商標拒絶査定不服審判
2024-013040
ラクラクセーサン、ガクガクセーサン
- 審判番号
- 2024-013040
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-116312
- 請求日
- 2024年08月09日
- 審決日
- 2025年05月08日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ラクス
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】田中 克郎
- 【請求人代理人】栗下 清治
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .16 -Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-116312拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年10月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 4月 1日付け:拒絶理由通知
令和6年 4月15日 :意見書の提出
令和6年 5月15日付け:拒絶査定
令和6年 8月 9日 :審判請求書及び手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「楽楽精算」の文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品については、上記1の手続補正書により、第9類「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「楽楽精算」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「楽楽」の文字は、「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」の意味を、「精算」の文字は、「金額などを細かに計算すること。また、計算して過不足などを処理すること。」の意味を有する語であるから、全体として、「たやすく精算ができる」程の意味合いを理解させるものである。
そして、本願商標に係る指定商品を取り扱う業界においては、経費、交通費等を精算するアプリケーションソフトウェアやシステム等が提供されているほか、そのようなアプリケーションソフトウェアやシステム等の特徴を表す語として、「楽楽精算」に通じる「楽々精算」、「らくらく精算」等の文字が使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、経費、交通費等をたやすく精算できる商品であること、すなわち、単に商品の特徴を端的に表した語又は宣伝文句の一種であると理解するにとどまり、これを超えて、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は「楽楽精算」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「楽楽」の文字は「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」を、「精算」の文字は「金額などを細かに計算すること。また、計算して過不足などを処理すること。」(いずれも出典:広辞苑第七版 株式会社岩波書店)をそれぞれ意味する平易な語であって、当該「楽楽精算」の文字はこれらの語を一連に表したものと容易に認識できるものであることから、本願商標の構成文字全体は「たやすい精算」の意味を容易に理解させるものである。
そして、別掲1のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界においては、手間が軽減され、作業等がたやすくなることを特徴とした商品について、本願商標構成中の「楽楽」と同義の「楽々」や「らくらく」の文字が説明に用いられて使用されている実情が認められる。
そうすると、「楽楽精算」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者又は需要者は、「たやすく精算ができる商品」ほどの、商品の特徴を端的に表した語又は宣伝文句の一種を表すものとして理解、認識するにとどまるというのが相当であって、自他商品の識別標識として認識し得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、取引者又は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、多義的な語が結合したものであることから特定の意味合いのみが一義的に想起されるものではなく、外観上もまとまりよく表されていることから、構成全体をもって一体不可分の一種の造語と認識されるものであり、原審において列挙された使用例は「楽々精算」又は「らくらく精算」であり、本願商標「楽楽精算」の使用例ではないことから、本願商標が特定の商品の特徴を表す語や宣伝文句として使用されている事実はない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「楽楽」及び「精算」の文字はいずれも平易な語であることから、本願商標は「たやすい精算」の意味を容易に理解させるものであり、指定商品を取り扱う分野において、「楽楽」に通じる「楽々」又は「らくらく」の語が、「楽楽」と同義の、たやすくなるという商品の特徴を説明する語として使用されていることからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者又は需要者は「たやすい精算に資する」商品という、商品の特性や優位性を表したものと理解、認識するにとどまるというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標と同一態様の商標について第42類において登録を有しており、本願によって保護を求める範囲は、上記登録により禁止権・専用権が認められた範囲と一致すること、また、請求人は「楽楽」を含む商標を多数登録していることから、本願商標の登録も認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
ウ 請求人は、本願商標が使用された結果、自他商品識別力を獲得しているとして、「楽楽精算」に係る商品の使用期間、売上高、市場占有率、需要者の認知度を証明するためのアンケート調査結果、広告宣伝の内容等について述べると共に甲第8号証ないし甲第32号証を提出している。
しかしながら、本願商標について、使用による識別力が認められるためには、まず、本願商標と使用に係る商標とが同一であることを要するところ、請求人が提出した、使用に係る商標についてみると、別掲2のとおり「楽楽精算」の語頭の「楽」の文字を白抜きとし、その背景として円形図形を表してなる構成態様からなるものが主として使用されていることから、本願商標の文字のみが使用され識別性を獲得したとは判断することができない。
また、提出された証拠には、「2009年7月 経費精算システム「楽楽精算」の販売を開始」(甲8、請求人のウェブサイト)、「クラウド事業サービス別売上高推移」の見出し中に「楽楽精算」(甲9、請求人の2022年3月期決算説明資料)、「楽楽精算 よりよく、寄り添う 経費精算クラウド」(甲13、甲14(請求人のテレビCM)、甲16、甲18の1(請求人の交通広告)等)、「楽楽精算 え!! まだ、日本で最も選ばれている クラウド型 経費精算システム 使ってないの!?」(甲20、甲22、甲23(展示会での請求人の展示ブースの看板))、「楽楽精算とは 累計導入社数No.1のクラウド型経費精算システムです。」(甲31(請求人のウェブサイト))等の記載が確認できる。
上記記載及び他の請求人から提出された証拠をみても、請求人が本願商標を使用していると主張するのは、いずれも、クラウド型の経費精算システムの顧客に対する提供(役務)であるといわざるを得ないから、請求人は本願商標を本願の指定商品に使用しているとは認められない。
したがって、請求人が提出した証拠をもって、本願商標がその指定商品に使用された結果、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとなったと判断することはできない。
エ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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