商標拒絶査定不服審判
2024-009335
ノーミツジタテ
- 審判番号
- 2024-009335
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-066201
- 請求日
- 2024年06月05日
- 審決日
- 2025年02月21日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】江崎グリコ株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 幸志
- 審判官 鯉沼 里果
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T18 .13 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 66201拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月31日付け:拒絶理由通知
令和5年12月14日 :意見書の提出
令和6年 2月27日付け:拒絶査定
令和6年 6月 5日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「濃密仕立て」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「濃密仕立て」の文字を標準文字で表してなるものであるが、その構成中の「濃密」の文字部分は「濃くてこまやかなこと。」等を意味する語であり、また、「仕立て」の文字部分は、「工夫してこしらえること。故意に作りあげること。」等を意味する語として広く使用されているものである。
そして、指定商品を取り扱う業界において、原材料等をふんだんに使用して濃厚な味に作りあげた商品に「濃密仕立て」の文字が使用されている実情があるから、本願商標全体として「濃厚な味に作り上げた商品」程度の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そうとすれば、本願商標は、「濃密仕立て」の文字を普通に書してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品について使用するときは、「濃厚な味に作り上げた商品」というほどの意味合いを表現したものと需要者に容易に理解、認識させるものであって、単に該商品の品質を表示するにすぎないものである。
したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「濃密仕立て」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中、「濃密」の文字は「濃くてこまやかなこと。」等を、「仕立て」の文字は「工夫してこしらえること。故意に作りあげること。ととのえること。」等(いずれも出典:広辞苑 第七版)を、意味する語である。
そして、本願の指定商品である飲食料品を取り扱う分野において、「濃密」の語は、飲食料品の食感や味わいが「濃い」という美味しさを表現する語として(別掲1)、「仕立て」の語は、飲食料品の仕上がりを表現する語として(別掲2)、それぞれ多数使用されていることがうかがえる。
そうすると、「濃密仕立て」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「濃い食感や味わいの飲食料品」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、商品の品質を表示するものというのが相当である。
さらに、本願商標は標準文字で表してなるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
してみれば、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標に含まれる「濃密」の語は、食品と親和性の高くない表現であり、食品業界における使用事例もほとんど見受けられない旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、「濃密」の語は、飲食料品の食感や味わいが「濃い」という美味しさを表現する語として多数使用されていることがうかがわれるから、請求人の上記主張は採用できない。
イ 請求人は、原審で列挙された証左について、「濃密仕立て」の語が使用されている事実については、使用されている商品が本願の指定商品とは異なるもの又は現時点で販売されていない商品についてのものであること、本願商標を構成する一部の語が使用されている事実については、「濃密仕立て」の一連の語の使用例ではないことから、本願商標の識別力を否定する根拠とはならず、「濃密仕立て」の語が食品業界において一般に広く使用されていないことからすれば、本願商標は、自他商品を識別することが可能であり、独占適応性がある旨主張している。
しかしながら、本願の指定商品である飲食料品を取り扱う分野において、「濃密」及び「仕立て」の語が、上記(1)のとおり使用されていることからすれば、これらの語を組み合わせてなる本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者によって、「濃い食感や味わいの飲食料品」であることを表示するものとして一般に認識されるものであり、本願商標は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものと認められるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというべきである。
ウ 請求人は、「濃密」及び「仕立て」の語をその構成中に含む過去の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や、その商品の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであるから、これら過去の登録例が存在することをもって、本願商標の上記(1)の判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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