商標拒絶査定不服審判
2024-010658
ローズグレー
- 審判番号
- 2024-010658
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-064949
- 請求日
- 2024年06月27日
- 審決日
- 2025年03月19日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ニプロ株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 64949拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月 5日付け:拒絶理由通知書
令和6年 1月18日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 4月 5日付け:拒絶査定
令和6年 6月27日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「RoseGray」の文字を標準文字で表してなり、第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第10類「医療用ガイドワイヤー」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「RoseGray」の文字を標準文字で書してなるものであって、これは「赤みの灰色」を表す「ローズグレイ(rose grey)」に通じるものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う分野においては、「ローズグレイ」及びこれに通じる「ローズグレー」の文字が、商品の色彩を表す語として使用されている事実がある。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「赤みの灰色の商品」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「RoseGray」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、原審提示の情報にあるように、日本産業規格(JIS)において「赤みの灰色」を表す慣用色名とされている「ローズグレイ」の語を英語で表したといえるものである。
そして、原審提示の情報にあるように、本願の指定商品を含む、医療用機械器具を取り扱う分野においては、商品の美感を高めることや、商品を判別しやすくすること等を目的として、商品に様々な色彩が付されることが一般的に行われている事実が認められ、また、商品の色彩を表す語として「ローズグレイ(ローズグレー)」の文字が使用されている事例も見受けられるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「赤みの灰色の商品」であるという、その商品の品質(色彩)を表示したものと理解、認識するというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、原審に提示された情報中には、本願の指定商品である「医療用ガイドワイヤー」に関して「ローズグレイ(ローズグレー)」の文字が使用されていることを示すものはなく、そのような情報を基になされた原査定は失当である旨主張する。
また、請求人は、色彩が商品の品質等表示に該当する場合とは、色彩が商品の選択において必要不可欠若しくは重要な情報である場合に限られるというべきであって、商品「医療用ガイドワイヤー」については、そのような事情は存在しない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品そのものについて、本願商標や「ローズグレイ」の文字が色彩の表示として使用されている事実が見当たらないとしても、「医療用ガイドワイヤー」とその他の医療用機械器具とで、その取引者、需要者の層が大きく異なるというべき事情は見当たらないことからすると、「医療用ガイドワイヤー」の取引者、需要者の認識を推認するにおいて、広く医療用機械器具の分野における実情を勘案することが適切でないとはいえない。
そして、上記(1)のとおり、本願の指定商品を含む、医療用機械器具を取り扱う分野においては、商品の美感を高めることや、商品を判別しやすくすること等を目的として、商品に様々な色彩が付されることが一般的に行われている。
また、例えば別掲に示すように、「医療用ガイドワイヤー」と同様に血管の処置等に用いられる医療用器具である「シースイントロデューサー」については、商品のサイズに応じて色分けされており、その色の中には「グレー」(灰色)なども採択されている事実が認められることなどからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それがその商品の品質(色彩)を表示したものと理解し、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
イ 請求人は、「ローズグレイ」なる色彩の認知度は低く、その文字から「赤みの灰色」なる稀有な日本語の色名を想起することは通常あり得ない旨主張する。
しかしながら、「ローズグレイ」の文字は、日本産業規格(JIS)において「赤みの灰色」を表す慣用色名とされているものであるから、これに接する取引者、需要者によって、商品の色彩を表示するものとして一般に認識されるというべきものであり、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものといえるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
ウ 請求人は、通常「赤みの灰色」を表示するものとして使用される色彩の表示は、「ローズグレイ(ローズグレー)」の片仮名や、「rose grey」の欧文字であって、また、本願商標については、「グレイ」に相当する部分の欧文字表記が通常アメリカ英語の「gray」ではない(イギリス英語の「grey」である)ことや、語頭の「R」及び中間の「G」が大文字となっていることから、極めて奇異な印象を看者に与えるものといえることなどからすれば、本願商標は造語として認識されるというべきものである旨主張する。
しかしながら、色彩表示としての「ローズグレイ」の英語表記として、「RoseGray」の文字そのものが一般的に使用されている事実が見当たらないとしても、当該「ローズグレイ」の語は、「rose grey」の欧文字表記からも明らかなとおり、「薔薇色。淡紅色。」などを意味する「ローズ(rose)」の文字と、「灰色。ねずみ色。」などを意味する「グレイ(グレー)」の文字を結合させてなるものであって、また、「gray」の語も「grey」の語も「グレイ(グレー)」の語の英語表記としてはいずれも一般的に用いられているものであることからすれば(出典・参考:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)、請求人指摘の点を理由として、本願商標に接する取引者、需要者が、それが色彩の表示としての「ローズグレイ」とは別異の語であると理解するとはいえない。
エ 請求人は、色彩を表示すると考えられる文字からなる商標に係る登録例や審決例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なる点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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