商標拒絶査定不服審判
2024-010765
ビハダリポソーム
- 審判番号
- 2024-010765
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-067979
- 請求日
- 2024年06月28日
- 審決日
- 2025年04月16日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】富士フイルム株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人栄光事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 幸志
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .13 -Z (W0103)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 67979拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月20日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年11月 6日 :刊行物等提出書
令和5年12月13日付け:拒絶理由通知
令和6年 1月29日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 3月29日付け:拒絶査定
令和6年 6月28日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「美肌リポソーム」の文字を標準文字で表してなり、第1類及び第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品については、上記1の原審における手続補正書により、第1類「リポソームを含む化学品」及び第3類「リポソームを使用した化粧品,リポソームを使用したせっけん類」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「美肌リポソーム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「美肌」の文字は「肌を美しくすること。また、美しい肌。」の意味を有する語であり、「リポソーム」の文字は「生体膜と同じくリン脂質の二分子膜の構造からなる微少なカプセル。」の意味を有する語である。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、リポソーム化された成分を含んでなる商品が一般に取引されており、そうした成分の美肌効果について注目されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は「美肌効果を有する、リポソーム化された成分を含んでなる商品」であることを認識するにすぎないから、本願商標は商品の品質、原材料、効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「美肌リポソーム」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
そして、本願商標を構成する「美肌」の文字は「色つやの美しい肌。また、肌を美しくすること。」を、「リポソーム」の文字は「細胞膜の基本構造を成す脂質二重層を模した人工膜のカプセル。大きさは0.1~0.2マイクロメートル程度。内部にDNAやたんぱく質のほか、薬剤などを封入し、患部のみに制がん剤を送り届けるドラッグデリバリーシステムや、化粧品などに利用される。」(いずれも出典:デジタル大辞泉 株式会社小学館)を、意味する語である。
そして、本願の指定商品を取り扱う分野において、「美肌」の語は、上記の意味合いを表示するものとして多用されている語であり(別掲1)、原審で提示した証拠及び別掲2のとおり、リポソーム化された成分を含んでなる商品が一般に取引され、そうした成分の美肌効果について記載されている事実が見受けられる。
そうすると、本願商標を構成する「美肌」及び「リポソーム」の語は、本願の指定商品を取り扱う分野において、「色つやの美しい肌」又は「肌を美しくすること」の意味合いの肌の状態を表す語とその状態を保つための成分の一つを表す語であり、互いに関連性を有する語であるといえる。
以上よりすると、本願商標は、本願の指定商品を取り扱う分野において多用される「美肌」の文字と、それと関連性を有する「リポソーム」の語を組み合わせたものであると認識されるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「美肌効果を有する、リポソーム化された成分を含んでなる商品」であることを認識するにとどまり、本願商標は、その商品の品質を表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当であるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標に含まれる「美肌」の語は、漠然とした概念であり、当該語から一義的な意味合いを看取することはできず、「リポソーム」の語はどのような技術なのか今ひとつ判然としないことから、本願商標から想起される意味合いは非常に曖昧であり、漠としたイメージが想起される程度の造語商標である旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「美肌」及び「リポソーム」の語はいずれも辞書等に採録されている成語であるから、各語の意味合いは明確である上、本願指定商品を取り扱う分野において、「美肌」の語は多用されている語であって、「美肌」及び「リポソーム」の語は関連性を有する語であることから、これらを組み合わせてなる本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者によって、「美肌効果を有する、リポソーム化された成分を含んでなる商品」であることを表示するものとして一般に認識されるというのが相当である。
イ 請求人は、「美肌」及び「リポソーム」の語をその構成中に含む過去の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や、その商品の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであるから、これら過去の登録例が存在することをもって、本願商標の上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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