商標拒絶査定不服審判
2024-008262
ゼータクナイッパイ
- 審判番号
- 2024-008262
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-083739
- 請求日
- 2024年05月17日
- 審決日
- 2024年08月20日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】キリンホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人飯島国際商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .16 -Z (W33)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 83739拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年7月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月11日付け:拒絶理由通知書
令和6年 1月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 3月13日付け:拒絶査定
令和6年 5月17日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「贅沢な一杯」の文字を標準文字で表してなり、第33類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第33類「洋酒,果実酒,酎ハイ,カクテル,麦芽又は麦を使用したビール風味のリキュール,麦芽又は麦を使用しないビール風味のアルコール飲料」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「贅沢な一杯」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「贅沢」の文字は、「必要な程度をこえて、物事に金銭や物などを使うこと。」の意味を有する語であり、「一杯」の文字は、「一つの杯・茶碗などに入る分量。」の意味を有する語である。
そして、本願の指定商品を含む飲食料品の分野において、「贅沢な一杯」の文字が、「品質にこだわった商品」ほどの意味合いで使用されている実情がある。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、それに接した取引者、需要者は、その商品が「品質にこだわった商品」であることを端的にうたった、商品の惹句の一を表したものと理解するにとどまるというべきであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「贅沢な一杯」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「必要以上に金をかけること。ものごとが必要な限度を越えていること。」などを意味する「贅沢」の語と、「一つのさかずきや茶碗に満ちる分量。少し酒を飲むこと。」などを意味する「一杯」の語を、「な」の文字(体言と体言とを接続する連体修飾を表す助詞)を介して結合したものと、容易に理解できるものである(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)。
そして、そのような「贅沢な一杯」の文字は、原審提示の情報にあるように、飲食料品を取り扱う分野において、商品の紹介等の際に、例えばその商品が「(通常の商品よりも)原材料にこだわって製造された商品」であることや「品質にこだわって製造された商品」であること、すなわち、商品の特性や優位性、特徴などを簡潔に表現するための語句として、多数の事業者によって、広く一般的に使用されており、また、別掲の情報にあるように、本願の指定商品を取り扱う分野においても、「贅沢な一杯」の文字や、これに通じる「ぜいたくな一杯」の文字について、同様の使用実情が認められる。
そうとすれば、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する需要者は、それが上述のごとき商品の特性や優位性、特徴などを簡潔に表現するための、商品の宣伝広告用の語句であると理解し、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、その構成中の一部を分離抽出されることのない一体不可分の商標というのが相当であって、全体として「必要以上にお金をかけたものを一つのさかずきや茶碗に満ちる分量(贅沢な一杯分)」という観念を生じ得るものの、本願の指定商品との関係では直接的、具体的な意味合いが認められないものであり、普通に使用されてもおらず、商品の品質等を表示するものとして認識されている事実もない旨主張する。
また、請求人は、どのような事象を「贅沢」と感じるかは三者三様であるし、上述の観念にしても様々な印象を与えるものであるから、「贅沢な一杯」の文字は、本願の指定商品の品質等を直接的に表すものではない旨主張する。
しかしながら、本願商標が一体不可分のものとして認識されるものであり、また、「贅沢な一杯」の文字から連想、想起される具体的な内容が需要者によって異なり得るものであって、本願商標がその指定商品の品質等を直接的に表したものとはいえないとしても、上記(1)のとおり、「贅沢な一杯」の文字や、これに通じる「ぜいたくな一杯」の文字は、本願の指定商品を含む飲食料品を取り扱う分野において、商品の特性などを簡潔に表現するための語句として、それがもはや商品の出所識別標識とは認識され得ないといえるほどに、多くの事業者によって一般的に使用されているものである。
そうとすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、それが商品の特性などを簡潔に表現するための、宣伝広告用の語句であると理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものであり、また、本願商標は、特定人によるその独占使用を認めるのが適当ではないものというのが相当である。
イ 請求人は、構成中に「贅沢」の文字を含む商標に関する、過去の登録例や審決例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例や審決例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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