商標拒絶査定不服審判
2024-010009
ユルットグルテンフリー
- 審判番号
- 2024-010009
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-064799
- 請求日
- 2024年06月17日
- 審決日
- 2025年10月22日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ケンミン食品株式会社
- 【請求人代理人】鳥巣 慶太
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .16 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-64799拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月11日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月26日 :意見書の提出
令和6年 3月14日付け:拒絶査定
令和6年 6月17日 :審判請求書の提出
令和7年 5月14日付け:審尋
令和7年 6月30日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ゆるっとグルテンフリー」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,アイスクリーム用凝固剤,料理用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,チョコレートスプレッド,調理済み麺類,小籠包,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用グルテン,食用粉類」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原審において、「本願商標は、「ゆるっとグルテンフリー」の文字を標準文字で表してなるところ、「グルテンフリー」とは、食品を取り扱う業界において、「グルテンを摂取しない食事方法、グルテンを含まない食品」ほどの意味合いを指標する語として使用されている。そして、同業界において、「ゆるっとグルテンフリー」の語は、グルテンを含む食品の一部をグルテンを含まない食品で代用するなどして、自分のペースで無理なく行うグルテンを摂取しない食事方法を表す際に使用されている実情を確認できる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「自分のペースで無理なく行うグルテンを摂取しない食事方法を達成するための商品」という商品の特長を理解、認識するというのが相当であるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋(要旨)
当審において、令和7年5月14日付け審尋により、別掲1ないし別掲3に掲げる事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対して、令和7年6月30日に意見書を提出し、要旨以下(1)及び(2)のとおりの意見を述べた。
(1)審尋で提示のあった「ゆるっと」の語は、いずれもサービスに使用されていて、商品に使用されたものでないため、これらの少ない例示から、「ゆるっと」の文字が商品に使用されたときに、「ゆったり」を意味するとした認定には論理的な飛躍があり、このことから商品に使用する「ゆるっと」が「ゆっくり」を意味すると一義的に決まるものではなく、また、他の語と結びついた「ゆるっと○○」の構成の例示に関しても、「ゆるっと」と「商品名称」を組み合わされた例示はない。
(2)審尋で提示のあった「グルテンフリー」の語は、「グルテン」が「フリー」の食品、すなわち、「小麦粉などに含まれる各種のタンパク質の混合物で、灰褐色の粘り気のある物質(グルテン)が入っていない食品」を表す文言を示す例示であるから、本願商標からは、「グルテンが少しだけ入っている食品」、「通常の食品よりもグルテンが抑えられた食品」を認識するか、若しくは、「ゆるっとグルテンフリー」が辞書にない造語であり、「グルテンがフリー(ゼロ)としながら、ゆるっととゼロと反する表現」などから、需要者・取引者は、この商品がどういった食品かを想像し、思い巡らせる、興味深い商品であると認識するものである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「ゆるっとグルテンフリー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「ゆるっと」の平仮名及び「グルテンフリー」の片仮名を組み合わせてなるものであると容易に理解できるものである。
ところで、本願商標の構成中「ゆるっと」の文字は、近年、別掲1のような使用例からすれば、例えば「急速でない。ゆっくりしている。のろい。」等を意味する「緩い」、又は「いそがないさま。ゆるゆる。ゆっくり。くつろいでいるさま。おちついているさま。」等を意味する「緩り」(いずれも出典は「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)の文字と同様の意味合いで使用されている文字といえる。
そして、別掲2のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、「ゆるっと」の文字が、他の語と結びついた「ゆるっと○○」の構成で、「(ダイエット等を)無理なく(緩く)行うための○○」ほどの意味合いを認識させる語として広く使用されていることが確認できる。
また、「グルテンフリー」の文字は「小麦などグルテンを含む食品をとらない食事法。また、グルテンを含んでいない食品のこと。」(出典:「コトバンク」のウェブサイト https://kotobank.jp/word/%E3%81%90%E3%82%8B%E3%81%A6%E3%82%93%E3%81%B5%E3%82%8A%E3%83%BC-3224042)を意味する語であり、別掲3のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、グルテンを含まない食品で代用し、グルテンの摂取を控えるための商品(食品)が一般に製造、販売され、当該商品(食品)を表す語として「グルテンフリー」の語が使用されている実情が確認できる。
加えて、原審説示のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、「ゆるっとグルテンフリー」の語が、食品の一部にグルテンを含まない食品で代用するなどして、無理なく行うグルテンを摂取しない食事法を表す際に使用されている実情も確認できる。
そうすると、本願商標は、その構成全体から、「無理なく(緩く)グルテンを含む食品を摂取しない食事法」ほどの意味合いを認識させるものであり、これを、その指定商品に使用するときは、それに接する取引者、需要者は、「無理なく(緩く)グルテンを摂取しない食事法を行うための商品(食品)」であるという、その商品の特長を端的に表した宣伝文句の一種と認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中の「ゆるっと」の文言は、辞書に掲載のない語であり、それ自体が特徴的な文言であって、上記5(1)のとおり、審尋で提示のあった「ゆるっと」の語は、いずれもサービスに使用されていて、商品に使用されたものでないため、これらの少ない例示から、「ゆるっと」の文字が商品に使用されたときに、「ゆったり」を意味するとした認定には論理的な飛躍があり、商品に使用する「ゆるっと」が「ゆっくり」を意味すると一義的に決まるものではなく、また、他の語と結びついた「ゆるっと○○」の構成の例示に関しても、「ゆるっと」と「商品名称」を組み合わされた例示はない旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標の構成中の「ゆるっと」の文字は、「緩い」又は「緩り」の文字と同様の意味合いで使用されていること(別掲1)、また、本願の指定商品に関連する分野において、「ゆるっと」の文字が、他の語と結びついた「ゆるっと○○」の構成で、「(ダイエット等を)無理なく(緩く)行うための○○」ほどの意味合いを認識させる語として広く使用されていることを考慮すれば(別掲2)、該文字は、「無理なく(緩く)」程の意味合いを容易に想起させるものであって、このことは、「ゆるっと」の文字に結びついた語「〇〇」が商品ではなくサービスであること等によって左右されるものではない。
イ 請求人は、審尋で提示のあった「グルテンフリー」の語は、「小麦粉などに含まれる各種のタンパク質の混合物で、灰褐色の粘り気のある物質(グルテン)が入っていない食品」を表す文言を示す例示であるから、本願商標からは、「グルテンが少しだけ入っている食品」、「通常の食品よりもグルテンが抑えられた食品」を認識するか、若しくは、「ゆるっとグルテンフリー」が辞書にない造語であり、「グルテンがフリー(ゼロ)としながら、ゆるっととゼロと反する表現」などから、需要者・取引者は、この商品がどういった食品かを想像し、思い巡らせる、興味深い商品であると認識する旨主張している。
しかしながら、上記アのとおり、「ゆるっと」の文字は、「無理なく(緩く)」程の意味合いを容易に想起させる語であること、また、上記(1)のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、グルテンを含まない食品で代用し、グルテンの摂取を控えるための商品(食品)が一般に製造、販売され、当該商品(食品)を表す語として「グルテンフリー」の語が使用されている実情にあること(別掲3)、原審で示したとおり、「ゆるっと」と「グルテンフリー」を結合した「ゆるっとグルテンフリー」の語が、食品の一部にグルテンを含まない食品で代用するなどして、無理なく行うグルテンを摂取しない食事法を表す際に使用されていること等を総合的に勘案すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「無理なく(緩く)グルテンを摂取しない食事法を行うための商品(食品)」であるという、その商品の特長を端的に表した宣伝文句の一種と認識するにとどまるというのが相当である。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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