商標拒絶査定不服審判
2024-011987
リミテッドバージョン
- 審判番号
- 2024-011987
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-020200
- 請求日
- 2024年07月22日
- 審決日
- 2024年12月05日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .16 -Z (W0305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 20200拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年2月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 9月13日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 4月16日付け:拒絶査定
令和6年 7月22日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「Limited Version」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第5類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、原審及び当審における上記1の手続補正書により、最終的に別掲1のとおり補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「Limited Version」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Limited」の文字は、「(数量などが)限られた」の意味を有し、「Version」の文字は、「版」の意味を有するものである。
そして、「リミテッドバージョン」の文字やこれの欧文字表記の「Limited Version」「LIMITED VERSION」の文字が、様々な商品の販売の際に、「(数量などが)限定された商品」であることを端的に表示するための語として使用されている実情が見受けられることからすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「(数量などが)限定された商品」であることを端的に表すための一種の宣伝文句を表示したものと認識するにとどまるものといえ、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといえる。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるというのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「Limited Version」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「Limited」の文字は「限られた」などを、「Version」の文字は「バージョン、版」などを、それぞれ意味する語であって(出典:「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)、これらは我が国においても広く使用、理解されている平易な英語である。
また、インターネット上の英語辞典において、「limited version」が「限定モデル」を意味する語であると説明されている事例(「英辞郎 on the WEB」のウェブサイト:https://eow.alc.co.jp/search?q=limited+version)もあることからすると、本願商標全体としては「限られたバージョン(版)、限定モデル」ほどの意味合いを容易に理解させるものといえる。
そして、原審提示の情報や、別掲2の情報にあるように、本願の指定商品を取り扱う分野において、その商品が「(販売数・提供数などが)限られたものであること」を表現するための語句として、「Limited Version(LIMITED VERSION)」の文字や、その読みを片仮名で表したと考えられる「リミテッドバージョン」の文字がしばしば使用され、また、そのほかにも、意味内容としてこれらに通じる「限定バージョン」「限定版」の文字が、同様の表現をするための語句として、広く使用されている実情が認められる。
そうすれば、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する需要者は、それが「(販売数・提供数などが)限られた商品」であるという、商品の特性や優位性、特徴などを簡潔に表現するための、商品の宣伝広告用の語句であると理解し、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、「限定版」の意味の標章を敢えて商標として採択することに特異性があるのであって、これよりは必ずしも日本語でいう「限定版」といった意味の宣伝文句として表示したものと看取されず、一般需要者が直ちにその意味を理解するともいえない旨主張する。
また、請求人は、上記2の補正後の本願の指定商品を取り扱う分野における、「Limited Version」の文字の使用例は少数であり、かつ、それらの事例にしても、他の語や記述を伴って使用されることによって初めて具体的な内容を理解できるものとなるのであるから、他の語や記述を伴わない本願商標に接する一般需要者が、それを何かの宣伝文句であると理解するとはいえない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「Limited」及び「Version」の文字は、我が国においても広く使用、理解されている平易な英語であって、また、「Limited Version(LIMITED VERSION)」の文字や、その読みを片仮名で表したと考えられる「リミテッドバージョン」の文字、及び、意味内容としてこれらに通じる「限定バージョン」「限定版」の文字が、上記2の補正後の本願の指定商品を取り扱う分野においても、広く一般的に使用されている実情があることからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、それに接する需要者は、それより「限られたバージョン(版)、限定モデル」ほどの意味合いを容易に認識し、それが「(販売数・提供数などが)限られた商品」であることを表現するための、宣伝広告用の語句であると理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものであるというのが相当である。
イ 請求人は、構成中に「Limited(リミテッド)」の文字や「Version(バージョン)」の文字を含む商標などに関する、過去の登録例や審決例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様又は指定商品が本願商標とは異なる点等において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例や審決例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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