商標拒絶査定不服審判
2024-007839
サガミギューカナガワケンサンニクノイシカワ、サガミウシカナガワケンサンニクノイシカワ、サガミギューカナガワケンサン、サガミウシカナガワケンサン、ニクノイシカワ、イシカワ、サガミギュー、サガミウシ、カナガワギュー、カナガワウシ
- 審判番号
- 2024-007839
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-063469
- 請求日
- 2024年05月10日
- 審決日
- 2024年09月30日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社肉の石川
- 【請求人代理人】梶 俊和
- 【請求人代理人】中村 英子
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .16 -Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 63469拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月24日付け:拒絶理由通知書
令和5年12月10日 :意見書の提出
令和6年 2月 1日付け:拒絶査定
令和6年 5月10日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類「神奈川県産の牛肉,神奈川県産の牛肉製品」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、別掲1のとおり、上部の楕円形の枠内に、神奈川県と思しき図形と、「相模牛」及び「神奈川県産」の文字を二段に配し、下部に「肉の石川」の文字を横書きしてなるものであり、全体として普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表してなるものである。
そして、その構成中、上部の楕円形の枠内に表された部分には、「旧国名の一。今の神奈川県の大部分に相当する。」を表す「相模」の文字と、「牛」の文字を組み合わせてなる「相模牛」の文字、「神奈川県産」の文字、及び、神奈川県と思しき図形が表されていることから、本願商標構成中の楕円形の枠内に表された部分からは、「神奈川県産の牛」ほどの意味合いが容易に理解される。
また、本願商標構成中の下部に記載されている「肉の石川」の文字のうち、「石川」の文字は、我が国においてありふれた氏の一つと一般に認識されるものであり、かつ、食品を取り扱う分野においては、例えば、「肉の小林」や「肉の伊藤」などのように、「肉の〇〇」(〇〇には氏が入る。)の文字が、精肉店等、肉を取扱う店の名称として広く一般に使用されていることから、本願商標構成中の「肉の石川」の文字部分については、ありふれた店名を表したものと理解させるにとどまるものといえる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、単に、「神奈川県産の牛」という商品の品質等と、ありふれた店名を表したものと認識するにとどまり、自他商品識別標識とは認識し得ないとみるのが相当であるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、やや太い黒線で縁取られている横長の楕円形の内部に文字や図形を表してなる部分を上方に配し、その下に黒色の「肉の石川」の文字を横書きしてなるものである。
ここでまず、上方の文字・図形部分についてみるに、これは、楕円形の枠と、白抜きで表された「相模牛」の文字、同「神奈川県産」の文字、及び、黒色で表された神奈川県のシルエット図形とおぼしき図形からなるものであり、それらの背景は茶色のグラデーションが施されているものである。
そして、そのうち「相模牛」の文字は、「旧国名。今の神奈川県の大部分。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する「相模」の語と、「牛」の語とを結合したものと、容易に看取できるものである。また、同文字の下に「神奈川県産」と表されていること、同文字の背景に神奈川県のシルエット図形(別掲2参照。)とおぼしき図形が表されていること、及び、上記2のとおり、本願の指定商品が「神奈川県産の牛肉,神奈川県産の牛肉製品」であることからすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、それに接する需要者は、上方の文字・図形部分について、その商品が「神奈川県産の牛」に係るものであるという、商品の品質を表示したものと理解、認識するものというのが相当である。
次に、下方の「肉の石川」の文字部分についてみるに、その構成中の「石川」の文字は、「姓氏の一つ。」(出典:同上)などを意味する語であり、我が国においてありふれた氏を表示するといえるものである(「石川」氏の者は我が国に約42万人いるとされる。出典:「名字由来net」のウェブサイト https://myoji-yurai.net/searchResult.htm?myojiKanji=石川)。また、原審提示の情報にあるように、例えば「肉の小林」「肉の伊藤」など、「肉の〇〇」(〇〇には氏が入る。)の構成からなる文字が、精肉店等、食肉や肉製品を取扱う店の名称として広く一般に使用されている実情が認められることからすると、「肉の石川」の文字は、これに接する需要者に、「ありふれた氏である石川の姓を有する者による、食肉や肉製品を取り扱う店」であることを理解させるにとどまるものといえる。
以上のことからすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、その商品が「ありふれた氏である石川の姓を有する者による、食肉や肉製品を取り扱う店」において取り扱われる「神奈川県産の牛」に係るものであることを表示したものと理解するにすぎず、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標をそれぞれの構成部分に分離して観察すべき理由はなく、本願商標は明らかに全体として把握、特定すべきものである旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成中の上方の文字・図形部分が、その商品が「神奈川県産の牛」に係るものであることを、下方の文字部分が「ありふれた氏である石川の姓を有する者による、食肉や肉製品を取り扱う店」であることを、それぞれ表したと理解させるにとどまるものであって、商標全体としても、その商品が「ありふれた氏である石川の姓を有する者による、食肉や肉製品を取り扱う店」において取り扱われる「神奈川県産の牛」に係るものであることを表示したものと理解されるに過ぎず、自他商品の識別標識としての機能を発揮し得ないものというのが相当である。
イ 請求人は、他の文字に重なって隠れている部分があることや神奈川県の形状の認知度からすれば、楕円形の内部の背景図形が神奈川県の形状とは認識されないことや、「相模」は必ずしも神奈川県のみを示す地域名称ではないことなどから、本願商標に接した取引者・需要者が、その構成中の上方の文字・図形部分について、単に商品の品質、産地を表示するものと認識するとは到底いえない旨主張する。
しかしながら、別掲2の画像からも明らかなとおり、本願商標構成中の「相模牛」の文字の背景にある図形は、その形状が神奈川県のシルエット図形と酷似しており、また、原審提示の情報にあるように、都道府県の地形は小学校でも学習するもので、神奈川県の形状を把握する者が少数であるとはいえないものである。そして、上記(1)のとおり、「相模」の文字は「旧国名。今の神奈川県の大部分。」を意味するものであること、本願商標構成中の「相模牛」の文字の下に「神奈川県産」の文字が表されていること、及び、上記2のとおり、本願の指定商品が「神奈川県産の牛肉,神奈川県産の牛肉製品」であることからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、それに接する需要者は、上方の文字・図形部分について、その商品が「神奈川県産の牛」に係るものであるという、商品の品質を表示したものと理解、認識するものというのが相当である。
ウ 請求人は、「肉の」の文字と人の姓氏を表した文字とを結合してなる商標の登録例を挙げ、それらと同様に、本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
エ 請求人は、本願商標の構成中「肉の石川」の文字は、牛肉及び牛肉製品を提供する事業者の名称として充分に識別力を発揮しており、また、本願商標についても、その指定商品に係る商品の多くについて既に使用している旨主張し、その証拠として資料1ないし資料24を提出している。
しかしながら、上記(1)のとおり、「石川」の文字が我が国においてありふれた氏を表示するといえるものであって、また、例えば「肉の小林」「肉の伊藤」など、「肉の〇〇」(〇〇には氏が入る。)の構成からなる文字が、食肉や肉製品を取扱う店の名称として広く一般に使用されている実情が認められることからすると、「肉の石川」の文字は、これに接する需要者に、「ありふれた氏である石川の姓を有する者による、食肉や肉製品を取り扱う店」であることを理解させるにとどまるものというのが相当である。
また、提出された資料においては、「肉の石川」の文字や本願商標の使用数量(「肉の石川」の文字や本願商標を付した商品の生産数、販売数等)、「肉の石川」の文字や本願商標の使用期間及び使用地域、「肉の石川」の文字や本願商標を使用した広告宣伝の方法、期間、地域及び規模などが具体的に示されておらず、それらの資料をもってしては、「肉の石川」の文字又は本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになっているともいえない。
オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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