商標拒絶査定不服審判
2024-008261
スマートケーフード、スマートケー
- 審判番号
- 2024-008261
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-063763
- 請求日
- 2024年05月17日
- 審決日
- 2025年02月26日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】キリンホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人飯島国際商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .16 -Z (W3235)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 63763拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年11月24日付け:拒絶理由通知書
令和5年12月27日 :意見書の提出
令和6年 3月18日付け:拒絶査定
令和6年 5月17日 :審判請求書の提出
令和6年11月 7日付け:審尋
令和6年12月12日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「スマート系フード」の文字を標準文字で表してなり、第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」及び第35類「広告業並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,商品の展示会・商品のキャンペーンの企画・運営又は開催並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,マーケティングの支援並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,消費者に対して行う販売を目的とした発売された商品又は発売予定の商品の紹介並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,インターネット上における会社及び商品・役務の紹介並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,事業の管理並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,市場調査又は分析並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,競売の運営並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,コンピュータデータベースへの情報編集並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,広告用具の貸与並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,広告スペースの提供及び貸与並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,新聞・雑誌又は書籍の記事情報の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「スマート系フード」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中の「スマート」の文字は、「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま。身なりや動作などが洗練されているさま。」等の意味を有する英語「smart」に通じるものであり、また、「系」の文字は、「一つづきにつながったもの。組織だった分類。」等の意味を有し、また、「フード」の文字は、「食品。食物。」等の意味を有し、本願商標は全体として、「恰好がよいさまの分類の食品」程の意味を有するものである。
そして、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、本願商標に係る文字が、おいしくて、健康にも良い、「おいしさと健康を保つ機能等を兼ね備えた食品」であることを表す宣伝文句として使用されている実情がうかがえる。
そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「おいしさと健康を保つ機能等を兼ね備えた商品」、又は「おいしさと健康を保つ機能等を兼ね備えた商品に関する役務」であることを示す宣伝文句の一種であると理解し、認識するにすぎないから、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、上記商品及び役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、令和6年11月7日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係において、商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対し、令和6年12月12日に意見書を提出し、要旨以下の(1)及び(2)のとおりの意見を述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証を提出した。
(1)「スマート系フード」の使用例等を考慮したとしても、「おいしさ」と「栄養・糖質への配慮」を両立した飲食料品を表すものとして、当該語が広く浸透し、また、請求人を含む各企業が、各種飲食料品の分野において、「スマート系フード」と称する商品を続々と製造、販売し、「スマート系フード」と称する商品の市場規模が拡大し、その注目度が高まっているという状況までは認められず、今後更に「スマート系フード」と称する商品の市場が成長していく見通しであると断定することはできない。
(2)「Google」を用いて「スマート系フード」をキーワードとして検索した結果、得られた情報は、令和5年12月27日に89件(甲10)、同6年5月17日に83件(甲23)、同年12月11日に110件(甲24)と、わずかに表示件数が増加しているものの、インターネット上にある膨大な量のホームページの中でのわずか数件にすぎず、需要者の認識を図る上での使用例として決して多いとはいえないことは明らかである。そもそも、インターネット上の情報については、需要者が各ウェブサイト内の関連する用語に注目し、記憶にとどめることには直ちにつながらないものであって、需要者が商品の特性又は優位性を表すものとして一般に認識するためには、相当程度数多くないし頻繁に取り上げられているなどの事情を要するものというべきであり、需要者による閲覧数やその効果が不明なこれらの使用例等が、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないことにどのように結び付くかについても何ら示されていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「スマート系フード」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「スマート」の文字は、「頭のよい、きちんとした、からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま」等の意味を有する英語「smart」に通じるものであり(株式会社研究社「新英和中辞典 第7版」及び株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)、「系」の文字は、「一つづきにつながったもの。組織だった分類。」の意味を、「フード」の文字は、「食品。食物。」の意味を、それぞれ表す語として知られるものである(以上、出典は、株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)。
また、原審提示の情報に加え、別掲の参考情報が示すように、近年、各種飲食料品の分野における賢い選択肢として、通常の飲食料品をよりおいしく、より糖質や栄養を気遣ったものへ代替するという新しい価値観に基づく考えが幅広い世代に受け入れられており、例えば、これらの「おいしさ」と「栄養・糖質への配慮」を両立した飲食料品を表すものとして、「スマート系フード」の語が多くの企業によって使用されていることがうかがえるものである。
そして、別掲の参考情報からは、実際に、請求人を含む各企業が、各種飲食料品の分野において、「スマート系フード」と称する商品を製造、販売していることがうかがえる上、「スマート系フード」と称する商品分野について、その注目度が高まっていることや、その市場規模が拡大していることを示す調査結果もうかがえる。
そうすると、本願商標を第32類の指定商品及び第35類の指定役務中、例えば、飲食料品に関連する商品及び役務に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、その商品及び役務が、「スマート系フード」に関するもの、すなわち、「おいしさ」と「栄養・糖質への配慮」を両立した飲食料品に関する商品及び役務であるといった、商品の特性又は優位性を表したもの、あるいは、役務の取扱いに係る商品の特性又は優位性を表したものと理解するにすぎず、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「スマート系フード」の使用例等を考慮したとしても、「おいしさ」と「栄養・糖質への配慮」を両立した飲食料品を表すものとして、当該語が広く浸透し、また、請求人を含む各企業が、各種飲食料品の分野において、「スマート系フード」と称する商品を続々と製造、販売し、「スマート系フード」と称する商品の市場規模が拡大し、その注目度が高まっているという状況までは認められず、今後更に「スマート系フード」と称する商品の市場が成長していく見通しであると断定することはできない旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、近年、「スマート系フード」の語が多くの企業によって使用されていることがうかがえる上、別掲のとおり、実際に、請求人を含む各企業が、各種飲食料品の分野において、「スマート系フード」と称する商品を製造、販売していること、また、「スマート系フード」と称する商品分野について、その注目度が高まっていることや、そのテリトリーも広がり売り上げが伸びていること、及びお菓子やチョコレート、カップ麺などの食品群では「スマート系フード」の購入率が伸びていることがうかがえるものである。これらの事実よりすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その商品及び役務が、「スマート系フード」に関するもの、すなわち、「おいしさ」と「栄養・糖質への配慮」を両立した飲食料品に関する商品及び役務であるといった、商品の特性又は優位性を表したもの、あるいは、役務の取扱いに係る商品の特性又は優位性を表したものと理解するにすぎないものといわざるを得ない。
イ 請求人は、「Google」を用いて「スマート系フード」をキーワードとして検索した結果、得られた情報は、令和5年12月27日に89件(甲10)、同6年5月17日に83件(甲23)、同年12月11日に110件(甲24)と、わずかに表示件数が増加しているものの、インターネット上にある膨大な量のホームページの中でのわずか数件にすぎず、需要者の認識を図る上での使用例として決して多いとはいえないことは明らかであると述べ、そもそも、インターネット上の情報については、需要者が各ウェブサイト内の関連する用語に注目し、記憶にとどめることには直ちにつながらないものであって、需要者が商品の特性又は優位性を表すものとして一般に認識するためには、相当程度数多くないし頻繁に取り上げられているなどの事情を要するものというべきであるところ、需要者による閲覧数やその効果が不明なこれらの使用例等が、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないことにどのように結び付くかについても何ら示されていない旨主張する。
しかしながら、インターネットのウェブサイトにおける「スマート系フード」に関する使用例は、別掲に挙げるだけでも一定数確認できるものであり、これらの記載内容についても、互いに他の記事情報における語の使用方法と整合するものである。そして、これらのウェブサイトにおいて、上記(1)で述べたとおり、その注目度の高まりや売り上げが伸びていること等の事実がうかがえることに鑑みれば、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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