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特許拒絶査定不服審判

2024-008913

人の活動又は人の影響を受けるインフラ若しくはオブジェクトの状態を検出するための装置

審判番号
2024-008913
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-538737
請求日
2024年05月29日
審決日
2025年09月18日
公報発行日
2026年03月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】エンオーシャン ゲーエムベーハー
  • 【請求人代理人】弁理士法人鷲田国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 道祖土 新吾
  • 審判官 谷垣 圭二
  • 審判官 南川 泰裕
分類
P18 .121-Z (G01P) / P18 .575-Z (G01P)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-538737「人の活動又は人の影響を受けるインフラ若しくはオブジェクトの状態を検出するための装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月 9日国際公開、WO2020/141214、令和 4年 2月22日国内公表、特表2022-515911〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)1月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2019年1月4日、ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする外国語特許出願であって(以下、2019年1月4日を「優先日」という。)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和3年 8月31日 :翻訳文の提出 同年 9月14日 :手続補正書の提出 令和4年 8月 1日付け:拒絶理由通知書 令和5年 1月 4日 :意見書、手続補正書の提出 同年 4月27日付け:拒絶理由通知書(最後) 同年11月 8日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 1月19日付け:補正の却下の決定 同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月30日 :原査定の謄本の送達) 同年 5月29日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年5月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年5月29日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和6年5月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年1月4日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「【請求項1】 加速度計測の手段によって、人の活動又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出する装置であって、 前記装置は、加速度を測定するための少なくとも1つの加速度センサ(1.3.1)を含み、前記加速度センサ(1.3.1)は、人の活動として振動を検出するように構成され、 前記加速度センサ(1.3.1)は、測定された加速度の予め設定された閾値に反応し、前記閾値を超えたときに以下の動作のうち少なくとも1つをトリガするように設定され、 データの蓄積と、 カウンタの修正と、又は 無線によるデータ電文の送信と、 前記装置は、一次エネルギーを前記装置又は前記加速度センサ(1.3.1)を動作させるための電気エネルギーに変換するエネルギー変換器(1.1)を含み、 前記エネルギー変換器(1.1)は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に前記一次エネルギーを得るように構成され、 前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成されたエネルギー蓄積デバイス(1.2.2)をさらに含み、 前記エネルギー蓄積デバイス(1.2.2)が、第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)を含み、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)が、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)よりも高い蓄電能力を有し、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)よりも低い内部抵抗を有し、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成される、 装置。」 (2) 本件補正後 「【請求項1】 加速度計測の手段によって、人の活動又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出する装置であって、 前記装置は、加速度を測定するための少なくとも1つの加速度センサ(1.3.1)を含み、前記加速度センサ(1.3.1)は、人の活動として振動を検出するように構成され、 前記加速度センサ(1.3.1)は、測定された加速度の予め設定された閾値に反応し、前記閾値を超えたときに以下の動作のうち少なくとも1つをトリガするように設定され、 データの蓄積と、 カウンタの修正と、又は 無線によるデータ電文の送信と、 前記装置は、一次エネルギーを前記装置又は前記加速度センサ(1.3.1)を動作させるための電気エネルギーに変換するエネルギー変換器(1.1)を含み、 前記エネルギー変換器(1.1)は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に前記一次エネルギーを得るように構成され、 前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成されたエネルギー蓄積デバイス(1.2.2)をさらに含み、 前記エネルギー蓄積デバイス(1.2.2)が、第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)を含み、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)が、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)よりも高い蓄電能力を有し、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)よりも低い内部抵抗を有し、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成され、 前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)から前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)に転送されるが、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)から前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して接続される、 装置。」 2 補正の目的 本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された「第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)」の関係について、「前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)から前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)に転送されるが、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)から前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して接続される」ものに限定するものである。 そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1) 本件補正発明 ア 本件補正発明の認定と分説 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成X/X’と構成Aから構成E3までに分説する。また、参考図として、本願の【図1】に部材名を記入したものを掲載する。 <本件補正発明の分説> X’ 加速度計測の手段によって、人の活動又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出する装置であって、 A 前記装置は、加速度を測定するための少なくとも1つの加速度センサ(1.3.1)を含み、前記加速度センサ(1.3.1)は、人の活動として振動を検出するように構成され、 B 前記加速度センサ(1.3.1)は、測定された加速度の予め設定された閾値に反応し、前記閾値を超えたときに以下の動作のうち少なくとも1つをトリガするように設定され、 データの蓄積と、 カウンタの修正と、又は 無線によるデータ電文の送信と、 C 前記装置は、一次エネルギーを前記装置又は前記加速度センサ(1.3.1)を動作させるための電気エネルギーに変換するエネルギー変換器(1.1)を含み、 D 前記エネルギー変換器(1.1)は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に前記一次エネルギーを得るように構成され、 E 前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成されたエネルギー蓄積デバイス(1.2.2)をさらに含み、前記エネルギー蓄積デバイス(1.2.2)が、第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)を含み、 E1 前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)が、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)よりも高い蓄電能力を有し、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)よりも低い内部抵抗を有し、 E2 前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成され、 E3 前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)から前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)に転送されるが、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)から前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して接続される、 X 装置。 <参考図> [図:0001432577000001.jpg] イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、本件補正発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものである。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、人の活動、又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクト(objects:対象、対象物)の状態を検出するための装置に関する。本発明はさらに、人の活動、又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出するための方法に関する。 【0002】 (場所、部屋、職場又は座っている場所などにおける)人又はオブジェクトの局所的な存在、並びに人によって影響を受けるインフラストラクチャ(インフラ)、機器、作業材料又は消耗品などの状態を決定することがしばしば望まれる。 【0003】 環境中の人の存在及び活動を記録することができる様々なセンサ、特に有線センサが既に存在する。実例は、動きによって人が検出される、いわゆるPIRセンサ(PIR(Passive InfraRed):受動赤外)のような動き検出センサ、又は人の数、人の動きプロファイル、及び動画を評価することによって影響を受けるインフラストラクチャ又はデバイスに関する情報を取得するカメラである。他の例は、例えば、ガラス破損センサ又はドア接触のような振動によって、オブジェクトの動きを検出するセンサである。 【0004】 上述したタイプの従来の解決策には、様々な欠点がある。上述の装置又はセンサは、通常、その柔軟性を制限する有線の電源を有する。PIRセンサは、移動する熱源(人)のみを登録することもできる。それらは、無生物のオブジェクトのために動作しないし、ほんの少しだけ動いている人たちのために動作しなし。カメラは、プライバシ上の理由から、人の画像の記録/処理に使用することがしばしば許されない。 【0005】 本発明の目的は、柔軟で汎用性があり、上述の欠点を克服する、上述の種類の装置及び方法を説明することである。 …(中略)… 【0007】 本装置は、加速度計測の手段によって、人の活動又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出するように設定される。本装置は、加速度を測定するための少なくとも1つの加速度センサを有する。加速度センサは、測定された加速度の予め設定された閾値に応答するように設定される。加速度センサは、閾値を超えた場合に、以下の動作のうちの少なくとも1つをトリガするように設定される: ・データの保存、 ・カウンタの修正、又は ・無線によるデータ電文の伝送。 【0008】 本装置は、装置又は加速度センサを動作させるために、一次エネルギーを電気エネルギーに変換するためのエネルギー変換器を有する。エネルギー変換器は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に一次エネルギーを得るように構成される。 【0009】 このような装置は、エネルギーの観点から自給自足で動作させることができる。動作に必要な電気エネルギーは、エネルギー変換器を介して一次エネルギーから得ることができる。これにより、本装置は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に一次エネルギーを得るように構成される。このようにして、本装置は、その動作のために、電気エネルギーを介して、測定された加速度から生じるエネルギーから独立している。加速度を感知しなくても、本装置は、別個の(周囲)一次エネルギーを介して、動作させることができる。特に、本装置は、有線の電源を必要としない。 【0010】 加速度を測定するように設定された加速度センサを介して、様々な用途において、人、デバイス、機械等の活動、存在、動作等を検出することができ、加速度センサを介して検出することができる衝撃、振動、動作等による加速力をトリガ/生成する。 【0011】 したがって、本装置には、柔軟性があり、汎用性がある。本装置により、人の現地での存在及び活動のレベルの決定、並びに人によって影響を受けるインフラストラクチャ及び機器の状態の決定は、多くの様々な用途において簡単な方法で行うことができる。例えば、特別な位置、部屋、座席、ワークステーション、寝台、ベッド、車両等における人の存在、並びに、これらの位置における人の活動(もしあれば)を検出することができる。さらに、座席、ラウンジ、職場、ベッド、部屋、ホールの占有/占有率、又はデバイス、機械、資材、充填レベル、在庫管理などの消費状態さえも検出又は認識することができる。これは、衛生的、臨床的、私的、公的及び工業的環境において多くの用途をもたらす。また、人又はオブジェクトの位置を決定し、又はそれの場所を突き止めることもできる。 【0012】 すべてのこれらの適用シナリオにおいて、加速度は、装置を装着した人、装置自体、若しくは装置に連結された装置又は機械に対する振動、動き、動作又は他の影響によって検出される。装置、装置自身、又は装置に連結された装置又はマシンを着用している人物に対する振動、動き、動作、又は他の動作によって検出される。この場合、加速度の検知は、上述したような、トリガされた動作に基づいて、この情報の知覚又はデバイス-内部の又は外部のさらなるプロセスを可能にする。これらの動作は、例えば、マイクロコントローラ又はマイクロコントローラユニット内で実行されてもよいし又はこれらによって制御されてもよい。このために、本装置は、マイクロコントローラ/マイクロコントローラユニット、(場合によりマイクロコントローラ/マイクロコントローラユニットに実装される)(データ)メモリ、(場合によりマイクロコントローラ/マイクロコントローラユニットに実装される)カウンタ/レジスタ、又は無線送信機のうちの1つ以上の部品を有してもよい。 【0013】 加速度の閾値/限界値は、説明した種類の装置で検出することができる。測定された加速度(又はその変化)が、1つ以上の予め設定された閾値を超える場合、説明された種類の特定の動作又は他の動作がトリガされる。測定された加速度(又はその変化)が、1つ以上の予め設定された閾値を下回ったままである場合、動作は行われないか、又は他の動作が行われる。この点で、本装置は、閾値計測用又は閾値検知用に設定される。特に、例えば、機械や橋梁の振動解析の場合のように、加速度曲線のスペクトル解析を行う必要はない。説明された種類の本装置は、単に、所定の閾値を超えたかどうかを決定するか、又は定期的に決定し、現在の加速度値を送信する。このように、本装置は実装が容易である。」 「【0025】 このような装置は、エネルギーの観点で時給自足で動作させることができる。動作に必要な電気エネルギーは、エネルギー変換器を介して一次エネルギーから得ることができる。この場合、本装置は、それぞれの測定された物理量から生じるエネルギーとは独立に一次エネルギーを得るように設定される。このようにして、本装置は、電気エネルギーを介してその動作のための測定された物理量から生じるエネルギーとは無関係である。測定された物理量の有意な数値が検出されない場合であっても、別個の(周囲)一次エネルギーを介して、本装置を動作させることができる。特に、本装置は有線の電源を必要としない。 …(中略)… 【0028】 したがって、本装置は柔軟性があり、汎用性がある。本装置により、人の現地での存在及び活動のレベルの決定、並びに人によって影響を受けるインフラストラクチャ及び機器の状態の決定は、多くの様々な用途において簡単な方法で行うことができる。例えば、特別な位置、部屋、座席、ワークステーション、寝台、ベッド、車両等における人の存在、並びに、これらの位置における人の活動(もしあれば)を検出することができる。さらに、座席、ラウンジ、職場、ベッド、部屋、ホールの占有/占有率、又はデバイス、機械、資材、充填するレベル、在庫管理などの消費状態さえも検出又は認識することができる。これは、衛生的、臨床的、私的、公的及び工業的環境において多くの用途をもたらす。また、人物又はオブジェクトの位置を決定し、それを場所で特定することもできる。 【0029】 これらの適用シナリオのすべてにおいて、様々な物理変数の変化は、少なくとも2つのセンサによって検出されるか、又は物理変数は、本装置を着用している人、装置自身、又は本装置に結合された装置又は機械によって影響を受ける。種々の物理量の変化を検知することにより、上述したトリガされた動作に基づいて、この情報の知覚又はデバイス-内部の又は外部のさらなる処理が可能になる。 【0030】 説明した形式の装置により、種々の物理量のそれぞれの閾値/限界値又はそれらの変化を検出することができる。測定された物理量又はその変化が、1つ以上の予め設定された閾値を超える場合、説明された種類の特定の動作又は他の動作がトリガされる。測定された物理量又はその変化が、1つ以上の予め設定された閾値を下回ったままである場合、動作は行われないか、又は他の動作が行われる。この点で、本装置は、閾値計測又は閾値検知用に設定される。特に、物理量又は物理量の変化のスペクトル解析を行う必要がない。説明された形式の本装置は、単に所定の閾値の超過を決定するか、若しくは測定された物理量又はそれらの変化の電流値を定期的に決定し、送信する。このようにして、本デバイスは実装が容易である。」 「【0034】 本装置の様々な実装において、本装置は、エネルギー蓄積デバイスをさらに含む。エネルギー蓄積デバイスは、エネルギー変換器を介して一次エネルギーから変換された電気エネルギーを蓄積するように設定される。このようにして、本装置は、一次エネルギー源が(短期又は中期で)利用可能でない場合であっても、例えば、夜間の光エネルギーであっても、動作させることができる。 …(中略)… 【0036】 本装置の様々な実装において、エネルギー蓄積デバイスは、第1のエネルギー蓄積装置及び第2のエネルギー蓄積装置を含む。第1のエネルギー蓄積装置は、第2のエネルギー蓄積装置よりも高い蓄電能力を有する。第2のエネルギー蓄積装置は、第1のエネルギー蓄積装置よりも低い内部抵抗を有する。第1のエネルギー蓄積装置及び第2のエネルギー蓄積装置は、エネルギー変換器を介して一次エネルギーから変換された電気エネルギーを蓄積するように構成される。このような2つのエネルギー蓄積装置の組合せは、(周期的な)周囲/一次エネルギーなしで長時間(例えば、建物内の光がない状態で数日間)の相反する要求を満たし、周囲/一次エネルギーが利用できるようになればすぐに即座に動作準備を行うことを可能にする。 【0037】 本装置の種々の実装において、第1のエネルギー蓄積装置及び第2のエネルギー蓄積装置は、電気エネルギーが第1のエネルギー蓄積装置から第2のエネルギー蓄積装置に転送され得るが、第2のエネルギー蓄積装置から第1のエネルギー蓄積装置には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して接続される。これにより、第2のエネルギー蓄積装置(蓄積容量がより小さい)が、そのエネルギーを第1の(大きい)エネルギー蓄積装置に向かって放出するのを防ぐ。 【0038】 しかしながら、第2のエネルギー蓄積装置は、一次エネルギーから比較的速く電気エネルギーを充電することができ、従って、非常に速く又は即時の動作準備を実現する。しかしながら、本装置の動作により、第2のエネルギー蓄積装置が放電された場合、第1のエネルギー蓄積装置から(再)充電することができる(十分なエネルギーレベルに達したと仮定して)。したがって、第1のエネルギー蓄積装置は、(周期的に)周囲/一次エネルギーなしで長い実行時間を実現する。 【0039】 本装置の種々の実装において、第2のエネルギー蓄積装置は、本装置又は本装置の個々の部品を動作させるための電気エネルギーが、第2のエネルギー蓄積装置から引き出され、第2のエネルギー蓄積装置が、第1のエネルギー蓄積装置からの電気エネルギーによって再充電されるように接続される。これらの実装において、第2のエネルギー蓄積装置は、本装置又は個々の部品を動作させるために電気エネルギーが引き出される一次エネルギー蓄積装置である。第2のエネルギー蓄積装置は、第1のエネルギー蓄積装置によって再充電することができる。」 「【0080】 エネルギー源又はエネルギー変換器1.1からの電気エネルギーの蓄積装置は、2つの別々のエネルギー蓄積装置1.2.2.1及び1.2.2.2で行われる。これにより、低損失エネルギー蓄積の長所と短所を均衡させ、エネルギーに関してデバイスを自給自足に動作させることができる。 【0081】 エネルギー蓄積装置1.2.2.1は、高い蓄積容量(高い貯蔵容量)を有するが、典型的には10オームを超える内部抵抗も有する。このエネルギー蓄積装置1.2.2.1は、例えば数週間の動作に必要なエネルギーを蓄えることができる。しかしながら、その原理によるその高い内部の抵抗のために、無線送信機1.6の送信動作中に生じるような高い電流ピークにはむしろ不適切である。これらのエネルギー蓄積装置1.2.2.1の典型的な代表例は、容量が0.05ファラドから100ファラドの間のいわゆる二重層キャパシタ、スーパーキャパシタ(PASキャパシタ)、又は蓄積容量が1mAhから5000mAhの間の再充電可能な電気化学的蓄積デバイスである。 【0082】 エネルギー蓄積装置1.2.2.2は、はるかに小さい蓄積容量(小さい蓄積容量)を有し、例えば、又は「加速度を測定する+無線電文を送信する」などの少数の動作又は1つの動作のためにのみエネルギーを蓄積することができる。ただし、エネルギー蓄積装置1.2.2.2は、その原理上、通常1オーム未満の低い内部抵抗を有するので、短時間高電流を供給することができる。これらのエネルギー蓄積装置1.2.2.2の典型的な代表例は、50μF~5000μFの静電容量値を有する電解キャパシタ又はタンタルキャパシタである。 【0083】 2つのエネルギー蓄積装置1.2.2.1と1.2.2.2は、低い抵抗エネルギー蓄積装置1.2.2.2が常に最初に充電されるように、ダイオード(図示せず)を介して接続される。最大電圧に達したときのみ、エネルギー蓄積装置1.2.2.1は、この電圧もその最大電圧に達するまでさらに充電される。エネルギー蓄積装置1.2.2.2及び1.2.2.1の充電がいつ切り替えられるかの判断は、電子的に実装された閾値スイッチによって行われる。その場合にのみ、充電が中断される。図1に記載の実施形態において、デバイスのすべての機能/部品は、エネルギー蓄積装置1.2.2.2にアクセスする。高い電流要求を伴う動作は、非常に短く(典型的には0.3ミリ秒~50ミリ秒の間)、比較的まれに起こるので(典型的には、1日に1回から10秒毎に1回)、エネルギー蓄積装置1.2.2.2は、高い電流の要求の間の一次停止中に、エネルギー蓄積装置1.2.2.1によってよく/十分に再充電することができる。 【0084】 これら2つのエネルギー蓄積装置1.2.2.1と1.2.2.2をこのように組み合わせることにより、周期的な周囲エネルギーがない場合(例えば、建物内の光のない長い週末)の長い動作時間、及び太陽電池1.1に光が当たるとすぐ即座に運転準備ができる場合(エネルギー蓄積装置1.2.2.2は非常に速く充電される)の両方で、相反する要求を満たすことができる。」 (2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特開2015-15848号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記イの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。 (ア) 【0001】~【0009】 「【技術分野】 【0001】 本発明は、発電素子を用いて電子機器に電力を供給する自立電源システムに関する。 【背景技術】 【0002】 電力供給が困難な隔離された場所に電子機器を設置する場合、太陽電池等の発電素子を有する自立電源システムを搭載することで、外部から商用電源の供給を受けずに無人運転することができるので有用である。このような電源システムとして、特許文献1には、曇天時の日照時間の変動が多い場合においても効率良く太陽電池から電力を取り出すことが可能な電源装置が記載されている。そのため特許文献1では、日射量の変動に応じて蓄電部を構成する蓄電池及び複数のキャパシタ(キャパシタモジュール)のいずれか一方に太陽電池で発生した電力を充電すること、また、太陽電池から取り出せる充電電流からキャパシタの充電時間を計算して、複数のキャパシタを順次切り替えることが述べられている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2010-104117号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 前記特許文献1では、太陽電池から電力を効率良く取り出すためにMPPT(Maximum Power Point Tracking;最大電力点追従)充電部と呼ばれる発電制御回路を備えている。自立電源システムではこの発電制御回路も、当然ながら太陽電池の発電電力の一部が供給されて動作する構成となる。しかし、発電制御回路が正常に動作するためには最低限の電圧(以下、制御開始電圧と呼ぶ)を供給する必要がある。太陽電池の発電量が小さい場合は、供給電圧が制御開始電圧に達するまで長時間を要し、それまでの期間は、発電制御回路が起動せずに太陽電池を効率の低い状態で使用せざるを得ない。よってその分、電子機器(負荷装置)への電力供給が遅延するという課題があった。この課題については特許文献1では考慮されていない。以下、この課題について、図面を用いて説明する。 …(中略)… 【0009】 そこで本発明の目的は、発電素子の発電量が小さい場合でも、発電制御回路を短時間で起動させ、負荷装置へ短時間で電力を供給できる自立電源システムを提供することである。」 (イ) 【0013】~【0019】、【図1】 「【発明を実施するための形態】 【0013】 以下、本発明の実施形態を、自立電源システムを備えた無線センサ端末の例で説明する。 図1は、本実施例の自立電源システムを備えた無線センサ端末の構成を示す図である。無線センサ端末100は自立電源システム1を備え、その発電電力で負荷装置10を動作させてセンサ機能を実現する端末である。センサ機能は、周囲の各種物理量を測定し、測定した結果を無線で外部機器に送信するものとする。」 「【図1】 [図:0001432577000002.jpg] 」 「【0014】 自立電源システム1は、太陽電池などの発電素子2と、発電素子2からの発電電力を負荷装置10に供給する電源制御回路3を備える。 【0015】 発電素子2は、環境光、振動、熱、電波などの環境エネルギーを収集し電気エネルギーに変換する素子である。太陽電池のほかに、例えば振動発電素子、熱電素子なども可能である。また、単一種類の環境エネルギーだけでなく、複数種類の環境エネルギーを収集するように異なる発電素子を接続して構成しても良い。一般に環境エネルギーは微小かつ不安定である。よって、発電素子2が供給できる電力は、数10~数100μWと微小であり、また、環境の変動により安定して供給することも難しい。従って、後述の発電制御回路4により、電力を効率良く取出すことが必要となる。 【0016】 電源制御回路3は、発電素子2の発電を制御するとともに、発電素子2からの発電電力を蓄電素子に充電した上で、負荷装置10の各負荷ブロックに電力を供給する。電源制御回路3は、発電制御回路4、充電制御回路5、蓄電素子C1~C6、電源出力部9、スイッチS1~S10で構成される。 【0017】 発電制御回路4は発電素子2を制御し、例えばMPPT(最大電力点追従)制御により効率的な発電を行わせる。環境エネルギーを電気エネルギーに変換する発電素子2は、一般に、負荷の大きさにより取り出せるエネルギー量が変化する。そのため発電制御回路4は、発電状態により負荷抵抗を調整することで、発電素子2の発電効率を最大化させる。また発電制御回路4は、必要に応じて発電素子2の発電電圧の昇圧、降圧、整流を行う。発電制御回路4から出力された発電電力は、蓄電素子C1に充電される。 【0018】 充電制御回路5は、蓄電素子C1に充電された電力を、スイッチS1~S6を操作して蓄電素子C2~C6に順次充電する。またこの充電動作と並行して、蓄電素子C2~C5に充電された電力を、スイッチS7~S10(スイッチ群8)を操作して電源出力部9の各ブロック9a~9dに出力し、対応する負荷装置10の各負荷ブロック10a~10dに供給する。その際、蓄電素子C1~C6のそれぞれの電圧状態V1~V6を監視して、予め設定した閾値Va、Vbと比較して放電可/放電不可を判定する。そして、充電制御ルールと負荷装置10側の要求仕様に基づき、スイッチS1~S10を操作して蓄電素子C1~C6の充電と放電の制御を行う。また、充電制御ルールでは、蓄電素子C1~C6に対する充電動作の優先順位を設け、C1が最も優先度が高く、続いてC2、C3、・・・の順としている。充電制御回路5の充電制御については、詳細を後述する。 【0019】 ここでスイッチS1~S10は、蓄電素子に出入りする電荷に対し、オン状態で流れ、オフ状態で流れを遮断するよう制御する。スイッチには電界効果トランジスタ等の一般的なスイッチング素子を用いるが、オン時の抵抗が小さく、オフ時の抵抗が大きいことが望ましい。」 (ウ) 【0020】~【0025】 「【0020】 蓄電素子C1~C6は機能的に3種類の素子に分類され、蓄電素子C1は「1次蓄電素子」、蓄電素子C2~C5(符号7で示す)は「2次蓄電素子」、蓄電素子C6は「3次蓄電素子」と呼ぶことにする。1次蓄電素子である蓄電素子C1は、発電素子2が発電し発電制御回路4から出力される電力を充電する(すなわち電荷を蓄積する)。蓄電素子C1の電圧が所定値に達すると、蓄電素子C1に蓄積された電荷をスイッチS1~S6を介して、2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5、および3次蓄電素子である蓄電素子C6に供給する。2次蓄電素子は、負荷装置10のブロック構成に対応して複数の蓄電素子C2~C5を並列に接続している。3次蓄電素子である蓄電素子C6は、発電素子2が発電できない状況となった時、蓄電素子C1および蓄電素子C2~C5に電荷を供給するバックアップ用の蓄電素子である。2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5に対する入力側スイッチS2~S5をスイッチ群6、出力側スイッチS7~S10をスイッチ群8で示す。以下、各蓄電素子の容量設定と動作について説明する。 【0021】 1次蓄電素子である蓄電素子C1は、蓄積されている電荷を2次蓄電素子C2~C5および3次蓄電素子C6に供給するとともに、発電制御回路4と充電制御回路5に対しそれらを動作させるための電力を供給する。発電制御回路4と充電制御回路5が動作するには制御開始電圧Vc,Vc’以上の電圧を必要とするので、蓄電素子C1の電圧を短時間でVc,Vc’に到達させ、発電制御回路4および充電制御回路5を短時間で起動させねばならない。 【0022】 ここで、蓄電素子の電圧Vは、V=Q/C(Qは蓄積電荷量、Cは容量)で決まるから、蓄電素子C1の容量を小さくするほど電圧Vは速く上昇する。よって、蓄電素子C1の容量は、発電制御回路4および充電制御回路5が動作するのに必要な最低限の容量であり、かつ、蓄電素子C2~C6よりも小さい容量とした。具体的には、発電素子2の発電能力および発電制御回路4と充電制御回路5の消費電力を考慮し、10~500μF程度とした。これにより、発電制御回路4および充電制御回路5を短時間で起動させ、かつ安定的に動作させることができる。 【0023】 2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5は、蓄電素子C1から供給された電荷を蓄積するとともに、負荷装置10の各負荷ブロック10a~10dを動作させる電源となる。本例では、蓄電素子C2はセンサ10aへ、蓄電素子C3はAD変換器10bへ、蓄電素子C4はCPU10cへ、蓄電素子C5は無線部10dへ、スイッチ群8と電源出力部9を介して接続される。よって蓄電素子C2~C5は、接続先である負荷ブロックの動作仕様に合わせてその容量を決定する。本例の場合には、センサ機能にかかる一連の動作をどれだけの頻度で行うかを考慮し、これに必要な最低限の電荷を蓄積すればよい。具体的には、各負荷ブロックの消費電力に合わせて、500~10000μF程度とした。 【0024】 3次蓄電素子である蓄電素子C6は、2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5が充電を完了した後に、蓄電素子C1からさらに供給される電荷を蓄積する。そして、発電素子2が発電できない状況となった際に、発電素子2に代わって蓄電素子C2~C5を充電するためのバックアップ用素子として用いる。蓄電素子C6から蓄電素子C2~C5への電荷の移動は、スイッチS6とスイッチS2~S5(スイッチ群6)を介して行う。ここで蓄電素子C6の容量は、発電素子2が発電した電力を無駄なく蓄積するために、蓄電素子C1~C5の合計値よりも大きい容量とする。具体的には、10~1000mF程度とすることで、発電電力を無駄なく蓄積できる。 【0025】 これらの蓄電素子C1~C6は、それぞれ適切な種類のコンデンサで構成する。例えば、電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、積層セラミックコンデンサ、電気二重層コンデンサ等を用いる。必要に応じて、複数個のコンデンサを並列に接続して適切な容量にする。特に蓄電素子C1~C5は、リーク電流が小さくかつ内部抵抗が小さいことが望ましいことから、積層セラミックコンデンサが適する。また蓄電素子C6は、電気二重層コンデンサ等の大容量の蓄電素子が適する。なお、蓄電素子C6については二次電池を適用することも考えられるが、コンデンサと比較して一般に充放電の繰り返し寿命が短いことから、コンデンサの方が望ましい。もし二次電池を用いる場合は、充放電の繰り返し寿命の長い、全固体型の薄膜リチウムイオン二次電池等が望ましい。」 (エ) 【0026】 「【0026】 電源出力部9は、蓄電素子C2~C5から供給される電力を安定化し、負荷装置10の各負荷ブロック10a~10dへ所定の電圧で供給する電圧安定化回路である。本例では、蓄電素子C2~C5は相互に独立であるため、負荷ブロック毎に異なる電圧安定化回路で構成する。接続先の負荷ブロックの動作頻度や消費電流を踏まえ、最適な電圧安定化回路を選択する。具体的には、センサ10a、AD変換器10b、CPU10cのように、初期化動作に消費電流を多く使う回路や、データ保持や安定動作のために通電時間の長い負荷ブロックに対しては、自己消費電流の少ない低損失(ロードロップアウト)レギュレータ回路9a~9cを用いる。また、無線部10dのように常時通電する必要がない負荷ブロックに対しては、自己消費電流が大きいが高効率であるDC/DC変換回路9dを用いる。」 (オ) 【0027】~【0031】 「【0027】 負荷装置10の構成について述べる。本例のセンサ機能を実現する負荷装置10は、センサ10a、AD変換器10b、CPU10c、無線部10dで構成される。 【0028】 センサ10aは、無線センサ端末100が設置された周囲の環境情報や機器の稼動状況を測定する。例えば、温度、湿度、振動、加速度、音波、ガス、塵埃、照度、光、磁界、電流等の各種物理量を測定し、アナログ信号へと変換する。単一のセンサだけでなく、複数種のセンサで構成しても良い。もちろん、測定の対象は上記の物理量に限定されない。また、アナログ信号として出力するセンサだけでなく、デジタル信号として出力するセンサも適用可能である。この場合はAD変換器10bが不要となるので、センサ10aのデジタル出力信号をCPU10cに接続すれば良い。 【0029】 AD変換器10bは、センサ10aの出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する。必要に応じて、適切な増幅回路をセンサ10aとAD変換器10bの間に挿入し、アナログ信号を増幅しても良い。なお、AD変換器10bは、センサ10aもしくはCPU10cのいずれかに含めて構成することもできる。 【0030】 CPU10cは、負荷装置10内の各負荷ブロックの起動タイミングの制御を行う。また、AD変換器10bを通して得られるセンサ10aの測定信号に対して、必要に応じて、データの蓄積、信号処理、暗号化、符号化等を施し、無線送信可能なデータの生成を行う。 【0031】 無線部10dは、CPU10cが生成したデータを外部機器に送信する。用途や設置環境に合わせて、適当な無線方式を選択して用いる。」 (カ) 【0035】~【0040】、【図3】 「【0035】 図3は、充電する蓄電素子を決定するための充電制御ルールを示す図である。充電制御回路5は、図2で判定した各蓄電素子の放電可否状態に基づき、図3を参照し、どの蓄電素子に充電すべきかを決定する。各蓄電素子C1~C6の放電可否状態を、放電可(○印)、放電不可(×印)、無関係(-印)で示す。ここでは6通りのルールを示しているが、各蓄電素子C1~C6の放電可否状態の任意の組み合わせは、いずれかのルールに該当する。」 「【図3】 [図:0001432577000003.jpg] 」 「【0036】 ルールを上から順に説明すると、蓄電素子C1が放電不可の場合は、他の蓄電素子の状態に関係なく、蓄電素子C1を充電する。C1が放電可、C2が放電不可の場合は、他の蓄電素子の状態に関係なく、C1からC2へ充電する。C1とC2が放電可、C3が放電不可の場合は、他の蓄電素子の状態に関係なく、C1からC3へ充電する。以下の説明は省略するが、このような充電制御ルールを設けることで、蓄電素子C1、C2、C3、・・・C6の順に優先的に充電を行うことができる。 …(中略)… 【0040】 また、発電素子2が発電できない状況となり、バックアップ用の蓄電素子C6から蓄電素子C1~C5へ充電するときは、充電制御回路5は、スイッチS1とS6をオン状態に維持したままスイッチ群6(S2~S5)を選択し、蓄電素子C2~C5の優先順位に従って充電動作を行う。」 (キ) 【0046】~【0048】 「【0046】 このように本実施例の充電制御回路5は、蓄電素子C1~C6に対して、蓄電素子C1からC6の順に優先順位を付けた充電動作を行う。特に蓄電素子C1(1次蓄電素子)は最も優先的に充電され、かつ容量値が他より小さいことから、発電素子2が発電を開始してから短時間で発電制御回路4を起動し、その状態を維持することができる。よって、発電素子2が発電しているほとんどの期間において、発電素子2は高効率で発電を行うことができる。 【0047】 また、蓄電素子C2~C5(2次蓄電素子)についても、接続する負荷装置10の各負荷ブロック10a~10dに必要な最低限の容量値とし、かつ優先順位に従って順次充電されることから、各負荷ブロックはその優先順位に従って、短時間で起動することができる。 【0048】 さらに発電素子2が発電していない期間は、蓄電素子C6(3次蓄電素子)に蓄積した電荷を蓄電素子C2~C5(2次蓄電素子)へ供給することで、各負荷ブロックへの給電が中断することを防止し、または中断期間を最小限とすることができる。」 (ク) 【0049】 「【0049】 本実施例の自立電源システムによれば、発電素子が微小かつ不安定な環境エネルギーから発電する方式であっても、発電制御回路が起動するまでの期間、または停止している期間は最小限となるので、発電素子からの発電量を最大化することができる。よって、このような自立電源システムを備えた無線センサ端末では、装置起動から短時間でセンサ機能の動作を開始し、かつ発電素子の発電が停止しても、センサ動作が中断せず、または動作の中断期間を最小限とすることができる。」 イ 引用発明の認定 前記アに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、【図1】に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。 <引用発明> 「自立電源システム1を備え、その発電電力で負荷装置10を動作させてセンサ機能を実現する端末である無線センサ端末100であって、(【0013】) 自立電源システム1は、太陽電池などの発電素子2と、発電素子2からの発電電力を負荷装置10に供給する電源制御回路3を備え、(【0014】) 発電素子2は、環境光、振動、熱、電波などの環境エネルギーを収集し電気エネルギーに変換する素子であって、(【0015】) 電源制御回路3は、発電素子2の発電を制御するとともに、発電素子2からの発電電力を蓄電素子に充電した上で、負荷装置10の各負荷ブロックに電力を供給し、発電制御回路4、充電制御回路5、蓄電素子C1~C6、電源出力部9、スイッチS1~S10で構成され、(【0016】) 負荷装置10は、センサ10a、AD変換器10b、CPU10c、無線部10dで構成され、(【0027】) センサ10aは、無線センサ端末100が設置された周囲の環境情報や機器の稼動状況を測定するものであり、加速度等の各種物理量を測定し、アナログ信号へと変換するものであり、(【0028】) CPU10cは、負荷装置10内の各負荷ブロックの起動タイミングの制御を行い、AD変換器10bを通して得られるセンサ10aの測定信号に対して、必要に応じて、データの蓄積、信号処理、暗号化、符号化等を施し、無線送信可能なデータの生成を行い、(【0030】) 無線部10dは、CPU10cが生成したデータを外部機器に送信するものであり、(【0031】) 発電制御回路4は発電素子2を制御し、例えばMPPT制御により効率的な発電を行わせ、発電状態により負荷抵抗を調整することで、発電素子2の発電効率を最大化させ、発電制御回路4から出力された発電電力は、蓄電素子C1に充電され、(【0017】) 充電制御回路5は、蓄電素子C1に充電された電力を、スイッチS1~S6を操作して蓄電素子C2~C6に順次充電し、この充電動作と並行して、蓄電素子C2~C5に充電された電力を、スイッチS7~S10を操作して電源出力部9の各ブロック9a~9dに出力し、対応する負荷装置10の各負荷ブロック10a~10dに供給し、充電制御ルールと負荷装置10側の要求仕様に基づき、スイッチS1~S10を操作して蓄電素子C1~C6の充電と放電の制御を行い、充電制御ルールでは、蓄電素子C1~C6に対する充電動作の優先順位を設け、C1が最も優先度が高く、続いてC2、C3、・・・の順としており、(【0018】) 1次蓄電素子である蓄電素子C1は、発電素子2が発電し発電制御回路4から出力される電力を充電し、蓄電素子C1の電圧が所定値に達すると、蓄電素子C1に蓄積された電荷をスイッチS1~S6を介して、2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5、および3次蓄電素子である蓄電素子C6に供給し、2次蓄電素子は、負荷装置10のブロック構成に対応して複数の蓄電素子C2~C5を並列に接続しており、3次蓄電素子である蓄電素子C6は、発電素子2が発電できない状況となった時、蓄電素子C1および蓄電素子C2~C5に電荷を供給するバックアップ用の蓄電素子であり、(【0020】) 1次蓄電素子である蓄電素子C1は、蓄積されている電荷を2次蓄電素子C2~C5および3次蓄電素子C6に供給するとともに、発電制御回路4と充電制御回路5に対しそれらを動作させるための電力を供給し、(【0021】) 蓄電素子C1の容量は、発電制御回路4および充電制御回路5が動作するのに必要な最低限の容量であり、かつ、蓄電素子C2~C6よりも小さい容量とし、これにより、発電制御回路4および充電制御回路5を短時間で起動させることができ、(【0022】) 2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5は、蓄電素子C1から供給された電荷を蓄積するとともに、負荷装置10の各負荷ブロック10a~10dを動作させる電源となり、蓄電素子C2はセンサ10aへ、蓄電素子C3はAD変換器10bへ、蓄電素子C4はCPU10cへ、蓄電素子C5は無線部10dへ、スイッチ群8と電源出力部9を介して接続され、(【0023】) 蓄電素子C2~C5は、接続先である負荷ブロックの動作仕様に合わせてその容量が決定され、各負荷ブロックの消費電力に合わせて、500~10000μF程度とし、(【0023】) 3次蓄電素子である蓄電素子C6は、2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5が充電を完了した後に、蓄電素子C1からさらに供給される電荷を蓄積するものであり、発電素子2が発電できない状況となった際に、発電素子2に代わって蓄電素子C2~C5を充電するためのバックアップ用素子として用い、(【0024】) 蓄電素子C6の容量は、発電素子2が発電した電力を無駄なく蓄積するために、蓄電素子C1~C5の合計値よりも大きい容量である、10~1000mF程度とすることで、発電電力を無駄なく蓄積できるものであり、(【0024】) 蓄電素子C1~C6は、例えば、電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、積層セラミックコンデンサ、電気二重層コンデンサ等を用い、(【0025】) 特に蓄電素子C1~C5は、リーク電流が小さくかつ内部抵抗が小さいことが望ましいものであり、(【0025】) 蓄電素子C6は、電気二重層コンデンサ等の大容量の蓄電素子が適するところ、二次電池を用いる場合は、充放電の繰り返し寿命の長い、全固体型の薄膜リチウムイオン二次電池等が望ましく、(【0025】) 発電素子2が発電できない状況となり、バックアップ用の蓄電素子C6から蓄電素子C1~C5へ充電するときは、充電制御回路5は、スイッチS1とS6をオン状態に維持したままスイッチ群6(S2~S5)を選択し、蓄電素子C2~C5の優先順位に従って充電動作を行い、(【0040】) 発電素子2が発電していない期間は、蓄電素子C6に蓄積した電荷を蓄電素子C2~C5へ供給することで、各負荷ブロックへの給電が中断することを防止し、または中断期間を最小限とすることができ、(【0048】) 装置起動から短時間でセンサ機能の動作を開始し、かつ発電素子の発電が停止しても、センサ動作が中断せず、または動作の中断期間を最小限とすることができる、(【0048】) 無線センサ端末100。」 (3) 引用文献2、3、5、7~11の記載事項及び技術常識等の認定 ア 引用文献2、5、9~11に記載された事項並びに技術常識1及び周知技術1の認定 (ア) 引用文献2に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特開平11-230790号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は地すべり等の地殻変動を検知する装置に関する。」 「【0010】 図3は、本発明の地殻変動検知装置のブロック図である。ユニット100は、CPU110を有し、蓄電池80からの電力の供給を受ける。ユニット100は、スイッチ150で操作される初期値入力回路160を有し、3軸加速度センサ120の初期値を設定する。ユニット100の稼動状況等はLED170に表示される。3軸加速度センサ120の信号は、アンプ130で増幅されてCPU110に送られる。CPU110は3軸加速度センサ120から送られてくるデータと、メモリ140内に予め記憶されている基準値と比較して、基準値を超えているときには、地震や地殻振動が発生した旨の信号をFM発信機180に送り、FM発信機はアンテナ50を介して信号電波を発信して、監視センター等の受信機へ送る。」 (イ) 引用文献5に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特開2016-184800号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、同報無線システム及び同報無線システムの制御方法に関する。」 「【0095】 ここで、センサ部205は、遠隔制御局設備200が、駅や学校といった公共施設に設置されている場合、例えば、周辺の人の数や人の動きを、人感センサや音センサ、振動センサ、加速度センサ等で収集すると共に数値化し、環境情報として取得する。また、センサ部205は、遠隔制御局設備200が、活火山や化学工場、原子力発電所等に設置された場合、例えば、遠隔制御局設備200の周囲の情報を、化学物質センサや臭気センサ、放射線センサ等で収集すると共に数値化し、環境情報として取得する。なお、センサ部305についても同様である。 【0096】 制御部202は、センサ部205が取得する環境情報を監視する。制御部202は、環境情報が所定の閾値以上であった場合、通信制御要求を、I/F部204にI/F部304へ送信させる。なお、上記環境情報が所定の閾値以上であった場合とは、例えば、放射能が1[μSv/h]以上検出され、遠隔制御局設備200の周囲が危険な状況である等、様々な状況が考えられる。」 (ウ) 引用文献9に記載された事項 当審において新たに引用する、優先日前に発行された文献である特開2007-229197号公報(以下「引用文献9」という。)には、次の記載がある。 「【0001】 本発明は、スポーツを行う者の動作の評価について情報処理する携帯通信端末等に関するものである。」 「【0014】 〈構成1〉 図1は、本形態の動作評価システムの構成1をブロック図として図示したものである。このシステムは携帯通信端末10、基地局30、サーバ20がネットワーク40を介して通信できるように構成されている。 【0015】 携帯通信端末10はゴルフのスイングを練習する者が把持して使用される動作評価用の端末であり、加速度センサ部11、A(Analog)/D(Digital)変換部12、制御部13、入力部14、記憶部15、表示部16、通信部17を有して構成されている。」 「【0028】 構成1、2における動作データの計測は、加速度センサ等のセンサの出力が、所定値以上となった場合に計測開始トリガを発生させ、このトリガをもとに、センサの出力値をA/D変換した値を記憶部15に順次記憶させてゆくものでも良いし、計測開始を携帯通信端末10が合図となる音を発生させることで伝え、この音と共に、または、この音の所定時間後から、センサの出力値をA/D変換した値を記憶部15に順次記憶させてゆくものでも良い。後者の場合は、計測開始時点に対するゴルフのスイング開始時点は、人が合図となる音を聞いてスイングを開始するので、計測毎のスイング開始時点のムラにより、計測データに時間的ズレが生じる。そこで、計測データとサーバ装置20の記憶部23に予め記憶されているデータとの差を取って自乗和を算出する際、時間方向に所定時間単位シフトして自乗和をとり、さらに、所定時間シフトして自乗和をとり、これを繰り返して最も自乗和が小さくなるときを計測データと基準データの計測の同期が取れたと判断してこのときの自乗和の値を近似度として扱うようにする。このような措置をとり、サーバ装置20の記憶部23に予め記憶されている様々のデータと計測データとの比較を行うことで、ズレの影響を最小化して、計測データが最も近似する動作のデータを判別しても良い。」 (エ) 引用文献10に記載された事項 当審において新たに引用する、優先日前に発行された文献である特開2010-113647号公報(以下「引用文献10」という。)には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 この発明は、ユーザの歩数を計測する機能を有する歩数計及びプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、加速度センサを用いた歩数計においては、加速度センサの検出結果からノイズ成分をフィルタ処理して除去しつつ、加速度(振動)の大きさが歩行判定用の閾値を越えたか否かを判別し、この閾値を越えた際に一歩として判定して歩数をカウントするようにしているが、従来では、この歩数のカウント精度を高めるために、振動の変化に応じて歩行判定用の閾値を連続的に変化させることによって、振動の変化に閾値を追従させるようにした技術が知られている(特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2007-115242号公報」 「【0015】 3軸方向振動センサ12は、歩数計測機能として利用される3軸タイプの加速度センサで、サンプリング周期(例えば、30ms)毎に、ユーザの動きに応じた加速度(振動)の大きさとして、互いに直交する3軸方向(X・Y・Z方向)の加速度成分を検出するようにしているが、この3軸方向の加速度成分の中から垂直方向(上下方向)の加速度成分を携帯電話機(3軸方向振動センサ12)の向きに応じて選択して、振動波形信号VWとして出力するようにしている。(後略)」 「【0020】 図3は、歩数計測開始を指示する開始ボタンの操作に応答して実行開始される歩数計測処理を示したフローチャートである。なお、この歩数計測処理は、歩数計測終了を指示する終了ボタンが操作された際に終了する。 先ず、中央制御部1は、3軸方向振動センサ12を駆動したり、歩数表示の値を“0”にしたりするなど、歩数計測の準備のための初期化処理を実行したのち(ステップS1)、歩行中フラグを“0”にセットする(ステップS2)。この歩行中フラグは、静止中か歩行中かを示すもので、“0”は静止中を示し、“1”は歩行中を示している。ここで、歩数計測開始操作時には静止中であることを示すために歩行中フラグには“0”がセットされる。そして、記憶部3のワーク領域内の一時保存歩数に“0”をセットしてその値をクリアしたのち(ステップS3)、そのワーク領域内に静止中の第1の閾値J1として、一定値“1.5G”を設定する(ステップS4)。 【0021】 この状態において、中央制御部1は、3軸方向振動センサ12から出力される振動波形信号VWと第1の閾値J1とを比較することによって、振動波形信号VWの振動の大きさは第1の閾値J1以上となったか、つまり、一歩目を検出したか(歩行開始を検出したか)を調べ、その振動の大きさが閾値J1以上となるまで待機状態となる(ステップS5)。いま、静止中に第1の閾値J1以上の振動を検出することによって歩行開始を検出したときには(ステップS5でYES)、上述のワーク領域内の一時保存歩数に“1”を加算したのち(ステップS6)、歩行以外の動作の検出を排除するために不感帯(マスク時間)を上述のワーク領域に設定する(ステップS7)。 …(中略)… 【0022】 一方、マスク時間外に閾値J1以上の振動を検出した場合には(ステップS9でYES)、上述のワーク領域内の一時保存歩数に“1”を加算してその値を更新したのち(ステップS12)、タイマの計測動作をストップさせてその計測時間をクリアする(ステップS13)。そして、この一時保存歩数は、所定歩数(例えば、3歩)以上かを調べ(ステップS14)、所定歩数未満であれば、ステップS8に戻り、一時保存歩数が“3”となるまで歩数を計測する動作を継続するが、一時保存歩数が所定歩数以上であれば(ステップS14でYES)、歩行を開始したものと判定する。すなわち、第1の閾値J1以上の振動状態が所定の条件(マスク時間の経過)を満たして継続している場合(一時保存歩数が3歩となった場合)には、静止中ではなく、歩行を開始した状態であると判定する。」 (オ) 引用文献11に記載された事項 当審において新たに引用する、優先日前に発行された文献である特開2012-164189号公報(以下「引用文献11」という。)には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、自転車、自動二輪車、携帯型電子機器等の持ち運び可能な物体の盗難を防止するための盗難防止装置、盗難防止方法および盗難防止プログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 自転車や自動二輪車等の盗難を防止する盗難防止装置は、重力方向に対する傾斜や振動を検出するために加速度センサを利用している。例えば、特許文献1は、図12に示すように、車体のXY平面に2軸加速度センサを取り付け、XY方向の加速度を検出する盗難防止装置を開示している。この盗難防止装置は、図13に示すように、例えば自動二輪車の車体フレームに取り付けられ、メインスタンド6を上げて車体を下ろしたときの車体の振動や、ハンドル7を持って車体を移動させるときの車体の左右の傾きを検出し、盗難か否かを判定している。また、特許文献2は、プロジェクタのように持ち運び可能な携帯型の電子機器の盗難を防止するために加速度センサを利用している。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2008-162586号公報 【特許文献2】特開2006-209199号公報」 「【0006】 本発明に係る物体の盗難を防止する盗難防止装置は、物体に取り付けられ、X、Y、Z方向の加速度を検出可能な検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づき、X、Y、Z方向の加速度を合成した加速度の加速度ベクトル変化量を算出する算出手段と、しきい値を設定するしきい値設定手段と、前記算出手段により算出された加速度ベクトル変化量としきい値とを比較し、加速度ベクトル変化量がしきい値以上であるとき物体が盗難されたと判定する判定手段とを有する。」 (カ) 技術常識1の認定 前記(イ)~(オ)に摘記した引用文献5、9~11の記載事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって技術常識であったと認められる。(以下「技術常識1」という。) <技術常識1> 「加速度センサを、人の活動による振動を検出するようにし、人の活動又は人によって影響を受ける機器の状態を測定するように構成できること。」 (キ) 周知技術1の認定 前記(ア)~(エ)に摘記した引用文献2、5、9、10の記載事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって周知の技術であったと認められる。(以下「周知技術1」という。) <周知技術1> 「加速度センサを含む装置において、測定された加速度を予め設定された閾値と比較し、測定された加速度が当該閾値を超えたときに、例えば測定データの保存や測定データに基づくデータ信号の送信などの、測定に関連する何らかのデータ処理をトリガするように構成すること。」 イ 引用文献3、7、8に記載された事項及び周知技術2の認定 (ア) 引用文献3に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特開2016-95771号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 この発明は、機器駆動バッテリーのバックアップ回路に関し、より詳細には機器駆動用バッテリーの電池切れおよび瞬時停電の際にキャパシタを用いてバックアップすべき負荷にエネルギーを供給するバックアップ回路に関する。」 「【0002】 ≪バックアップ回路の構成と動作≫ 図2は、図1に示すバックアップ回路10の詳細な構成を示す回路図である。 図2に示すように、ロードスイッチ18はトランジスタQ36で構成され、CPU12によってオンおよびオフされる。ロードスイッチ18は、上流側がメイン電池17に接続され、下流側は逆流防止のダイオードD37を介して電気2重層キャパシタ19に接続される。C39で示されるのは、電気2重層キャパシタ19を構成するコンデンサである。 電気2重層キャパシタ19は、逆流防止のダイオードD43を介して電源制御IC11へ至る経路Cを有する。また、コイルL40を介して昇圧DC/DCコンバータ20に接続される。」 「 [図:0001432577000004.jpg] 」 (イ) 引用文献7に記載された事項 令和6年1月19日付け補正の却下の決定で引用された、優先日前に発行された文献である特開2000-175373号公報(以下「引用文献7」という。)には、次の記載がある。 「【0018】図1は、本発明の電源装置における第1の実施の形態を示す回路構成図である。」 「 [図:0001432577000005.jpg] 」 「【0019】太陽光の照射を受け発電するソーラーセル1には、集電ユニットU1-3が並列接続されている。さらにこれら各集電ユニットには、蓄電ユニットU4-6が並列接続されている。そして、これら蓄電ユニットには、負荷3が接続されている。 【0020】各集電ユニットは、ソーラーセル1側(充電側)の逆阻止ダイオード(D1-3)と電気二重層コンデンサ(C1-3)および開閉回路(S1-3)から構成される3端子回路である。 【0021】各蓄電ユニットは、各集電ユニット側(充電側)の逆阻止ダイオード(D4-6)と二次電池(C4-6)および開閉回路(S4-6)から構成される。 【0022】ここでは、蓄電のために電気二重層コンデンサと二次電池が用いられるが、電気二重層コンデンサは、一般の電解コンデンサと二次電池の中間の特性を有する素子である。 【0023】即ち、電気二重層コンデンサは一般の電解コンデンサに比べて、静電容量がファラッド(F)オーダーと非常に大きく、しかも二次電池に比べ、急速充放電が可能である。 【0024】電気二重層コンデンサは、原理的にイオンの吸脱着により電荷の蓄積、放電を行うため、二次電池のように化学反応を伴わず、過充電、過放電による劣化がないのが特徴である。 【0025】一方、二次電池は、電気二重層コンデンサのような急速充放電ができない代りに、体積あたりの静電容量が大きく大電力の蓄積に適した素子である。具体的には、ニッカド電池などが使用できる。 【0026】この発明の電源装置は、上記の如き電気二重層コンデンサと二次電池の異なる充放電特性を利用して、ソーラーセル等の受光発電素子からの微弱で不安定な出力電力を蓄電し、安定させて負荷に供給するものである。 【0027】上記開閉回路S1-6は、電気二重層コンデンサまたは二次電池を充電側あるいは放電側(負荷側)のどちらかに接続するもので、コントローラ2によって切替制御される。これら開閉回路は、実際には半導体素子で構成すればよい。 【0028】ここで、各蓄電ユニットに接続される負荷3は、特定のものに限定するものではなく、場合によってはインバータ等を介して接続してもよい。 【0029】コントローラ2は、各ユニットの充放電電流を電流検出器DT1-6によって検出し、開閉回路S1-6にドライブ信号を送って各ユニットの充放電動作を制御するものである。 …(中略)… 【0032】起動時においては、どのユニットも完全放電されているので、先ず、各集電ユニットに対して順次充電がなされる。即ち、図2(a)に示すように、最初にソーラーセル1により集電ユニットU1が充電される(S11)。次に開閉回路S1を放電側へ、開閉回路S4を充電側へ切替えて、集電ユニットU1により蓄電ユニットU4が充電される(S12)。次にソーラーセル1により集電ユニットU2が充電される(S13)。そして、集電ユニットU2により蓄電ユニットU5が充電される(S14)。最後にソーラーセル1により集電ユニットU3が充電され(S15)、集電ユニットU3により蓄電ユニットU6が充電される(S16)。」 (ウ) 引用文献8に記載された事項 令和6年1月19日付け補正の却下の決定で引用された、優先日前に発行された文献である特開平7-59271号公報(以下「引用文献8」という。)には、次の記載がある。 「【0017】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の太陽発電ー蓄電システムの1実施例を示す図であり、PVは太陽電池、Cは大容量コンデンサ、Bは蓄電池、Lは負荷、D1とD2は充電回路、Rは充電制御回路、Sは切り換えスイッチを示す。 【0018】図1において、充電回路D1は、逆流阻止のダイオードからなり、太陽電池PVの出力が上がったときに大容量コンデンサCを充電する回路を形成するものである。同様に、充電回路D2も、逆流阻止のダイオードからなり、太陽電池PVで充電された大容量コンデンサCから蓄電池Bを充電する回路を形成するものである。充電制御回路Rは、過充電を防止するものであり、例えば充電終止電圧を検出して回路を遮断する過充電防止回路からなる。また、定電流回路を含むものであってもよい。大容量コンデンサCは、充電回路D1を通して太陽電池PVの出力によって大電流で瞬時に充電可能な電気二重層コンデンサからなり、短時間に太陽電池PVの出力によって充電され、それを蓄電池Bの充電及び負荷への給電に消費するものである。切り換えスイッチSは、負荷Lへの給電を蓄電池Bから大容量コンデンサCへ切り換えるものであり、この切り換えにより大容量コンデンサCから蓄電池Bの端子電圧より高い電圧により負荷Lへの給電を行うことができる。」 「 [図:0001432577000006.jpg] 」 (エ) 周知技術2の認定 前記(ア)~(ウ)に摘記した引用文献3、7、8の記載事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって周知の技術であったと認められる。(以下「周知技術2」という。) <周知技術2> 「電気エネルギー蓄積装置から他の電気エネルギー蓄積装置に、充電のための電気エネルギーを供給する回路において、供給される電気エネルギーの逆流を阻止するために、二つの電気エネルギー蓄積装置の間の配線にダイオードを介在させること。」 (4) 本件補正発明と引用発明の対比 ア 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 (ア) 構成X’(X)の観点 a 構成X’(X)は、「加速度計測の手段によって、人の活動又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出する装置」の発明である点である。 b 引用発明の「無線センサ端末100」は、「負荷装置10を動作させてセンサ機能を実現する端末」であるところ、「負荷装置10は、センサ10a、AD変換器10b、CPU10c、無線部10dで構成され」、「センサ10aは、無線センサ端末100が設置された」「機器の稼動状況を測定するものであり、加速度等の各種物理量を測定」するものである。 c 引用発明の「無線センサ端末100」は、「センサ端末」であるから、「センサ10a」等により「構成され[る]」「負荷装置10」を備えることが明らかである。 d 引用発明における「負荷装置10」は、これを構成する「センサ10a」が「加速度等の各種物理量を測定」するものであるから、本件補正発明における「加速度計測の手段」に相当する。 e 引用発明における「機器」は、「状態を検出する」対象となる物体であるから、本件補正発明における「オブジェクト」に相当し、引用発明における「機器の稼動状況」は、本件補正発明における「オブジェクトの状態」に相当する。 f したがって、引用発明において「センサ10a」が「無線センサ端末100が設置された」「機器の稼動状況を測定する」ことは、本件補正発明において「加速度計測の手段によって、」「インフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出する」ことに相当する。 g 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明の構成X’(X)の観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成X’(X)の観点における一致点 「加速度計測の手段によって、インフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出する装置」の発明である点。 (b) 構成X’(X)の観点における相違点 加速度計測の手段によって検出する対象について、 本件補正発明においては、「人の活動又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクトの状態」を検出するのに対して、 引用発明においては、「機器の稼動状況」を測定する点。 (イ) 構成Aの観点 a 構成Aは、「前記装置は、加速度を測定するための少なくとも1つの加速度センサ(1.3.1)を含み、前記加速度センサ(1.3.1)は、人の活動として振動を検出するように構成され[る]」点である。 b 前記(ア)c及びdにおいて説示した事項を踏まえると、引用発明における「負荷装置10」は本件補正発明における「加速度センサ(1.3.1)」に相当し、引用発明は、本件補正発明における「加速度を測定するための少なくとも1つの加速度センサ(1.3.1)を含み」に相当する構成を備えるといえる。 c したがって、本件補正発明と引用発明の構成Aの観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成Aの観点における一致点 「前記装置は、加速度を測定するための少なくとも1つの加速度センサを含[む]」点。 (b) Aの観点における相違点 加速度センサ(1.3.1)の測定対象について、 本件補正発明においては、「人の活動として振動を検出するように構成され」ているのに対して、 引用発明においては、「負荷装置10」の測定対象についての特定がない点。 (ウ) 構成Bの観点 a 構成Bは、「前記加速度センサ(1.3.1)は、測定された加速度の予め設定された閾値に反応し、前記閾値を超えたときに以下の動作のうち少なくとも1つをトリガするように設定され、データの蓄積と、カウンタの修正と、又は無線によるデータ電文の送信と」である。 b 引用発明は、本件補正発明の構成Bに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 加速度センサについて、 本件補正発明においては「測定された加速度の予め設定された閾値に反応し、前記閾値を超えたときに以下の動作のうち少なくとも1つをトリガするように設定され、データの蓄積と、カウンタの修正と、又は無線によるデータ電文の送信と」であるのに対して、 引用発明においては、そのような構成を備えていない点。 (エ) 構成Cの観点 a 構成Cは、「前記装置は、一次エネルギーを前記装置又は前記加速度センサ(1.3.1)を動作させるための電気エネルギーに変換するエネルギー変換器(1.1)を含[む]」ことである。 b 引用発明の「無線センサ端末100」は、「自立電源システム1を備え、「自立電源システム1は、太陽電池などの発電素子2と、発電素子2からの発電電力を負荷装置10に供給する電源制御回路3を備え[る]」ところ、「発電素子2は、環境光、振動、熱、電波などの環境エネルギーを収集し電気エネルギーに変換する素子であって」、「電源制御回路3は、発電素子2の発電を制御するとともに、発電素子2からの発電電力を蓄電素子に充電した上で、負荷装置10の各負荷ブロックに電力を供給するもの」である。 c 引用発明における「環境光、振動、熱、電波などの環境エネルギーを収集し電気エネルギーに変換する素子であ[る]」「発電素子2」は、本件補正発明における「一次エネルギーを」「「電気エネルギーに変換するエネルギー変換器(1.1)」に相当する。 d 引用発明において、「発電素子2からの発電電力を蓄電素子に充電した上で、負荷装置10の各負荷ブロックに電力を供給する」から、前記(イ)bにおいて説示した事項も踏まえると、引用発明における「発電素子2」により「変換」された「電気エネルギー」は、本件補正発明における「加速度センサ(1.3.1)を動作させるための電気エネルギー」に相当するといえる。 e したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記装置は、一次エネルギーを前記装置又は前記加速度センサを動作させるための電気エネルギーに変換するエネルギー変換器を含[む]」点。 (オ) 構成Dの観点 a 構成Dは、「前記エネルギー変換器(1.1)は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に前記一次エネルギーを得るように構成され[る]」ことである。 b 引用発明における「発電素子2」により「変換」された「電気エネルギー」は、「環境光」「などの環境エネルギー」を「変換」したものであるから、「測定」された「加速度」から生じるエネルギーとは無関係に得られたものであることは明らかである。 c したがって、(エ)cにおいて説示した事項も踏まえると、引用発明は、本件補正発明における「前記エネルギー変換器(1.1)は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に前記一次エネルギーを得るように構成され[る]」に相当する構成を備えるといえる。 d したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記エネルギー変換器(1.1)は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に前記一次エネルギーを得るように構成され[る]」点。 (カ) 構成Eの観点 a 構成Eは、「前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成されたエネルギー蓄積デバイス(1.2.2)をさらに含み、前記エネルギー蓄積デバイス(1.2.2)が、第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)を含[む]」ことである。 b 引用発明における「3次蓄電素子である蓄電素子C6」、「2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5」は、それぞれ、本件補正発明における「第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)」、「第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)」に相当し、「3次蓄電素子である蓄電素子C6」及び「2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5」を含む蓄電素子は、「エネルギー蓄積デバイス(1.2.2)」に相当する。 c 引用発明において、「3次蓄電素子である蓄電素子C6」及び「2次蓄電素子である蓄電素子C2~C5」を含む蓄電素子は、「発電素子2が発電し発電制御回路4から出力される電力を充電し[た]」「1次蓄電素子である蓄電素子C1」が「蓄積されている電荷を2次蓄電素子C2~C5および3次蓄電素子C6に供給する」から、本件補正発明でいうところの「「前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成された」ものである。 d したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記エネルギー変換器を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成されたエネルギー蓄積デバイスをさらに含み、前記エネルギー蓄積デバイスが、第1のエネルギー蓄積装置及び第2のエネルギー蓄積装置を含[む]」点。 (キ) 構成E1の観点 a 構成E1は、「前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)が、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)よりも高い蓄電能力を有し、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)よりも低い内部抵抗を有[する]」ことである。 b 引用発明において、「蓄電素子C6の容量は、発電素子2が発電した電力を無駄なく蓄積するために、蓄電素子C1~C5の合計値よりも大きい容量である」から、引用発明は、本件補正発明における「前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)が、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)よりも高い蓄電能力を有し」に相当する構成を備える。 c また、引用発明における「蓄電素子C6」及び「蓄電素子C2~C5」の両者が内部抵抗を有することは明らかである。 d したがって、本件補正発明と引用発明の構成E1の観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成E1の観点における一致点。 「前記第1のエネルギー蓄積装置が、前記第2のエネルギー蓄積装置よりも高い蓄電能力を有し、前記第2のエネルギー蓄積装置及び前記第1のエネルギー蓄積装置が内部抵抗を有[する]」点。 (b) 構成E1の観点における相違点 エネルギー蓄積装置の内部抵抗の関係について、 本件補正発明においては、「前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)よりも低い内部抵抗を有[する]」のに対して、 引用発明においては、「特に蓄電素子C1~C5は、」「内部抵抗が小さいことが望ましいものであ[る]」点。 (ク) 構成E2の観点 a 構成E2は、「前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記エネルギー変換器(1.1)を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成され[る]」ことである。 b 前記(カ)において説示した事項を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記第1のエネルギー蓄積装置及び前記第2のエネルギー蓄積装置が、前記エネルギー変換器を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成され[る]」点。 (ケ) 構成E3の観点 a 構成E3は、「前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)から前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)に転送されるが、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)から前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して接続される」ことである。 b 引用発明において、「蓄電素子C6に蓄積した電荷を蓄電素子C2~C5へ供給することで、各負荷ブロックへの給電が中断することを防止し、または中断期間を最小限とすることができ[る]」ものであるから、引用発明が備える構成は、本件補正発明において「前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)から前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)に転送されるが、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)から前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して接続される」ことと、「前記第1のエネルギー蓄積装置及び前記第2のエネルギー蓄積装置は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置から前記第2のエネルギー蓄積装置に転送される」ように接続される点で共通するといえる。 c したがって、本件補正発明と引用発明の構成E3の観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成E3の観点における一致点。 「前記第1のエネルギー蓄積装置及び前記第2のエネルギー蓄積装置は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置から前記第2のエネルギー蓄積装置に転送されるように、接続される」点。 (b) 構成E3の観点における相違点 「第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)」の「接続」の態様について、 本件補正発明においては、「電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)から前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)に転送されるが、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)から前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して」いるのに対して、 引用発明においては、そのような構成を備えていない点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、後記(イ)に示す相違点において相違すると認められる。 (ア) 一致点 「加速度計測の手段によって、インフラストラクチャ又はオブジェクトの状態を検出する装置であって、 前記装置は、加速度を測定するための少なくとも1つの加速度センサを含み、 前記装置は、一次エネルギーを前記装置又は前記加速度センサを動作させるための電気エネルギーに変換するエネルギー変換器を含み、 前記エネルギー変換器は、測定された加速度から生じるエネルギーとは無関係に前記一次エネルギーを得るように構成され、 前記エネルギー変換器を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成されたエネルギー蓄積デバイスをさらに含み、 前記エネルギー蓄積デバイスが、第1のエネルギー蓄積装置及び第2のエネルギー蓄積装置を含み、前記第1のエネルギー蓄積装置が、前記第2のエネルギー蓄積装置よりも高い蓄電能力を有し、前記第2のエネルギー蓄積装置及び前記第1のエネルギー蓄積装置が内部抵抗を有し、前記第1のエネルギー蓄積装置及び前記第2のエネルギー蓄積装置が、前記エネルギー変換器を介して前記一次エネルギーから変換された前記電気エネルギーを蓄積するように構成され、 前記第1のエネルギー蓄積装置及び前記第2のエネルギー蓄積装置は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置から前記第2のエネルギー蓄積装置に転送されるように、接続される、 装置」の発明である点。 (イ) 相違点 a 相違点1(構成E1) エネルギー蓄積装置の内部抵抗の関係について、 本件補正発明においては、「前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)が、前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)よりも低い内部抵抗を有[する]」のに対して、 引用発明においては、「特に蓄電素子C1~C5は、」「内部抵抗が小さいことが望ましいものであ[る]」点。 b 相違点2(構成X’及びA) 本件補正発明においては、加速度計測の手段によって検出する対象が「人の活動又は人によって影響を受けるインフラストラクチャ又はオブジェクトの状態」であり、加速度センサが「人の活動として振動を検出するように構成され[る]」のに対して、 引用発明においては、負荷装置が「機器の稼動状況」を測定する点。 c 相違点3(構成B) 加速度センサについて、 本件補正発明においては「測定された加速度の予め設定された閾値に反応し、前記閾値を超えたときに以下の動作のうち少なくとも1つをトリガするように設定され、データの蓄積と、カウンタの修正と、又は無線によるデータ電文の送信と」であるのに対して、 引用発明においては、そのような構成を備えていない点。 d 相違点4(構成E3) 「第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)」の「接続」の態様について、 本件補正発明においては、「電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)から前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)に転送されるが、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)から前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して」いるのに対して、 引用発明においては、そのような構成を備えていない点。 (5) 判断 ア 相違点1について (ア) 引用発明において、「蓄電素子C6」の内部抵抗について特定がないのに対して、「蓄電素子C2~C5」の内部抵抗については、「特に蓄電素子C1~C5は、」「内部抵抗が小さいことが望ましい」とされている。 (イ) してみると、引用発明において、「蓄電素子C2~C5」の内部抵抗をできるだけ小さくするようにし、その結果として、「蓄電素子C2~C5」が「蓄電素子C6」よりも低い内部抵抗を有するようにすること、すなわち、前記相違点1に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者が採り得た様々な実施形態のうちの一つにすぎない。 イ 相違点2について (ア) 前記(3)ア(カ)において技術常識1として認定したとおり、「加速度センサを、人の活動による振動を検出するようにし、人の活動又は人によって影響を受ける機器の状態を測定するように構成できること」は技術常識である。 (イ) そして、引用発明において、「加速度」「を測定」する「センサ10a」等で構成される「負荷装置10」で何を検出するようにするかは当業者が適宜決定すべき事項にすぎないところ、前記技術常識1を踏まえて、人の活動による振動を検出するようにし、人の活動又は人によって影響を受ける機器の状態を測定するように構成することで、前記相違点2に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者にとって自明な設計事項である。 (ウ) したがって、引用発明において、前記相違点2に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者であれば適宜なし得たことである。 ウ 相違点3について (ア) 前記(3)ア(キ)において周知技術1として認定したとおり、「加速度センサを含む装置において、測定された加速度を予め設定された閾値と比較し、測定された加速度が当該閾値を超えたときに、例えば測定データの保存や測定データに基づくデータ信号の送信などの、測定に関連する何らかのデータ処理をトリガするように構成すること」は周知の技術である。 (イ) そして、引用発明において、「加速度」「を測定」する「センサ10a」等で構成される「負荷装置10」においてどのような情報処理を行うかは当業者が適宜決定すべき事項であるから、前記周知技術1を踏まえて、測定された加速度を予め設定された閾値と比較し、測定された加速度が当該閾値を超えたときに、何らかのデータ処理をトリガするように構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 (ウ) そして、引用発明における「負荷装置10」において、「CPU10cは、負荷装置10内の各負荷ブロックの起動タイミングの制御を行い、AD変換器10bを通して得られるセンサ10aの測定信号に対して、必要に応じて、データの蓄積、信号処理、暗号化、符号化等を施し、無線送信可能なデータの生成を行い、無線部10dは、CPU10cが生成したデータを外部機器に送信するものであ[る]」ところ、周知技術1を採用するに際して、これらのデータ処理のいずれか一つ又は複数をトリガするように構成することは、当業者にとって自明な設計事項にすぎない。 (エ) ここで、引用発明における「データの蓄積」、及び、「無線部10d」により「データを外部機器に送信する[こと]」は、本件補正発明における「データの蓄積」、及び、「無線によるデータ電文の送信」に相当するから、前記(ウ)において得られる構成は、前記相違点3に係る本件補正発明の構成を備えるといえる。 (オ) なお、前記(エ)に関し、仮に、引用発明における「データを外部機器に送信する[こと]」が本件補正発明における「データ電文の送信」に相当しないとしても、引用発明において、どのような形式でデータを送信するように構成するかは当業者が適宜決定すべきことであるから、「データ電文」を送信するように構成することに、格別な困難性は認められない。 エ 相違点4について (ア) 前記(3)イ(エ)において周知技術2として認定したとおり、「電気エネルギー蓄積装置から他の電気エネルギー蓄積装置に、充電のための電気エネルギーを供給する回路において、供給される電気エネルギーの逆流を阻止するために、二つの電気エネルギー蓄積装置の間の配線にダイオードを介在させること」は周知の技術である。 (イ) ここで、引用発明の「蓄電素子C6」は、「発電素子2が発電できない状況となった際に、発電素子2に代わって蓄電素子C2~C5を充電するためのバックアップ用素子」であるところ、「発電素子の発電が停止しても、センサ動作が中断せず、または動作の中断期間を最小限とすることができる」ようにする観点からも、「蓄電素子C2~C5」が蓄積した電荷は、できるだけセンサである「負荷装置10」に供給されるようにして、「負荷装置10」以外の素子に供給されることを避けた方が良いことは、当業者にとって明らかである。 そのため、当業者にとって、引用発明において、「蓄電素子C6に蓄積した電荷を蓄電素子C2~C5へ供給」できる一方で、「蓄電素子C2~C5」に蓄積された電荷が「蓄電素子C6」に逆流しないような構成を採用する契機は存在するといえる。 (ウ) したがって、引用発明において、前記(イ)において説示した契機に基づいて前記周知技術2を採用して、前記相違点4に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 オ 総合評価 前記ア~エにおいて検討したとおり、引用発明において、前記相違点1~4に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明、技術常識1、周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 そして、相違点1~4を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本件補正発明は、引用発明、技術常識1、周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 エ 請求人の主張について (ア) 請求人の主張内容 審判請求書において、請求人は、通常当業者は多くの技術を組合せることは考えないし、そのように組み合わせる動機がないから、多くの引用文献及び周知技術を示す文献を適当に組み合わさなければ本件補正発明の進歩性を否定することができないこと自体が、本件補正発明の進歩性を肯定するものである旨を主張している。 (イ) 請求人の主張についての検討 引用発明において前記相違点1~4に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることが、当業者が容易に想到し得たことであることは、前記ア~オにおいて説示したとおりであるところ、相違点に係る構成の想到容易性は、引用される文献数の多寡によって論じられるべきものではなく、個々の事案に則して判断すべきであるから、本件補正発明の構成や引用文献に記載された事項等に関する具体的な事情に基づいたものではない請求人の前記主張が、前記ア~オの結論を左右するとは認められない。 オ 独立特許要件の判断のまとめ 以上検討のとおり、本願補正発明は、引用発明、技術常識1、周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。 4 本件補正の却下の決定の理由のむすび 前記3(5)オのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の本願発明に対する拒絶の理由(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 理由1(進歩性の欠如) 本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特開2015-15848号公報(主たる引用文献) 引用文献2.特開平11-230790号公報 引用文献5.特開2016-184800号公報 3 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定等 引用文献1に記載された事項と引用発明、技術常識1、周知技術1及び2は、前記第2の3(2)アとイ、(3)ア(カ)、(3)ア(キ)及びイ(エ)において示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の2において検討したとおり、本件補正発明から「前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)及び前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)は、電気エネルギーが前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)から前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)に転送されるが、前記第2のエネルギー蓄積装置(1.2.2.2)から前記第1のエネルギー蓄積装置(1.2.2.1)には転送されないように、1つ以上のダイオードを介して接続される」ことの限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(5)において説示したとおり、引用発明、技術常識1、周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-008913

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