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商標拒絶査定不服審判

2024-013516

クロノトーキョー、クロノ

審判番号
2024-013516
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-028041
請求日
2024年08月22日
審決日
2025年07月24日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】東京時計精密株式会社
  • 【請求人代理人】生田 哲郎
審判長/審判官
  • 審判長 板谷 玲子
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 滝口 裕子
分類
T18 .261-Z (W14) / T18 .262-Z (W14) / T18 .263-Z (W14)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

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商願2022- 28041拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和4年3月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年8月3日付け:拒絶理由通知書 令和4年9月16日 :意見書の提出 令和6年5月22日付け:拒絶査定 令和6年8月22日 :審判請求書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲1の構成よりなり、第14類「時計」を指定商品として登録出願されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。以下、引用商標1及び引用商標3をまとめて「引用商標」という。 (1)登録第4143092号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成8年9月27日 優先権主張日:1996年3月29日(ドイツ連邦共和国) 設定登録日:平成10年5月8日 最新更新登録日:平成30年2月27日 指定商品 :第14類「時計」 (2)登録第5437597号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成22年11月18日 設定登録日:平成23年9月9日 更新登録日:令和3年7月1日 指定商品 :第14類「スイス製の計時用具並びにこれらの部品及び附属品」 (3)国際登録第1039717号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:「CHRONOSWISS」の欧文字を横書きしてなるもの 国際登録日:2010年4月29日 設定登録日:平成23年6月24日 指定商品 :第14類「Horological and chronometric instruments, all being made in Switzerland.」 (4)国際登録第1253455号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:別掲4のとおり 国際登録日:2015年3月18日 優先権主張日:2014年9月22日(Switzerland) 設定登録日:平成28年9月2日 指定商品 :第14類「Precious metals, unwrought or semi-wrought; key rings [trinkets or fobs] of precious metal; statues of precious metal; jewelry, particularly rings, jewelry chains, watch chains; pendants, earrings for pierced ears, necklaces, hoop earrings, chokers, earrings; precious stones, pearls (jewelry); timepieces and chronometric instruments, particularly small watches, watches, watch parts, dials, hands, cases for watches and clocks, clockworks and movements for timepieces, parts of clockworks and movements for clocks and watches, watch/clock mechanisms, parts of watch/clock mechanisms; bracelets and straps of watches; parts and components of the aforesaid goods included in this class; all the aforesaid goods are of Swiss origin.」 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)結合商標の類否判断について 複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。 (2)本願商標について 本願商標は、六角形状の枠内に、「CHRONO」の欧文字を左端から中央に向かって大きく、中央から右端に向かって小さく大きさを変えて横書きし、その下に「TOKYO」の欧文字を小さく配してなるところ、本願商標構成中の上段の「CHRONO」の欧文字は、連結形で「時」を意味する語(「新英和中辞典(第7版)」研究社)であったとしても、これは我が国で親しまれた語とはいい難く、本願商標の指定商品の需要者に直ちに特定の意味合いを認識、理解させるものとはいえない。 一方、下段の「TOKYO」の語は、「東京」を表す地名の欧文字表記であって、本願商標の指定商品との関係において、商品の産地、販売地等を表したものと認識されるものであるから、当該部分は自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱く、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものというのが相当である。 そうすると、上記(1)の結合商標の類否判断の趣旨に照らせば、本願商標については、その文字部分中、六角形状の枠内の「CHRONO」の欧文字部分が需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、「TOKYO」の欧文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないといえるから、当該「CHRONO」の欧文字部分を要部(以下「本願商標の要部」ということがある。)として取り出し、この部分だけを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 そして、我が国で親しまれた語ではない欧文字にあっては、親しまれたローマ字読み風又は英語読み風に称呼するのが一般的であるところ、本願商標の要部は、我が国において特定の意味を表す語として親しまれているものとはいえないから、その構成文字からすれば、これを英語読み風に発音した「クロノ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。 (3)引用商標について ア 引用商標1について 引用商標1は、別掲2のとおり、「C」の欧文字の内部に「L」の欧文字と反転させた「R」の欧文字を組み合わせたと思しき図形の下に「CHRONOSWISS」の欧文字(語頭の「C」の文字はやや大きく表されている。以下同じ。)を配置してなるものである。そして、図形部分と文字部分は、大きさなどが異なっており、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、かつ、図形部分は特定の称呼及び観念は生じないものであって、図形部分及び文字部分との間に、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできないから、本願商標の図形部分と文字部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。 また、下段に顕著に大きく横書きされた「CHRONOSWISS」の構成中の前半の「CHRONO」の欧文字は、連結形で「時」を意味する語(「新英和中辞典(第7版)」研究社)であったとしても、これは我が国で親しまれた語とはいい難く、引用商標1の指定商品「時計」の需要者に直ちに特定の意味合いを認識、理解させるものとはいえない。 一方、「CHRONOSWISS」の構成中の後半の「SWISS」の欧文字は、「スイス風[産,製]の」を意味する語(前掲書)であって、引用商標1の指定商品との関係において、商品の産地等を表したものと容易に認識されるものであるから、当該部分は自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱く、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものというのが相当である。 そうすると、上記(1)の結合商標の類否判断の趣旨に照らせば、引用商標1については、その文字部分中、「CHRONO」の欧文字部分が需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、それ以外の図形部分、文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないといえるから、当該「CHRONO」の文字部分を要部(以下「引用商標1の要部」ということがある。)として取り出し、この部分だけを本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 そして、我が国で親しまれた語ではない欧文字にあっては、親しまれたローマ字読み風又は英語読み風に称呼するのが一般的であるところ、引用商標1の要部は、我が国において特定の意味を表す語として親しまれているものとはいえないから、その構成文字を英語読み風に発音した「クロノ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。 イ 引用商標3について 引用商標3は、「CHRONOSWISS」の欧文字を横書きしてなるところ、引用商標3の構成中の前半の「CHRONO」の欧文字は、連結形で「時」を意味する語(「新英和中辞典(第7版)」研究社)であったとしても、これは我が国で親しまれた語とはいい難く、引用商標3の指定商品「Horological and chronometric instruments, all being made in Switzerland.」の需要者に直ちに特定の意味合いを認識、理解させるものとはいえない。 一方、「CHRONOSWISS」の構成中の後半の「SWISS」の欧文字は、「スイス風[産,製]の」を意味する語(前掲書)であって、引用商標3の指定商品との関係において、商品の産地等を表したものと容易に認識されるものであるから、当該部分は自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱く、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものというのが相当である。 そうすると、上記(1)の結合商標の類否判断の趣旨に照らせば、引用商標3については、その文字部分中、「CHRONO」の欧文字部分が需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、それ以外の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないといえるから、当該「CHRONO」の文字部分を要部(以下「引用商標3の要部」ということがある。)として取り出し、この部分だけを本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 そして、我が国で親しまれた語ではない欧文字にあっては、親しまれたローマ字読み風又は英語読み風に称呼するのが一般的であるところ、引用商標3の要部は、我が国において特定の意味を表す語として親しまれているものとはいえないから、その構成文字を英語読み風に発音した「クロノ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。 (4)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標は、それぞれ、上記(2)及び(3)のとおりの構成からなるところ、外観において全体の構成は異なるものの、本願商標の要部と引用商標の要部の「CHRONO」の欧文字部分のつづりを共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものである。 次に、称呼については、本願商標と引用商標は、「クロノ」の称呼を共通にするものである。 さらに、観念については、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念が生じないものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できず、外観において全体の構成は異なるものの、構成中の「CHRONO」の欧文字部分において近似した印象を与えるものであり、称呼を共通にするものであるから、これらの外観、観念及び称呼等によって、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 (5)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について 本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と、同一又は類似の商品である。 (6)小括 以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、Chronoは指定商品の時計の関連において特に、時計を意味する、又は少なくとも強く連想させる普通名詞として、時計の需要者にとり広く、認識・認知され、指定商品との関係では、全く識別力のない言葉である旨主張する。 しかしながら、「CHRONO」の文字は、連結形で「時」を意味する語(「新英和中辞典(第7版)」研究社)であったとしても、これは我が国で親しまれた語とはいい難く、提出された証拠についてみても、その事例から当該文字が識別力を有しないといえる事情は見いだせないから、自他商品の識別機能を有するといえる。そして、本願商標の構成中の「TOKYO」及び引用商標の構成中の「SWISS」の語は、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものというのが相当であるから、本願商標及び引用商標から、「CHRONO」の文字部分を要部として抽出し、商標の類否を判断することも許されるというべきものであることは、上記1(2)及び(3)のとおりである。 なお、仮に「CHRONO」の文字が連結形で「時」の意味合いを想起させる場合があったとしても、それをもって直ちに商品の品質等を表すものと認識されるとはいい難く、本願商標と引用商標はいずれも「CHRONO」の文字と地名を組み合わせたものであることからすれば、両商標は、要部たり得る「CHRONO」の文字を共通にし、その意味合いも同一にするものとなるから、商品の出所について混同を生じるおそれのある類似の商標というべきである。 (2)請求人は、「CHRONOSWISS」は需要者によく知られた時計の商標名であるので、一連に称呼されるべき旨主張する。 しかしながら、「CHRONOSWISS」の販売数量や市場シェア、売上高、広告宣伝の規模等について、客観的な証拠の提出がなく、一体のものとして認識されるのが一般的であると認めるに足りる事実が見いだせない。そして、「SWISS」の語は、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものというのが相当であることは、上記1(3)のとおりである。 (3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-013516

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