商標拒絶査定不服審判
2024-008657
スムーズソーニュー
- 審判番号
- 2024-008657
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-060265
- 請求日
- 2024年05月24日
- 審決日
- 2025年03月14日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 吉田 聡一
- 分類
- T18 .13 -Z (W21)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-60265拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年5月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年10月18日付け:拒絶理由通知書
令和4年11月28日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 2月26日付け:拒絶査定
令和6年 5月24日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「スムーズ挿入」の文字を横書きしてなり、第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、第21類「デンタルフロス,電気式歯ブラシ,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用刷毛,船舶ブラシ,家事用手袋,ガラス製包装用容器(「ガラス製栓・ガラス製ふた」を除く。),陶磁製包装用容器,プラスチック製の包装用瓶,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),清掃用具及び洗濯用具,湯かき棒,浴室用手おけ,ペット用食器,ペット用ブラシ,小鳥かご,小鳥用水盤,洋服ブラシ,化学物質を充てんした保温保冷具,トイレットペーパーホルダー,香炉,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,コッフェル,ブラシ用牛毛・たぬきの毛・豚毛および馬毛」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「スムーズ挿入」の文字を普通に用いられる方法の範囲内で横書きしてなるところ、その構成中、「スムーズ」の文字は「物事・動作が円滑に進むさま」を、「挿入」の文字は「さし入れること。さしこむこと」をそれぞれ意味する語であって、これらは我が国において広く使用・理解されている語であるから、本願商標全体としては「円滑にさし入れる・さしこむこと」ほどの意味合いを有するものというのが相当である。そして、本願に係る指定商品中、例えば「デンタルフロス」のように「隙間にさし入れて・さしこんで」使用する商品には、隙間に円滑に挿入できることを商品の機能や特徴としてうたっているものがある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、それが「隙間に円滑にさし入れる・さしこむことのできる商品」であること、すなわち、単にその商品の品質を表示しているものと容易に認識するというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「スムーズ挿入」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、「スムーズ」の文字は「物事・動作が円滑に進むさま」を、「挿入」の文字は「さし入れること。さしこむこと」をそれぞれ意味する語であって(いずれも「広辞苑 第七版」岩波書店)、いずれも広く一般に親しまれた語であるから、本願商標は、「スムーズ」の文字と、「挿入」の文字とを結合した構成よりなるものと容易に認識されるものである。
また、これらはいずれも容易に意味が理解できる平易な語であるから、「スムーズ挿入」の文字からは、全体として「スムーズに挿入」ほどの意味合いが容易に認識、理解されるものである。
そして、例えば「デンタルフロス」等、本願指定商品と関係する取引業界において、別掲のとおり、「・・スムーズに歯と歯の間に挿入可能です。」、「奥歯の歯間にもスムーズに挿入できます。」などのように、歯間などの隙間の使用箇所に円滑にさしこめることを「スムーズに挿入」などの表現を用いて、商品の機能や特徴としてうたう商品が多数存在することが認められる。
そうすると、本願商標の各構成文字の意味と、上記の取引の実情に照らせば、本願商標は、全体として(歯間などの隙間の使用箇所に)「円滑にさし入れる・さしこむことのできる商品」ほどの意味合いを容易に認識させるものといえ、これを例えば「デンタルフロス」等の本願指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、前記意味合い、すなわち、単にその商品の品質を表示しているものと認識するにとどまるというのが相当である。
加えて、本願商標は、普通に用いられる方法の範囲内で横書きしてなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「スムーズ挿入」の文字から、「滑らかにさし入れる」とか、「快調にさしこむ」とかいった意味合いを暗示させることがあり得るとしても、「デンタルフロス」の本来の機能であるゆっくりと慎重かつ安全に歯間を通過させることとは乖離しており、商品の品質を直接的に想起させるとはいえないこと、また、本願商標「スムーズ挿入」の文字は、「円滑にさし入れること」や「円滑にさしこむこと」といった事項を表すにすぎず、それ以外の内容、例えば、何を差し込むのか、どこに差し込むのか、どのように差し込むのか、円滑に差し込んだ結果どうであるのか等々の情報を一切含んでおらず、本願商標をデンタルフロスに使用しても、これに接する取引者・需要者をして、直ちに商品の具体的な品質を容易かつ明確に想起させることはなく、ウエブサイト情報を勘案しても、本願商標「スムーズ挿入」は、本願の指定商品の品質を容易に想起させるとまではいいきれない旨を主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標を構成する各語の意味合いと、歯間などの隙間の使用箇所に円滑にさしこめることを「スムーズに挿入」などの表現を用いて、商品の機能や特徴としてうたう商品が多数存在するという取引の実情に照らせば、本願商標は、これに接する取引者・需要者に、(歯間などの隙間の使用箇所に)「円滑にさし入れる・さしこむことのできる商品」ほどの意味合い、すなわち、単に商品の品質を表示したものと理解させるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識させないというのが相当である。
イ 請求人は、「スムーズ○○」等の商標についての過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や、その商品の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、出願人の挙げた登録例は、商標の構成態様及び指定商品が本願商標とは異なるものである点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、これらの登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
ウ したがって、請求人のかかる主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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