商標拒絶査定不服審判
2024-011704
ツルツルハナ
- 審判番号
- 2024-011704
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-047955
- 請求日
- 2024年07月16日
- 審決日
- 2025年03月10日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 吉沢 恵美子
- 分類
- T18 .013-Z (W0321)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-47955拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年5月1日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月20日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月 1日受付:意見書、手続補正書
令和6年 4月12日付け:拒絶査定
令和6年 7月16日 :審判請求書
令和6年11月19日付け:証拠調べ通知書
令和7年 1月22日受付:意見書
2 本願商標
本願商標は、「ツルツルハナ」の片仮名を標準文字で表してなり、第3類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、別掲1のとおりの商品に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「ツルツルハナ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ツルツル」の文字は、「物の表面がなめらかで、つやのあるさま。」等の意味を有する「つるつる」の片仮名表記として認識されるものであり、「ハナ」の文字は、「脊椎動物の嗅覚の受容器。哺乳類では顔の前面中央に突き出て、左右二つの鼻孔があり、内部の鼻腔に嗅覚器が分布する。」等の意味を有する「鼻」の片仮名表記として認識されるものであるから、本願商標は全体として「表面がなめらかで、つやのある鼻」ほどの意味合いで理解される。
そして、本願指定商品に関連する業界において、「つるつる鼻」や「ツルツル鼻」の文字が、鼻の肌表面がなめらかであるさまを表現するものとして使用されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「鼻の肌表面をなめらかにするための商品」であると認識するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標「ツルツルハナ」が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2ないし別掲4に掲げる事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
5 請求人の意見
(1)「ツルツルハナ」の文字は、実際の商取引の場において、一切使用されておらず、請求人による造語である。
(2)実際の商取引の場において使用されているのは、表意文字として意味内容を明確に認識できる漢字「鼻」と「つるつる(ツルツル)」の文字の結合に過ぎず、商品の品質を容易かつ直感的に想起させるためには、このように表記することが必要であり、よって、全ての文字をカタカナで「ツルツルハナ」と表記した場合、商品の品質を容易かつ直感的に想起させることはできず、暗示的に想起させるにすぎない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「ツルツルハナ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ツルツル」の文字部分は「物の表面がなめらかで、つやのあるさま。」の意味を有する語であり、「ハナ」の文字部分は「脊椎動物の嗅覚の受容器。哺乳類では顔の前面中央に突き出て、左右二つの鼻孔があり、内部の鼻腔に嗅覚器が分布する。」等の意味を有する「鼻」に通じる語(いずれも「デジタル大辞泉」小学館)であるから、構成文字全体として「表面がなめらかで、つやのある鼻」程の意味合いを理解させる。
そして、本願商標の指定商品に関連する分野において、別掲2のとおり、肌をツルツル(なめらか)にする効果をうたった商品が広く流通しており、鼻についても、別掲3のとおり、鼻の毛穴、その肌の表面等を手入れする商品が取引され、その効能等を表示する語として「ツルツル鼻」、「つるつる鼻」等と称している実情がある。
また、標章の使用においては、一般に、標章の称呼、観念の変わらない範囲で、漢字を、片仮名、平仮名、欧文字等に置き換えたりといったことは広く行われており、実際、別掲4のとおり、「鼻」を意図して「ハナ」と片仮名で表記することも普通に行われている。
そうすると、本願商標を、その指定商品中、化粧品や化粧用具などの鼻の手入れをする商品に使用するときは、鼻の肌表面をツルツル(なめらか)にするといった商品の品質を表示するにすぎないものと認識、理解されるものである。
してみれば、本願商標は、その指定商品中、化粧品や化粧用具などの鼻の手入れをする商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「ツルツルハナ」の文字は、実際の商取引の場において、使用されておらず、請求人による造語である旨を主張する。
しかしながら、本願商標を構成する文字の語義から理解できる意味合いや、肌をツルツル(なめらか)にする効果をうたった商品が広く流通しており、鼻についても、鼻の毛穴、その肌の表面等を手入れする商品が取引され、その効能等を表示する語として「ツルツル鼻(つるつる鼻)」等と称している実情があることを踏まえると、本願商標は、全体として一種の造語と認識されるというよりは、上記(1)のとおり、「表面がなめらかで、つやのある鼻」程度の意味を容易に認識させるものといえる。
イ 請求人は、実際の商取引の場において使用されているのは、意味内容を明確に認識できる漢字「鼻」と「つるつる(ツルツル)」の文字の結合に過ぎず、全ての文字を片仮名で「ツルツルハナ」と表記した場合、商品の品質を容易かつ直感的に想起させることはできず、暗示的に想起させるにすぎない旨を主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、標章の使用においては、一般に、標章の称呼、観念の変わらない範囲で、漢字を片仮名等に置き換えたりといったことは広く行われており、実際に、「鼻」を意図して「ハナ」と片仮名で表記することも普通に行われていることからすると、「ツルツルハナ」と全て片仮名で表記されたものであったとしても、「ツルツル鼻(つるつる鼻)」と異なる意味合いを想起させるものとはいい難く、また、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性を判断するに当たり、指定商品の品質を表すものとして取引者、需要者に認識される表示態様について、現実の使用の事実が、同号の適用の要件となるものではないから、本願商標の使用例がないとしても、本願商標の上記判断が左右されるものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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