商標拒絶査定不服審判
2024-012459
アレオラアートメイク、アレオラアートメーク、アレオラ、アートメーク
- 審判番号
- 2024-012459
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-093242
- 請求日
- 2024年07月31日
- 審決日
- 2025年04月24日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】築地 育美
- 【請求人代理人】弁理士法人Toreru
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .13 -Z (W4144) / T18 .272-Z (W4144)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 93242拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年8月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年2月7日付け :拒絶理由通知書
令和6年3月14日 :意見書の提出
令和6年5月23日付け :拒絶査定
令和6年7月31日 :審判請求書の提出
令和6年12月24日付け:証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、「アレオラアートメイク」の文字を標準文字で表してなり、第41類「教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),書籍の制作,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),オンラインによる音楽の提供(ダウンロードできないものに限る。),映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」及び第44類「美容に関する相談・助言・指導,アートメイクによる美容,入れ墨,理容,美容,栄養の指導,医療用機械器具の貸与,きゅう,カイロプラクティック,緩和ケア,はり治療,医療情報の提供,柔道整復,整体,あん摩・マッサージ及び指圧,美容に関する情報の提供,美容を目的とした肌のレーザー治療」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「アレオラアートメイク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「アレオラ」の文字は、「乳輪」の意味を有する英単語「areola」の表音を片仮名で表したものと理解でき、「アートメイク」の文字は、「皮膚に針で色素を注入し、眉やアイライン、唇などを描く美顔術。」の意味を有する語である。そして、本願指定役務を取り扱う業界において、「○○アートメイク」のように、アートメイクを行う箇所の名称と「アートメイク」の文字とが結合された態様で使用されている実情があり、また、乳輪や乳頭へアートメイクが施術され、当該箇所について「アレオラ」と称していること、及びこれらのアートメイクの施術法を教えるスクールや講座も提供されている実情がある。そうすると、本願商標は、その構成全体として「乳輪へのアートメイク」ほどの意味合いを、これを見る者に理解、認識させるものといえるため、本願商標を、その指定役務中、例えば第41類「教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,書籍の制作,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」、第44類「美容に関する相談・助言・指導,アートメイクによる美容,入れ墨,理容,美容,医療用機械器具の貸与,緩和ケア,医療情報の提供,美容に関する情報の提供,美容を目的とした肌のレーザー治療」の指定役務について使用した場合、これに接する需要者は、単に「乳輪へのアートメイクに関する役務」のように、役務の特徴や質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記指定役務以外の役務に本願商標を使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1ないし別掲3の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記1のとおり、証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
請求人は、当該証拠調べ通知に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答書(意見書)を提出していない。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「アレオラアートメイク」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「アレオラ」は「乳輪」を意味する「areola」(「新英和中辞典 第7版」研究社)の片仮名表記というのが相当であり、「アートメイク」は「眉や目元の真皮組織に好みの色を注入する美容技術。一度定着させると数年間もち、洗っても落ちない。パーマネントメイキング。」(「デジタル大辞泉」小学館)を意味する語として広く一般に親しまれた語である。
また、別掲1によれば、本願の指定役務の分野において、「アレオラアートメイク」の語、あるいは「アートメイク」を施す部位として「アレオラ」「AREOLA」の語が使用され、「areola」が「アレオラ」と称されている実情がある。
さらに、別掲2によれば、本願の指定役務の分野において、乳輪や乳頭のアートメイクが行われている実情が認められ、別掲3によれば、眉毛、アイライン、唇などのアートメイクを施す部位と「アートメイク」の語を結合させて「○○アートメイク」と称して施術されている実情がある。
そうすると、本願商標の各構成文字の語義、及び指定役務の分野における取引の実情に照らせば、本願商標は、全体として「乳輪のアートメイク」の意味合いを容易に認識させるものというのが相当であるから、本願商標をその指定役務中、第41類「教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,書籍の制作,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」及び第44類「美容に関する相談・助言・指導,アートメイクによる美容,入れ墨,理容,美容,医療用機械器具の貸与,緩和ケア,医療情報の提供,美容に関する情報の提供,美容を目的とした肌のレーザー治療」について使用した場合、これに接する需要者は、単に「乳輪のアートメイクに関する役務」のように、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識する。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を上記指定役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、その全体として特定の観念を想起させない一種の造語として理解、認識されるものであり、また、「areola」が「乳輪」等の意味を有することは英和辞典に掲載されているが、非常に難易度が高く、その発音は「アリアラ」であって、「アレオラ」ではなく、「アレオラ」が「乳輪」を表す語として使用されている例もわずかであるから、本願商標に接した需要者が、わざわざ「アレオラ」を切り離し、本来「アリアラ」と発音する英単語である「areola」という表記に変換し、さらに「areola」を「乳輪」と翻訳した上で、「乳輪へのアートメイクに関する役務」であると理解することは極めて不自然である旨主張する。
しかしながら、本願商標の各構成文字の語義及び別掲1ないし別掲3の取引の実情に照らせば、本願商標は、上記(1)のとおり、これに接する取引者、需要者に、「乳輪のアートメイク」の意味合いを容易に認識させるものであるから、本願の指定役務の質を表示したものと一般に認識されるものというのが相当である。
イ 請求人は、「乳輪へのアートメイク」を表す場合、「乳輪乳頭部アートメイク」「ニップルアートメイク」等という表現が一般的に使用されている実情がある旨主張する。
しかしながら、別掲1のとおり、本願の指定役務の分野において、「アレオラアートメイク」の語、あるいは「アートメイク」を施す部位として「アレオラ」「AREOLA」の語が一般に使用されている実情があるといえる。そして、このことは、たとえ「乳輪乳頭部アートメイク」「ニップルアートメイク」等という表現が使用されているとしても否定されるものではなく、「アレオラアートメイク」が自他役務の識別力を有しないことは、上記(1)のとおりである。
ウ 請求人は、商標「ブレストアートメイク」が44類の「美容、医業」を指定役務として登録が認められている(登録第6778143号)ことに比しても、本願商標は識別力が認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字が異なるものであり、取引の実情も異なる点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
加えて、本件における別掲1ないし別掲3の取引の実情を考慮すれば、本願商標からは、「乳輪のアートメイク」の意味合いが理解、認識されるというべきである。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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