の公式アカウントや兵庫県警の公式チャンネルにおいて、「横山製薬」の表示の下、動画を提供しており(甲13~甲17)、兵庫県警察明石警察署と協同で作成した交通安全啓発動画は、新聞等でも取り上げられた(甲18~甲21)。
なお、インスタグラムの投稿動画数は約200件、フォロワー数は約1700人(甲14)、TikTokのフォロワー数は36名(甲15)、兵庫県警の公式チャンネルに掲載された動画の再生回数は約1.1万回(甲16)である。
(ウ)上記認定事実によれば、請求人は、医薬品等の製造販売等について、本願商標を長年継続して使用している事実はうかがえる。
しかしながら、本願商標の指定役務との関係では、研修会の開催実績については、2013年の間にわずか5回であり、その参加者数等を把握することができる証拠は何ら提示されておらず、また、各種SNS等における動画の提供についても、その動画投稿数、視聴者数及び再生回数は、いずれも決して多いものとはいえない。さらに、請求人の主張及び提出証拠は「オンラインによる動画の提供,知識の教授,インターネットを利用したセミナーの企画・運営又は開催」に係る使用態様や使用実績を示すものであり、それ以外の指定役務における本願商標の使用態様や使用実績は確認できない。
(エ)そうすると、請求人の主張及び提出された証拠によっては、本願商標は、その使用により一定以上の認知度が推認され、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものとはいい難いものである。
ウ さらに、請求人は「横山製薬」を名称に含む法人は出願人以外に存在せず、過去の審決においても「結合された商標全体が世間一般にありふれて採択、使用されていない」ことをもって商標法第3条第1項第4号該当性が否定された事案が複数ある旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第4号の文言上、「ありふれた名称」であると認めるために当該名称が現に多数存在することは要件とはされておらず、「横山製薬」を名称に含む法人が出願人以外に存在しないとしても、上記(1)の認定を左右するものではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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