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特許拒絶査定不服審判

2024-011299

バッグ

審判番号
2024-011299
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-068873
請求日
2024年06月20日
審決日
2026年02月16日
公報発行日
2026年05月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】田巻 堅太郎
審判長/審判官
  • 審判長 窪田 治彦
  • 審判官 長馬 望
  • 審判官 柿崎 拓
分類
P18 .113-WZ (A45C) / P18 .121-WZ (A45C) / P18 .537-WZ (A45C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023- 68873「バッグ」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年 9月24日出願公開、特開2024-128905〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 この出願は、令和5年3月10日の出願であって、令和5年8月23日付けで拒絶の理由が通知され、令和5年12月22日(受付日 同月25日)に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和6年3月6日付けで拒絶査定がされ、これに対し、令和6年6月20日に拒絶査定不服審判の請求がされたものであり、その後、当審において、令和7年8月6日付けで拒絶の理由が通知され、令和7年10月8日(受付日 同月9日)に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 この出願の請求項に係る発明は、令和7年10月8日(受付日 同月9日)に提出された手続補正書により補正がされた特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 1.トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識したバッグである。 バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける。 1) 11種類のバッグ素材: (1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。 説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。 2)理由: (1)一番手の屈きやすい場所にある。この為迅速且つ扱い易い物の出し入れが出来る。 (2)面積のある底面を持つ。この為従来のクレパス型構造のポケットでは収納が無理な形状・サイズのものも含め収納可能な物の範囲がひろい。 (3)ポケットの中が非常に明かるい。この為ポケット内の収納物全体が容易に見渡せるので、物の出し入れが一層楽に行える。 2、1、の本願のバッグのトップに設けたポケットは建築分野でいう「屋根裏部屋」(外来語で「ロフト」とも云う。屋根裏部屋を意味する英語のLOFTの発音[ロフト]をそのままカタカナで日本語化したもの)をイメージさせる。よって前記ポケットを「ロフトポケット」、前記バッグを「ロフトバッグ」と呼称する。 3、1)ロフトバッグに、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えることは勿論自由であるが、その場合は当バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることが望ましい。 2)前記11品目表にに対して、定番とも云えるロフトバッグを創ることは、当開発者が数種の試作品を作った感触から、可能と判断しているので、早期実現が望まれる。」 第3 拒絶の理由 令和7年8月6日付けで当審が通知した拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)のうち、本願発明に対応する請求項1に係る発明に対するものは、概略、次のとおりである。 1 (明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 2 (新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された発明、引用文献4に記載された発明又は引用文献6に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 3 (進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明に基いて、引用文献2に記載された発明、引用文献1に記載された事項及び周知の事項に基いて、引用文献3に記載された発明、引用文献1に記載された事項及び引用文献2に記載された事項に基いて、引用文献4に記載された発明、引用文献1に記載された事項、引用文献2に記載された事項及び周知の事項に基いて、又は引用文献6に記載された発明、引用文献1に記載された事項、引用文献2に記載された事項及び周知の事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:実願平5-74707号(実開平7-39535号)のCD-ROM 引用文献2:実願昭54-40156号(実開昭55-139720号)のマイクロフィルム 引用文献3:実願昭51-172480号(実開昭53-90505号)のマイクロフィルム 引用文献4:実公昭53-42256号公報 引用文献5:実願昭60-138852号(実開昭62-48221号)のマイクロフィルム(周知の事項を示す文献) 引用文献6:実願昭46-120395号(実開昭48-72205号)のマイクロフィルム 第4 特許法第36条第6項第2号(明確性)についての当審の判断 1 明確性要件の判断基準 特許法第36条第6項第2号には、特許請求の範囲の記載について、特許を受けようとする発明が明確であることと規定されているところ、特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かによって判断される。 2 本願発明について (1)本願発明は、特許請求の範囲の請求項1における「トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識したバッグである。」(下線は当審で付与した。以下、同様である。)等の記載を総合すると、「バッグ」に関する物の発明であると認められる。したがって、特許請求の範囲の請求項1の記載は、本願発明の「バッグ」が、どのような構成を備えた物であるか、明確に特定するものである必要がある。 (2)そこで、請求項1の記載について検討すると、請求項1には、「バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識したバッグである。」と記載されており、該事項は、バッグ製造における最重要事項についての認識を記載したものであるが、この認識により、本願発明の「バッグ」の構成に何らかの限定を加えるものであるのか否かが明らかでなく、仮に何らかの限定を加えるものであれば、どのような限定を加えるものであるのかが明らかでない。 (3)また、請求項1には、「下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。・・・(中略)・・・ 2)理由: (1)一番手の屈きやすい場所にある。この為迅速且つ扱い易い物の出し入れが出来る。 (2)面積のある底面を持つ。この為従来のクレパス型構造のポケットでは収納が無理な形状・サイズのものも含め収納可能な物の範囲がひろい。 (3)ポケットの中が非常に明かるい。この為ポケット内の収納物全体が容易に見渡せるので、物の出し入れが一層楽に行える。」と記載されており、前記理由の(1)~(3)の事項は、ポケットをとりつける理由を記載したものであるが、この理由により、本願発明の「バッグ」の構成に何らかの限定を加えるものであるのか否かが明らかでなく、仮に何らかの限定を加えるものであれば、どのような限定を加えるものであるのかが明らかでない。 (4)さらに、請求項1には、「2、1、の本願のバッグのトップに設けたポケットは建築分野でいう「屋根裏部屋」(外来語で「ロフト」とも云う。屋根裏部屋を意味する英語のLOFTの発音[ロフト]をそのままカタカナで日本語化したもの)をイメージさせる。よって前記ポケットを「ロフトポケット」、前記バッグを「ロフトバッグ」と呼称する。」と記載されているが、該「屋根裏部屋」、「ロフト」、「ロフトポケット」、「ロフトバッグ」等の記載により、本願発明の「バッグ」の構成に、「バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけた」こと以外に何らかの限定を加えるものであるのか否かが明らかでなく、仮に何らかの限定を加えるものであれば、どのような限定を加えるものであるのかが明らかでない。 (5)加えて、請求項1には、「3、1)ロフトバッグに、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えることは勿論自由であるが、その場合は当バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることが望ましい。 2)前記11品目表にに対して、定番とも云えるロフトバッグを創ることは、当開発者が数種の試作品を作った感触から、可能と判断しているので、早期実現が望まれる。」と記載され、前記1)、2)の事項は、望ましい、あるいは望まれる事項を記載したものであるが、この望ましい、あるいは望まれる事項により、本願発明の「バッグ」の構成に何らかの限定を加えるものであるのか否かが明らかでなく、仮に何らかの限定を加えるものであれば、どのような限定を加えるものであるのかが明らかでない。 (6)そして、前記(2)~(5)の点に関して、この出願の明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎としても、明らかになることはない。 (7)以上によると、明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎としても、特許請求の範囲の請求項1に記載された「バッグ」が、どのような構成を備えた物であるか、明確に特定することができないから、請求項1の記載は、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確である。よって、本願発明は明確でない。 第5 特許法第29条第1項第3号(新規性)、第2項(進歩性)についての当審の判断 1 引用文献の記載及び引用発明 (1)引用文献1 ア 引用文献1の記載 当審拒絶理由で引用された、この出願の出願前に頒布された刊行物である、引用文献1(実願平5-74707号(実開平7-39535号)のCD-ROM)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、魚釣りや、登山、旅行等に必要なレジャー用バッグに関する。」 (イ)「【0005】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案におけるレジャー用バッグは、手提げ又は背負い用等のレジャー用バッグであって、上部に開閉口1を有してなるバッグ本体10の外側面下半部分に、補助開閉口2を設けるとともに、補助開閉口にバッグ本体の一部を構成し且つ下端枢着部3を支点に起伏自在に開閉する受台兼用の外蓋4を設けてなるものである。」 (ウ)「【0008】 バッグ本体10は、外装部を硬質の外皮、合成皮革、レザー、布張り等にて底の深いボックス形に形成したものからなる。 【0009】 バッグ本体10の上部の開閉口1には、上蓋11を設けて、上蓋11により開閉する。 【0010】 補助開閉口2は、バッグ本体10の外側面の下半部分にバッグ本体の一部を切除して開口し、扉式に開閉するよう下端枢着部3を支点に起伏自在に外蓋4を一体に設ける。この外蓋4は手前へ引いて開口した際には水平になって受台を兼ねるようになす。」 (エ)「【0013】 バッグ本体10の内部中段位置に中仕切り板6を設ける。この中仕切り板6は、開閉式に形成して仕切りを必要としない場合は開いて内壁に沿わせるように折りたたみ、又は外取すようにする。 【0014】 【作用】 バッグ本体10の内部に物品を詰め込む場合は、主に上部の開閉口1より行うが、外側面下半部分の外壁4を開けると補助開閉口2よりも行うことができる。 【0015】 バッグ本体10の内部の底部に近い物品を取出す場合は、外蓋4を水平になるようにして補助開閉口2を開放する。このようにすると、底部又は底部に近いものでも容易に取出すことができる。また、取り出した物を外蓋4の水平部に置いたり、受台にする。 【0016】 中仕切り板6を用いる場合は、これより上部のものに影響されずに下部のもののみを取り出し、又は下半部分に収容できる。」 (オ)「【0017】 【考案の効果】 本考案は上記の構成からなるもので、バッグ本体の外側面下半部分に、補助開閉口を設けて、この開閉口に開放すると水平になって受台になる受台兼用の外蓋を設けたるで底の深いバッグでも上部のものに影響されないで、底又は底に近いものを容易に取り出したり、再び入れたりでき、而も取り出しの際に上部にあるものを乱したり、こわすようなおそれがなく、また中仕切り板を設けることによって、バッグ本体の内部の下半部分のみを空にしてそこへ補助開閉口より物を出したり、入れたりできる為、レジャー用バッグとして便利であり、而も構成が簡単でコスト的にも安価で実用性が高いといった優れた効果を期待することができる。」 (カ)図1、図2として、次の事項が図示されている。 [図:0001434698000001.jpg] (キ)引用文献1の段落【0008】、【0009】(前記(ウ)参照。)によると、バッグ本体10は、底の深いボックス形に形成したものからなり、上部の開閉口1を上蓋11により開閉するものといえる。 (ク)引用文献1の図2(前記(カ)参照。)によると、中仕切り板6は、バッグ本体10の底部と平行であるといえ、段落【0013】(前記(エ)参照。)の記載も踏まえると、バッグ本体10の内部中段位置にバッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6を設けているといえる。 (ケ)引用文献1の段落【0010】(前記(ウ)参照。)、【0017】(前記(オ)参照。)の記載によると、補助開閉口2は、外蓋4により開放され、バッグ本体10の内部の下半部分へ物を出したり、入れたりできるものといえ、該補助開閉口2は、バッグ本体10の外側面の下半部分に設けられているといえる。 イ 引用発明 引用文献1の前記ア(ア)~(ケ)によると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 引用発明1 「底の深いボックス形に形成したものからなり、上部の開閉口1を上蓋11により開閉するバッグ本体10の内部中段位置に前記バッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6を設けた手提げ又は背負い用等のレジャー用バッグであり、外蓋4により開放され、前記バッグ本体10の内部の下半部分へ物を出したり、入れたりできる補助開閉口2を、前記バッグ本体10の外側面の下半部分に設けたレジャー用バッグ。」 (2)引用文献2 ア 引用文献2の記載 当審拒絶理由で引用された、この出願の出願前に頒布された刊行物である、引用文献2(実願昭54-40156号(実開昭55-139720号)のマイクロフィルム)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「本考案は袋内を上下に仕切ることを可能にし、仕切られた上下のそれぞれの袋から物品を出し入れできる携帯用袋に関する。」(明細書第1ページ第14行~第16行) (イ)「次に本考案を図面にもとづいて説明する。第1図および第2図において、入口(8)を上にした大袋(1)の持ち手(7)と、前記大袋(1)の内部を上下2つの小袋(4)(5)に分けるための仕切(2)を有し、該仕切(2)は、大袋(1)とファスナー(6)によって仕切解除可能に連設されている。仕切(2)によって、分けられた下側の小袋(5)の側面に、物品を出し入れするための開口部(3)を開口用ファスナー(9)によって閉じることが可能に設けてある。 以上のように構成した携帯用袋は、小袋(4)へ入口(8)から物品を出し入れでき、小袋(5)においては開口部(3)から物品を出し入れできる。また仕切不要の大きな体積の物品は仕切(2)の連設手段を解除して大袋(1)に入口(8)から出し入れできる。」(明細書第2ページ第16行~第3ページ第9行) (ウ)「本考案の実施例においては仕切(2)は一個であるが、同様に複数個設けて小袋を複数個形成することができることは当然である。また開口部(3)に設けた開口用ファスナー(9)は第3図に示すように側面の全周に設けてもよい。この場合は小袋(4)と小袋(5)は分離可能であり、小袋(5)に入る大きな体積の物品も出し入れできる。更に開口用ファスナー(9)は図面において横に示したが縦や斜めに設けてもよく、更に大袋(1)の底(10)に設けてもよく、また複数個設けてもよいことや、これらを組み合せて設けてもよいことは当然である。」(明細書第3ページ第10行~第20行) (エ)「本考案は以上説明したように大袋の内部を上下にわけて小袋を設けることにより、それぞれの小袋から物品を出し入れできるから、従来の大袋において、袋の底部にある物品を取り出すとき、その上の方にある物品を取り出すか、或は、かきわけて取り出す不便を解消する効果を有すると共に、剛性のある設計をすることにより物品の破損、損傷を防ぐこともできる。更に従来の大きな袋の機能が必要なときは、仕切を解除することにより目的が達せられるから大変便利である。」(明細書第4ページ第5行~第14行) (オ)第1図~第3図として、次の事項が図示されている。 [図:0001434698000002.jpg] (カ)引用文献2の第2図(前記(オ)参照。)によると、仕切(2)は、大袋(1)の底(10)と平行であるといえる。そして、引用文献2の前記(ア)及び(イ)によると、第1図及び第2図に係る実施例において、携帯用袋は、入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有するといえる。また、開口用ファスナー(9)によって閉じることが可能に設けてあり、下側の小袋(5)に物品を出し入れできる開口部(3)を、下側の小袋(5)の側面に設けているといえる。 (キ)引用文献2の第3図(前記(オ)参照。)によると、第2図と異なり、底(10)が明示されていないものの、単に記載が省略されているだけで、大袋(1)は底(10)を備え、仕切(2)は、大袋(1)の底(10)と平行であるといえる。そして、引用文献2の前記(ウ)に記載された第3図に係る実施例において、前記(ア)及び(イ)の記載も踏まえると、携帯用袋は、入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有し、側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)により、上側の小袋(4)と下側の小袋(5)が分離可能であるといえる。 イ 引用発明 引用文献2の前記ア(ア)~(キ)によると、引用文献2には、第1図及び第2図の実施例に係る発明として、次の発明(以下「引用発明2-1」という。)が記載され、第3図の実施例に係る発明として、次の発明(以下「引用発明2-2」という。)が記載されていると認められる。 引用発明2-1 「入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有する携帯用袋であり、開口用ファスナー(9)によって閉じることが可能に設けてあり、前記下側の小袋(5)に物品を出し入れできる開口部(3)を、前記下側の小袋(5)の側面に設けている携帯用袋。」 引用発明2-2 「入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有し、側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)により、前記上側の小袋(4)と前記下側の小袋(5)が分離可能である携帯用袋。」 (3)引用文献3 ア 引用文献3の記載 当審拒絶理由で引用された、この出願の出願前に頒布された刊行物である、引用文献3(実願昭51-172480号(実開昭53-90505号)のマイクロフィルム)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「本考案は提手が対設された上鞄と、下面にキャスターが回動自在に付設された下鞄とをファスナーにより連結分離自在となした旅行鞄に関するもので、その目的とするところは、必要に応じて上下鞄を分離し、必要品のみ上鞄に収納して持歩くことができると共に、収納品の少い場合には下鞄を下鞄へ入れて行動することができ、車中の混雑時には上鞄を分離して下鞄を座席とすることもでき、また上下鞄が合体して大容量のものを収納した場合には下面に付設したキャスターにより容易に持運びができる旅行鞄を廉価で量産せんとする。」(明細書第1ページ第16行~第2ページ第6行) (イ)「本考案は連結分離自在な上鞄Aと、下鞄Bとから構成された旅行鞄である。 上鞄Aは皮革、合成皮革、布等で製せられた上鞄本体1の上面中央若しくは上面中央と連続した両側にファスナー2を縫着して開閉自在となし、その上鞄本体1の正面および背面中央に提手3、3を対設し、下面周縁に下鞄Bと連結するためのファスナー4の片側4aを縫着する。 また、この上鞄Aの内面、正面等には必要に応じて内ポケット、小物入れ(図示しない)等を付設する。 下鞄Bは上鞄本体1と同材質で製せられた下鞄本体5の上面周縁に上鞄Aと連結するためのファスナー4の片側4bが縫着されると共に、その内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着され、下面にはキャスター7が4個回動自在に付設されている。」(明細書第2ページ第8行~第3ページ第4行) (ウ)第1図、第2図として、次の事項が図示されている。 [図:0001434698000003.jpg] [図:0001434698000004.jpg] (エ)引用文献3の前記(ア)及び(イ)によると、旅行鞄は、下鞄本体5の上面周縁に上鞄Aと連結するためのファスナー4の片側4bが縫着されると共に、その内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着された下鞄Bと、該下鞄Bと連結するためのファスナー4の片側4aが上鞄本体1の下面周縁に縫着された上鞄Aとを、ファスナー4により連結分離自在となしているといえる。 イ 引用発明 引用文献3の前記ア(ア)~(エ)によると、引用文献3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。 引用発明3 「下鞄本体5の上面周縁に上鞄Aと連結するためのファスナー4の片側4bが縫着されると共に、その内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着された下鞄Bと、前記下鞄Bと連結するための前記ファスナー4の片側4aが上鞄本体1の下面周縁に縫着された上鞄Aとを、前記ファスナー4により連結分離自在となしている旅行鞄。」 (4)引用文献4 ア 引用文献4の記載 当審拒絶理由で引用された、この出願の出願前に頒布された刊行物である、引用文献4(実公昭53-42256号公報)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「本考案はシヨルダー形式の新規な袋に関するものであつて、図示せる実施例は皮革材料を以て有底筒状の袋本体1を構成し、この袋本体1の中高位置に横向きの開閉口2を開設して其の両側縁に相互に噛合するスライドフアスナー3を止着すると共に同袋本体1に於て開閉口2より下方の個所を硬直芯板4,4′を以て円筒状に保形し、また同じく上方の個所内に短小な補助袋5を挿入し、両者1,5の開口縁部に於て相互に対応する個所に多数の通孔6・・・・・・,6′・・・・・・を透設し、この通孔6・・・・・・,6′・・・・・・に括り紐7を挿通して袋本体1内に補助袋5や中吊り状態に附設し、更に、当該括り紐7の両端を延長してこの延長部に肩当兼用締付部材8を摺動且つ着脱自在に挿着すると共に同延長部の先端に止杆付引掛金具9を結着し、この引掛金具9を袋本体1の下端部外面に取付けた止リング10に掛脱するようにし、所謂シヨルダー形式にしたものである。」(第1ページ左欄第33行~右欄第13行) (イ)「本考案は叙上の如き構成になるのでスライドフアスナーを開被して袋本体へ、また括り紐を弛解して補助袋へ夫々物品を区別けして収納する等の用法に供し得るは勿論であるが、本考案に於ては袋本体に於てその開口縁と上記の開閉口との間に補助袋の開口縁の高さを揃えると共に両開口縁部に於て相互に対応する個所に多数の通孔を透設しこの通孔に括り紐を挿通して袋本体内に補助袋を中吊り状態に取付けるに過ぎないので袋本体と補助袋の各口縁を相互に溶着する形式と異なり袋本体と補助袋との間より袋本体内への物品の出入れが可能であつて袋本体内への物品の出入れのたびに袋本体胴部のスライドフアスナーを開閉するという面倒な用法を要しない利点があり、・・・(中略)・・・効果がある。」(第1ページ右欄第19行~第2ページ左欄第13行) (ウ)第1図、第2図として、次の事項が図示されている。 [図:0001434698000005.jpg] (エ)引用文献4の前記(ア)及び(イ)によると、袋はシヨルダー形式であり、袋本体1は、開口縁を備えた有底筒状であるといえる。さらに、前記(ウ)の第1図、第2図の図示内容も踏まえると、袋本体1の上方の箇所内に、袋本体1の底を保形する硬直芯板4と平行な底部をもつ補助袋5が挿入され、袋本体1の開口縁部に透設された多数の通孔6と、補助袋5の開口縁部に透設された多数の通孔6′に括り紐7が挿通されて袋本体1内に補助袋5が中吊り状態に附設されているといえる。 (オ)引用文献4の前記(ア)及び(イ)によると、袋本体1の袋本体胴部の中高位置に横向きの開閉口2が開設され、其の両側縁に止着されたスライドフアスナー3を開閉して、袋本体1内への物品の出入れが行われることが把握できる。 イ 引用発明 引用文献4の前記ア(ア)~(オ)によると、引用文献4には、次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。 引用発明4 「開口縁を備えた有底筒状である袋本体1の上方の箇所内に、前記袋本体1の底を保形する硬直芯板4と平行な底部をもつ補助袋5が挿入され、前記袋本体1の開口縁部に透設された多数の通孔6と、前記補助袋5の開口縁部に透設された多数の通孔6′に括り紐7が挿通されて前記袋本体1内に前記補助袋5が中吊り状態に附設されたシヨルダー形式の袋であって、前記袋本体1の袋本体胴部の中高位置に横向きの開閉口2が開設され、其の両側縁に止着されたスライドフアスナー3を開閉して、前記袋本体1内への物品の出入れが行われるシヨルダー形式の袋。」 (5)引用文献6 ア 引用文献6の記載 当審拒絶理由で引用された、この出願の出願前に頒布された刊行物である、引用文献6(実願昭46-120395号(実開昭48-72205号)のマイクロフィルム)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「本考案は新規な袋物を提供せんとするものであつて、図示せる実施例は布帛等を以て長大な角底状の袋物本体(1)を構成し其の胴部に於て底部寄りの個所に縦方向の切割(2)を設けこの切割の両切縁に相互に噛合するスライドフアスナー(3)(3)′を止着すると共に同袋物本体(1)の開口縁両側に其の手提用の手指差込口(4)(4)′を開設し、又これとは別個に編物地を以て短小な中袋(5)を構成し、同中袋(5)はこれを袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめると共に中袋(5)の開口縁には鉤状の引掛具(6)(6)′を取付けこれを袋物本体(1)に於ける手指差込口(4)(4)′の下方切縁に係止自在ならしめたものである。 本考案は叙上の如く長大な袋物本体の底部寄りの個所に開口を設けこの開口縁両側に相互に噛合し得るスライドフアスナーを止着すると共に袋物本体の開口部に近接して同袋物手提用の手指差込口を開設し、また袋物本体とは別個に短小な中袋を構成し、この中袋は袋物本体内に抜挿自在ならしめると共に同中袋の開口縁に取付けた係止具を袋物本体の手指差込口の下方切縁に係合自在ならしめて成るので中袋を袋物本体の底部に落し込み袋物本体の底部及び其の周辺を二重袋形状と為して同部を顕著に補強し得るのみならず必要あるときは中袋の開口縁に取付けた係止具を袋物本体の手指差込口の下方切縁に係合せしめて袋物全体を二重底形状たらしめ下方の袋部には袋物本体の底部寄りの個所に設けた切割より物品の出入れを為す等の用法に供し得て著しく利便の卓効がある。」(明細書第2ページ第2行~第4ページ第1行) (イ)第1図、第2図として、次の事項が図示されている。 [図:0001434698000006.jpg] [図:0001434698000007.jpg] (ウ)引用文献6の前記(ア)によると、袋物本体(1)は、開口部を備えた角底状であるといえる。さらに、前記(イ)の第1図、第2図の図示内容によると、中袋(5)は底面を有し、該中袋(5)の底面は、袋物本体(1)の底部と平行であるといえる。すると、袋物本体(1)の開口縁両側に開設された手提用の手指差込口(4)(4)′の下方切縁に、袋物本体(1)の底部と平行な底面を有する短小な中袋(5)の引掛具(6)を係止自在ならしめ、中袋(5)を袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめて、袋物全体を二重底形状たらしめているといえる。 (エ)引用文献6の前記(ア)によると、袋物本体(1)の胴部に於て底部寄りの個所に縦方向の切割(2)を設けこの切割の両切縁に相互に噛合するスライドフアスナー(3)(3)′を止着し、該切割より物品の出入れを為すことが把握できる。 イ 引用発明 引用文献6の前記ア(ア)~(エ)によると、引用文献6には、次の発明(以下「引用発明6」という。)が記載されていると認められる。 引用発明6 「開口部を備えた角底状である袋物本体(1)の開口縁両側に開設された手提用の手指差込口(4)(4)′の下方切縁に、前記袋物本体(1)の底部と平行な底面を有する短小な中袋(5)の引掛具(6)を係止自在ならしめ、前記中袋(5)を前記袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめて、袋物全体を二重底形状たらしめた袋物であって、前記袋物本体(1)の胴部に於て底部寄りの個所に縦方向の切割(2)を設けこの切割の両切縁に相互に噛合するスライドフアスナー(3)(3)′を止着し、該切割より物品の出入れを為す袋物。」 2 引用発明1を主引用発明とした場合 (1)対比 以下、本願発明と引用発明1とを対比する。 ア 引用発明1の「上部」、「開閉口1」、「バッグ本体10」及び「レジャー用バッグ」は、それぞれ本願発明の「トップ」、「開口部」、「バッグ素材」及び「バッグ」に相当する。 イ 引用発明1の「上部の開閉口1を上蓋11により開閉する」バッグ本体10は、上部の開閉口1を上蓋11の開閉によりオープンにできるから、本願発明の「トップがオープンになっている」バッグ素材に相当する。 ウ 引用発明1の「バッグ本体10」は、手提げ又は背負い用等のレジャー用バッグの本体であるから、ハンドバッグ又はリュックサック、あるいは何らかのカテゴリーのバッグの素材といえ、本願発明の「下記11種類のバッグ素材」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」に相当する。 エ 引用発明1の「バッグ本体10の内部中段位置に前記バッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6を設けた」ことは、引用文献1の図2(前記1(1)ア(カ)参照。)の図示内容からみて、中仕切り板6がバッグ本体10の底部と平行な面をもつといえるから、本願発明の「バッグ素材に対し、下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけた」ことと、バッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な面をもつ部材をとりつけた点において共通する。 オ 引用発明1の「外蓋4により開放され、前記バッグ本体10の内部の下半部分へ物を出したり、入れたりできる補助開閉口2を、前記バッグ本体10の外側面の下半部分に設け」たことは、引用文献1の図1、図2(前記1(1)ア(カ)参照。)の図示内容からみて、補助開閉部2をバッグ本体10の前胴部、あるいは後胴部に設けたことといえ、また、バッグ本体10の内部への物の出し入れを、外蓋4という技術を使って行っているといえるから、本願発明の「バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける」ことに相当する。 カ そうすると、本願発明と引用発明1とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。 <一致点1> 「1.トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な面をもつ部材をとりつけたバッグである。 バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける。 1) 11種類のバッグ素材: (1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。 説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」 <相違点1-1> バッグ素材に対するバッグ素材の底面に平行な面をもつ部材のとりつけについて、本願発明は、「バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うように」とりつけているのに対し、引用発明1は、「バッグ本体10の内部中段位置に前記バッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6を設けた」ものであり、ポケットを前記のようにとりつけているといえるか明らかでない点。 <相違点1-2> バッグ素材に対しバッグ素材の底面に平行な面をもつ部材をとりつける理由について、本願発明は、「下記理由から」とし、該理由を「2)理由:(1)一番手の屈きやすい場所にある。この為迅速且つ扱い易い物の出し入れが出来る。(2)面積のある底面を持つ。この為従来のクレパス型構造のポケットでは収納が無理な形状・サイズのものも含め収納可能な物の範囲がひろい。(3)ポケットの中が非常に明かるい。この為ポケット内の収納物全体が容易に見渡せるので、物の出し入れが一層楽に行える。」としているのに対し、引用発明1は、バッグ本体10の内部中段位置に中仕切り板6を設ける理由が明らかでない点。 <相違点1-3> バッグ製造における最重要事項について、本願発明は、「バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識し」ているのに対し、引用発明1は、このように認識したものであるか明らかでない点。 <相違点1-4> 本願発明は、「2、1、の本願のバッグのトップに設けたポケットは建築分野でいう「屋根裏部屋」(外来語で「ロフト」とも云う。屋根裏部屋を意味する英語のLOFTの発音[ロフト]をそのままカタカナで日本語化したもの)をイメージさせる。よって前記ポケットを「ロフトポケット」、前記バッグを「ロフトバッグ」と呼称する。」のに対し、引用発明1は、「屋根裏部屋」をイメージさせ、「ロフトポケット」、「ロフトバッグ」と呼称するものといえるか明らかでない点。 <相違点1-5> 本願発明は、「3、1)ロフトバッグに、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えることは勿論自由であるが、その場合は当バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることが望ましい。2)前記11品目表にに対して、定番とも云えるロフトバッグを創ることは、当開発者が数種の試作品を作った感触から、可能と判断しているので、早期実現が望まれる。」のに対し、引用発明1は、前記のような事項を望ましいとしているか明らかでない点。 (2)判断 以下、<相違点1-1>~<相違点1-5>について検討する。 ア <相違点1-1>について 引用発明1は、「底の深いボックス形に形成したものからなり、上部の開閉口1を上蓋11により開閉するバッグ本体10の内部中段位置に前記バッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6を設けた」ものであり、これによれば、バッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6の上部には、該中仕切り板6を底面とするポケット状の空間が形成されているといえ、バッグ本体10の中仕切り板6よりも上の部分(以下「バッグ本体10の上部」という。)と中仕切り板6とはポケットを形成しているといえる。そして、該ポケットにより、バッグ本体10の中仕切り板6よりも下の部分(以下「バッグ本体10の下部」という。)は、その開口の全面が覆われているといえる。 そうすると、引用発明1の構成は、レジャー用バッグ(バッグ)という物の構成において、本願発明の前記相違点1-1に係る構成と何ら変わらないものであるから、前記相違点1-1は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点1-1が実質的な相違点であるとしても、引用発明1において、バッグ本体10を構成する素材の大きさや、レジャー用バッグのデザイン等を勘案して、前記したようにポケットを形成するバッグ本体10の上部と中仕切り板6とを、バッグ本体10の下部とは、別部材で構成し、該ポケットをバッグ本体10の下部に取り付け、本願発明の前記相違点1-1に係る構成とすることに格別の困難性はない。 イ <相違点1-2>について まず、本願発明において、どのような理由で、ポケットをバッグに取り付けたかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 仮に、本願発明の理由が、本願発明の作用、効果を特定するものだとしても、引用発明1が、「底の深いボックス形に形成したものからなり、上部の開閉口1を上蓋11により開閉するバッグ本体10の内部中段位置に前記バッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6を設けた」ものであり、また、中仕切り板6が面積のある面を備えることが明らかであることを踏まえると、引用発明1は、本願発明の理由(1)~(3)と同様の作用、効果を奏するものである。 そうすると、相違点1-2は実質的な相違点ではない。 仮に、相違点1-2が実質的な相違点であるとしても、引用発明1において、該相違点1-2に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 ウ <相違点1-3>について まず、本願発明において、どのような事項をバッグ製造における最重要事項と認識しているかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、ポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をみても、前記アで示したように、引用発明1において、バッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6の上部には、該中仕切り板6を底面とするポケット状の空間が形成されていることを踏まえると、引用発明1のレジャー用バッグのポケットの在り方と、本願発明のバッグのポケットの在り方は、何ら変わらないものである。 そうすると、前記相違点1-3は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点1-3が実質的な相違点であるとしても、引用発明1において、該相違点1-3に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 エ <相違点1-4>について 引用発明1は、「底の深いボックス形に形成したものからなり、上部の開閉口1を上蓋11により開閉するバッグ本体10の内部中段位置に前記バッグ本体10の底部と平行な中仕切り板6を設けた」ものであり、前記アで示したように、バッグ本体10の上部と中仕切り板6とはポケットを形成し、該ポケットにより、バッグ本体10の下部は、その開口の全面が覆われているといえる。これによれば、引用発明1のレジャー用バッグには、中仕切り板6の下部と上部に、それぞれ空間が形成され、空間が上下に並んでいるといえるから、引用発明1の前記ポケットは、「屋根裏部屋」、「ロフトポケット」とみることができ、引用発明1のレジャー用バッグは、「ロフトバッグ」とみることができる。仮に、本願発明の「屋根裏部屋」等が、ポケットに屋根、つまり蓋を備えたことを特定しているとしても、引用発明1のバッグ本体10の上部の開閉口1は、上蓋11により開閉されるものであるから、ポケットを形成するバッグ本体10の上部と中仕切り板6は、蓋を備えているといえる。 そうすると、前記相違点1-4は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点1-4が実質的な相違点であるとしても、引用発明1において、該相違点1-4に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 オ <相違点1-5>について まず、本願発明において、望ましい、あるいは望まれるとされている事項は、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、引用発明1の構成をみても、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えた際に、バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることができないものではなく、また、定番といえるバッグを創ることの早期実現ができないものではない。したがって、引用発明1のレジャー用バッグの構成と、本願発明のバッグの構成は、本願発明に望ましい、あるいは望まれるとされる事項が特定されていることをもって、何ら異なるものとはならない。 そうすると、前記相違点1-5は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点1-5が実質的な相違点であるとしても、引用発明1において、該相違点1-5に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (3)まとめ そうすると、本願発明は、引用発明1と実質的に相違しないから、引用文献1に記載された発明である。又は本願発明は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 引用発明2-1を主引用発明とした場合 (1)対比 以下、本願発明と引用発明2-1とを対比する。 ア 引用発明2-1の「入口(8)」、「大袋(1)」及び「携帯用袋」は、それぞれ本願発明の「開口部」、「バッグ素材」及び「バッグ」に相当する。 イ 引用発明2-1の「入口(8)を上にした」大袋(1)は、上にある入口(8)がオープンになっていると解されるから、本願発明の「トップがオープンになっている」バッグ素材に相当する。 ウ 引用発明2-1の「大袋(1)」は、何らかのカテゴリーのバッグの素材といえ、本願発明の「下記11種類のバッグ素材」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」に相当する。 エ 引用発明2-1の「大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有する」ことは、引用文献2の第2図(前記1(2)ア(オ)参照。)の図示内容からみて、仕切(2)が大袋(1)の底(10)と平行な面をもつといえるから、本願発明の「バッグ素材に対し、下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけた」ことと、バッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な面をもつ部材をとりつけた点において共通する。 オ 引用発明2-1の「開口用ファスナー(9)によって閉じることが可能に設けてあり、前記下側の小袋(5)に物品を出し入れできる開口部(3)を、前記下側の小袋(5)の側面に設けている」ことは、下側の小袋(5)が大袋(1)の一部といえること、及び引用文献2の第1図、第2図(前記1(2)ア(オ)参照。)の図示内容からみて、開口部(3)を大袋(1)の前胴部、あるいは後胴部に設けることといえ、また、大袋(1)への物品の出し入れを、開口用ファスナー(9)という技術を使って行っているといえるから、本願発明の「バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける」ことに相当する。 カ そうすると、本願発明と引用発明2-1とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。 <一致点2-1> 「1.トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な面をもつ部材をとりつけたバッグである。 バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける。 1) 11種類のバッグ素材: (1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。 説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」 <相違点2-1-1> バッグ素材に対するバッグ素材の底面に平行な面をもつ部材のとりつけについて、本願発明は、「バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うように」とりつけているのに対し、引用発明2-1は、「大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有する」ものであり、ポケットを前記のようにとりつけているといえるか明らかでない点。 <相違点2-1-2> バッグ素材に対しバッグ素材の底面に平行な面をもつ部材をとりつける理由について、本願発明は、「下記理由から」とし、該理由を「2)理由:(1)一番手の屈きやすい場所にある。この為迅速且つ扱い易い物の出し入れが出来る。(2)面積のある底面を持つ。この為従来のクレパス型構造のポケットでは収納が無理な形状・サイズのものも含め収納可能な物の範囲がひろい。(3)ポケットの中が非常に明かるい。この為ポケット内の収納物全体が容易に見渡せるので、物の出し入れが一層楽に行える。」としているのに対し、引用発明2-1は、大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための仕切(2)を有する理由が明らかでない点。 <相違点2-1-3> バッグ製造における最重要事項について、本願発明は、「バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識し」ているのに対し、引用発明2-1は、このように認識したものであるか明らかでない点。 <相違点2-1-4> 本願発明は、「2、1、の本願のバッグのトップに設けたポケットは建築分野でいう「屋根裏部屋」(外来語で「ロフト」とも云う。屋根裏部屋を意味する英語のLOFTの発音[ロフト]をそのままカタカナで日本語化したもの)をイメージさせる。よって前記ポケットを「ロフトポケット」、前記バッグを「ロフトバッグ」と呼称する。」のに対し、引用発明2-1は、「屋根裏部屋」をイメージさせ、「ロフトポケット」、「ロフトバッグ」と呼称するものといえるか明らかでない点。 <相違点2-1-5> 本願発明は、「3、1)ロフトバッグに、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えることは勿論自由であるが、その場合は当バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることが望ましい。2)前記11品目表にに対して、定番とも云えるロフトバッグを創ることは、当開発者が数種の試作品を作った感触から、可能と判断しているので、早期実現が望まれる。」のに対し、引用発明2-1は、前記のような事項を望ましいとしているか明らかでない点。 (2)判断 以下、<相違点2-1-1>~<相違点2-1-5>について検討する。 ア <相違点2-1-1>について 引用発明2-1は、「入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有する」ものであり、これによれば、大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)の上部には、該仕切(2)を底面とする上側の小袋(4)が形成されているといえ、該上側の小袋(4)はポケットを形成しているといえる。そして、該上側の小袋(4)(ポケット)により、下側の小袋(5)は、その開口の全面が覆われているといえる。 そうすると、引用発明2-1の構成は、携帯用袋という物の構成において、本願発明の前記相違点2-1-1に係る構成と何ら変わらないものであるから、前記相違点2-1-1は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点2-1-1が実質的な相違点であるとしても、引用発明2-1において、大袋(1)を構成する素材の大きさや、携帯用袋のデザイン等を勘案して、前記したようにポケットを形成する上側の小袋(4)を、下側の小袋(5)とは、別部材で構成し、該上側の小袋(4)(ポケット)を下側の小袋(5)に取り付け、本願発明の前記相違点2-1-1に係る構成とすることに格別の困難性はない。 イ <相違点2-1-2>について まず、本願発明において、どのような理由で、ポケットをバッグに取り付けたかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 仮に、本願発明の理由が、本願発明の作用、効果を特定するものだとしても、引用発明2-1が、「入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有する」ものであり、また、仕切(2)が面積のある面を備えることが明らかであることを踏まえると、引用発明2-1は、本願発明の理由(1)~(3)と同様の作用、効果を奏するものである。 そうすると、相違点2-1-2は実質的な相違点ではない。 仮に、相違点2-1-2が実質的な相違点であるとしても、引用発明2-1において、該相違点2-1-2に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 ウ <相違点2-1-3>について まず、本願発明において、どのような事項をバッグ製造における最重要事項と認識しているかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、ポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をみても、前記アで示したように、引用発明2-1において、大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)の上部には、該仕切(2)を底面とする上側の小袋(4)(ポケット)が形成されていることを踏まえると、引用発明2-1の携帯用袋のポケットの在り方と、本願発明のバッグのポケットの在り方は、何ら変わらないものである。 そうすると、前記相違点2-1-3は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点2-1-3が実質的な相違点であるとしても、引用発明2-1において、該相違点2-1-3に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 エ <相違点2-1-4>について 引用発明2-1は、「入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有する」ものであり、前記アで示したように、上側の小袋(4)(ポケット)により、下側の小袋(5)は、その開口の全面が覆われているといえる。これによれば、引用発明2-1の携帯用袋には、上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に、それぞれ空間が形成され、空間が上下に並んでいるといえるから、引用発明2-1の前記上側の小袋(4)(ポケット)は、「屋根裏部屋」、「ロフトポケット」とみることができ、引用発明2-1の携帯用袋は、「ロフトバッグ」とみることができる。 そうすると、前記相違点2-1-4は、実質的な相違点ではない。 仮に、本願発明の「屋根裏部屋」等が、ポケットに屋根、つまり蓋を備えたことを特定しているとしても、バッグ類の上部開口に蓋を備えることは、この出願の出願前から周知の事項であるから(例えば、引用発明1の上蓋11参照。)、引用発明2-1の大袋(1)の入口(8)に、前記周知の事項にならい、蓋を設けることに格別の困難性はない。また、相違点2-1-4について、さらに実質的な相違点があるとしても、引用発明2-1において、該相違点2-1-4に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 オ <相違点2-1-5>について まず、本願発明において、望ましい、あるいは望まれるとされている事項は、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、引用発明2-1の構成をみても、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えた際に、バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることができないものではなく、また、定番といえるバッグを創ることの早期実現ができないものではない。したがって、引用発明2-1の携帯用袋の構成と、本願発明のバッグの構成は、本願発明に望ましい、あるいは望まれるとされる事項が特定されていることをもって、何ら異なるものとはならない。 そうすると、前記相違点2-1-5は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点2-1-5が実質的な相違点であるとしても、引用発明2-1において、該相違点2-1-5に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (3)まとめ そうすると、本願発明は、引用発明2-1と実質的に相違しないから、引用文献2に記載された発明である。又は本願発明は、引用発明2-1に基いて、若しくは引用発明2-1及び前記周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 引用発明2-2を主引用発明とした場合 (1)対比 以下、本願発明と引用発明2-2とを対比する。 ア 引用発明2-2の「携帯用袋」は、本願発明の「バッグ」に相当する。 イ 引用発明2-2は、「側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)により、前記上側の小袋(4)と前記下側の小袋(5)が分離可能である」から、開口用ファスナー(9)より下の部分は、上部が開口しており、該開口の全面を覆うように開口用ファスナー(9)より上の部分が分離可能に取り付けられているといえる。そして、この開口用ファスナー(9)より下の部分は、何らかのカテゴリーのバッグの素材といえる。さらに、該開口用ファスナー(9)よりも上の部分は、「上側の小袋(4)」を備えるからポケットを形成しているといえ、「前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有する」こと、及び引用文献2の第3図(前記1(2)ア(オ)参照。)の図示内容からみて、大袋(1)の底を構成する下側の小袋(5)の底と平行な仕切(2)で構成される底面をもっているといえる。以上によると、引用発明2-2の「入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有し、側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)により、前記上側の小袋(4)と前記下側の小袋(5)が分離可能である」ことは、本願発明の「トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」ことと、「トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」点において共通する。 ウ そうすると、本願発明と引用発明2-2とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。 <一致点2-2> 「1.トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。 1) 11種類のバッグ素材: (1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。 説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」 <相違点2-2-1> バッグ素材に対しポケットをとりつける理由について、本願発明は、「下記理由から」とし、該理由を「2)理由:(1)一番手の屈きやすい場所にある。この為迅速且つ扱い易い物の出し入れが出来る。(2)面積のある底面を持つ。この為従来のクレパス型構造のポケットでは収納が無理な形状・サイズのものも含め収納可能な物の範囲がひろい。(3)ポケットの中が非常に明かるい。この為ポケット内の収納物全体が容易に見渡せるので、物の出し入れが一層楽に行える。」としているのに対し、引用発明2-2は、該理由が明らかでない点。 <相違点2-2-2> バッグ製造における最重要事項について、本願発明は、「バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識し」ているのに対し、引用発明2-2は、このように認識したものであるか明らかでない点。 <相違点2-2-3> 本願発明は、「バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける。」のに対し、引用発明2-2は、下側の小袋(5)への物の出し入れが前記のようなものか明らかでない点。 <相違点2-2-4> 本願発明は、「2、1、の本願のバッグのトップに設けたポケットは建築分野でいう「屋根裏部屋」(外来語で「ロフト」とも云う。屋根裏部屋を意味する英語のLOFTの発音[ロフト]をそのままカタカナで日本語化したもの)をイメージさせる。よって前記ポケットを「ロフトポケット」、前記バッグを「ロフトバッグ」と呼称する。」のに対し、引用発明2-2は、「屋根裏部屋」をイメージさせ、「ロフトポケット」、「ロフトバッグ」と呼称するものといえるか明らかでない点。 <相違点2-2-5> 本願発明は、「3、1)ロフトバッグに、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えることは勿論自由であるが、その場合は当バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることが望ましい。2)前記11品目表にに対して、定番とも云えるロフトバッグを創ることは、当開発者が数種の試作品を作った感触から、可能と判断しているので、早期実現が望まれる。」のに対し、引用発明2-2は、前記のような事項を望ましいとしているか明らかでない点。 (2)判断 以下、<相違点2-2-1>~<相違点2-2-5>について検討する。 ア <相違点2-2-1>について まず、本願発明において、どのような理由で、ポケットをバッグに取り付けたかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 仮に、本願発明の理由が、本願発明の作用、効果を特定するものだとしても、引用発明2-2が、「入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有」するものであり、また、仕切(2)が面積のある面を備えることが明らかであることを踏まえると、引用発明2-2は、本願発明の理由(1)~(3)と同様の作用、効果を奏するものである。 そうすると、相違点2-2-1は実質的な相違点ではない。 仮に、相違点2-2-1が実質的な相違点であるとしても、引用発明2-2において、該相違点2-2-1に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ <相違点2-2-2>について まず、本願発明において、どのような事項をバッグ製造における最重要事項と認識しているかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、ポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をみても、引用発明2-2において、大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)の上部には、該仕切(2)を底面とする上側の小袋(4)(ポケット)が形成されているといえ、引用発明2-2の携帯用袋のポケットの在り方と、本願発明のバッグのポケットの在り方は、何ら変わらないものである。 そうすると、前記相違点2-2-2は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点2-2-2が実質的な相違点であるとしても、引用発明2-2において、該相違点2-2-2に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 ウ <相違点2-2-3>について まず、引用発明2-2の側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)は、引用発明2-1の開口部(3)を閉じる開口用ファスナー(9)の代わりに設けられるものと解されるから、引用発明2-2の側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)を開閉することによって、側面から下側の小袋(5)へ物品を出し入れすることが示唆されている。 また、引用文献2の前記1(2)ア(ウ)の記載によると、開口用ファスナー(9)を複数個設けることや、横、縦、斜めの開口用ファスナー(9)を組み合わせて設けることなどが示唆されているから、引用発明2-2において、利便性等を考慮の上、側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)に加えて、下側の小袋(5)へ物品を出し入れするための開口用ファスナー(9)を、下側の小袋(5)の胴部やマチ部にさらに設け、本願発明の前記相違点2-2-3に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 エ <相違点2-2-4>について 引用発明2-2は、「入口(8)を上にした大袋(1)の内部を上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けるための、前記大袋(1)の底(10)と平行な仕切(2)を有し、側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)により、前記上側の小袋(4)と前記下側の小袋(5)が分離可能である」ものであり、上側の小袋(4)(ポケット)を備える開口用ファスナー(9)より上の部分により、開口用ファスナー(9)より下の部分は、その開口の全面が覆われているといえる。これによれば、引用発明2-2の携帯用袋には、開口用ファスナー(9)より上の部分と開口用ファスナー(9)より下の部分に、それぞれ空間が形成され、空間が上下に並んでいるといえるから、引用発明2-2の前記開口用ファスナー(9)より上の部分の上側の小袋(4)(ポケット)は、「屋根裏部屋」、「ロフトポケット」とみることができ、引用発明2-2の携帯用袋は、「ロフトバッグ」とみることができる。 そうすると、前記相違点2-2-4は、実質的な相違点ではない。 仮に、本願発明の「屋根裏部屋」等が、ポケットに屋根、つまり蓋を備えたことを特定しているとしても、バッグ類の上部開口に蓋を備えることは、この出願の出願前から周知の事項であるから(例えば、引用発明1の上蓋11参照。)、引用発明2-2の大袋(1)の入口(8)に、前記周知の事項にならい、蓋を設けることに格別の困難性はない。また、相違点2-2-4について、さらに実質的な相違点があるとしても、引用発明2-2において、該相違点2-2-4に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 オ <相違点2-2-5>について まず、本願発明において、望ましい、あるいは望まれるとされている事項は、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、引用発明2-2の構成をみても、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えた際に、バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることができないものではなく、また、定番といえるバッグを創ることの早期実現ができないものではない。したがって、引用発明2-2の携帯用袋の構成と、本願発明のバッグの構成は、本願発明に望ましい、あるいは望まれるとされる事項が特定されていることをもって、何ら異なるものとはならない。 そうすると、前記相違点2-2-5は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点2-2-5が実質的な相違点であるとしても、引用発明2-2において、該相違点2-2-5に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (3)まとめ そうすると、本願発明は、引用発明2-2及び引用文献2に記載された事項に基いて、又は引用発明2-2、引用文献2に記載された事項及び前記周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 引用発明3を主引用発明とした場合 (1)対比 以下、本願発明と引用発明3とを対比する。 ア 引用発明3の「旅行鞄」は、本願発明の「バッグ」に相当する。 イ 引用発明3は、「下鞄本体5の上面周縁に上鞄Aと連結するためのファスナー4の片側4bが縫着されると共に、その内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着された下鞄Bと、前記下鞄Bと連結するための前記ファスナー4の片側4aが上鞄本体1の下面周縁に縫着された上鞄Aとを、前記ファスナー4により連結分離自在となしている」から、下鞄本体5の上面周縁の内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着された下鞄Bの上面を覆うように、上鞄Aがファスナー4により連結分離自在に取り付けられているといえる。そして、この下鞄Bは、何らかのカテゴリーのバッグの素材といえる。さらに、上鞄Aは、物品を収納し得るものであることは明らかであるから、ポケットを形成しているといえ、また、この上鞄Aが、下鞄Bの底面と平行な底面をもっていることも明らかといえる。以上によると、引用発明3の「下鞄本体5の上面周縁に上鞄Aと連結するためのファスナー4の片側4bが縫着されると共に、その内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着された下鞄Bと、前記下鞄Bと連結するための前記ファスナー4の片側4aが上鞄本体1の下面周縁に縫着された上鞄Aとを、前記ファスナー4により連結分離自在となしている」ことは、本願発明の「トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」ことと、「下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップを覆うようにとりつけたバッグである。」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」点において共通する。 ウ そうすると、本願発明と引用発明3とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。 <一致点3> 「1.下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップを覆うようにとりつけたバッグである。 1) 11種類のバッグ素材: (1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。 説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」 <相違点3-1> バッグ素材に対するポケットのとりつけについて、本願発明は、「トップがオープンになっている」バッグ素材に対し、ポケットを、前記バッグ素材の「トップの開口部全面」を覆うようにとりつけているのに対し、引用発明3は、下鞄本体5の上面周縁の内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着された下鞄Bと、上鞄Aとを、ファスナー4により連結分離自在となしており、上面がオープンになっている下鞄Bに対し、上鞄Aを前記上面の開口部全面を覆うようにとりつけているといえるか明らかでない点。 <相違点3-2> バッグ素材に対しポケットをとりつける理由について、本願発明は、「下記理由から」とし、該理由を「2)理由:(1)一番手の屈きやすい場所にある。この為迅速且つ扱い易い物の出し入れが出来る。(2)面積のある底面を持つ。この為従来のクレパス型構造のポケットでは収納が無理な形状・サイズのものも含め収納可能な物の範囲がひろい。(3)ポケットの中が非常に明かるい。この為ポケット内の収納物全体が容易に見渡せるので、物の出し入れが一層楽に行える。」としているのに対し、引用発明3は、該理由が明らかでない点。 <相違点3-3> バッグ製造における最重要事項について、本願発明は、「バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識し」ているのに対し、引用発明3は、このように認識したものであるか明らかでない点。 <相違点3-4> 本願発明は、「バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける。」のに対し、引用発明3は、下鞄本体5の上面周縁の内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着されている点。 <相違点3-5> 本願発明は、「2、1、の本願のバッグのトップに設けたポケットは建築分野でいう「屋根裏部屋」(外来語で「ロフト」とも云う。屋根裏部屋を意味する英語のLOFTの発音[ロフト]をそのままカタカナで日本語化したもの)をイメージさせる。よって前記ポケットを「ロフトポケット」、前記バッグを「ロフトバッグ」と呼称する。」のに対し、引用発明3は、「屋根裏部屋」をイメージさせ、「ロフトポケット」、「ロフトバッグ」と呼称するものといえるか明らかでない点。 <相違点3-6> 本願発明は、「3、1)ロフトバッグに、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えることは勿論自由であるが、その場合は当バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることが望ましい。2)前記11品目表にに対して、定番とも云えるロフトバッグを創ることは、当開発者が数種の試作品を作った感触から、可能と判断しているので、早期実現が望まれる。」のに対し、引用発明3は、前記のような事項を望ましいとしているか明らかでない点。 (2)判断 以下、<相違点3-1>~<相違点3-6>について検討する。 ア <相違点3-1>について 引用発明3の下鞄Bは、「下鞄本体5の上面周縁に上鞄Aと連結するためのファスナー4の片側4bが縫着されると共に、その内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着された」ものであるから、下鞄本体5の上面周縁の内側若しくは上面中央に下鞄開口用のファスナー6が縫着されているものである。すると、下鞄Bの上面は、下鞄開口用のファスナー6により開閉できる面であり、クローズしていないからオープンになっているといえる。そして、ファスナー4の片側4bが下鞄本体5の上面周縁に縫着され、ファスナー4の片側4aが上鞄本体1の下面周縁に縫着されていることを踏まえると、上鞄Aは、下鞄Bの上面の全面を覆っており、該上面のオープンになる開口部の全面も覆っているといえる。 そうすると、相違点3-1は実質的な相違点ではない。 仮に、相違点3-1が実質的な相違点であるとしても、引用発明3において、該相違点3-1に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 イ <相違点3-2>について まず、本願発明において、どのような理由で、ポケットをバッグに取り付けたかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 仮に、本願発明の理由が、本願発明の作用、効果を特定するものだとしても、引用発明3は、下鞄Bの上に、上鞄A(ポケット)が連結分離自在になっているものといえ、また、上鞄Aが面積のある底面を備えることが明らかであることを踏まえると、引用発明3は、本願発明の理由(1)~(3)と同様の作用、効果を奏するものである。 そうすると、相違点3-2は実質的な相違点ではない。 仮に、相違点3-2が実質的な相違点であるとしても、引用発明3において、該相違点3-2に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 ウ <相違点3-3>について まず、本願発明において、どのような事項をバッグ製造における最重要事項と認識しているかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、ポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をみても、引用発明3において、下鞄Bの上に、上鞄A(ポケット)が連結分離自在になっているといえ、引用発明3の旅行鞄のポケットの在り方と、本願発明のバッグのポケットの在り方は、何ら変わらないものである。 そうすると、前記相違点3-3は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点3-3が実質的な相違点であるとしても、引用発明3において、該相違点3-3に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 エ <相違点3-4>について 引用文献2には、引用発明2-1及び引用発明2-2が記載されているから、大袋(1)の内部が上側の小袋(4)と下側の小袋(5)に分けられた携帯用袋において、下側の小袋(5)への物品の出し入れを、下側の小袋(5)の側面に設けられた、開口用ファスナー(9)によって閉じることが可能な開口部(3)から行うことや、側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)により、上側の小袋(4)と下側の小袋(5)を分離可能とすることが示されている。さらに、引用文献2の前記1(2)ア(ウ)によると、これら開口用ファスナー(9)を複数個設けることなどが示唆されているから、引用文献2には、側面の全周に設けた開口用ファスナー(9)と、下側の小袋(5)の側面に設けられた開口部(3)を閉じる開口用ファスナー(9)をともに備えることの示唆がある。 そして、引用発明3において、下鞄Bに物品を出し入れするには、下鞄Bと上鞄Aを連結分離自在とするファスナー4、つまり側面の全周に設けられたファスナー4を開き、さらに下鞄開口用のファスナー6を開く必要があると解されるが、該出し入れの利便性等を考慮の上、引用文献2に記載された前記示唆に基づき、側面の全周に設けたファスナー4や、下鞄開口用のファスナー6に加えて、下鞄Bの胴部やマチ部にもファスナーを設け、本願発明の前記相違点3-4に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 オ <相違点3-5>について 引用発明3は、下鞄Bの上に、上鞄A(ポケット)が連結分離自在になっているものである。これによれば、引用発明3の旅行鞄には、上鞄Aと下鞄Bに、それぞれ空間が形成され、空間が上下に並んでいるといえるから、引用発明3の上鞄A(ポケット)は、「屋根裏部屋」、「ロフトポケット」とみることができ、引用発明3の旅行鞄は、「ロフトバッグ」とみることができる。仮に、本願発明の「屋根裏部屋」等が、ポケットに屋根、つまり蓋を備えたことを特定しているとしても、引用発明3の上鞄Aの上鞄本体1は、前記1(3)ア(イ)、及び同(ウ)の第1図によると、ファスナー2により開閉自在とされる上面を備えているといえるから、上鞄Aは蓋を備えているといえる。 そうすると、前記相違点3-5は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点3-5が実質的な相違点であるとしても、引用発明3において、該相違点3-5に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 カ <相違点3-6>について まず、本願発明において、望ましい、あるいは望まれるとされている事項は、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、引用発明3の構成をみても、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えた際に、バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることができないものではなく、また、定番といえるバッグを創ることの早期実現ができないものではない。したがって、引用発明3の旅行鞄の構成と、本願発明のバッグの構成は、本願発明に望ましい、あるいは望まれるとされる事項が特定されていることをもって、何ら異なるものとはならない。 そうすると、前記相違点3-6は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点3-6が実質的な相違点であるとしても、引用発明3において、該相違点3-6に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (3)まとめ そうすると、本願発明は、引用発明3及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 6 引用発明4を主引用発明とした場合 (1)対比 以下、本願発明と引用発明4とを対比する。 ア 引用発明4の「シヨルダー形式の袋」は、本願発明の「バッグ」に相当する。 イ 引用発明4は、「開口縁を備えた有底筒状である袋本体1の上方の箇所内に、前記袋本体1の底を保形する硬直芯板4と平行な底部をもつ補助袋5が挿入され、前記袋本体1の開口縁部に透設された多数の通孔6と、前記補助袋5の開口縁部に透設された多数の通孔6′に括り紐7が挿通されて前記袋本体1内に前記補助袋5が中吊り状態に附設された」ものであるから、有底筒状である袋本体1の上部は開口となっており、該開口に、袋本体1の底と平行な底部をもつ補助袋5が挿入されているといえる。そして、この袋本体1は、シヨルダー形式の袋の本体であるから、ショルダーバッグ、肩ひっかけバッグ、あるいは何らかのカテゴリーのバッグの素材といえる。さらに、補助袋5は、物品を収納し得るものであることは明らかであるから、ポケットを形成しているといえる。以上によると、引用発明4の「開口縁を備えた有底筒状である袋本体1の上方の箇所内に、前記袋本体1の底を保形する硬直芯板4と平行な底部をもつ補助袋5が挿入され、前記袋本体1の開口縁部に透設された多数の通孔6と、前記補助袋5の開口縁部に透設された多数の通孔6′に括り紐7が挿通されて前記袋本体1内に前記補助袋5が中吊り状態に附設された」ことは、本願発明の「トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」ことと、「トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な底部をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部にとりつけたバッグである。」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」点において共通する。 ウ 引用発明4の「前記袋本体1の袋本体胴部の中高位置に横向きの開閉口2が開設され、其の両側縁に止着されたスライドフアスナー3を開閉して、前記袋本体1内への物品の出入れが行われる」ことは、開閉口2を、袋本体1の前胴側の部分、後胴側の部分、右マチ側の部分、左マチ側の部分の少なくともいずれか1ヶ所には設けているといえ、また、袋本体1内への物品の出入れを、スライドフアスナー3という技術を使って行っているといえるから、本願発明の「バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける」ことに相当する。 エ そうすると、本願発明と引用発明4とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。 <一致点4> 「1.トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な底部をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部にとりつけたバッグである。 バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける。 1) 11種類のバッグ素材: (1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。 説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」 <相違点4-1> ポケットについて、本願発明は、バッグ素材の底面に平行な「底面」をもつのに対し、引用発明4は、袋本体1の底を保形する硬直芯板4と平行な底部をもつものの、該底部が底面となっているか明らかでない点。 <相違点4-2> バッグ素材に対するポケットのとりつけについて、本願発明は、ポケットを、バッグ素材のトップの「開口部全面を覆うように」とりつけているのに対し、引用発明4は、袋本体1の上方の箇所内に、補助袋5が挿入され、袋本体1の開口縁部に透設された多数の通孔6と、補助袋5の開口縁部に透設された多数の通孔6′に括り紐7が挿通されて袋本体1内に補助袋5が中吊り状態に附設されており、袋本体1の開口の全面を覆っているといえるか明らかでない点。 <相違点4-3> バッグ素材に対しポケットをとりつける理由について、本願発明は、「下記理由から」とし、該理由を「2)理由:(1)一番手の屈きやすい場所にある。この為迅速且つ扱い易い物の出し入れが出来る。(2)面積のある底面を持つ。この為従来のクレパス型構造のポケットでは収納が無理な形状・サイズのものも含め収納可能な物の範囲がひろい。(3)ポケットの中が非常に明かるい。この為ポケット内の収納物全体が容易に見渡せるので、物の出し入れが一層楽に行える。」としているのに対し、引用発明4は、該理由が明らかでない点。 <相違点4-4> バッグ製造における最重要事項について、本願発明は、「バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識し」ているのに対し、引用発明4は、このように認識したものであるか明らかでない点。 <相違点4-5> 本願発明は、「2、1、の本願のバッグのトップに設けたポケットは建築分野でいう「屋根裏部屋」(外来語で「ロフト」とも云う。屋根裏部屋を意味する英語のLOFTの発音[ロフト]をそのままカタカナで日本語化したもの)をイメージさせる。よって前記ポケットを「ロフトポケット」、前記バッグを「ロフトバッグ」と呼称する。」のに対し、引用発明4は、「屋根裏部屋」をイメージさせ、「ロフトポケット」、「ロフトバッグ」と呼称するものといえるか明らかでない点。 <相違点4-6> 本願発明は、「3、1)ロフトバッグに、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えることは勿論自由であるが、その場合は当バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることが望ましい。2)前記11品目表にに対して、定番とも云えるロフトバッグを創ることは、当開発者が数種の試作品を作った感触から、可能と判断しているので、早期実現が望まれる。」のに対し、引用発明4は、前記のような事項を望ましいとしているか明らかでない点。 (2)判断 以下、<相違点4-1>~<相違点4-6>について検討する。 ア <相違点4-1>について 引用文献4の第1図(前記1(4)ア(ウ)参照。)によると、補助袋5の開口縁部は、袋本体1の開口縁部に沿うように示されており、補助袋5の断面形状と、袋本体1の断面形状は、少なくともそれらの開口縁部において、同様の形状を有していると解される。そして、引用文献4の第2図(前記1(4)ア(ウ)参照。)において、補助袋5の両側部と、袋本体1の両側部が、互いに平行に示されていることを踏まえると、補助袋5の断面形状と、袋本体1の断面形状は、それらの下部においても、同様の形状を有していると考えるのが自然である。すると、引用発明4において、袋本体1が有底筒状であることを踏まえると、補助袋5も有底筒状であり、「袋本体1の底を保形する硬直芯板4と平行な底部をもつ補助袋5」は、有底筒状の袋本体1の底と平行な底面をもつと考えるのが自然である。 そうすると、前記相違点4-1は、実質的な相違点ではない。 また、仮に引用発明4の補助袋5の底部が底面となっていないとしても、補助袋5の形状は、要求される補助袋5の容量等に応じて、当業者が最適化し得るものであり、該容量を大きくすべく、補助袋5の底部を底面を備えたものとすることに格別の困難性はない。 イ <相違点4-2>について 引用文献4の前記1(4)ア(イ)によると、引用発明4において、袋本体1と補助袋5との間から袋本体1内への物品の出入れが可能であると解されるが、前記アに示したように、引用文献4の第1図(前記1(4)ア(ウ)参照。)に、補助袋5の開口縁部が、袋本体1の開口縁部に沿うように示されていることを踏まえると、袋本体1と補助袋5との間から袋本体1内へ物品の出入れを行わない時には、補助袋5は、袋本体1の開口の全面を覆っているといえる。 そうすると、前記相違点4-2は、実質的な相違点ではない。 また、仮に引用発明4において、袋本体1と補助袋5との間から袋本体1内へ物品の出入れを行わない時にも、補助袋5が、袋本体1の開口の全面を覆っていないとしても、補助袋5の開口の形状や寸法は、要求される補助袋5の容量等に応じて、当業者が最適化し得るものであり、該容量の最大化を図り、補助袋5により、袋本体1の開口の全面を覆うようにすることに格別の困難性はない。 ウ <相違点4-3>について まず、本願発明において、どのような理由で、ポケットをバッグに取り付けたかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 仮に、本願発明の理由が、本願発明の作用、効果を特定するものだとしても、引用発明4は、補助袋5が袋本体1の上方の箇所内に挿入され、袋本体1内に中吊り状態に附設されたものといえ、また、前記アに示したように、補助袋5は、底面をもつと考えるのが自然であることを踏まえると、引用発明4は、本願発明の理由(1)~(3)と同様の作用、効果を奏するものである。 そうすると、相違点4-3は実質的な相違点ではない。 仮に、引用発明4の補助袋5の底部が底面となっていないとしても、前記アに示したように、補助袋5の底部を底面を備えたものとすることに格別の困難性はないから、引用発明4において、本願発明の理由(1)~(3)と同様の作用、効果を奏するものとすることにも格別の困難性はない。また、相違点4-3について、さらに実質的な相違点があるとしても、引用発明4において、該相違点4-3に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 エ <相違点4-4>について まず、本願発明において、どのような事項をバッグ製造における最重要事項と認識しているかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、ポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をみても、引用発明4において、補助袋5が袋本体1の上方の箇所内に挿入され、袋本体1内に中吊り状態に附設されているといえ、引用発明4のシヨルダー形式の袋の補助袋5(ポケット)の在り方と、本願発明のバッグのポケットの在り方は、何ら変わらないものである。 そうすると、前記相違点4-4は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点4-4が実質的な相違点であるとしても、引用発明4において、該相違点4-4に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 オ <相違点4-5>について 引用発明4は、補助袋5が袋本体1の上方の箇所内に挿入され、袋本体1内に中吊り状態に附設されたものである。これによれば、引用発明4のシヨルダー形式の袋には、補助袋5と袋本体1に、それぞれ空間が形成され、空間が上下に並んでいるといえるから、引用発明4の補助袋5(ポケット)は、「屋根裏部屋」、「ロフトポケット」とみることができ、引用発明4のシヨルダー形式の袋は、「ロフトバッグ」とみることができる。 そうすると、前記相違点4-5は、実質的な相違点ではない。 仮に、本願発明の「屋根裏部屋」等が、ポケットに屋根、つまり蓋を備えたことを特定しているとしても、バッグ内のポケットの上部開口に蓋を備えることは、この出願の出願前から周知の事項であるから(例えば、当審拒絶理由で引用された引用文献5(実願昭60-138852号(実開昭62-48221号)のマイクロフィルム)の第3図における中袋用スライドファスナー9を備えた中袋7参照。)、引用発明4の補助袋5に、前記周知の事項にならい、蓋を設けることに格別の困難性はない。また、相違点4-5について、さらに実質的な相違点があるとしても、引用発明4において、該相違点4-5に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 カ <相違点4-6>について まず、本願発明において、望ましい、あるいは望まれるとされている事項は、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、引用発明4の構成をみても、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えた際に、バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることができないものではなく、また、定番といえるバッグを創ることの早期実現ができないものではない。したがって、引用発明4のショルダー形式の袋の構成と、本願発明のバッグの構成は、本願発明に望ましい、あるいは望まれるとされる事項が特定されていることをもって、何ら異なるものとはならない。 そうすると、前記相違点4-6は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点4-6が実質的な相違点であるとしても、引用発明4において、該相違点4-6に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (3)まとめ そうすると、本願発明は、引用発明4と実質的に相違しないから、引用文献4に記載された発明である。又は本願発明は、引用発明4に基いて、若しくは引用発明4及び前記周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 7 引用発明6を主引用発明とした場合 (1)対比 以下、本願発明と引用発明6とを対比する。 ア 引用発明6の「袋物」は、本願発明の「バッグ」に相当する。 イ 引用発明6は、「開口部を備えた角底状である袋物本体(1)の開口縁両側に開設された手提用の手指差込口(4)(4)′の下方切縁に、前記袋物本体(1)の底部と平行な底面を有する短小な中袋(5)の引掛具(6)を係止自在ならしめ、前記中袋(5)を前記袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめて、袋物全体を二重底形状たらしめた」ものであるから、角底状である袋物本体(1)の上部は開口部となっており、該開口部に、袋物本体(1)の底部と平行な底面を有する短小な中袋(5)が抜挿自在となっているといえる。そして、この袋物本体(1)は、何らかのカテゴリーのバッグの素材といえる。さらに、中袋(5)は、物品を収納し得るものであることは明らかであるから、ポケットを形成しているといえる。以上によると、引用発明6の「開口部を備えた角底状である袋物本体(1)の開口縁両側に開設された手提用の手指差込口(4)(4)′の下方切縁に、前記袋物本体(1)の底部と平行な底面を有する短小な中袋(5)の引掛具(6)を係止自在ならしめ、前記中袋(5)を前記袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめて、袋物全体を二重底形状たらしめた」ことは、本願発明の「トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、下記理由からバッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部全面を覆うようにとりつけたバッグである。」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」ことと、「トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部にとりつけたバッグである。」「1) 11種類のバッグ素材:(1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」点において共通する。 ウ 引用発明6の「前記袋物本体(1)の胴部に於て底部寄りの個所に縦方向の切割(2)を設けこの切割の両切縁に相互に噛合するスライドフアスナー(3)(3)′を止着し、該切割より物品の出入れを為す」ことは、切割(2)を、袋物本体(1)の前胴側の部分、後胴側の部分、右マチ側の部分、左マチ側の部分の少なくともいずれか1ヶ所には設けているといえ、また、袋物本体(1)内への物品の出入れを、スライドフアスナー(3)(3)′という技術を使って行っているといえるから、本願発明の「バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける」ことに相当する。 エ そうすると、本願発明と引用発明6とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。 <一致点6> 「1.トップがオープンになっている下記11種類のバッグ素材に対し、バッグ素材の底面に平行な底面をもつポケットを、前記バッグ素材のトップの開口部にとりつけたバッグである。 バッグ素材の本体への物の出し入れは現行技術・道具を使って、バッグ素材の前胴側/後胴側/右マチ側/左マチ側部分のいずれか1ヶ所又は複数ヶ所を選んで設ける。 1) 11種類のバッグ素材: (1)ハンドバッグ、(2)トートバッグ、(3)ショルダーバッグ、(4)肩ひっかけバッグ、(5)リュックサック、(6)デイパック、(7)背のう型バッグ、(8)ボストンバッグ、(9)巾着袋型バッグ、(10)頭陀袋型バッグ、(11)(1)~(10)のカテゴリーに入らないバッグ。 説明の混乱・煩雑さを避け、明確、簡潔を期すため、以降 前記11種類のバッグ素材を、ひとまとめにして單にバッグと呼称する。」 <相違点6-1> バッグ素材に対するポケットのとりつけについて、本願発明は、ポケットを、バッグ素材のトップの「開口部全面を覆うように」とりつけているのに対し、引用発明6は、袋物本体(1)の開口縁両側に開設された手提用の手指差込口(4)(4)′の下方切縁に、中袋(5)の引掛具(6)を係止自在ならしめ、中袋(5)を袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめており、袋物本体(1)の開口部の全面を覆っているといえるか明らかでない点。 <相違点6-2> バッグ素材に対しポケットをとりつける理由について、本願発明は、「下記理由から」とし、該理由を「2)理由:(1)一番手の屈きやすい場所にある。この為迅速且つ扱い易い物の出し入れが出来る。(2)面積のある底面を持つ。この為従来のクレパス型構造のポケットでは収納が無理な形状・サイズのものも含め収納可能な物の範囲がひろい。(3)ポケットの中が非常に明かるい。この為ポケット内の収納物全体が容易に見渡せるので、物の出し入れが一層楽に行える。」としているのに対し、引用発明6は、該理由が明らかでない点。 <相違点6-3> バッグ製造における最重要事項について、本願発明は、「バッグのポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をバッグ製造における最重要事項の一つと認識し」ているのに対し、引用発明6は、このように認識したものであるか明らかでない点。 <相違点6-4> 本願発明は、「2、1、の本願のバッグのトップに設けたポケットは建築分野でいう「屋根裏部屋」(外来語で「ロフト」とも云う。屋根裏部屋を意味する英語のLOFTの発音[ロフト]をそのままカタカナで日本語化したもの)をイメージさせる。よって前記ポケットを「ロフトポケット」、前記バッグを「ロフトバッグ」と呼称する。」のに対し、引用発明6は、「屋根裏部屋」をイメージさせ、「ロフトポケット」、「ロフトバッグ」と呼称するものといえるか明らかでない点。 <相違点6-5> 本願発明は、「3、1)ロフトバッグに、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えることは勿論自由であるが、その場合は当バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることが望ましい。2)前記11品目表にに対して、定番とも云えるロフトバッグを創ることは、当開発者が数種の試作品を作った感触から、可能と判断しているので、早期実現が望まれる。」のに対し、引用発明6は、前記のような事項を望ましいとしているか明らかでない点。 (2)判断 以下、<相違点6-1>~<相違点6-5>について検討する。 ア <相違点6-1>について 引用文献6の第1図、第2図(前記1(5)ア(イ)参照。)によると、袋物本体(1)の内面と中袋(5)の外面との間に微小な隙間が看取できるが、引用発明6は、「袋物全体を二重底形状たらしめ」るべく、袋物本体(1)と中袋(5)の断面形状、断面寸法を略同じにしていると解されるから、前記の隙間は製図の便宜上、あるいは製品の製造上、生じる微小なものである。したがって、引用発明6の中袋(5)は、実質的に、袋物本体(1)の開口部全面を覆うように、袋物本体(1)内に抜挿自在とされているといえる。 そうすると、前記相違点6-1は、実質的な相違点ではない。 また、仮に引用発明6において、中袋(5)が、袋物本体(1)の開口部全面を覆うように、袋物本体(1)内に抜挿自在とされていないとしても、中袋(5)の開口の形状や寸法は、要求される中袋(5)の容量等に応じて、当業者が最適化し得るものであり、該容量の最大化を図り、中袋(5)により、袋物本体(1)の開口部の全面を覆うようにすることに格別の困難性はない。 イ <相違点6-2>について まず、本願発明において、どのような理由で、ポケットをバッグに取り付けたかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 仮に、本願発明の理由が、本願発明の作用、効果を特定するものだとしても、引用発明6は、袋物本体(1)の開口縁の近傍に中袋(5)を係止自在ならしめ、中袋(5)を袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめて、袋物全体を二重底形状たらしめたものといえ、また、中袋(5)が底面を有することを踏まえると、引用発明6は、本願発明の理由(1)~(3)と同様の作用、効果を奏するものである。 そうすると、相違点6-2は実質的な相違点ではない。 仮に、相違点6-2が実質的な相違点であるとしても、引用発明6において、該相違点6-2に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 ウ <相違点6-3>について まず、本願発明において、どのような事項をバッグ製造における最重要事項と認識しているかは、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、ポケットの在り方(容量の大きさ/形状/場所)をみても、引用発明6において、袋物本体(1)の開口縁の近傍に中袋(5)を係止自在ならしめ、中袋(5)を袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめて、袋物全体を二重底形状たらしめているといえ、引用発明6の袋物の中袋(5)(ポケット)の在り方と、本願発明のバッグのポケットの在り方は、何ら変わらないものである。 そうすると、前記相違点6-3は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点6-3が実質的な相違点であるとしても、引用発明6において、該相違点6-3に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 エ <相違点6-4>について 引用発明6は、袋物本体(1)の開口縁の近傍に中袋(5)を係止自在ならしめ、中袋(5)を袋物本体(1)内に抜挿自在ならしめて、袋物全体を二重底形状たらしめたものといえる。これによれば、引用発明6の袋物には、中袋(5)と袋物本体(1)に、それぞれ空間が形成され、空間が上下に並んでいるといえるから、引用発明6の中袋(5)(ポケット)は、「屋根裏部屋」、「ロフトポケット」とみることができ、引用発明6の袋物は、「ロフトバッグ」とみることができる。 そうすると、前記相違点6-4は、実質的な相違点ではない。 仮に、本願発明の「屋根裏部屋」等が、ポケットに屋根、つまり蓋を備えたことを特定しているとしても、バッグ内のポケットの上部開口に蓋を備えることは、この出願の出願前から周知の事項であるから(例えば、当審拒絶理由で引用された引用文献5(実願昭60-138852号(実開昭62-48221号)のマイクロフィルム)の第3図における中袋用スライドファスナー9を備えた中袋7参照。)、引用発明6の中袋(5)に、前記周知の事項にならい、蓋を設けることに格別の困難性はない。また、相違点6-4について、さらに実質的な相違点があるとしても、引用発明6において、該相違点6-4に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 オ <相違点6-5>について まず、本願発明において、望ましい、あるいは望まれるとされている事項は、本願発明のバッグの構成の特定に寄与しないものである。 そして、引用発明6の構成をみても、二つ目、三つ目のポケットをつけ加えた際に、バッグの使いまわしに支障が生じないようにすることができないものではなく、また、定番といえるバッグを創ることの早期実現ができないものではない。したがって、引用発明6の袋物の構成と、本願発明のバッグの構成は、本願発明に望ましい、あるいは望まれるとされる事項が特定されていることをもって、何ら異なるものとはならない。 そうすると、前記相違点6-5は、実質的な相違点ではない。 仮に、相違点6-5が実質的な相違点であるとしても、引用発明6において、該相違点6-5に係る本願発明のバッグの構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (3)まとめ そうすると、本願発明は、引用発明6と実質的に相違しないから、引用文献6に記載された発明である。又は本願発明は、引用発明6に基いて、若しくは引用発明6及び前記周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は明確でないから、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、特許を受けることができない。 また、本願発明は、引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された発明、引用文献4に記載された発明又は引用文献6に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 そして、本願発明は、引用発明1に基いて、引用発明2-1に基いて、引用発明2-1及び周知の事項に基いて、引用発明2-2及び引用文献2に記載された事項に基いて、引用発明2-2、引用文献2に記載された事項及び周知の事項に基いて、引用発明3及び引用文献2に記載された事項に基いて、引用発明4に基いて、引用発明4及び周知の事項に基いて、引用発明6に基いて、又は引用発明6及び周知の事項に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、この出願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-011299

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