商標拒絶査定不服審判
2024-012841
アクアウッディ、アクア、ウッディ
- 審判番号
- 2024-012841
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-101282
- 請求日
- 2024年08月07日
- 審決日
- 2025年09月08日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社マンダム
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W03) / T18 .272-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-101282拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年9月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 2月27日付け:拒絶理由通知書
令和6年 5月 1日 :意見書の提出
令和6年 5月 7日付け:拒絶査定
令和6年 8月 7日 :審判請求書の提出
令和7年 4月 8日付け:審尋
令和7年 4月30日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「アクアウッディ」の文字と「aqua woody」の文字を上下二段に横書きした構成よりなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」を指定商品として、令和5年9月11日に登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原審において、「本願商標は、「アクアウッディ」及び「aqua woody」の文字を二段に表してなるものであるところ、本願商標の構成中の「アクア」及び「aqua」の文字は、「水」等の意味を有する語であり、「ウッディ」及び「woody」の文字は、「木質の、木の香りがする」等の意味を有する語であるから、本願商標は、全体として「水と木の香りがする」程の意味合いを容易に認識させるものである。そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「アクアウッディ」は、香りの種類を表す語として、普通に使用されている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品中「アクアウッディの香りの商品(例えば、香水)等」に使用した場合、これに接する需要者は、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示したものとして認識し、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質等の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質等の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋(要旨)
当審において、令和7年4月8日付け審尋により、別掲1ないし別掲4に掲げる事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対して、令和7年4月30日に回答書を提出し、要旨以下(1)ないし(3)のとおりの意見を述べた。
(1)本願商標は、各文字全て同じ書体、同じ大きさ、同じ色を用い、一体的にまとまりよく表されていることから、本願商標に接する取引者、需要者は、これを「アクア」や「ウッディ」と分けて呼称、認識することは考えられず、「アクアウッディ」または「aqua woody」という一体的な表示として呼称、認識するものである。
(2)本願の指定商品に関連する分野において、「アクアウッディ」及び「aqua woody」の一連の表記は、拒絶理由通知で示されたわずか4例のみであるから、本願商標に接する取引者、需要者が、直ちに「アクアウッディの香りのする商品」であると認識する状況とは断定できない。
(3)「アクア」と「ウッディ」が別掲1に記載されている香りのタイプ名であったとしても、それぞれの表現は、本願の指定商品に関連する分野で、「香りを意味しない表現」としても使用されており、また、当該香りのタイプ名を組み合わせた登録商標が散見される。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「アクアウッディ」の文字と「aqua woody」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるところ、その構成中「アクアウッディ」の文字は、「aqua woody」の欧文字の読みを片仮名表記したものと容易に理解できるものである。
そして、別掲1のインターネット情報が示すとおり、構成中の「アクア」の文字は「水を想わせるフレッシュで、透明感のある、みずみずしい香り。」、「ウッディ」の文字は「様々な樹木の香りが織りなす、落ち着いた温かみのある香り。」として、それぞれ香りのタイプ名を表す語である。
また、別掲2及び別掲3のインターネット情報によれば、本願の指定商品に関連する分野において、商品の香りを表現するものとして、「アクア(aqua)」及び「ウッディ(woody)」の語が広く使用されていることに加え、原審で提示したとおり、それらの語を結合した「アクアウッディ」の語についても同様に使用されている実情が認められる。
さらに、別掲4のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、商品の香りを表現する場合に、例えば「フローラルアクア」「スパイシーアクア」「アクアフローラル」「スパイシーシトラス」「シトラスグリーン」などのように、上記香りのタイプ名を組み合わせて用いることが一般に行われていることがうかがえる。
してみれば、本願商標は全体として「アクアウッディの香り」程の意味合いを容易に認識させ、これをその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、「アクアウッディの香りのする商品」であること、すなわち、商品の品質(香り)を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきである。
そうすると、本願商標は、その商品の品質(香り)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標をその指定商品中の「アクアウッディの香りのする商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、上記5(1)のとおり、本願商標は、各文字全て同じ書体、同じ大きさ、同じ色を用い、一体的にまとまりよく表されていることから、本願商標に接する取引者、需要者は、これを「アクア」や「ウッディ」と分けて呼称、認識することは考えられない旨、また、上記5(2)のとおり、「アクアウッディ」及び「aqua woody」の一連の表記は、原審での拒絶理由通知で示されたわずか4例のみであるから、直ちに「アクアウッディの香りのする商品」であると認識する状況とは断定できない旨主張している。
しかしながら、本願商標の構成中の下段の「aqua」の文字と「woody」の文字との間には1文字分のスペースがあることから、視覚的にも本願商標が2つの英単語で構成される結合商標であると認識するというのが自然であり、また、別掲1に示すとおり、「アクア(aqua)」及び「ウッディ(woody)」の文字が、それぞれ香りのタイプ名を表す語として掲載され、別掲2及び別掲3に示すとおり、本願の指定商品に関連する分野において、商品の香りを表現する場合に、「アクア(aqua)」及び「ウッディ(woody)」の語がそれぞれ広く使用されていること、別掲4に示すとおり、商品の香りを表現する場合に、別掲1の香りのタイプ名を組み合わせることが一般に行われていること、原審で示したとおり、「アクア」と「ウッディ」を結合した「アクアウッディ」の語の使用も少なからず見受けられること等を総合的に勘案すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、それが香りを表す「アクア(aqua)」の語と「ウッディ(woody)」の語とを結合してなると容易に理解、看取し、その商品が「アクアウッディの香りのする商品」であるという、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものである。
イ 請求人は、上記5(3)のとおり、「アクア」及び「ウッディ」の表現は、本願の指定商品に関連する分野で、「香りを意味しない表現」としても使用されており、また、当該香りのタイプ名を組み合わせた登録商標が散見されているなど、過去の審決例を挙げて、本願商標もそれらと同様に登録が認められるべきである旨主張している。
しかしながら、上記「アクア」及び「ウッディ」の語が「香りを意味しない表現」としても使用されている旨の主張は、個別具体的な使用事実の一例を挙げるにとどまるものであって、本願商標の識別力についての判断に当たり考慮すべき一般的な取引の実情とはいえない。
また、上記アで述べた実情を勘案すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「アクア(aqua)」の語と「ウッディ(woody)」の語が、香りのタイプ名以外の意味を認識するともいえないものである。
さらに、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や、その商品の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、加えて、過去の審決例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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