商標拒絶査定不服審判
2024-008729
ハコダテコイイチゴ、ハコダテコイ、コイイチゴ、コイ、レン、ハコダテイチゴ
- 審判番号
- 2024-008729
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-091308
- 請求日
- 2024年05月27日
- 審決日
- 2025年02月25日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】リュドフレイズ株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人アイリンク国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W3031) / T18 .262-Z (W3031) / T18 .263-Z (W3031)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2023- 91308拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年8月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月17日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 2月27日付け:拒絶査定
令和6年 5月27日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「はこだて恋いちご」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第31類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、原審における上記1の手続補正書により、第30類「いちごを原材料に含む菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),いちごを原材料に含む洋菓子,いちごを原材料に含む和菓子,いちごを原材料に含む氷菓,いちごを原材料に含むパン,いちごを原材料に含むサンドイッチ,いちごを原材料に含む食品香料(精油のものを除く。),いちごを原材料に含む調味料,いちごを原材料に含むアイスクリームのもと,いちごを原材料に含む即席菓子のもと」及び第31類「いちご,いちごの種子,いちごの球根,いちごの苗」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下の引用商標をまとめて「引用各商標」という場合がある。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4448364号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「恋苺」(標準文字)
登録出願日:平成11年12月21日
設定登録日:平成13年 1月26日
指定商品:「調味料,食品香料(精油のものを除く。),サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」を含む第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第5006976号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲のとおり
登録出願日:平成18年 1月27日
設定登録日:平成18年12月 1日
指定商品:第31類「いちご,いちごの種子,いちごの苗」
(3)登録第5430749号(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:恋 苺
登録出願日:平成21年10月13日
設定登録日:平成23年 8月 5日
指定商品:「サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,菓子及びパン,即席菓子のもと」を含む第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、「はこだて恋いちご」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「はこだて」の文字は「北海道渡島半島の南東部に位置する市。」を意味する「函館」を平仮名で表し、「恋」の文字は「(特に男女間の)思慕の情。恋慕。恋愛。」等を意味し、「いちご」の文字は「バラ科の小低木または多年草で、黄・紅色の液果をつけるものの総称。」等を意味する「苺」を平仮名で表した語(いずれも出典は「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であるところ、各語義を結合しても具体的な意味合いを想起させるものではないため、観念上、相互に結びつきがあるものとはいい難いものである。
また、「はこだて」の文字部分については、上記地名を表す語であって、一般に、地名が商品の産地、販売地を表すものとして採択使用されており、「函館」が日本で有数の観光地として広く知られていること、また、漢字の「函館」の地名を平仮名で表記したことをもって、他の意味合いを認識させるというべき事情もないことからすると、それ自体、出所識別標識としての称呼、観念が生じるということはできない一方で、「恋いちご」の文字部分については、本願の指定商品との関係において、例えば、商品の品質や原材料を表すなど、自他商品識別力を有しないという理由は見いだせない。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、その構成中「恋いちご」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができるから、該文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきである(以下「恋いちご」の文字部分について「本願商標の要部」という場合がある。)。
してみれば、本願商標は、全体の文字部分から「ハコダテコイイチゴ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないとともに、その要部である「恋いちご」の文字部分より、「コイイチゴ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
イ 引用各商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は、「恋苺」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、一般的な辞書に載録がなく、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものであるから、その構成文字に相応して、「コイイチゴ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、別掲のとおり、「恋苺」の文字を縦書きしてなるところ、上記(ア)と同様にその構成文字に相応して、「コイイチゴ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)引用商標3について
引用商標3は、「恋 苺」の文字を横書きしてなるところ、上記(ア)と同様にその構成文字に相応して、「コイイチゴ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用各商標の比較
本願商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標3は、それぞれ上記ア、イ(ア)、別掲及び上記イ(ウ)のとおりの構成よりなり、本願商標と引用各商標は、全体の外観において、文字数及び文字種(漢字、平仮名)の差異を有するものの、本願商標の要部との比較においては、本願商標の要部が漢字と平仮名の組み合わせからなり一部文字種が異なるのに対し、引用各商標は漢字のみからなるところ、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、称呼においては、本願商標と引用各商標は、全体として「ハコダテコイイチゴ」と「コイイチゴ」の称呼が生じるから、構成音数において、明らかに相違し、観念においては共に造語であるから比較できないものの、本願商標の要部と引用各商標の比較においては、「コイイチゴ」の称呼を同じくし、観念においては、共に造語であるものの、「恋」及び「いちご(苺)」と同じ意味合いを有する文字からなるものであるから、観念が相違するとまではいえない。
そうすると、本願商標と引用各商標とは、本願商標の要部との比較において、外観上の差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、また、称呼を共通にし、観念が相違するとまではいえないものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用各商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品と引用各商標の指定商品との類否について
(ア)本願の指定商品中、第30類「いちごを原材料に含む菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),いちごを原材料に含む洋菓子,いちごを原材料に含む和菓子,いちごを原材料に含む氷菓,いちごを原材料に含むパン,いちごを原材料に含むサンドイッチ,いちごを原材料に含む食品香料(精油のものを除く。),いちごを原材料に含む調味料,いちごを原材料に含むアイスクリームのもと,いちごを原材料に含む即席菓子のもと」は、引用商標1の指定商品中、第30類「調味料,食品香料(精油のものを除く。),サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」と類似する商品である。
(イ)本願の指定商品中、第31類「いちご,いちごの種子,いちごの球根,いちごの苗」は、引用商標2の指定商品である第31類「いちご,いちごの種子,いちごの苗」と同一又は類似の商品である。
(ウ)本願の指定商品中、第30類「いちごを原材料に含む菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),いちごを原材料に含む洋菓子,いちごを原材料に含む和菓子,いちごを原材料に含む氷菓,いちごを原材料に含むパン,いちごを原材料に含むサンドイッチ,いちごを原材料に含む即席菓子のもと」は、引用商標3の指定商品中、第30類「サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,菓子及びパン,ミートパイ,即席菓子のもと」と類似する商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用各商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も、引用各商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「函館」は苺等の産地として有名であるという事情はなく、「販売地」であると捉える需要者はいるとしても、「函館(はこだて)」という言葉には、単なる無機質な地理的な情報にとどまらず、歴史ある風光明媚な街並みを連想させるブランドイメージがあるため、需要者が本願商標を観察したときには、「産地等や販売地に限らず、広く函館になんらかの縁(ゆかり)があるストーリー性のあるブランドであろう」という印象を抱き、「ただの無機質な産地等の情報」としては捉えることはない旨主張している。
しかしながら、上記(1)アのとおり、一般に、地名が商品の産地、販売地を表すものとして採択使用されており、「函館」が日本で有数の観光地として広く知られていること、また、漢字の「函館」の地名を平仮名で表記したことをもって、他の意味合いを認識させるというべき事情もないことからすれば、「函館」に通ずる「はこだて」の文字は、本願の指定商品との関係において、商品の産地、販売地を表示したものと理解させるにとどまるといわざるを得ない。
また、請求人の主張を裏付ける証拠の提出はなく、当審において職権をもって調査するも、本願商標に接する取引者、需要者が、請求人が主張するようなブランドであろうと認識するというべき事情を発見することができなかった。
イ 請求人は、本願商標の「はこだて恋いちご」から「函館の恋する苺」、「函館で恋する苺」、「函館の恋のような甘い苺」、「函館という風光明媚な街でする恋のような甘い苺」などの意味合いを自然に想起し、引用各商標の「恋苺」からも、「恋する苺」、「恋するように甘い苺」といった意味合いを自然に想起させることから、両商標において、観念上比較し得ないという判断は妥当ではない旨主張している。
しかしながら、上記(1)アのとおり、本願商標は、各語を結合して具体的な意味を有する成語となるものではなく、引用各商標においても、「恋苺」は一般的な辞書に載録がなく、特定の語義を有しないものであり、本願商標と引用各商標ともに、各語の語義を結合した上記意味合いは漠然としており、具体的な意味合いを想起させるものではないから、両商標ともに特定の観念を生じるとはいい難いものである。なお、本願商標の要部と引用各商標の比較においては、上記(1)ウのとおりである。
ウ 請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例及び審決例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用各商標の類否については上記(1)ウのとおりであるから、これらの登録例及び審決例をもって、上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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