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商標拒絶査定不服審判

2024-007810

マエダノベビーカステーラ、マエダノ、マエダ、ベビーカステーラ

審判番号
2024-007810
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-087179
請求日
2024年05月10日
審決日
2025年04月01日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】斎藤商事株式会社
  • 【請求人代理人】三宅 紘子
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 清川 恵子
  • 審判官 目黒 潤
分類
T18 .16 -Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023-87179拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年8月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年12月13日付け:拒絶理由通知書 令和6年 1月11日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 3月19日付け:拒絶査定 令和6年 5月10日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「前田のベビーカステーラ」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、原審における上記1の手続補正書により、第30類「カステラ」と補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原審において、「本願商標は、「前田のベビーカステーラ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「前田」の文字部分は、ありふれた氏を認識させるものであり、また、「の」の文字は、格助詞であり、また「ベビーカステーラ」の文字部分は、本願指定商品を取り扱う食品業界においては、「カステラの一種で、小麦粉で作った生地を型に流し込み焼き上げた、小形で楕円形(俵型)の一口サイズの菓子」程の意味合いで使用されている実情があるから、本願商標は全体として、「ありふれた氏である前田氏に係るベビーカステラ」程の意味合いを認識させるものである。そうすると、本願商標は、「前田のベビーカステーラ」の文字を普通に書してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は「ありふれた氏である前田氏に係るベビーカステラ」というほどの意味合いを理解させるにとどまり、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、「前田のベビーカステーラ」の文字を標準文字で表してなるものである。 そして、その構成中の「前田」の文字は「姓氏の一つ」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味し、ありふれた氏の一つであると認められ、「の」の文字は連体格を示す格助詞(前掲書)を意味し、原審で提示した情報によれば、本願の指定商品を取り扱う食品業界において、「ベビーカステラ」は「カステラの一種で、小麦粉で作った生地を型に流し込み焼き上げた、小形で楕円形(俵型)の一口サイズの菓子」程の意味合いで使用されている実情があり、また、「カステーラ」の文字は「カステラ」の異表記(原審で提出された甲1、当審で提出された甲25)であるから、本願商標は、全体として、「ありふれた氏である前田の姓を有する者が取り扱うベビーカステラ」程の意味合いを認識させるものである。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「ありふれた氏である前田の姓を有する者が取り扱うベビーカステラ」であることを理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと判断するのが相当であるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、菓子業界において、「前田のベビーカステーラ」が宣伝広告に一般的に使用される語句であるとの事実もないことから、本願商標は、その商品若しくは役務の宣伝広告又は企業理念・経営方針等を普通に用いられる方法で表示したものとしてのみ認識させる場合に該当せず、商標法第3条第1項第6号には該当しない旨主張している。 しかしながら、商標法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該商標が取引上使用されている事実は同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(知財高裁平成25年(行ケ)第10142号、同年11月14日判決参照)。 そうとすると、上記(1)のとおり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有するとはいえないありふれた氏である「前田」の漢字と、商品の品質を表す「ベビーカステーラ」の文字とを格助詞「の」を介して単に結合したものと認識されるにとどまり、その構成全体をもってしても、「ありふれた氏である前田の姓を有する者が取り扱うベビーカステラ」を表示するものとして一般に認識されるものであって、自他商品の識別標識と認識し得ると判断すべき構成要素も見当たらないことから、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。 また、商標法第3条第1項各号に該当する商標であるか否かは、上記判決の説示のとおり、現実の使用の事実が、各号の適用の要件となるものではないから、請求人以外に「前田のベビーカステーラ」の使用例がないとしても、本件の判断が左右されるものではない。 イ 請求人は、氏「前田」と指定商品に関連する商品名「〇〇」との結合からなる商標に係る登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録が認められるべきである旨主張している。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情も踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。 ウ 請求人は、1958年から現在に至るまでの66年間、「前田のベビーカステーラ」をベビーカステラに使用して、実店舗をもたず屋台での製造・販売を行い、関西地方、特に京都の屋台の味として親しまれ、一般飲食店の平均値よりも約4倍となる売上高があることで、本願商標が周知性を獲得している旨、また、検索エンジンGoogleでの「前田のベビーカステラ」の検索で表示された情報は、すべて請求人の商品に関するものであり、「前田のベビーカステラ(前田のベビーカステーラ)」の語は、請求人を特定する商標として機能し、さらに、口コミや評価を行う機能を備えるサイトにおいて、識別力を有する店名や標章がない場合には評価の対象にはならないが、評価対象として「前田のベビーカステラ(「前田のベビーカステーラ」)」が掲載されている事実があること等を挙げ、本願商標は自他商品識別力を有しているから登録されるべきものと主張している。 しかしながら、請求人の主張、原審で提出された証拠(甲1、甲2)及び当審で提出された証拠(甲1ないし甲31)によれば、本願商標を付した請求人取扱いに係るカステラが実際に販売されていることはうかがえるものの、その使用地域は京都府内にとどまるものであり、また、その指定商品について本願商標が使用された時期や継続的に使用された事実等を裏付ける証拠の提出はなく、本願商標を使用した商品の生産数、販売数等の使用数量や市場シェア、売上高、広告費、広告宣伝の方法・回数等についても、客観的にかつ具体的に示す証拠はなく、そのほか需要者の認識の程度を示す証拠(アンケート調査の結果など)も提出されていないことから、本願商標は、具体的な使用事実に基づいて使用状況を把握し、その周知性の程度を客観的に推し量ることができない。 そうすると、本願商標は、その指定商品との関係において、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められない。 エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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