商標拒絶査定不服審判
2024-013760
フタバヤクダモノ、カントリーオブフルーツニッポン、フタバヤ、フタバ、カントリーオブフルーツ、カントリーオブ
- 審判番号
- 2024-013760
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-119669
- 請求日
- 2024年08月27日
- 審決日
- 2025年06月03日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】二葉屋株式会社
- 【請求人代理人】中村 祥二
- 【請求人代理人】塩谷 享子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-119669拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年10月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 3月21日付け:拒絶理由通知書
令和6年 5月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 7月16日付け:拒絶査定
令和6年 8月27日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類ないし第33類、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正書により、最終的に、第35類「野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工野菜及び加工果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5209272号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成19年6月11日に登録出願、「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む商標登録原簿に記載の第35類の役務を指定役務として、同21年2月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、ア 円弧状に並べた「FUTABAYA」の欧文字、イ スイカを持った武士のような人物の図形、ウ 「KUDAMONO」の欧文字、及び、エ 小さく上下二段に表された「COUNTRY OF FRUITS」及び「NIPPON」の欧文字を表してなる図形と文字の結合商標である。
本願商標は、上記アないしエの各構成要素が、一定の間隔をあけて配置されていることから、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものである。
また、本願商標を構成する上記各構成要素が、一体となって特別な観念を有することや、一連一体の称呼が生じるなど、何らかの関連性を有しているとはいえず、これらを常に一体のものとして看取すべき特段の理由は認め得ないものである。
そして、本願商標の構成中、アの部分である「FUTABAYA」の文字部分についてみるに、当該部分は、他の文字部分に比べて大きく顕著に表されたものであることから、外観上、看者の注意を強く引き、分離して看取されるものである。
また、当該「FUTABAYA」の文字部分は、辞書等に採録された成語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情はないことから、一種の造語と認識されるものであり、本願の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断するべき特段の事情はない。
してみれば、本願商標の構成中、大きく顕著に表された「FUTABAYA」の欧文字は、取引者、需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができるから、当該文字部分を要部の一として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
そうすると、本願商標からは、当該文字部分に相応した、「フタバヤ」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、上段には、緑色の四角図形(以下「図形部分」という。)を背景とし、その内部左側に二枚の葉の図形、中央に一部欠落した白抜きのハート図形、右側に横しま模様及び左下方に「FUTABAYA」の欧文字(以下「欧文字部分」という場合がある。)をすべて白抜きで表し、下段には、「フタバヤ」の片仮名(以下「片仮名部分」という場合がある。)を緑色で表した構成よりなるものである。
そして、欧文字部分は、図形部分の内部に配置されているものの、図形部分のほぼ中央の目立つ位置に、白抜きの読み取りやすい書体で明瞭に記載されているから、外観上、図形部分とは明確に区別して認識できるものであり、また、片仮名部分は図形部分とは間隔を空けて配置されているから、図形部分、欧文字部分、片仮名部分とがそれぞれ視覚的に分離、独立した印象を与えるものといえる。
また、図形部分の内部に白抜きで表された二枚の葉の図形、一部欠落したハート図形及び横しま模様は、直ちに特定の事物を想起させるものではなく、欧文字部分及び片仮名部分との観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分、欧文字部分及び片仮名部分が、それぞれ要部として自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そして、引用商標の構成中、「FUTABAYA」の欧文字部分は、「フタバヤ」の片仮名部分の読みをローマ字表記したものと認められるところ、これらの文字は、辞書等に載録されていないものであって、直ちに特定の観念を想起させるとはいい難い。
そうすると、引用商標は、その構成中の「FUTABAYA」の欧文字部分を分離抽出し、これを要部の一として本願商標と比較することが許されるというべきであり、当該文字部分に相応して「フタバヤ」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の比較
本願商標の要部の一である「FUTABAYA」と引用商標の要部の一である「FUTABAYA」とを比較すると、両者は綴りを共通にし、いずれも大文字で表され、書体も近似することから、外観上類似する。
次に、称呼については、両者は「フタバヤ」の称呼を共通にする。
そして、観念については、両者は特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本願商標の要部の一である「FUTABAYA」と引用商標の要部の一である「FUTABAYA」とは、観念において比較することができないとしても、外観において類似し、称呼を共通にするものであることから、両者の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定役務は上記2のとおりであり、引用商標の指定役務は、上記3のとおりであるところ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務中、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と同一又は類似するものである。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
5 請求人の主張について
(1)請求人は、飲食料品に係る小売等役務の分野において、商標の称呼のみによって取引が行われる実情はないことから、本願商標と引用商標の認定において商標の外観を捨象して「FUTABAYA」の文字列を要部として認定し、それを頼りに類否判断を行うことは失当である旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、単に当該商標が現在使用されている役務についての特殊的、限定的な実情を指すものではなく、指定役務全般についての一般的、恒常的な実情を指すものと解すべきである(最高裁昭和47年(行ツ)第33号参照)ところ、請求人が主張する本願商標と引用商標が抵触する役務の分野における取引の実情については、それが当該役務の分野における一般的、恒常的な実情というべき証拠の提出はなく、また、そのように解すべき事情も見いだせない。
また、上記4(3)のとおり、本願商標と引用商標は、その構成全体については差異を有するものの、両商標の要部の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標というべきものであるから、両商標をその指定役務に使用した場合、互いに紛れるおそれがあるものといわざるを得ず、ほかに、これを覆すに足る特段の事情も見いだし得ない。
(2)請求人は、「フタバヤ」の称呼が生じる商標は、屋号や企業名等として多数使用されていることから(甲第1号証及び甲第2号証)、この読みをローマ字表記した「FUTABAYA」の文字は出所識別標識としての機能が極めて弱い旨主張する。
しかしながら、「FUTABAYA」の文字が、本願の指定役務との関係において、自他役務識別力を有することは、上記4(1)のとおりであり、また、提出された証拠(甲第1号証及び第2号証)からは、そもそも「FUTABAYA」の文字の使用例は確認できず、これをもって、「FUTABAYA」の文字が、自他役務の出所識別標識としての機能が弱い語として一般に使用され、取引者、需要者に認識されていることを裏付けるものとはいえない。
また、確認できる屋号や企業名等についても、漢字、ひらがな又は片仮名で表された「フタバヤ」の称呼を生じる文字に他の文字が結合されたものが散見され、「フタバヤ」の称呼のみを生じるものが多数使用されているとはいえない。
(3)請求人は、称呼が共通するとしても併存登録されている例や、商標の称呼のみによって取引が行われる実情が認められない旨認定された審決例を挙げ、本願商標も引用商標と非類似とされるべき旨主張する。
しかしながら、それら併存登録例及び審決例は、本願商標とは、その構成態様及び指定役務等が異なることから、事案を異にするものであり、かつ、具体的事案の判断においては、過去の審決例等に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
6 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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