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商標拒絶査定不服審判

2024-010309

イイブイサイクル

審判番号
2024-010309
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-065557
請求日
2024年06月21日
審決日
2025年03月13日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】glafit株式会社
  • 【請求人代理人】IBC一番町弁理士法人
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 大塚 正俊
分類
T18 .13 -Z (W12) / T18 .272-Z (W12)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023-65557拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年6月14日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年1月4日付け:拒絶理由通知書 令和6年2月22日:意見書、手続補正書の提出 令和6年4月1日付け:拒絶査定 令和6年6月21日:審判請求書の提出 令和6年12月2日付け:証拠調べ通知書 令和7年1月20日:意見書、手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は、「EVサイクル」の文字を標準文字で表してなり、第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品については、前記1の手続補正書により、最終的に、第12類「特定小型原動機付自転車」に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「EVサイクル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「EV」の文字は、「電気自動車(電気を動力源とした自動車)」の意味を有し、「サイクル」の文字は、「自転車のこと」を表す語である。そして、「電気自動車」を「EV車」と称することがあるように、本願指定商品を取り扱う分野においては、電動アシスト自転車を「EVサイクル」、電動二輪車を「EV二輪車」と称するなど、「EV」の文字を「電動(電気で動くこと)」程の意味合いで、「EV○○」(○○には商品の普通名称又は品質を表示する語が入る。)の語を使用し取引している実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「電動自転車」又はこれに関連する商品であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにすぎないというのが相当である。また、本願商標を、上記商品に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1(1)ないし(9)及び別掲2(1)ないし(10)に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。 5 証拠調べに対する請求人の意見の要点 (1)請求人は、意見書と同日付提出の手続補正書によって、本願商標の指定商品を「特定小型原動機付自転車」へと補正した。 (2)「EVサイクル」の文字は、その構成中の「EV」及び「サイクル」の文字が多義的であることから、漠とした曖昧な観念が生じ得るに過ぎず、また仮に、「EV」の文字より「電動(電気で動くこと)」の意味が生じるとしても、「サイクル」の文字が多数の意味を表し得ることから、「電動の一連の出来事が繰り返す過程」、「電動の循環」、「電動の反復」といった漠とした曖昧な観念が生じ得るにすぎず、十分に自他商品の識別標識として機能し得る。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号の趣旨 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。 (2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について 本願商標は、「EVサイクル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「EV」の文字は、「電気自動車(電気を動力源とした自動車)」(出典:株式会社大修館書店「ジーニアス英和辞典 第六版」)の意味、「サイクル」の文字は「自転車のこと。」(出典:「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味を有する語であるから、本願商標は全体として「電気で動く自転車」程の意味合いを表すものである。 そして、当審における職権による調査によれば、指定商品に関連する分野において、「EVサイクル」の文字が、「電気で動く自転車」程の意味合いで、商品の品質(機能)等を表す語として一般に使用されていることがうかがえる事実(別掲1)に加え、「EV」の文字が「電動(電気で動くこと)」程の意味合いで、「EV○○」(○○には商品名が入る。)のような態様にて商品の品質(機能)等を表す語として使用されている事実(別掲2)が認められる。 このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「電気で動く自転車」であると認識するというのが相当である。 そうとすると、本願商標は、その指定商品との関係において、商品の品質(機能)を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他商品の識別力を欠くというべきである。 また、本願商標は、これをその指定商品中、「電気で動く自転車」以外の商品に使用するときは、これに接する需要者に、その商品があたかも「電気で動く自転車」であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標を構成する文字「EVサイクル」の文字は、「EV」及び「サイクル」の文字が多義的であることから、漠然とした曖昧な観念が生じ得るにすぎず、また仮に、「EV」の文字より「電動(電気で動くこと)」の意味が生じるとしても、「サイクル」の文字が多数の意味を表し得ることから、「電動の一連の出来事が繰り返す過程」、「電動の循環」、「電動の反復」といった漠然とした曖昧な観念が生じ得るにすぎず、十分に自他商品の識別標識として機能し得る旨主張する。 しかしながら、前記(2)のとおり、指定商品に関連する分野において、「EVサイクル」の文字が、「電気で動く自転車」程の意味合いで、商品の品質(機能)等を表す語として一般に使用されていることがうかがえる事実(別掲1)に加え、「EV」の文字が「電動(電気で動くこと)」程の意味合いで、「EV○○」(○○には商品名が入る。)のような態様にて商品の品質(機能)等を表す語として使用されている事実(別掲2)を踏まえれば、これをその指定商品に使用しても、これに接する需要者等は、「電気で動く自転車」であることを認識するにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、単に商品の品質(機能)を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるというべきである。 イ 請求人は、「EV」の文字を構成中に含む商標登録例を挙げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様や、査定時又は審決時における取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断すべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。 ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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