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商標拒絶査定不服審判

2024-009515

エイテイシイコンフィデンス、エイテイシイ、コンフィデンス

審判番号
2024-009515
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-064368
請求日
2024年06月06日
審決日
2025年03月14日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ATC株式会社
  • 【請求人代理人】白井 宏紀
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 真鍋 伸行
  • 審判官 須田 亮一
分類
T18 .261-Z (W093542) / T18 .262-Z (W093542) / T18 .263-Z (W093542) / T18 .264-Z (W093542)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023-64368拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和5年6月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年1月5日付け :拒絶理由通知書 令和6年2月16日 :意見書の提出 令和6年3月1日付け :拒絶査定 令和6年6月6日 :審判請求書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類、第35類及び第42類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定役務として、登録出願されたものである。 第3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第3104075号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成 「コンフィデンス」の片仮名を横書きしてなる商標 指定役務 第35類「雑誌による広告,音楽市場調査」 登録出願日 平成4年9月28日 設定登録日 平成7年12月26日 2 登録第6284361号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成 別掲3のとおり 指定役務 第42類「コンピュータ用ゲームソフトウェアの設計及び開発,家庭用テレビゲームのゲームプログラム・業務用ゲーム機のゲームプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用ゲームプログラムの貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」並びに第35類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 登録出願日 令和元年6月28日 設定登録日 令和2年8月26日 以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。 第4 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標と引用商標とは、全体の構成においては差異を有するとしても、本願商標の構成中の「confidence」の文字と引用商標1及び引用商標2の構成中の「Confidence」の文字との比較においては、「コンフィデンス」の称呼と「信用、自信」の観念を共通にするものであり、また、これらの外観については文字種の相違はあるとしても、その外観上の差異が称呼及び観念における類似性をしのぐほどの印象を取引者、需要者に与えるとはいいがたいものであるから、本願商標と引用商標とは相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 また、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものを含む。 以上からすれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第5 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について 商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の役務に使用された場合に、役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその役務の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日判決参照)。 また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日判決参照)。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、オレンジ色の直角三角形の形状をした図形、L字を逆さにした形状からなる図形、及び右辺の一部をえぐった正方形の形状をした図形(以下、これら3つの図形を合わせて「本願図形部分」という。)を横一列に配し、直角三角形の図形の内側に白抜きで「confidence」の欧文字(以下、「本願文字部分」という。)を横書きしてなるところ、本願図形部分は、全体としても、それぞれの図形単独としても、それぞれ幾何図形の一種であるということ以上に、特定の事物を表したもの、又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じないものである。 また、「confidence」の欧文字は「自信」の意味を有する語である(「新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典」 株式会社研究社)。 そして、本願文字部分は、直角三角形の図形の内部に配されているものの、本願文字部分及び直角三角形の図形並びに本願文字部分及び本願図形部分は、全体として親しまれた意味合いを表したものとはいえず、他に本願文字部分及び直角三角形の図形並びに本願文字部分及び本願図形部分を不可分一体のものとして把握しなければならない事情も見いだせないことからすると、本願商標は、本願文字部分と本願図形部分をそれぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。さらに、本願文字部分は読みやすい書体で、かつ、白抜きで目立つように表されているものであるから、本願商標の構成において、目をひく部分といえる。 また、本願図形部分は、上記のとおり、需要者に対し、特定の意味合いを認識させることのないものであるから、これらも、本願商標の構成において目をひく部分といえる。 そうすると、本願商標は、その構成中、本願文字部分及び本願図形部分は、そのいずれもが取引者又は需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるといえる。 してみると、本願商標は、その構成中、本願文字部分だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、本願商標は、その構成中、本願文字部分の構成文字に相応して「コンフィデンス」の称呼が生じ、「自信」の観念が生じる。 (2)引用商標 ア 引用商標1 引用商標1は、上記第3の1のとおり、「コンフィデンス」の片仮名を横書きしてなるところ、当該文字は、「自信」の意味を有する「confidence」の語を片仮名表記したものである(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)。 したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して、「コンフィデンス」の称呼が生じ、「信用」の観念が生じる。 イ 引用商標2 引用商標2は、別掲3のとおり、黒色の略L字型の図形及びこれと同様の形状をした灰色の図形を一部が重なるよう組み合わせてなる図形(以下、これらをまとめて「引用2図形部分」という。)、その右側に「Confidence」の欧文字(以下、「引用2文字部分」という。)を横書きしてなるところ、引用2図形部分は、特定の事物を表したもの、又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じないものである。 そして、引用2図形部分と引用2文字部分とは、重なり合うことなく、スペースを空けて左右に配されており、図形と文字という構成要素を異にしていることから、両者は視覚的に分離して看取されるものである。 また、引用商標2は、全体として親しまれた意味合いを表したものとはいえず、他に、引用商標2を不可分一体のものとして把握しなければならない事情も見いだせないことからすると、引用商標2は、引用2図形部分及び引用2文字部分をそれぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。 そして、「Confidence」の文字は、上記(1)のとおり、「自信」の意味を有する語であり、役務の質等を表示するものでもないから、引用2文字部分は、役務の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえる。 また、引用商標2の構成中、引用2図形部分は、上記のとおり、需要者に対し、特定の意味合いを認識させることのないものであるから、これらも、引用商標2の構成において役務の出所識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえる。 そうすると、引用商標2は、その構成中「Confidence」の文字及び引用2図形部分それぞれが取引者又は需要者に対し役務の出所識別標識として機能する部分といえ、さらに、引用商標2に接する需要者は、特定の事物を表したとは認識できない引用2図形部分にまず着目するというよりは、引用商標2の構成中に顕著に表された語句であって、かつ、特定の意味合いを有する成語として記憶に残りやすい引用2文字部分に、より一層着目し、当該文字(語句)より生ずる称呼、観念によって、取引に当たるのが自然であることから、本願文字部分は、役務の出所識別標識としてより強く支配的な印象を与えるものといえる。 してみると、引用商標2は、その構成中引用2文字部分だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、引用商標2は、その構成中引用2文字部分の構成文字に相応して「コンフィデンス」の称呼が生じ、「信用」の観念が生じる。 (3)本願商標と引用商標との類否 ア 本願商標と引用商標1の類否 本願商標は図形部分と文字部分からなるのに対して、引用商標1は文字のみからなることから、両商標は、その構成全体の比較において外観上相違するものであって、本願文字部分と引用商標1との比較においても、両者の外観は、欧文字と片仮名とで文字種における差異を有するものである。 しかしながら、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で文字種を相互に表記することが一般に行われている取引の実情があることに鑑みれば、本願文字部分と引用商標1における文字種における差異が看者に対し、強い印象を与えるとまではいえない。 そして、両者は、ともに「コンフィデンス」の称呼及び「信用」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。 以上によれば、本願文字部分と引用商標1は、称呼及び観念を共通にするものであって、外観上の相違は、上記のとおり強い印象を与えるものとはいえず、称呼及び観念の同一性をしのぐほどの差異として需要者に認識されるものとはいえないことから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標1は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 イ 本願商標と引用商標2の類否 本願商標は、本願文字部分がオレンジ色の直角三角形の形状をした図形の内部に配されているのに対し、引用商標2は、引用2図形部分と引用2文字部分は間隔を空けて配されているなど、両商標は、その構成全体の比較において外観上相違するものであるが、本願文字部分と引用2文字部分との比較においては、両者の外観は、語頭の文字が小文字か大文字かの差異及び書体における差異を有するものの、文字つづりを共通にするものであるから、これらは外観上近似した印象を与えるものと判断するのが相当である。 そして、両者は、ともに「コンフィデンス」の称呼及び「信用」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。 以上によれば、本願文字部分と引用2文字部分は、外観において近似した印象を与えるものであって、称呼及び観念を共通にするものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標2は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 (4)本願の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務との類否について 本願の指定役務中の第35類「様々な専門家と顧客のマッチングに関する事業の仲介,事業に関する指導及び助言,資金を必要とする起業家と潜在的な個人投資家とのマッチング,市場に関する情報収集,会社のための管理業務の代行,事業の組織に関する指導及び助言,事業の能率化に関する診断・指導及び助言,第三者のための商取引の交渉及び締結の代理及び代行,他人の事業のために行う物品の調達及びサービスの手配,デジタルトランスフォーメーションのための事業に関する助言,取引相手先の商業及び事業に関する情報の提供」は、引用商標1の指定役務中の第35類「音楽市場調査」と類似の役務であり、また、本願の指定役務中、第42類「電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」は、引用商標2の指定役務中の第42類「コンピュータ用ゲームソフトウェアの設計及び開発,家庭用テレビゲームのゲームプログラム・業務用ゲーム機のゲームプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用ゲームプログラムの貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」と同一又は類似の役務である。 (5)小括 本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似のものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 請求人の主張について (1)請求人は、本願図形部分について、これは「ATC」の欧文字の筆記体を共通のコンセプトの下でデザイン化したもので、高速鉄道の列車が左方向に向かって走る情景を想起させる図形であるから、本願商標は、例えば、業界のパイオニアとして先頭を走り、後続車をけん引していくという立場であるという企業の方向性を反映しているといった外観の印象の下、「ATC社の信頼、信用」という観念を生じる旨を主張している。 しかしながら、当該主張を裏付ける証拠の提出はなく、請求人独自の主張というべきものであり、上記2(1)のとおり、本願図形部分は、全体としても、それぞれの図形単独としても、特定の事物を表したもの、又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められず、ほかに当該主張を肯定すべき事情も見いだせない。 (2)請求人は、過去における登録例や審決例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。 しかしながら、商標の類否判断は、商標の構成、指定役務、取引の実情等を踏まえて、商標ごとに個別に判断すべきものであって、請求人が指摘するような他の登録例や審決例があるからといって、本願商標と引用商標の類否判断が影響を受けるものではないから、本願商標が引用商標と類似することを否定する理由にはならない。 (3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。 4 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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