商標拒絶査定不服審判
2024-012816
アオキホルモン
- 審判番号
- 2024-012816
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-061031
- 請求日
- 2024年08月06日
- 審決日
- 2025年12月01日
- 公報発行日
- 2026年02月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】青木ホルモン株式会社
- 【請求人代理人】峰 雅紀
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 吉田 聡一
- 分類
- T18 .16 -Z (W293035) / T18 .272-Z (W293035)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-61031拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年11月16日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月 6日 :意見書の提出
令和6年 5月 2日付け:拒絶査定
令和6年 8月 6日 :審判請求書の提出
令和7年 8月15日付け:審尋
令和7年 9月29日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「青木ホルモン」の文字を標準文字で表してなり、第29類「食肉,肉製品,カレー・シチュー又はスープのもと」、第30類「ハンバーガー,ミートパイ,ホットドッグ,サンドイッチ,ピザ,中華まんじゅう,パン,菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),調味料,焼肉のたれ,香辛料,弁当,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,ラビオリ」及び第35類「食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「青木ホルモン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「青木」の文字は、我が国においてありふれた氏の一つと認められるものであり、また、「ホルモン」の文字は、「食用にする牛や豚などの内臓。」の意味を有するものである。そうすると、本願商標は、これをその指定商品又は指定役務に使用したときは、これに接する需要者に、「ありふれた氏の一つである青木氏が製造又は販売するホルモンに関する商品」又は「ありふれた氏の一つである青木氏によるホルモンに関する商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であることを理解させるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、「ホルモンに関する商品」以外の商品又は「ホルモンに関する商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」以外の役務に使用したときは、商品の品質又は役務の質を誤認させるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和7年8月15日付け審尋により、別掲1ないし別掲4に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係において、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見(要旨)
(1)商標法第3条第1項第6号について
本願商標のように氏を一部として含む商標は、典型的な出所表示として長年使われている態様である。審尋で例示されている事例は、むしろ氏と「ホルモン」の結合した商標が「一定の出所から流出したものであることを一般的に認識させることができ」ていることを裏付けるものであり、本願商標の本号該当性を否定する事例であると考えられる。
(2)商標法第4条第1項第16号について
ホルモンを販売する小売店又は卸売店は、ホルモンの専売を行うよりは食肉を広く取り扱うことが一般的であることに鑑みると、取引者及び需要者が本願商標が付された食肉等に接した場合には「青木ホルモンなる出所表示が付された食肉等である」と正しく理解されるものと思料する。本願商標がホルモン以外の食肉等に付されたとしても、取引者及び需要者をして「本商品はホルモンである」と商品の品質を誤認させるおそれはない。
6 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「青木ホルモン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「青木」の文字は、別掲1のとおり、我が国においてありふれた氏の一つである「青木」を表したものと認められるものである。
また、構成中の「ホルモン」の文字は、飲食物に関係する本願指定商品及び指定役務との関係においては、「食用にする牛や豚などの内臓。」(「デジタル大辞泉」小学館)の意味を有する語であって、ホルモン料理を提供する飲食店の名称(別掲2)や、ホルモンに関する商品の小売又は卸売店(製造又は販売者)の名称(別掲3、別掲4)にも広く採択されているものである。
そして、一般に、ホルモン料理を提供する飲食店等が、ホルモンに関する商品の小売又は卸売(製造又は販売)も行っている実情があるところ(別掲4)、ホルモン料理を提供する飲食店の名称として、「○○ホルモン」の文字(○○には氏が入る。)が採択されており(別掲2)、また、ホルモンに関する商品の小売又は卸売店(製造又は販売者)の名称としても、「○○ホルモン」の文字(○○には氏が入る。)が採択されている事情が見受けられる(別掲3)。
上記のような取引の実情等を踏まえると、「氏」と「ホルモン」の文字を結合したありふれた氏である「青木」の文字と、食べ物の名称であって小売又は卸売店(製造又は販売者)等の名称にも広く用いられる「ホルモン」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品又は指定役務に使用したときは、これに接する需要者等に、「ありふれた氏の一つである青木氏が製造又は販売するホルモンに関する商品」又は「ありふれた氏の一つである青木氏によるホルモンに関する商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であることほどを理解させるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、また、「ホルモン」の文字は、飲食物に関係する本願指定商品及び指定役務との関係においては、食べ物の名称である「ホルモン」を認識させるものであるから、「ホルモンに関する商品」以外の商品又は「ホルモンに関する商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」以外の役務に使用したときは、商品の品質又は役務の質を誤認させるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、商標法第3条第1項第6号該当性について、「本願商標のように氏を一部として含む商標は、典型的な出所表示として長年使われている態様である。審尋で例示されている事例は、むしろ氏と「ホルモン」の結合した商標が「一定の出所から流出したものであることを一般的に認識させることができ」ていることを裏付けるものであり、本願商標の本号該当性を否定する事例であると考えられる」旨主張する。
しかしながら、審尋において提示した事例は、ありふれた氏と「ホルモン」の文字を組み合わせた店名等が、一般に採択されることを示したものであり、上記(1)のとおり、これを踏まえると、ありふれた氏と、食べ物の名称であって小売又は卸売店(製造又は販売者)等の名称にも広く用いられる「ホルモン」の文字を組合せたにすぎない本願商標は、使用による識別力の獲得が認められる等の特段の事情がない限り、自他商品役務の識別標識として機能する部分が見いだせないものというべきである。
イ また、請求人は、商標法第4条第1項第16号該当性について、「ホルモンを販売する小売店又は卸売店は、ホルモンの専売を行うよりは食肉を広く取り扱うことが一般的であることに鑑みると、取引者及び需要者が本願商標が付された食肉等に接した場合には「青木ホルモンなる出所表示が付された食肉等である」と正しく理解されるものと思料する。本願商標がホルモン以外の食肉等に付されたとしても、取引者及び需要者をして「本商品はホルモンである」と商品の品質を誤認させるおそれはない。」旨主張する。
しかしながら、別掲2及び別掲3にみられるように、「ホルモン」を店名等に有する小売店等において、主としてホルモンに関する商品を販売又は小売等を行っている実情があることも踏まえると、本願商標を「ホルモンに関する商品」以外の商品又は「ホルモンに関する商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」以外の役務に使用したときは、商品の品質又は役務の質を誤認させるおそれがあるというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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