商標拒絶査定不服審判
2024-012601
- 審判番号
- 2024-012601
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-054950
- 請求日
- 2024年08月02日
- 審決日
- 2025年08月25日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】禅那堂株式会社
- 【請求人代理人】岩崎 吉男
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 石塚 文子
- 分類
- T18 .16 -Z (W20)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 54950拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年5月20日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年1月25日付け:拒絶理由通知書
令和6年2月23日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年5月28日付け:拒絶査定
令和6年8月2日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、願書の商標登録を受けようとする商標に記載のとおりの構成からなり、第20類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、立体商標として登録出願されたものであり、その後、上記1の手続補正により、商標登録を受けようとする商標については、別掲1のとおりに、また指定商品については、第20類「神棚,御神札飾り,御札立て,御朱印帳立て」にそれぞれ補正されたものである
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、その構成中、木目の付いた部分全体からなる要素については、鳥居の一種である明神鳥居の形状を表したものであると理解されるところ、この形状は、補正後の本願の指定商品との関係において、商品又はその部品の形状として類型的に用いられるものである。また、当該構成はさらに、明神鳥居において額束と呼ばれる部分に相当する箇所に付された透明な半球体を表したと見られる立体的形状の要素を含んではいるが、これは、極めて簡単、かつ、ありふれた形状であり、自他商品識別標識として機能するものではない。そして、当該構成は、上述の2個の要素以外に、自他商品識別標識として機能する文字や図形を含むものでもない。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、その需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、半球状の装飾が上部に付された、木目柄の鳥居型の立体的形状からなるものである。
そして、本願の指定商品に関する分野において、原審において示した別掲2(1)から(5)のウェブサイトの記載によれば、鳥居型の立体的形状を一部に使用した商品が取引されている実情が認められる。
また、このような商品の中には、別掲2(1)のように、鳥居型の立体的形状部分に装飾が施されたものも存在する。
そうすると、本願商標がその指定商品に使用された場合には、これに接する需要者は、商品の立体的形状の一部分を表したものと認識するとみるのが相当である。
このように認識されることは、別掲2(6)から(8)のウェブサイトにおいて、装飾が施された鳥居型の立体的形状を一部に使用した商品が販売されていることからも裏付けられるものである。
また、商品の立体的形状は、多くの場合、商品に期待される機能をより効果的に発揮させたり、商品の美感をより優れたものとしたりするなどの目的で選択されるものであるから、特段の事情がない限り、商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として用いられるものではないといえる。このことは、商品の立体的形状の一部分であっても同様である。
そして、本願商標に係る立体的形状が、商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として認識されるといった特段の事情は見いだせない。
そうすると、本願商標に係る立体的形状は、これに接する需要者において、装飾が施された鳥居型の立体的形状を認識させ、使用された商品の立体的形状の一部分を表したものと認識させるにとどまるものというべきである。
してみれば、本願商標に係る立体的形状をもって商品の出所を表示する標識と認識させ得るものとはいえないから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、額束の部分に半透明な半球体が設けられた鳥居の立体的形状であり、これは「指定商品の用途・機能から予測し難いような特異な形態や特別な印象を与える装飾的形状等」に該当するから、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない旨主張する。
しかしながら、別掲2(1)、(6)から(8)のように、指定商品を取り扱う業界において、装飾が施された鳥居型の立体的形状を一部に使用した商品が取引されていることからすれば、本願商標に係る立体的形状が請求人が主張するような「指定商品の用途・機能から予測し難いような特異な形態や特別な印象を与える装飾的形状等」に該当するとはいえない。
イ 請求人は、本願商標が、商標法第3条第1項第6号の審査基準に掲載されている標章のどれにも該当しない旨や、本願の指定商品を取り扱う業界において、本願商標が取引上普通に使用されている事実は見当たらない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第6号にいう「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」としては、構成自体が商標としての体をなしていないなど、そもそも自他商品識別力を持ち得ないもののほか、同項第1号から第5号までには該当しないが、一応、その構成自体から自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないと推定されるもの、及び、その構成自体から自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものと推定はされないが、取引の実情を考慮すると、自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものがあるということができる(知財高裁平成18年3月9日判決(平成17年(行ケ)第10651号))ことからすると、商標法第3条第1項第6号に関する商標審査基準には、同項同号に該当する標章の例示が挙げられているにすぎないというべきである。
また、商標法第3条第1項第6号は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標につき、商標登録を受けることができないとしたものであり、同号の適用において当該商標が現実に使用されていることを要求するものではない(知財高裁令和6年7月8日判決(令和6年(行ケ)第10010号))。
そうすると、たとえ、商標審査基準に例示がなく、また、本願商標それ自体が取引上普通に使用されていないとしても、本願商標においては、上記(1)のとおり判断するのが相当である。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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