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商標拒絶査定不服審判

2024-009593

インテントマーケティング、インテント

審判番号
2024-009593
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-079259
請求日
2024年06月07日
審決日
2025年05月19日
公報発行日
2025年08月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社Sales Marker
  • 【請求人代理人】青山 純
  • 【請求人代理人】網田 朱莉
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 大塚 正俊
分類
T18 .13 -Z (W093542) / T18 .272-Z (W093542)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

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商願2023-79259拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年7月18日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年1月5日付け:拒絶理由通知書 令和6年2月24日:意見書の提出 令和6年3月14日付け:拒絶査定 令和6年6月7日:審判請求書の提出 令和7年2月4日付け:証拠調べ通知書 令和7年3月13日:意見書の提出 2 本願商標 本願商標は、「インテントマーケティング」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電子計算機用プログラム,電子計算機及びその周辺機器,電子出版物,携帯情報端末」、第35類「広告業,広告の企画,事業の管理,商品の販売に関する情報の提供,市場調査又は分析,経営の診断又は経営に関する助言,コンピュータデータベースへの情報編集,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,デザインの考案」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「インテントマーケティング」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は「消費者の意図や興味を分析し、それに基づいてターゲティングを行うマーケティングの手法」程の意味を有する語として一般的に使用されているものである。そして、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界においては、マーケティングに関する商品及び役務がごく一般的に提供されている取引の実情があるから、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用したときには、これに接する需要者は、「消費者の意図や興味を分析し、それに基づいてターゲティングを行うマーケティングの手法」に関する商品又は役務であること、すなわち、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表したものと認識するにすぎないものといえる。また、上記認定によれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中、上記意味合いに照応する商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲(6)ないし(13)に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。 5 証拠調べに対する請求人の意見の要点 (1)本願商標が、請求人以外の者によって使用されている事実はあるといえども、その大半は請求人が紹介されている宣伝記事であることから、その使用が一般的である証拠とならない。 (2)加えて、上記の紹介記事のウェブサイトは、執筆者が請求人によって公開されている「インテントマーケティング」に関する情報等を模倣し、不正の目的で上記サイトを作成した可能性もある。 (3)以上を踏まえれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当せず、登録されるべきものである。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号の趣旨 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。 (2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について 本願商標は、「インテントマーケティング」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「インテント」の文字は「意図、意思」(出典:株式会社大修館書店「ジーニアス英和辞典 第六版」)等の意味を有する「intent」の読みを片仮名で表記したものであり、「マーケティング」の文字は「マーケティング、市場戦略(販売促進のための市場調査・宣伝などの企業活動)」(前掲書)の意味を有する「marketing」の読みを片仮名で表記したものであるから、本願商標は全体として「意図したマーケティング」程の意味合いを容易に理解させるものである。 そして、当審における職権による調査によれば、別掲のとおり、本願の指定商品及び指定役務に関する分野において、「インテントマーケティング」の語が、「消費者の意図や興味を分析し、それに基づいてターゲティングを行うマーケティングの手法」程の意味を有する語として一般的に使用されている事実が認められる。 このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「消費者の意図や興味を分析し、それに基づいてターゲティングを行うマーケティングの手法」に関する商品及び役務であると認識するというのが相当である。 そうとすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他商品又は自他役務の識別力を欠くというべきである。 また、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、「消費者の意図や興味を分析し、それに基づいてターゲティングを行うマーケティングの手法」に関連する商品又は役務以外の商品及び役務に使用するときは、これに接する需要者に、その商品及び役務があたかも「消費者の意図や興味を分析し、それに基づいてターゲティングを行うマーケティングの手法」に関連する商品又は役務であるかのように、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標からは「熱心なマーケティングの手法」や「故意的なマーケティングの手法」等の複数の意味合いも生じること、また、「インテントマーケティング」という語のみからでは必ずしも需要者が短絡的に「インテント」の語句をもって「(消費者の)意図や興味」の概念を想起するものではないため、需要者はどのような商品又はサービスが提供されるかを判断することできない旨主張する。 しかしながら、前記(2)のとおり、本願の指定商品及び指定役務に関する分野において、「インテントマーケティング」の語が、「消費者の意図や興味を分析し、それに基づいてターゲティングを行うマーケティングの手法」程の意味を有する語として一般的に使用されている実情を踏まえれば、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、「消費者の意図や興味を分析し、それに基づいてターゲティングを行うマーケティングの手法」に関連する商品又は役務であることを認識するにとどまり、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるというべきである。 イ 請求人は、登録商標「インテントセールス」をはじめとして、「インテント○○」というバリエーションの商標を、積極的に自社プロダクトに使用している実績があり、「インテント」の語という統一感をもった戦略的ブランディングしていることから、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界においては、取引者は、請求人が提供する「インテントセールス」と密接に関連する意味を伴って「インテントマーケティング」として理解される旨主張している。 しかしながら、これが仮に、本願商標が使用をされた結果、自他商品又は自他役務の識別力を獲得するに至っている旨の主張であるとしても、本願商標を使用した商品及び役務の使用数量や市場シェア、売上高、広告費、広告宣伝の方法・回数規模等、請求人が本願商標をその指定商品及び指定役務について継続的に使用した事実を裏付ける客観的な証拠の提出はなく、本願商標の周知性の程度を客観的に推し量ることができない。よって、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係において、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができるに至っているということはできない。 ウ 請求人は、本願商標は、請求人以外の者によって使用されている事実はあるといえども、その大半は請求人が紹介されている宣伝記事であることから、その使用が一般的である証拠とならないことに加え、その紹介記事のウェブサイトは、執筆者が請求人によって公開されている「インテントマーケティング」に関する情報等を模倣し、不正の目的で上記サイトを作成した可能性もあるから、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない旨主張する。 しかしながら、本願商標「インテントマーケティング」は、前記(2)のとおり、商品の品質又は役務の質を端的に表したものであるにすぎないものであって、将来を含め、商品の品質又は役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるといえるから、特定人による独占使用を認めることは公益上適当でないと共に、自他商品又は役務の識別力を欠くものというべきである。 エ 請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、他の登録例を挙げているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様や、査定時又は審決時における取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断すべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。 オ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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