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商標拒絶査定不服審判

2024-011923

ジェイプレス、プレス

審判番号
2024-011923
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-058150
請求日
2024年07月19日
審決日
2025年04月18日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】富士フイルム株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人栄光事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大島 勉
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 浦崎 直之
分類
T18 .261-Z (W020737) / T18 .262-Z (W020737) / T18 .263-Z (W020737)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

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商願2023-58150拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和5年5月29日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和 5年12月15日付け:拒絶理由通知書 令和 6年 1月29日 :意見書の提出 令和 6年 4月 9日 :上申書、手続補正書の提出 令和 6年 4月19日付け:拒絶査定 令和 6年 7月19日 :審判請求書の提出 令和 7年 1月27日付け:審尋 令和 7年 3月 5日 :意見書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第2類、第7類、第9類、第37類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、第2類、第7類及び第37類に属する別掲2に記載のとおりの指定商品及び指定役務に補正されたものである。 第3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4747961号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成15年5月20日に登録出願、第16類及び第18類に属する別掲4に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年2月20日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、「J Press」の欧文字を黒色で横書きし、その下に、左端上部が突起部を有する青色の横線を配してなるところ、構成全体として、「J Press」の文字部分を、その下に配置した横線により強調したような構成態様で表してなるものである。 そして、本願商標の構成中、「J Press」の文字部分は、一般的な辞書等に載録されている外来語ではなく、本願商標の指定商品及び指定役務との関係においても何らかの語を表してなるとは直ちに理解できないから、「ジェイプレス」と発音できる造語を表してなるといえる。 また、本願商標の構成中、横線部分は、それ自体としては特段の特徴のないデザインであって、その構成配置においては、単に文字部分を強調するための装飾的な構成要素と看取できるから、独立した称呼、観念は生じない。 そうすると、本願商標は、その構成中、「J Press」の文字部分が、取引者、需要者に対し、出所識別標識たる構成要素として、強く支配的な印象を与える要部といえるから、当該文字部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断できる。 したがって、本願商標は、要部である「J Press」の文字部分に相応して、「ジェイプレス」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲3のとおり、やや横長の二重になった楕円図形内の中央に「J.PRESS」の欧文字を白抜きの影を付した立体的なデザインの書体で大きく顕著に表し、その文字の上には動物とおぼしき図形と、下にははさみの図形とともにリボン状の装飾を配し、外側と内側の楕円形の間に「*SAN FRANCISCO*NEW HAVEN*CAMBRIDGE*」及び「NEW YORK」の欧文字を円弧状に表し、当該楕円形の下方左側に「SINCE」の欧文字と、同下方右側に「1902」の数字を表してなるものである。 引用商標の構成において、目につきやすい楕円図形部分の中央部に「J.PRESS」の欧文字が白抜きの影を付した立体的なデザインの書体で大きく顕著に表されているのに対し、その他の文字や装飾等は、「J.PRESS」の文字と間隔を空けて取り囲むように小さく表されていることからすると、外観上、「J.PRESS」の文字は、他の部分に比して、見る者の注意をより引くものであるといえる。 そして、「J.PRESS」の文字部分は、通常発音されない「終止符(ピリオド)」を示す記号である「.」を、語間に配してなるところ、一般的な辞書等に載録されている外来語ではなく、引用商標の指定商品との関係においても何らかの語を表してなるとは直ちに理解できないから、「ジェイプレス」と発音できる造語を表してなるといえる。 他方、引用商標の構成中、「SAN FRANCISCO」、「NEW HAVEN」、「CAMBRIDGE」及び「NEW YORK」の文字は地名を、「SINCE」及び「1902」の文字は創業年を表したものと認識されるから、これらの文字自体は、引用商標の指定商品との関係において、自他商品の識別標識として機能しないものといえ、独立した出所識別標識としての称呼及び観念が生じるものではない。 また、引用商標の構成中、図形を有する上下のリボン状の装飾部分は、その構成配置において、それ自体としては顕著な特徴があるとまではいえないデザインであって、単に中央の「J.PRESS」の欧文字部分を強調するための装飾的な構成要素と看取できるから、独立した称呼、観念は生じない。 そうすると、引用商標は、その構成中、「J.PRESS」の文字部分が、取引者、需要者に対し、出所識別標識たる構成要素として、強く支配的な印象を与える要部といえるから、当該文字部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断できる。 したがって、引用商標は、要部である「J.PRESS」の文字部分に相応して、「ジェイプレス」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標の要部と引用商標の要部を比較すると、外観においては、「J」及び「Press(PRESS)」の文字を共通にするものであり、ピリオドの有無、小文字と大文字及び書体に差異があるとしても、相紛らわしい。 また、称呼においては、いずれも「ジェイプレス」の称呼を共通にし、相紛らわしい。 さらに、観念においては、いずれも特定の観念が生じないから、比較できない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標の要部は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛らわしいから、それらによって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標である。 (4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について 本願商標の指定商品及び指定役務中、第2類「印刷機用トナーカートリッジ」及び第7類「印刷用機械器具,印刷用又は製本用の機械器具」は、引用商標の指定商品中、第16類「印刷用インテル,活字」と類似する商品である。 (5)小括 以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務も引用商標の指定商品と類似の商品を含むから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、各商標の持つ構成上の一体性に照らすと、本願商標の「J Press」及び引用商標の「J.PRESS」の部分のみを抽出して要部観察を行う判断手法は本件において適切とはいい難く、類否判断の原則に沿って全体観察により類否判断を行うべきであり、全体観察においては両商標の外観上の相違は甚だしく、その相違は要部観察の場合における称呼の部分的な一致を凌駕するものと解すべきであること、また、全体観察において両商標は異なる観念を有するもので、この点を加味すると、観念上においても本願商標と引用商標は明らかな相違があるというべきであることから、本願商標と引用商標は、外観及び観念上の明白なる相違に照らし、互いに非類似の商標と解するのが適当である旨を主張する。 しかしながら、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。 そして、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁参照)。 してみれば、上記1(1)及び(2)のとおり、本願商標の「J Press」及び引用商標の「J.PRESS」の文字部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許される。 そうすると、上記1(3)のとおり、本願商標の要部と引用商標の要部は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛らわしいから、それらによって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 (2)請求人は、過去の審決例を挙げ、これらは、本件について参酌されるべきである旨主張する。 しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記1(3)においてした判断のとおりであるから、それらの審決例をもってその判断が左右されることはない。 (3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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