商標拒絶査定不服審判
2024-013830
タマヤ、タマ、シュ
- 審判番号
- 2024-013830
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-072298
- 請求日
- 2024年08月28日
- 審決日
- 2024年12月17日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社珠屋
- 【請求人代理人】山本 龍郎
- 【請求人代理人】中西 康裕
- 【請求人代理人】山本 彰司
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W3043) / T18 .262-Z (W3043) / T18 .263-Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 72298拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年11月30日付け:拒絶理由通知書
令和6年 4月12日 :意見書の提出
令和6年 5月24日付け:拒絶査定
令和6年 8月28日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品,即席菓子のもと」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5852630号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定役務:第43類「飲食物の提供,ラーメンを主とする飲食物の提供,ラーメンを主とする飲食物に関する情報の提供,飲食店の予約の取次」
登録出願日:平成27年12月24日
設定登録日:平成28年 5月20日
(2)登録第5984053号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成: 珠屋珈琲 (標準文字)
指定商品及び指定役務:第43類「コーヒーを主とする飲食物の提供,飲食物の提供」並びに第30類、第32類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
登録出願日:平成28年11月 9日
設定登録日:平成29年 9月29日
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「珠屋」の漢字を大きく横書きし、その左側に「珠」の漢字を白抜きで表した円及び図案化された「TAMAYA」の欧文字と考えられるものを内部に配置してなる円図形(以下「図形部分」という。)を表してなるものであり、これらはいずれも茶系統の色で表されているものである。
そして、その構成中の「珠屋」の漢字と図形部分とは、明らかに分離して配置されている上、「珠屋」の漢字が大きくはっきりと表されているのに対し、図形部分は全体としてもやや小さく、また、その構成中の文字も小さく又は図案化されて表されているものである。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実情においては、本願商標に接する取引者、需要者が、その構成中、大きくはっきりと表された「珠屋」の漢字部分に着目し、それをもって取引に当たる場合もあるものというのが相当である。
したがって、本願商標よりは、その構成中の「珠屋」の漢字部分(以下「本願要部」という。)に相応した「タマヤ」の称呼が生じ、また、これは辞書類に掲載されている成語ではないことから、特定の観念が生じるとはいえないものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、「たま家」の文字を黒色で、毛筆風の書体で大きく横書きし、そのうち「ま」の字の上方に「らーめん」の文字が白抜きで表された角の丸い横長長方形を、同「ま」の字の下方に赤色の「TAMAYA」の欧文字を配し、また、同「家」の字の右下に接するように、正方形内に「家系」「たま家」と表されていると考えられる赤色の印影のごとき図形が小さく表されているものである。
そして、その構成中の「らーめん」の文字部分については、「たま家」の文字と比べて相当小さく表されているものである上、色彩も異なり、視覚上、明らかに分離して配置されているものであって、かつ、「らーめん」の文字は、引用商標1の指定役務「ラーメンを主とする飲食物の提供」等との関係において、その役務の質を表しているといえるものであり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといえる。
さらに、同構成中の「TAMAYA」の文字部分は、「たま家」の文字の読みを欧文字で表したといえるものであって、「たま家」の文字と比べて相当小さく表されていることから、「たま家」の読みを欧文字で付随的に表したに過ぎないものであって、この部分が自他役務の識別標識として、看者に強く支配的な印象を与えるとはいい難いものである。
以上のことからすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実情においては、引用商標1に接する取引者、需要者が、その構成中に顕著に表されている「たま家」の文字部分に着目し、当該部分をもって取引に当たる場合もあるものというのが相当である。
したがって、引用商標1よりは、その構成文字全体に相応した「ラーメンタマヤ」の称呼が生じるほか、その要部である「たま家」の文字(以下「引用1要部」という。)に相応する「タマヤ」の称呼も生じ、また、「たま家」の文字や「TAMAYA」の文字は、辞書類に掲載されている成語ではないことから、特定の観念が生じるとはいえないものである。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、「珠屋珈琲」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「珈琲」の文字は、「焙煎したコーヒー豆や、それを挽き粉としたもの。また、後者を湯で浸出した褐色の飲料」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する語である。
そして、飲食物を提供する役務の分野においては、飲料としてコーヒーが一般的に提供されている上、主としてコーヒーを提供する業態も少なくないことからすると、「珈琲」の文字は、引用商標2の指定役務「コーヒーを主とする飲食物の提供,飲食物の提供」との関係において、その役務の質を表示したに過ぎないものであり、自他役務の識別標識としての機能を有しないものといえる。
他方、引用商標2構成中の「珠屋」の文字は、辞書類に掲載されている成語ではないことから、造語といえるものであり、自他役務の識別標識としての機能を十分に有するものといえる。
そうすると、引用商標2の構成中、自他役務の識別標識としての機能を有するのは「珠屋」の文字部分のみといえるのであって、当該文字部分を要部として抽出し、それのみを本願商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、引用商標2よりは、その構成文字全体に相応した「タマヤコーヒー」の称呼のほか、「珠屋」の文字部分(以下「引用2要部」という。)に相応した「タマヤ」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものというのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
(ア)本願商標と引用商標1の類否について
本願商標と引用商標1を比較するに、外観においては、全体としては明らかに相違するものであり、また、本願要部と引用1要部との対比でも、構成文字や文字数、書体等が異なり、別異の語を表したものと容易に理解し得るものであるから、明確に区別できるものといえる。
そして、称呼においては、「タマヤ」を共通にするものであるが、本願商標より生じる称呼「タマヤ」と、引用商標1より生じるその他の称呼「ラーメンタマヤ」とでは、音数などが明らかに異なり、明瞭に聴別できるものである。
また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、引用商標1より複数生じる称呼の一において共通する場合があるとしても、その他の称呼において明瞭に聴別できるものであって、観念において比較できないものであり、外観においては明確に区別できるものであるから、両商標が与える印象、記憶等を総合してみれば、役務の出所について誤認混同を生じるおそれはなく、非類似の商標というのが相当である。
(イ)本願商標と引用商標2の類否について
本願商標と引用商標2を比較するに、外観においては、造語である「珠屋」の文字を構成中に有する点において共通するものである上、本願要部と引用2要部との比較においては、文字の色彩や書体が相違するものの「珠屋」の文字のみからなる点を共通にするものであるから、相当程度近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「タマヤ」を共通にするものであるが、本願商標より生じる称呼「タマヤ」と、引用商標2より生じるその他の称呼「タマヤコーヒー」とでは、音数などが明らかに異なり、明瞭に聴別できるものである。
また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、観念において比較することはできず、外観上相当程度近似した印象を与えるものであり、称呼も一部共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標2は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標2の指定役務の類否について
本願の指定役務である第43類「飲食物の提供」は、引用商標2の指定役務中、第43類「コーヒーを主とする飲食物の提供,飲食物の提供」と同一又は類似する役務である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標1とは非類似の商標であるから、その指定役務が同一又は類似するものであるとしても、引用商標1との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
しかしながら、本願商標は、引用商標2と類似する商標であって、かつ、本願の指定役務は、引用商標2の指定役務と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、引用商標2について、これは外観上一連一体に把握されるものであり、構成文字全体より生じる「タマヤコーヒー」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものであって、また、「珠屋」の文字と「珈琲」の文字に構成上格別な軽重の差が見られない等、引用2要部が自他役務の識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足る事情があるとはいえないことから、引用商標2から「タマヤ」の称呼が生ずる可能性はなく、常に「タマヤコーヒー」と一連にのみ称呼される旨主張する。
しかしながら、上記(1)イ(イ)のとおり、引用商標2の構成中、「珈琲」の文字は、上記(1)エの指定役務との関係において、「その役務がコーヒーを主とする飲食物の提供であること」又は「提供される飲食物がコーヒーであること」という、役務の質を表示したに過ぎないといえるものであり、自他役務の識別標識としての機能を有しないものであって、他方、同構成中の「珠屋」の文字は、造語といえるものであり、当該機能を十分に有するものである。
そうすると、引用商標2の構成中、自他役務の識別標識としての機能を有するのは「珠屋」の文字部分のみといえるのであり、当該文字部分を要部として抽出し、それのみを本願商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるものであるから、引用商標2よりは、引用2要部に相応した「タマヤ」の称呼も生じ得るというのが相当である。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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