商標拒絶査定不服審判
2024-013166
イントーネンレー
- 審判番号
- 2024-013166
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-074106
- 請求日
- 2024年08月14日
- 審決日
- 2025年05月29日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アイリス株式会社
- 【請求人代理人】小笠原 匡隆
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 吉沢 恵美子
- 分類
- T18 .13 -Z (W0910354244)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-74106拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年7月4日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 1月 5日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月26日受付:意見書
令和6年 5月10日付け:拒絶査定
令和6年 8月14日 :審判請求書
令和7年 2月 3日付け:証拠調べ通知書
令和7年 3月27日受付:意見書
2 本願商標
本願商標は、「咽頭年齢」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第10類、第35類、第42類及び第44類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「咽頭年齢」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「咽頭」の文字は「上方は鼻腔に、前方は口腔に、下方は食道の上端に位置する漏斗状の部分。のど。」等の意味を有する語であり、その構成中の「年齢」の文字は「人が生まれてから現在までの経過期間を年または年月日によって数えたもの。とし。よわい。年歯。」等の意味を有する語として、それぞれ一般に知られているものである。
ところで、体の各部位の状態を年齢で表す際に、一般に「○○年齢」(○○は体の部位を表す語)の文字が用いられており、当該体の状態を表した年齢と実年齢との比較によって健康状態の判断材料としている実情が見受けられる。また、喉に関しても、その機能や状態を年齢で表したものを用いて、健康に関する助言等が行われている実情があり、さらに、当該年齢を算出する機器等が開発されている実情も見受けられる。
こうした実情を踏まえると、本願商標は、全体として「喉の状態や機能を年齢で表したもの」ほどの意味合いを容易に認識させる。
そうすると、本願商標を、その指定商品・役務中、例えば、第9類「測定機械器具」、第10類「医療用機械器具,診断用機械器具」、第42類「診断用装置の設計及び開発,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,医療用機械器具及びその部品に関する試験又は検査,機械器具に関する試験又は研究」、第44類「医療データの分析,患者の医療データの分析,医療情報の提供,栄養の指導,医療用機械器具の貸与」に使用しても、これに接する取引者、需要者に、単に「喉の状態や機能を年齢で表したものに関する商品・役務」であることを理解させるにすぎないから、本願商標は、商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標「咽頭年齢」が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2ないし別掲4に掲げる事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
5 上記通知に対する請求人の意見の要旨
(1)「咽頭」と「喉(のど)」とは、医学的に明確に異なる概念であり、「咽頭」の語から想定される意味合いが医療従事者と一般の人々とで異なる。
(2)「咽頭」は日常生活において意識することが少なく、一般的に馴染みの薄い語であるため、「咽頭」の文字を有する本願商標と「肌年齢」、「血管年齢」等の「○○年齢」(○○は体の部位を表す語)とは性質が異なる。
(3)「のど(喉)年齢」の使用例は多数存在する一方、「咽頭年齢」の文字が一般的に使用されている実態は確認できない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「咽頭年齢」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「咽頭」の文字部分は「上方は鼻腔に、前方は口腔に、下方は食道の上端に位置する漏斗状の部分。のど。」の意味を、「年齢」の文字部分は「人が生まれてから現在までの経過期間を年または年月日によって数えたもの。とし。よわい。」の意味を有する語(いずれも、「広辞苑第七版」岩波書店参照)である。
そして、別掲3のとおり、身体の部位を表す語と「年齢」の語を結合させて「○○年齢」(○○は、身体の部位を表す語。)と称し、当該部位の状態を評価したり、当該部位の状態を表す目安とする実情があり、また、別掲2のとおり、「咽頭」の語は、「のど」を意味する語として普通に使用されているところ、別掲4のとおり、のどについても、「のど(喉)年齢」と称し、のどの状態を評価したり、のどの状態に関する情報の提供等が行われている実情がある。
そうすると、本願商標は、その語義及び取引の実情を踏まえると、構成文字全体として、「のどの年齢(のどの状態や機能を年齢で表したもの)」の意味合いを認識させるものであり、その指定商品及び指定役務中、例えば「測定機械器具,診断用機械器具,診断用装置の設計及び開発,医療データの分析,医療情報の提供」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、のどの年齢(のどの状態や機能を年齢で表したもの)を測定・診断する商品や、のどの年齢(のどの状態や機能を年齢で表したもの)に関する役務であること、すなわち、商品の品質(内容)及び役務の質(内容)を表示するものと認識、理解するにとどまる。
したがって、本願商標は、商品の品質(内容)及び役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「咽頭」と「喉(のど)」とは、医学的に明確に異なる概念であり、「咽頭」の語から想定される意味合いが医療従事者と一般の人々とで異なるものである旨、「咽頭」は日常生活において意識することが少なく、一般的に馴染みの薄い語であるため、「咽頭」の文字を有する本願商標と「肌年齢」、「血管年齢」等の「○○年齢」とは性質が異なる旨、また、「咽頭年齢」の文字が一般的に使用されいてる実態は確認できない旨を主張する。
しかしながら、「咽頭」の捉え方に医学的には細かな差異があり得るとしても、上記(1)のとおり、「咽頭」の語は、一般的な辞書に「のど」の意味を有する旨記載がある他、一般向けに「のど」を意味するものとして説明されている。そして、上記(1)のとおり、身体の部位を表す語と「年齢」の語を結合させて「○○年齢」(○○は、身体の部位を表す語。)と称し、当該部位の状態を評価したり、当該部位の状態を表す目安とする実情があり、のどについても、「のど(喉)年齢」と称し、同様の実情があることからすれば、「咽頭年齢」の文字が一般的に使用されていないとしても、本願商標をその指定商品又は指定役務中「測定機械器具,診断用機械器具,診断用装置の設計及び開発,医療データの分析,医療情報の提供」等に使用するときは、その商品又は役務が、のどの年齢(のどの状態や機能を年齢で表したもの)を測定・診断する商品や、のどの年齢(喉の状態や機能を年齢で表したもの)に関する役務であることを表示したものであると理解するにとどまるというのが相当である。
なお、仮に請求人の主張するとおり、「咽頭」と「喉(のど)」とが、医学的には完全に同義でないとしても、上記実情を考慮すれば、本願商標からは、構成文字全体として「咽頭の年齢(咽頭の状態や機能を年齢で表したもの)」の意味合いを認識させるものであり、いずれにしろ、自他商品役務の識別標識としては認識し得ないものである。
したがって、請求人の主張は、採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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