商標拒絶査定不服審判
2024-010586
エガオノミナモト
- 審判番号
- 2024-010586
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-094064
- 請求日
- 2024年06月26日
- 審決日
- 2025年04月24日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日世株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人有古特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .16 -Z (W2930323543)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-94064拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年8月24日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年2月8日付け:拒絶理由通知書
令和6年3月25日:意見書の提出
令和6年4月4日付け:拒絶査定
令和6年6月26日:審判請求書、手続補正書の提出
令和7年1月30日付け:証拠調べ通知書
令和7年3月10日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「笑顔のみなもと」の文字を標準文字で表してなり、第7類、第11類、第16類、第29類、第30類、第32類、第35類、第37類、第40類及び第42類ないし第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、前記1の手続補正書により、最終的に、第29類、第30類、第32類、第35類及び第43類に属する別掲1のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「笑顔のみなもと」の文字を標準文字で表してなるところ、食品の販売や飲食物の提供の分野においては、「笑顔の源」や「笑顔のみなもと」の文字がキャッチフレーズとして使用されている実情が見受けられる。そうとすると、本願商標を、本願指定商品及び指定役務中、第29類、第30類、第32類、第35類、第43類に属する商品及び役務に使用しても、これに接する需要者・取引者は、宣伝文句を表示したものと認識、理解するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2(1)アないしケ及び(2)アないしカに示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 職権証拠調べに対する請求人の意見
(1)証拠調べ通知書に掲載されている使用事実15件のうち、本願商標の構成文字である「笑顔のみなもと」と同一の構成文字で使用されているのは2件のみであるから、構成文字「笑顔のみなもと」としての使用例は多いものではない。また、「笑顔のみなもと」は「笑顔の源」と比較して、親しみやすい印象を需要者に与えることができる。
(2)「笑顔のみなもと」及び「笑顔の源」の文字の使用例は、他の文字で補われることによって全体として何らかの意味合いを需要者に認識させ、商品及び役務の説明等を表示する語の一部として使用されているものである。そうとすると、「笑顔のみなもと」に接する需要者は、他の文字で補われない限り、その意味合いを漠然と認識するにとどまるものである。
(3)したがって、本願商標は、キャッチフレーズ等に一般に使用されているとはいえず、本願指定商品及び指定役務との関係において、自他商品等識別力を欠くものではなく十分に出所表示機能等の商標としての機能を発揮するものである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号について
商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品又は役務の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法3条1項6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項1号ないし5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品・役務の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(平成21年(行ケ)第10270号、平成22年1月27日知財高裁判決)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「笑顔のみなもと」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「笑顔」の文字は、「笑みを含んだ顔。わらいがお。」(出典:「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味を有する語であり、「の」の文字は、所有者を示す助詞(前掲書)であり、「みなもと」の文字は、「物事の起こるはじめ。起源。」(前掲書)の意味を有する語である。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、指定商品及び指定役務に関連する分野において、「笑顔のみなもと」及び「笑顔の源」の文字が、その商品(食品)を食べることや食事をすることによって笑顔になれる等の意味合いで、顧客の吸引、商品の販売促進又は役務の提供促進等のためのキャッチフレーズ等に一般に使用されていることがうかがえる事実が確認できる。
そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、指定商品及び指定役務に関連する分野において、「笑顔のみなもと」及び「笑顔の源」の文字が、その商品(食品)を食べることや食事をすることによって笑顔になれる等の意味合いで、顧客の吸引、商品の販売促進又は役務の提供促進等のためのキャッチフレーズ等として理解するにとどまるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商標であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、「笑顔のみなもと」の使用例は少ないこと、また、「笑顔のみなもと」及び「笑顔の源」の文字は、他の文字で補われない限り、その意味合いを漠然と認識するにとどまるものであるから、キャッチフレーズ等に一般に使用されているとはいえず、本願指定商品及び指定役務との関係において、自他商品等識別力を欠くものではなく十分に出所表示機能等の商標としての機能を発揮するものである旨主張する。
しかしながら、前記(2)のとおり、指定商品及び指定役務に関連する分野において、「笑顔のみなもと」及び「笑顔の源」の文字が、その商品(食品)を食べることや食事をすることによって笑顔になれる等の意味合いで、顧客の吸引、商品の販売促進又は役務の提供促進等のためのキャッチフレーズ等に一般に使用されていることがうかがえる実情を考慮すれば、「笑顔のみなもと」の文字からなる本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、その商品(食品)を食べることや食事をすることによって笑顔になれる等の意味合いで、顧客の吸引、商品の販売促進又は役務の提供促進等のためのキャッチフレーズ等として理解するにとどまるものであるから、本願商標は、自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
イ 請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品及び指定役務との関係において、自他商品又は役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成態様や指定商品及び指定役務が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他商品又は役務の識別力を欠くものであることは、前記(2)のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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