商標拒絶査定不服審判
2024-013759
ナカノトーキョーフタバヤ、フタバヤ、フタバ
- 審判番号
- 2024-013759
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-119668
- 請求日
- 2024年08月27日
- 審決日
- 2025年05月27日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】二葉屋株式会社
- 【請求人代理人】中村 祥二
- 【請求人代理人】塩谷 享子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .261-WY (W35) / T18 .262-WY (W35) / T18 .263-WY (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-119668拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年10月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 3月15日付け:拒絶理由通知書
令和6年 5月20日 :意見書の提出
令和6年 7月16日付け:拒絶査定
令和6年 8月27日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類ないし第33類、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正書により、第35類「野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工野菜及び加工果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5209272号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成19年6月11日に登録出願、「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む商標登録原簿に記載の第35類の役務を指定役務として、同21年2月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、赤色の円形内に、「NAKANO」及び「TOKYO」の欧文字が記載されたリボン様の図形が赤色円形の縁の内側に沿うように配置され、中央に「屋葉二」の漢字が大きく表示され、その下に家紋の一である橘紋の一種(又は一部)のごとき図形を配し、更にその下にリボン様の図形内に表された「FUTABAYA」の欧文字及び「1941」の数字が配された構成よりなる図形と文字の結合商標である。
そして、本願商標の構成文字中、「NAKANO」及び「TOKYO」の欧文字部分は、広く知られた地名である「東京都中野」を、「1941」の数字は西暦を、それぞれ表示したものと認識されるものであり、自他役務の識別標識として機能しないもの又はその機能が極めて弱いものといえる。
これに対し、「屋葉二」の漢字部分は、「発芽した時最初に出る葉。」を表す「二葉」と、「家号や雅号、書斎に用いる語。」を表す「屋」(いずれも出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)を組み合わせて右から横書きしてなるものと理解されるものであるから、「二葉屋という屋号」を認識させるものであり、役務の質等を表示するものではない。そして、「FUTABAYA」の欧文字部分は、「屋葉二」の読みをローマ字表記したものと認識されるとみるのが自然である。
また、本願商標を構成する赤色の円形及びリボン様の図形部分は、本願商標の構成各文字の装飾模様のような印象を与えるものであり、家紋の一である橘紋の一種(又は一部)のごとき図形は、直ちに特定の事物を想起させるものとは認められないことから、特定の称呼及び観念を生じないものである。
ところで、商取引においては、従前より、老舗の店舗の看板や暖簾等には、屋号に加えて創業年や創業地、商家の家紋等を表示することや、屋号を横書きする場合、右から左に表記することが一般に行われている。
そうすると、上記構成からなる本願商標は、看者をして、それぞれの図形と文字とが一体となって、屋号を二葉屋(FUTABAYA)とする店舗の看板程の印象を与えるものである。
してみれば、本願商標は、屋号を二葉屋(FUTABAYA)とする店舗の看板のように一体的に把握、認識されるものであり、自他役務の識別標識として機能する文字部分である「屋葉二」及び「FUTABAYA」の文字に相応して、「フタバヤ」の称呼が生じ、「二葉屋という屋号」の観念が生じるというのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、上段には、緑色の四角図形(以下「図形部分」という。)を背景とし、その内部左側に二枚の葉の図形、中央に一部欠落した白抜きのハート図形、右側に横しま模様及び左下方に「FUTABAYA」の欧文字(以下「欧文字部分」という場合がある。)をすべて白抜きで表し、下段には、「フタバヤ」の片仮名(以下「片仮名部分」という場合がある。)を緑色で表した構成よりなるものである。
そして、欧文字部分は、図形部分の内部に配置されているものの、図形部分のほぼ中央の目立つ位置に、白抜きの読み取りやすい書体で明瞭に記載されているから、外観上、図形部分とは明確に区別して認識できるものであり、また、片仮名部分は図形部分とは間隔を空けて配置されているから、図形部分、欧文字部分、片仮名部分とがそれぞれ視覚的に分離、独立した印象を与えるものといえる。
また、図形部分の内部に白抜きで表された二枚の葉の図形、一部欠落したハート図形及び横しま模様は、直ちに特定の事物を想起させるものではなく、欧文字部分及び片仮名部分との観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分、欧文字部分及び片仮名部分が、それぞれ要部として自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そして、引用商標の構成中、「FUTABAYA」の欧文字部分は、「フタバヤ」の片仮名部分の読みをローマ字表記したものと認められるところ、これらの文字は、辞書等に載録されていないものであって、直ちに特定の観念を想起させるとはいい難い。
そうすると、引用商標は、その構成中の「FUTABAYA」又は「フタバヤ」の文字部分(以下「引用要部」という。)を分離抽出し、これを要部の一として本願商標と比較することが許されるというべきであり、当該文字部分に相応して「フタバヤ」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じない。
(3)本願商標と引用商標の比較
本願商標と引用要部とを比較すると、外観については、構成文字中に「FUTABAYA」の文字を有する点で共通するとしても、その他の文字(「屋葉二」「フタバヤ」の文字など)や図形部分の有無において顕著な差異があることから、外観上相紛れるおそれはない。
次に、称呼については、両者は「フタバヤ」の称呼を共通にする。
そして、観念については、本願商標は「二葉屋という屋号」の観念を生じるのに対し、引用要部である「FUTABAYA」又は「フタバヤ」からは、特定の観念を生じないことから、両者は観念上相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、「フタバヤ」の称呼を共通にするとしても、外観において相違し、観念において相紛れるおそれはないから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、その出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは、同一又は類似する商標ではないから、その指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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