商標拒絶査定不服審判
2024-013630
アイエスアアル
- 審判番号
- 2024-013630
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-026062
- 請求日
- 2024年08月23日
- 審決日
- 2024年12月18日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社インターナショナルシステムリサーチ
- 【請求人代理人】弁理士法人IPX
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W41) / T18 .262-Z (W41) / T18 .263-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024- 26062拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年3月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 3月18日付け:拒絶理由通知書
令和6年 5月 9日 :意見書の提出
令和6年 5月23日付け:拒絶査定
令和6年 8月23日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第41類「コンピュータソフトウェアの設計・作成・保守に関する知識・技術の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定役務とし、令和5年7月10日に登録出願された商願2023-76614に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5771025号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成27年1月27日登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出」並びに第10類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年6月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、横長の青色長方形内部の右寄りに「i」の文字の縦棒部分と考えられるものを白抜きで表し、同長方形の右上には「i」の文字の点部分と考えられる円が青色で表されているものであって、また、同長方形の右側には「sr」の文字が青色で横書きされてなるものであり、全体として、「isr」の文字を一部図案化して表したものと、容易に理解できるものである。
そして、「isr(ISR)」の文字は、例えば「Israel」(イスラエル)や、「interrupt service routine」(コンピュータの割り込みサービス ルーチン)などの略語として、辞書類に掲載されているものではあるが(出典:「第2版 略語大辞典」丸善出版株式会社)、これが何らか特定の意味を有する語として一般に親しまれているといった事情は見当たらないことからすると、本願商標構成中の「isr」の文字は、特定の意味合いを認識させない造語と理解されるものというのが相当である。
そうすると、本願商標よりは、その構成文字に相応した「アイエスアール」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものといえる。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「組織間リリース」の文字と「ISR」の文字とを上下二段に横書きしてなるものである。
そして、上段の文字と下段の文字は、文字種が異なり、上下段の間に約1字文の空間(スペース)を有するものであるから、視覚上、明らかに分離して配置されているといえるものである。
また、引用商標を構成する文字全体より生じる「ソシキカンリリースアイエスアール」の称呼は、16音と冗長である。
さらに、引用商標の構成中、「組織間リリース」の文字は、辞書類に掲載されている語ではなく、特定の意味合いを認識させない造語というべきものであって、また、「ISR」の文字も、上記アと同様に、特定の意味合いを認識させない造語というべきものであるから、これらの文字が観念的につながりのあるものともいえない。
以上のことからすると、引用商標は、その構成中の一部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、引用商標に接する取引者、需要者において、その構成中の「組織間リリース」の文字部分、又は、「ISR」の文字部分より生じる称呼をもって、取引に当たる場合もあるものというのが相当である。
したがって、引用商標からは、その構成中の「ISR」の文字部分(以下「引用要部」という。)に相応した「アイエスアール」の称呼も生じ得るものといえ、また、特定の観念は生じないものといえる。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては明らかに相違するものであり、また、本願商標と引用要部との比較でも、図形や図案化の有無、文字の色彩・書体の差異及び大文字・小文字の差異を有するものの、「isr(ISR)」のつづり字を共通にすることから、外観上、一定程度近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「アイエスアール」を共通にするものである。
また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、比較できないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては相違があるものの、本願商標と引用要部との外観の対比においては近似するものであり、また、称呼を共通にし、観念は比較できないものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定役務の類否について
本願の指定役務である第41類「コンピュータソフトウェアの設計・作成・保守に関する知識・技術の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」は、引用商標の指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」と同一又は類似する役務である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、文字種が異なって上下2段になっている商標の多くは、「略語と正式名称」や「日本語と英語」からなっている場合が多く、上下ともに同じ観念であるため、その構成全体をもって一つの商標と認識されるというべきであり、引用商標についても、正式名称である「組織間リリース」とその英語表記である「InterStructural Release」の略語として知られている「ISR」が結合している商標であって、両語の間には、同じ観念というつながりが存在することから、引用商標は常に一体不可分に把握しなければならない語である旨主張し、数件のインターネット情報のURLを提示する。
しかしながら、請求人が提示するわずか数件のインターネット情報をもってしては、上記(1)エのすべての役務の分野における取引者、需要者において、「組織間リリース」の英語表記の略称が「ISR」であると一般に知られているということはできず、また、職権をもって調査するも、そのようにいうべき事情を発見することはできなかった。
そして、引用商標の構成態様等からすれば、これに接する取引者、需要者において、その構成中の「組織間リリース」の文字部分、又は、「ISR」の文字部分より生じる称呼をもって、取引に当たる場合もあるものというのが相当であることは、上記(1)イのとおりである。
イ 請求人は、商標の類似判断を行う上で外観の相違は大きな要素であり、仮に称呼が同一である場合でも、外観の差異が大きい場合には非類似と判断されるべきである旨主張し、過去の商標登録例や審決例を挙げている。
しかしながら、称呼が共通するのみならず、外観上も一定程度近似するといえることから、本願商標と引用商標とは互いに類似する商標というのが相当であることは、上記(1)ウのとおりである。
そして、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる登録例や審決例と本願とは、商標の構成等を異にするものであるから、当該登録例や審決例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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