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商標拒絶査定不服審判

2024-010027

マスターソムリエオブサケ、マスターソムリエ

審判番号
2024-010027
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-037634
請求日
2024年06月17日
審決日
2025年05月15日
公報発行日
2025年06月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】サケ ソムリエ アカデミー リミテッド
  • 【請求人代理人】弁理士法人みなとみらい特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 大塚 正俊
分類
T18 .271-WY (W41)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項15号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023-37634拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年4月7日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年10月17日付け:拒絶理由通知書 令和6年1月22日:意見書の提出 令和6年3月12日付け:拒絶査定 令和6年6月17日:審判請求書の提出 令和6年12月16日:刊行物等提出書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,教育上の試験の実施,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),インターネットを利用して行う映像の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供,映画の上映・制作又は配給,録音又は録画済み記録媒体の複製,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与」を指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、図形の下方に「MASTER SOMMELIER OF SAKE」の文字を横書きしてなるところ、その構成中「MASTER SOMMELIER」の文字及びこれと同義とみられる「マスターソムリエ」の文字(以下、これらを「引用標章」という。)は、英国所在の組織であるThe Court of Master Sommeliers(CMS)が設立した最上位のソムリエの資格の名称として、本願商標の登録出願前から現在に至るまで、需要者の間に広く認識されている実情がある。そのため、本願商標をその指定役務に使用するときは、その役務が、あたかもThe Court of Master Sommeliers(CMS)と、組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 本願指定役務の分野における引用標章の周知性 原審で示した証拠、当審における令和6年12月16日受付の刊行物等提出書において提出された証拠(資料1~資料24)並びに当審における職権調査によれば、以下のとおりである。 (ア)The Court of Master Sommeliersは、1977年に英国において、飲料に関する知識とサービスにおいて最高水準のソムリエを養成・認定する組織として設立された(資料4)。 (イ)The Court of Master Sommeliersは、ソムリエ入門コース、認定ソムリエ、上級ソムリエ、マスターソムリエの4段階の資格認定を行っている(資料2)。「マスターソムリエ」は、最上位のソムリエ資格であり、その合格率は3~8%で、世界で最難関と評されている(資料2、11)。日本人では、2019年、2023年にそれぞれ1名が認定された(資料5~9)。 (ウ)マスターソムリエに関する新聞記事、また、航空会社、レストラン等の飲食店及びワインの生産者・販売者等が日本において提供するサービスや商品が「マスターソムリエ」が推奨しているものであることをうたった宣伝広告などがある(資料14~24)。 (エ)「ワインリンク」ウェブサイトのワイン用語辞典には、「マスター・ソムリエ(Master Sommelier)」について、「1977年にイギリスに設立されたThe Court of Master Sommelierの資格。難易度では世界トップクラス。セオリーより実サービスに重点を置いている。4つのレベルに分かれた試験にクリアして、マスター・ソムリエとなる事が出来る」旨の記載がある(資料25)。 上記によれば、The Court of Master Sommeliersは1977年に設立され、ソムリエの4段階の資格認定を行っている。そして、そのうちの「マスターソムリエ」は最上位のソムリエ資格であり、その合格率は3~8%という世界で最難関と評されるものであって、The Court of Master Sommeliersが、現在でも当該資格の認定を行っている実情はうかがえる。 しかしながら、The Court of Master Sommeliersによる、引用標章を使用したワイン類等酒類及びソムリエに関する知識の教授やセミナーの開催についての広告宣伝規模や売上げの規模等、引用標章の周知性を客観的に判断するための具体的な証拠が提出されていないことから、本願商標の登録出願時及び登録査定時における引用標章の周知性の程度を推し量ることができない。 そうとすると、引用標章は、本願商標の登録出願時及び登録査定時において、The Court of Master Sommeliersの業務に係る役務を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されるに至っていたと認めることができない。 イ 本願商標と引用標章の類似性について (ア)本願商標 本願商標は、別掲のとおり、灰色の円の中に、青色の二重丸及び金色の稲を表したとおぼしき図形の下方に「MASTER SOMMELIER OF SAKE」の文字を横書きしてなるところ、構成中の「MASTER」の文字は「名人、達人」(出典:「ジーニアス英和辞典第6版」株式会社大修館書店)の、「SOMMELIER」の文字は「ソムリエ(レストランなどのワイン係)」(前掲書)の意味を有する語であり、「OF」の文字は「・・・の」等を意味する前置詞(前掲書)であり、「SAKE」の文字は「米と麹で醸造した、日本特有のアルコール含有飲料。日本酒。」(出典:「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する「さけ【酒】」を欧文字で表したものと容易に理解させる語であるが、これらを結合した「MASTER SOMMELIER OF SAKE」の文字は、辞書等に載録された語ではなく、また、直ちに特定の意味合いを理解させるというべき事情も認められないから、造語として理解されるというのが相当である。 そうとすると、本願商標は、その構成文字に相応して「マスターソムリエオブサケ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。 (イ)引用標章 引用標章は、「Master Sommelier」の文字又は「マスターソムリエ」の文字を横書きした構成からなるところ、上記(ア)と同様に、構成中の「Master」の文字は「名人、達人」の、「Sommelier」の文字は「ソムリエ(レストランなどのワイン係)」の意味を有する語であり、「マスター」及び「ソムリエ」の文字は、それぞれ「Master」及び「Sommelier」の読みを片仮名で表したものと容易に理解されるものであるが、これらを結合した「Master Sommelier」又は「マスターソムリエ」の文字は、辞書等に載録された語ではなく、また、直ちに特定の意味合いを理解させるというべき事情も認められないから、造語として理解されるというのが相当である。 そうとすると、引用標章は、それぞれの構成文字に相応して、「マスターソムリエ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。 (ウ)本願商標と引用標章の比較 本願商標と引用標章の外観を比較すると、図形の有無の差異を有し、文字部分についても、語尾部分における「of Sake」の文字の有無に差異を有するものであるから、これらの差異が両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は少ないとはいえず、両者は、外観上、相紛れるおそれはない。 次に、本願商標の文字部分から生じる「マスターソムリエオブサケ」の称呼と引用標章から生じる「マスターソムリエ」の称呼を比較すると、語尾部分において「オブサケ」の音の有無という差異を有するから、この音の差異が、全体の称呼に及ぼす影響は大きく、聴別できる。 また、両者の観念については、ともに特定の観念が生じないから、観念において比較することができない。 以上からすると、本願商標と引用標章とは、外観及び称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないから、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものであって、その類似性の程度は低い。 ウ 出所の混同のおそれについて 上記ア及びイのとおり、本願商標と引用標章の類似性の程度が低く、引用標章は、The Court of Master Sommeliersの取扱いに係る役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているとは認められない。 そうとすると、本願商標は、これに係る指定役務の取引者、需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すれば、出願人が本願商標をその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして、引用標章を連想又は想起することはなく、その役務がThe Court of Master Sommeliersあるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本願商標が引用標章と出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (2)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではないから、本願商標が同項同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2024-010027

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