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商標拒絶査定不服審判

2024-008875

カジューグミ

審判番号
2024-008875
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-040110
請求日
2024年05月29日
審決日
2025年08月18日
公報発行日
2025年09月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】明治ホールディングス株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人RIN IP Partners
  • 【請求人代理人】宮田 佳代子
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 田中 瑠美
分類
T18 .13 -WY (W30) / T18 .17 -WY (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023- 40110拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年4月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 8月23日付け:拒絶理由通知書 令和6年 1月 5日 :意見書の提出 令和6年 2月26日付け:拒絶査定 令和6年 5月29日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲のとおり、黒色の太文字に白色の縁取りが施された「果汁グミ」の文字をやや右上がりに書してなり、第30類「果汁入りのグミ」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、太文字に縁取りが施された「果汁グミ」の文字を書してなるところ、その構成は、普通に用いられる方法の域を脱しない程度の態様で表してなるものである。 そして、本願商標は、全体として、「果汁入りのグミ」程の意味合いを理解させるものであることに加え、本願の指定商品に係る業界において、果汁入りのグミが取引されており、「果汁グミ」の文字が使用されている実情がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「果汁入りのグミ」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにすぎないというのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて 出願人が提出した各種資料を検討するも、出願人の代表的な出所識別標識である「meiji」商標のもとで、本願商標に係る商品が販売されたものであることから、本願商標のみが使用された結果、自他商品の識別標識としての機能を獲得するに至ったものと認めることはできない。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、別掲のとおり、黒色の太文字に白色の縁取りが施された「果汁グミ」の文字をやや右上がりに書してなる構成よりなるところ、その構成態様は、取引上、普通に採択されている程度のものであるから、本願商標は、普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表示するものというのが相当である。 そして、本願商標の構成中の「果汁」の文字は、「果物をしぼったしる。」を、「グミ」の文字は、「ゴムのような弾力を持つ、噛んで味わうキャンデー。」(以上、株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)をそれぞれ意味するものであり、本願商標は、その指定商品との関係において、「果汁入りのグミ」であることを容易に認識させるものである。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「果汁入りのグミ」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、単に、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて 請求人は、仮に、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、同法第3条第2項の適用を受け得るものである旨主張し、その証拠方法として、原審及び当審において、甲第1号証ないし甲第117号証を提出している。 そこで、請求人の提出に係る資料について、以下に検討する。 ア 請求人商品の販売開始時期及び販売期間について 請求人は、1980年に我が国初のグミキャンデー(以下単に「グミ」という。)を発売し、その後、1988年に「果汁グミ」の文字からなる商標を付した「果汁入りのグミ」(以下「請求人商品」という。)の販売を開始した(甲7)。 そして、請求人は、請求人商品を1988年の販売開始から現在に至るまでの35年以上にわたり、継続して製造、販売している(甲7、甲8)。 イ 使用商標について 請求人は、請求人商品の販売を開始した1988年以来、「果汁グミ」の文字からなる商標を継続して使用しているが、2011年以降は、「果汁グミ」の文字が縁取りされ右肩上がりで表されている本願商標と基本的構成を同一にする商標(以下「使用商標」という。)を採択し、継続して使用している(請求人の主張、甲1、甲8、甲18~20、甲22~24、甲27、甲33、甲37、甲39、甲41、甲45、甲54、甲61~64、甲66、甲67、甲69~80、甲84、甲85、甲87、甲92~104、甲112~117)。 ウ 売上高、販売数量及び販売シェアについて 株式会社富士経済発行の食品マーケティング便覧によると、請求人商品の2018年ないし2020年における販売額及びブランドシェアは、それぞれ、86億5千万円及び19.5%、88億円及び19.4%、79億円及び18.5%であり、連続して市場シェア1位を獲得している(甲13~15)。 エ 広告宣伝等の方法、期間、地域及び規模について 請求人は、請求人商品の発売以来、現在に至るまで、その時々の人気俳優やタレントを起用し、テレビCMを通じた請求人商品の広告宣伝活動を継続的に行っており、当該テレビCMは、北は北海道、南は沖縄まで全国で放映されている(甲33~46)。 また、請求人は、請求人商品について、数多くの雑誌・新聞広告を行っているほか(甲54)、街頭広告(甲55)、ポスター広告(甲61~63)による広告宣伝活動、SNSでのキャンペーン(甲64~67)を通じた販売促進活動を行っている。 特に、2022年秋から2023年にかけて行われた請求人商品のリニューアル施策に関連し、WEB媒体における広告出稿実績として、例えば、2023年度は、X(旧Twitter)において、1750万円の出稿を行うなどの広告宣伝活動を行っている(甲112、甲113) さらに、平成30年度(第37回)食品ヒット大賞(日本食糧新聞社が主催する食品品評会)においては、請求人商品が、1988年の発売開始から継続して販売されているロングセラー商品として、「ロングセラー賞」を受賞した(甲68、甲69)。 オ 請求人以外の者による紹介記事について 請求人商品は、新聞、雑誌等が実施するバイヤー調査等の独自調査において、ブランド別で総合首位を獲得するなど、高い評価を得ている(甲17~31)。 また、請求人商品は、多数の新聞、雑誌、書籍、インターネット等の媒体に取り上げられてきたほか(甲70~87)、テレビ番組においても紹介されている(甲115~117)。 カ アンケート調査について 2023年5月26日から6月11日に15歳ないし74歳男女・グミ購入かつ食用者(月1日以上)を対象として株式会社インデックス・アイが実施したインターネット調査によれば、請求人商品の認知度は、全国で69.1%、首都圏40キロ圏内では71.5%であり、いずれも首位を獲得した(甲32)。 また、2023年5月に15歳以上の男女を対象としてアイブリッジ株式会社が実施した「グミ(お菓子)に関する調査」(インターネット調査)によれば、グミの商品別認知率において、認知率が最も高いのは請求人商品で、認知度は81.3%であった(甲111)。 キ 判断 上記アないしカによれば、請求人は、1988年に請求人商品の販売を開始し、現在に至るまでの35年以上にわたり、継続して製造、販売している。 その間、請求人は、「果汁グミ」の文字からなる商標を継続して使用し、少なくとも2011年以降は、本願商標と同一性を損なわない範囲の商標を継続的に使用しているものと認められる。 そして、請求人商品は全国で販売され、販売開始から2017年までの売上高、販売数量及び販売シェア等が明らかとなる具体的な資料の提出はないとしても、2018年ないし2020年における販売額及びブランドシェアは、ともに連続して市場シェア1位を獲得している。 また、請求人は、請求人商品について、全国放映のテレビCMを通じた広告宣伝活動に加え、雑誌・新聞広告、街頭広告、ポスター広告による広告宣伝活動、SNSでのキャンペーンを通じた販売促進活動を継続的に数多く行っているほか、請求人商品は、新聞、雑誌等が実施するバイヤー調査等の独自調査において、ブランド別で総合首位を獲得するなど、高い評価を得ており、多数の新聞、雑誌、書籍、インターネット、テレビ等の媒体にも取り上げられている。 さらに、2023年5月26日から6月11日に株式会社インデックス・アイが実施したインターネット調査によれば、請求人商品の認知度は、全国で69.1%、首都圏40キロ圏内では71.5%であり、いずれも高い認知度を獲得した。 加えて、2023年5月にアイブリッジ株式会社が実施した「グミ(お菓子)に関する調査」(インターネット調査)によると、グミの商品別認知率において、認知率が最も高いのは請求人商品であり、81.3%を獲得するなど、請求人商品は、需要者に相当程度知られていると認められる。 以上を総合的に考察すれば、本願商標は、請求人の業務に係る商品(「果汁入りのグミ」)を表示するものとして、我が国の需要者の間において、広く認識されているとみるのが相当である。 そうすると、本願商標は、その指定商品について、請求人により継続的に使用をされた結果、需要者が何人か(請求人)の業務に係る商品を表示する商標として認識するに至ったものとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものの、同条第2項の要件を具備するものであり、商標登録を受けることができるものであるから、原査定は取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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