特許拒絶査定不服審判
2024-012050
起立性調節障害者用のリハビリテーション用の漕ぎ運動機器の作動方法
- 審判番号
- 2024-012050
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-143653外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年07月23日
- 審決日
- 2026年04月28日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】学校法人関西医科大学
- 【請求人代理人】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
- 分類
- P18 .14 -WZ (A61H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-143653「起立性調節障害者用のリハビリテーション用の漕ぎ運動機器の作動方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年12月23日出願公開、特開2021-192810〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和 2年11月24日(優先権主張 令和 元年11月22日)を出願日とする特願2020-194269号の一部を令和 3年 9月 3日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和 5年10月 5日付け:拒絶理由通知書
令和 5年12月 7日提出:手続補正書、意見書
令和 6年 1月26日付け:最後の拒絶理由通知書
令和 6年 3月11日提出:意見書
令和 6年 4月17日付け:拒絶査定
令和 6年 7月23日提出:審判請求書
令和 7年 5月22日付け:拒絶理由通知書
令和 7年 7月25日提出:意見書
令和 7年 8月26日付け:拒絶理由通知書
令和 7年10月31日提出:手続補正書、意見書
第2 本願発明
本願の請求項1~2に係る発明は、令和 7年10月31日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~2に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
ペダルを備えた起立性調節障害者用のリハビリテーション用の漕ぎ運動機器の作動方法であって、
指導者の非存在下で使用者が母指球部を前記ペダルに乗せるステップと、
指導者の非存在下で前記使用者が母指球部で前記ペダルを漕ぐステップと、を有している起立性調節障害者用のリハビリテーション用の漕ぎ運動機器の作動方法。」
第3 当審において通知した拒絶理由の概要
当審において令和 7年 8月26日付けで通知した拒絶理由は以下の理由を含むものである。
(産業上の利用可能性)この出願の請求項1に係る発明は、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
請求項1には、「起立性調節障害者用のリハビリテーション用の漕ぎ運動機器の作動方法」が記載されている。しかしながら、漕ぎ運動機器を用いて、一連のステップを経て行う運動の方法は、起立性調節障害のリハビリテーションの方法であり、起立性調節障害である人間を治療する方法であって、医療機器自体に備わる機能を方法として表現したものではないから、「医療機器の作動方法」には該当しない。そして、請求項1の「使用者が母指球部を前記ペダルに乗せる」こと、及び「使用者が母指球部で前記ペダルを漕ぐ」ことは、起立性調節障害者が、医師等から何らかの指示を受けて行うことが明らかであることから、起立性調節障害である人間を治療する方法であって、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項柱書でいう産業上利用することができる発明に該当しない。
第4 当審の判断
本願発明である「起立性調節障害者用のリハビリテーション用の漕ぎ運動機器の作動方法」は、「指導者の非存在下で使用者が母指球部を前記ペダルに乗せるステップと、指導者の非存在下で前記使用者が母指球部で前記ペダルを漕ぐステップ」(以下「2つのステップ」という。)を含むものである。そして、発明の詳細な説明(段落【0043】)に「リハビリテーション用の運動機器1を使用することで起立性調節障害の症状を改善することができる」と記載されていることから、実質的に、起立性調節障害者が漕ぎ運動機器を使用して行うリハビリテーションを行うステップを含んでいる。
また、通常起立性調節障害の診断は医師が行うことを考慮すれば、上記2つのステップは、医師等からの指示を受けて行うことが明らかであり、上記2つのステップにおける「指導者の非存在下」との特定は、「運動時に指導者がいなくても適切な運動を行うことができる」(段落【0043】)ことを意味しているにすぎない。
そして、本願発明は、「漕ぎ運動機器の作動方法」であるが、上記2つのステップを含んでおり、該2つのステップは、発明の詳細な説明の「図1、図2で示す本発明の実施の形態に係るリハビリテーション用の運動機器は、エルゴメーター様の機器であり、矢印Bの方向に足を動かして自転車を漕ぐような運動を行うものである」(段落【0018】)との記載や、図2の記載を参酌すると、使用者が自らの足の力によって機器を動作させるものであるから、該漕ぎ運動機器自体に備わる機能的又はシステム的な作動を方法として表現したものでない。
以上のとおり、本願発明は、リハビリテーションを行うステップを含んでいるから、人間を治療する方法を含む発明であって、特許法第29条第1項柱書でいう産業上利用できる発明に該当しない。
第5 むすび
以上のとおりであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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