商標拒絶査定不服審判
2024-008419
トラスト、アトセコーアンカーノトラスト、アトセコーアンカーノ、アトセコーアンカー、アトセコー、テイ
- 審判番号
- 2024-008419
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-024797
- 請求日
- 2024年05月20日
- 審決日
- 2024年12月24日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社トラスト
- 【請求人代理人】森田 拓生
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .26 -Z (W06) / T18 .261-Z (W06) / T18 .262-Z (W06) / T18 .263-Z (W06)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 24797拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年3月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 8月14日付け:拒絶理由通知
令和6年 2月13日付け:拒絶査定
令和6年 5月20日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第6類及び第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、第6類「アンカープレート,橋梁用金属製アンカーボルト」に補正されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
1 登録第2284147の2号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「トラスト」及び「TRUST」の文字を上下二段に横書きしてなる
登録出願日:昭和62年12月15日
設定登録日:平成 2年11月30日
書換登録日:平成13年 6月27日
指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
2 登録第2362322号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:昭和63年 8月11日
設定登録日:平成 3年12月25日
書換登録日:平成14年 7月31日
指定商品:第6類、第8類及び第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
3 登録第2367337号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成 元年 8月21日
設定登録日:平成 3年12月25日
書換登録日:平成14年 7月31日
指定商品:第9類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
4 登録第2694915号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成 3年 7月10日
設定登録日:平成 6年 9月30日
書換登録日:平成17年 1月 5日
指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
5 登録第3161197号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「トラスト」の文字を横書きしてなる
登録出願日:平成 4年10月 9日
設定登録日:平成 8年 5月31日
指定商品:第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット」
6 登録第5980066号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成29年 2月20日
設定登録日:平成29年 9月15日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
7 登録第6686640号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日: 令和4年 6月13日
設定登録日: 令和5年 4月 5日
指定商品:第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標と引用商標1ないし4並びに引用商標6及び7について
本願の指定商品は、上記2のとおり補正された結果、引用商標1ないし4並びに引用商標6及び7に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似する指定商品は全て削除されたと認められる。
その結果、本願の指定商品は、引用商標1ないし4並びに引用商標6及び7に係る指定商品及び指定役務と類似しない商品になった。
したがって、引用商標1ないし4並びに引用商標6及び7との関係において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
イ 本願商標と引用商標5について
(ア)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段左側に、緑色の幾何学図形を配し、上段右側に、太字で横書きした「TRUST」の欧文字(1文字目の「T」の左端部、3文字目の「U」の左上部の先及び5文字目の「T」の右端部に緑色の四角形を配している。)を配し、下段に、緑色で横書きした「あと施工アンカーのトラスト」の文字を配した構成からなるものである(以下、上段左側の図形部分を「図形部分」、上段右側の欧文字部分を「上段文字部分」、下段の文字部分を「下段文字部分」、及び上段右側の欧文字部分と下段の文字部分をまとめて「文字部分」という場合がある。)。
そして、本願商標を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいいがたく、文字部分と図形部分とは、それぞれ独立して、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るとみるのが相当である。
また、上段文字部分と下段文字部分とは、文字種、文字の大きさ、太さ及び色彩が異なることから、分離して看取できることに加え、上段文字部分は、下段文字部分と比べ太字で大きく表され、看者に強い印象を与えるものである。
さらに、文字部分を一連に称呼したときに生じる「トラストアトセコウアンカーノトラスト」の称呼は冗長である。
そして、上段文字部分の「TRUST」の欧文字が、「信頼。同一業種の企業が資本的に結合した独占形態。信託。」等の意味を有する英単語「trust(トラスト)」(出典:大辞林 第四版 株式会社三省堂)であることから、上段文字部分の「TRUST」の欧文字と下段文字部分中の「トラスト」が同一の称呼を生じるものと理解されるとしても、文字部分全体として特定の観念を生じる等の事情も認められないことから、これらを常に一体不可分のものとして認識しなければならない理由は見いだせない。
以上のことからすれば、本願商標は、その構成中の「TRUST」の欧文字部分のみを分離抽出し、これが本願商標の自他商品の識別標識を表示する要部として認識され、この部分のみを引用商標と比較することが許されるというべきである。
したがって、本願商標からは、その要部の一つである「TRUST」(以下「本願要部」という。)の構成文字に相応した「トラスト」の称呼を生じ、また、「信頼。同一業種の企業が資本的に結合した独占形態。信託。」等の観念を生じるものである。
(イ)引用商標5について
引用商標5は、「トラスト」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「トラスト」の称呼を生じ、上記(ア)の本願要部と同様に、「信頼。同一業種の企業が資本的に結合した独占形態。信託。」等の観念を生じるものである。
(ウ)本願商標と引用商標5の類否について
本願商標と引用商標5とは、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、両商標は、構成全体の外観において差異を有するものの、本願要部と引用商標5との比較においては、本願要部が欧文字であるのに対し、引用商標5は片仮名よりなり、文字種が異なるところ、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼及び観念が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、本願要部と引用商標5は「トラスト」の称呼及び「信頼。同一業種の企業が資本的に結合した独占形態。信託。」等の観念を共通にするものである。
そうすると、本願要部と引用商標5とは、外観上の差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼及び観念を同一にするものであるから、本願商標と引用商標5とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(エ)本願の指定商品と引用商標5の指定商品との類否について
本願の指定商品は、引用商標5の指定商品中「建築用又は構築用の金属製専用材料」と同一又は類似の商品である。
ウ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標1ないし4及び引用商標6ないし7との関係において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は解消した。
しかしながら、本願商標は、引用商標5と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は引用商標5の指定商品中「建築用又は構築用の金属製専用材料」と同一又は類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、本願商標の補正後の上記2に記載の指定商品は、原査定の拒絶の理由に引用した国際登録1720353号商標(以下「引用商標8」という。)の指定商品及び指定役務とは互いに非類似の商品及び役務になった。また、引用商標8は、令和5年11月28日に拒絶査定が発送されたが、最終処分は未確定であることを申し添える。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標及び引用商標5は、構成が大きく異なることから非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、上記(1)イ(ア)のとおり、本願商標は、その構成中の「TRUST」の文字部分のみを分離抽出し、当該文字部分のみを引用商標と比較することが許されるというべきであり、上記(1)イ(ウ)のとおり、本願商標の要部である「TRUST」の文字部分と引用商標5は、外観上の差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼及び観念を同一にするものであるから、本願商標と引用商標5とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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