商標拒絶査定不服審判
2024-011349
オリーブアンドギャバノチカラ
- 審判番号
- 2024-011349
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-104778
- 請求日
- 2024年07月09日
- 審決日
- 2025年06月04日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】健商株式会社
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W05) / T18 .272-Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項商標法3条3項商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-104778拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年9月20日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 4月 3日付け:拒絶理由通知書
令和6年 4月17日 :意見書の提出
令和6年 6月10日付け:拒絶査定
令和6年 7月 9日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「オリーブアンドギャバの力」の文字を標準文字で表してなり、第5類「サプリメント,栄養補助食品,薬剤,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原審において、「本願商標は、「オリーブアンドギャバの力」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「オリーブ」の文字は、「モクセイ科の常緑高木」等の意味を有する語であり、「アンド」の文字は、「「および」「かつ」「…と」の意」等の意味を有する語であり、「ギャバ」の文字は、「ガンマ-アミノ酪酸の略。」等の意味を有する「GABA」の片仮名表記と認められ、「力」の文字は、「ききめ。効果。効力。」等の意味を有する語であるから、本願商標はその構成全体から、「オリーブとガンマ-アミノ酪酸の効果(ききめ)」程の意味合いを容易に認識させるものと認められる。そして、本願の指定商品に係る分野においては、オリーブ由来成分を含有し、その効果(ききめ)を謳った商品について「オリーブの力」の文字が、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)を含有し、その効果(ききめ)を謳った商品について「ギャバの力」「GABA(ギャバ)の力」の文字が使用されている実情があり、また、オリーブ由来成分とガンマ-アミノ酪酸(GABA)をともに含有し、それらの効果(ききめ)を謳った商品が取り扱われている実情も見受けられる。そうとすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が、「オリーブ由来成分とガンマ-アミノ酪酸の効果(ききめ)を有する商品」であること、すなわち、単に商品の品質(原材料・効能等)を理解、認識するにすぎないというべきであるから、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「オリーブアンドギャバの力」の文字を標準文字で表してなるところ、「オリーブ」の文字は「モクセイ科の常緑小高木。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を、「アンド」の文字は「「そして,…と…」の意の英語接続詞。」(出典:「コンサイスカタカナ語辞典 第五版」株式会社三省堂)を、「ギャバ」の文字は「ガンマ‐アミノ酪酸の略。」を、「力」の文字は「ききめ。効能。」等(いずれも出典は「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)をそれぞれ意味する語であるから、「オリーブアンドギャバ」と「力」の文字を格助詞「の」で結合してなる本願商標は、その構成全体から、「オリーブとガンマ‐アミノ酪酸(GABA)の効能」ほどの意味合いを容易に想起させるものである。
そして、本願の指定商品に関連する分野において、原審提示の情報に加えて、別掲1及び別掲2のインターネット情報が示すとおり、「オリーブの力(ちから、チカラ)」の文字が、オリーブ由来成分を含有し、その効能(ききめ)を謳った商品として、また、「ギャバ(GABA)の力(ちから、チカラ)」の文字が、ガンマ‐アミノ酪酸(GABA)を含有し、その効能(ききめ)を謳った商品として、それぞれ広く使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が「オリーブ由来成分とガンマ‐アミノ酪酸(GABA)の効能を有する商品」であることすなわち、商品の品質、原材料又は効能を表示した語であると理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料又は効能を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「オリーブ由来成分とガンマ‐アミノ酪酸(GABA)の効能を有する商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標が、必ずしも「オリーブとガンマ‐アミノ酪酸の効能(ききめ)」程の意味合いのみを認識させるとは限らず、「オリーブとガンマ‐アミノ酪酸の根気」、「オリーブとガンマ‐アミノ酪酸の実力」、「オリーブとガンマ‐アミノ酪酸のしるし」等の意味合いをも連想させるものであるから、本願商標は多義的であり、一種の造語として認識される旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、「オリーブの力」や「ギャバの力」という文字構成が、「オリーブ」や「ギャバ」を原材料とする商品について、構成全体として、それらの効能を誇称するような場合に使用されることが広く行われている実情に照らせば、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、請求人が主張する「オリーブとガンマ‐アミノ酪酸の根気」等の複数の意味合いを認識するというよりは、一義的に「オリーブとガンマ‐-アミノ酪酸の効能」程の意味合いを認識、理解するというのが相当である。
イ 拒絶査定の認定した実情は、「オリーブの力」及び「ギャバ(GABA)の力」に関する実情であり、本願商標とは、商標又は文字列の構成及び意味合いが異なっており、仮に「オリーブの力」及び「ギャバ(GABA)の力」の文字が使用されている実情が認められたとしても、取引者、需要者が「オリーブの力」及び「ギャバ(GABA)の力」の文字が使用されている実情を示す情報にアクセスする蓋然性が極めて低いこと等に照らせば、本願商標が商品の品質を表示したものと取引者、需要者によって一般に認識されることの根拠とはなり得ない旨主張している。
しかしながら、本願商標は、「オリーブ」と「ギャバ」の語を同格で並べる際に一般に使用される接続詞である「アンド」を用いて、「オリーブアンドギャバの力」と表示したにすぎない構成態様であるから、上記(1)で述べた「オリーブの力(ちから、チカラ)」や「ギャバ(GABA)の力(ちから、チカラ)」の文字が使用されている取引の実情については、本願商標に対する取引者、需要者の認識を示す十分な根拠となり得るものというべきである。
ウ 請求人は、過去の審決例(登録例)を挙げて、本願商標もそれらと同様に登録が認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その指定商品又は指定役務の分野における取引の実情等を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例(登録例)は、原審や別掲1及び別掲2で提示した取引実情や判断時も異なるという点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3項及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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