商標拒絶査定不服審判
2024-009605
イズミ
- 審判番号
- 2024-009605
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-064999
- 請求日
- 2024年06月07日
- 審決日
- 2025年03月18日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】マクセルイズミ株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 幸志
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .261-Z (W08) / T18 .262-Z (W08) / T18 .263-Z (W08)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 64999拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月20日付け:拒絶理由通知
令和6年 1月25日 :意見書の提出
令和6年 3月26日付け:拒絶査定
令和6年 6月 7日 :審判請求書の提出
令和6年12月26日付け:審尋
令和7年 2月 3日 :回答書
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」を指定商品として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録5474918号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成23年8月3日に登録出願、第7類「金属加工機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」、第11類「電球類及び照明用器具,業務用揚物器,業務用食器乾燥器,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,冷凍機械器具,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,カーエアコン用部品,その他の暖冷房装置,家庭用電熱用品類,ごみ焼却炉」及び第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素」を指定商品として、同24年3月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審における審尋
当審において、上記1の審尋により、別掲3及び別掲4に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
(1)本願商標の語頭から4番目の図形は、容易に「M」の欧文字として看取し得ることはできず、単なる図形として認識されるものであることから、本願商標と引用商標の称呼は異なる。また、「イズミ」の称呼が生じる語は、複数存在し、特定の意味に限定することはできないことから、本願商標と引用商標は特定の観念が共通するということはない。さらに、本願商標と引用商標とは外観上大きく異なっており、外観上共通することはないことよりすれば、本願商標と引用商標は相紛れることのない非類似の商標である。
(2)引用商標の文字部分「IZUMI」は、ありふれた氏又は商品の産地若しくは販売地を普通に用いられる方法で表示するものであり、また、引用商標よりも先登録となる、請求人が所有する「IZUMI」の欧文字をデザイン化した登録商標が、引用商標と併存していることから、識別性はなく、引用商標の要部は図形部分のみであり、本願商標と引用商標の要部である図形部分を比較しても、外観、称呼、観念のいずれもが共通しないことから、本願商標と引用商標は非類似の商標である。
6 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、語頭から3文字目までの「IZU」の欧文字と語尾の「I」の欧文字の間に、左右均等に配置された山形で両端が縦に垂直の直線である図形を配置してなるものである。
ところで、近時、事業者が自己の商標を欧文字で表す際に、一連の語の一部の文字をデザイン化するレタリングの手法を用いることが一般的に行われており(別掲3)、また、文字の線が一部欠けた態様でデザインされた欧文字も確認できるものである(別掲4)。そして、本願商標の構成中の図形は、左右均等に山形が配置され、両端部分が縦に垂直の直線であることから、その一部が欠けているとしても、「M」の形状の特徴を備えているといえるものであり、さらに、「IZU」の欧文字と「I」の欧文字の間に配置され、これらの文字と同じ高さ、同じ色彩で表されていることからすると、これは、欧文字の「M」をデザイン化したものと容易に認識し得るものである。
そうすると、本願商標は、「IZUMI」の欧文字を表したものと看取されるものであって、これ自体は辞書類に掲載されている語ではないものの、「地中から湧き出る水または湯。(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)」を意味する「泉」の語の読みを欧文字で表したと理解し得るものである。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「イズミ」の称呼を生じ、また、「地中から湧き出る水または湯。」ほどの観念が生じるものといえる。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、左側に図形を配し、右側に「IZUMI」の欧文字を配した構成よりなるところ、引用商標を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、引用商標の構成全体として、何らかの特定の意味合いを看取させる等、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
してみれば、引用商標は、独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得る「IZUMI」の文字部分を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである(以下「引用要部」という。)。
したがって、引用商標は、その構成中の引用要部である「IZUMI」の文字部分に相応して、上記(1)と同様に、「イズミ」の称呼を生じ、「地中から湧き出る水または湯。」ほどの観念が生じるものといえる。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、全体の構成については図形部分の有無等の差異により、区別することができるとしても、本願商標の構成文字と認められる「IZUMI」と引用要部である「IZUMI」の欧文字とを比較すると、外観において、書体に差異を有するとしても、いずれも大文字で「IZUMI」のつづりを共通にするものであるから、両者は外観上、近似した印象を与えるものである。
そして、称呼において、両者は「イズミ」の称呼を共通にするものである。
また、観念において、両者は「地中から湧き出る水または湯。」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、外観において近似した印象を与えるものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すれば、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品「電気かみそり及び電気バリカン」は、引用商標の指定商品中、第11類「家庭用電熱用品類」と類似する商品である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の「IZU」と「I」の間の図形は、矢印と三角又は矢印とラムダであり、「M」ではない。また、「IZUMI」と認識されたとしても、「イズミ」の称呼が生じる語は複数存在することから、本願商標及び引用商標は、特定の観念が生じるものということできず、本願商標と引用商標は観念を共通にすることはなく、外観上も大きく異なる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、「IZUMI」の欧文字を表したものと認識されること上記(1)のとおりであり、また、「イズミ」の称呼を生じる複数の語が存在することは否定しないものの、「イズミ」の称呼は、一般に親しまれている「泉」の読みを表したものと認識される場合が多いといえるものであって、本願商標及び引用商標は、「泉」に相応する「地中から湧き出る水または湯。」の観念を共通にするものというのが相当である。さらに、本願商標と引用要部は「IZUMI」のつづりを共通にすることから、両者が外観上近似した印象を与えること上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、引用商標の文字部分「IZUMI」はありふれた氏又は商品の産地も若しくは販売地を普通に用いられる方法で表示するものであるから、当該文字部分は識別力を有さない旨主張する。
しかしながら、「IZUMI」の欧文字より理解される「泉」は、姓氏の一つであるとしても、「地中から湧き出る水または湯。」の意味を有する語として、一般に親しまれているものである。また、「IZUMI」の欧文字が、指定商品との関係において、直ちに特定の産地、販売地を表示したものと理解されるという事情も認められない。
ウ 請求人は、引用商標と請求人が所有する「IZUMI」の欧文字をデザイン化した商標が併存して登録されていることから、本願商標と引用商標は非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の主張する過去の登録例は、商標の具体的構成、デザイン化の程度において、本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記(3)においてした判断のとおりであるから、請求人の主張する登録例をもってその判断が左右されることはない。
エ したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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