商標拒絶査定不服審判
2024-007623
フードベースショクラーユ、フードベース、ショクラーユ、ショク
- 審判番号
- 2024-007623
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-066355
- 請求日
- 2024年05月08日
- 審決日
- 2025年02月27日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三共食品株式会社
- 【請求人代理人】森 泰比古
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 幸志
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .261-Z (W2930) / T18 .262-Z (W2930) / T18 .263-Z (W2930)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 66355拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 5年11月14日付け:拒絶理由通知
令和 5年12月28日 :意見書、手続補正書の提出
令和 6年 2月 7日付け:拒絶査定
令和 6年 5月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品については、上記1の原審及び当審における手続補正書により、最終的に、第29類「ラー油を使用したカレー・シチュー又はスープのもと,ラー油を使用したお茶づけのり,ラー油を使用したふりかけ,ラー油を使用したなめ物」及び第30類「ラー油(調味料),ラー油を使用した調味料,ラー油を使用した香辛料,ラー油を使用したパスタソース」に補正されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6458535号商標(以下「引用商標」という。)は、「FOODBASE」を標準文字で表してなり、令和3年2月12日登録出願、第35類「肉製品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,粥の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,餃子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,唐揚げの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,漢方茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とし、同年10月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、赤色で塗りつぶされた横長長方形(以下「長方形」という。)内に、上段に幾何学模様が施された円形図形(以下「円形図形」という。)、中段に上段の円形図形及び下段の文字と比較して相対的に小さく表された「FOOD BASE」の欧文字、下段に筆書きされた「食辣油」の漢字を配し、いずれもグラデーションを施された金色で表した構成よりなる結合商標である。
ところで、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない場合は、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一又は類似であるといえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁参照)。
そこで、本願商標の構成を観察するに、長方形は、単に背景と認識されるものであるから、特定の称呼及び観念を生じない。また、上段、中段及び下段の各構成部分についてみるに、上段は円形図形であるところ、このような複数の直線を用いて構成される幾何図形は、しばしば漢字等の文字をモチーフとして構成されることがあるものの、当該円形図形内部の図案化の程度は顕著であって、直ちに特定の文字であることを認識することはできず、特定の意味合いを理解させない図形を表したものと認識されるものであるから、当該円形図形からは、特定の称呼及び観念が想起されるとは認め難いものである。
次に、中段の「FOOD BASE」の欧文字は、その構成中の「FOOD」が「食料」等を、「BASE」が「基礎」等を意味する平易な英単語(出典:新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社)であることから、各語の語義を結合した「食料の基礎」ほどの意味合いを想起させ、その構成文字に相応して「食料の基礎」ほどの観念が生じ、「フードベース」の称呼を生じるものである。
さらに、下段の「食辣油」の文字は、辞書類に載録された成語とは認められないものの、その構成中の「食」の文字が「たべること。」等を、「辣油」の文字が「植物油に唐辛子の辛味をうつした調味料。」を、それぞれ意味する語(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)であることから、各語の語義を結合した「辣油をたべること」ほどの意味合いを想起させ、その構成文字に相応して「辣油をたべること」ほどの観念が生じ、「ショクラーユ」の称呼を生じるものである。
そして、上段、中段、下段の各構成部分は、間隔をあけて配置されている上、上段は図形、中段は欧文字、下段は漢字という異なる表示態様で表してなることから、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、観念的に密接な関連性を有しているとは認められず、構成全体から生ずる「フードベースショクラーユ」の称呼もやや冗長であることからすれば、これらを常に一体不可分のものとして認識しなければならない理由は見いだせない。
してみると、上述のとおりの本願商標の構成において、中段の「FOOD BASE」の欧文字部分は、上段部分及び下段部分と比較して相対的に小さく書されているとしても、比較的目に留まりやすい構成中央に配置され、十分に判別可能であって、当該文字より生じる称呼及び観念は、本願の指定商品との関係で十分に識別力を発揮するものであり、商品の出所識別標識としての称呼及び観念を生じることが明らかであることから、「FOOD BASE」の欧文字部分のみを分離抽出し、これを自他商品識別標識を表示する要部の一(以下、当該欧文字部分を「本願要部の一」という場合がある。)として認識し、この部分のみをもって他の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。
そうすると、本願商標は、本願要部の一であるその構成文字に相応して、「フードベース」の称呼及び「食料の基礎」ほどの観念をも生じるというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、「FOODBASE」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書類に載録された成語とは認められないものの、その構成文字は、「食料」及び「基礎」等を意味する平易な英単語である「FOOD」及び「BASE」(出典:新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社)が連結されている構成よりなるものと容易に理解できるものであることから、各語の語義を結合した「食料の基礎」ほどの意味合いを想起させる。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「食料の基礎」ほどの観念が生じ、「フードベース」の称呼を生じる。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討すると、両商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成よりなるところ、外観において、その構成全体が相違するものの、本願要部の一である「FOOD BASE」と引用商標との比較では、本願要部の一における「FOOD」と「BASE」の文字の間のスペースの有無に差異を有するものの、その構成する各欧文字のつづりを同一にすることから、外観上近似した印象を与える。
また、両者は、共に「フードベース」の称呼及び「食料の基礎」ほどの観念を共通にする。
してみると、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を共通にすることから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すれば、商品又は役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標というが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定商品と引用商標の指定役務中、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、類似する商品及び役務と認められる。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は引用商標の指定役務の一部の役務と類似する商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は上段の「ロゴ化した「食」」の図形、中段の「FOOD BASE」の欧文字及び下段の「食辣油」の文字を赤色の背景が内包してなる結合商標であり、各構成要素は赤色背景に対する見た目、文字から生じるイメージにおいて共通性・関連性を有する上に、「FOOD BASE」の欧文字は、「ロゴ化した「食」」の図形と「食辣油」の文字に比べ、書体において最も特徴がなく、かつ、文字の大きさ、文字部分の全体の面積において、知財高裁令和5年(行ケ)第10063号の 判決例において、要部とされなかった構成部分以上に小さく、狭い関係にあることから、「FOOD BASE」の欧文字を分離して理解・把握した上で引用商標との類否判断を行うことは、最高裁昭和39年(行ツ)第110号の判決例の示唆する商標類否判断における注意事項に反するものであることを主張した上で、本願商標は、外観に圧倒的な特徴を有し、一体として把握することが適切というべきであるから、「FOOD BASE」の欧文字を分離・把握して引用商標との類否判断を行うことは過去の判決例に照らしても、色彩やデザインといった観点に照らしても妥当性を欠くものである旨主張している。
しかしながら 、上記(1)のとおり、本願商標は、それを構成する上段の円形図形、中段の「FOOD BASE」の欧文字及び下段の「食辣油」の漢字が、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している事情は見いだせず、本願商標から、「FOOD BASE」の文字部分を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきものである。
そして、請求人の上記主張における知財高裁令和5年(行ケ)第10063号の判決は、「遊」の文字が中央に大きく表され、その下に「VENTURE」の文字を横書きした結合商標における類否の判断が争われた事件であり、本願商標とはその構成態様が全く異なることから、本願商標は、当該判決に何ら拘束されることなく個別具体的に判断されるべきものである。
イ 請求人は、「飲食料品の小売等役務」における「フードベース」の使用実態として、複数のウェブサイトを示した上、例示した各ウェブサイトは、いずれも、「鯨波」、「THE」、「YOKACHOROE」、「KITCHEN」「キッチン」、「B Original」、「井上商店」といった用語を、「フードベース」「FOOD BASE」等の前又は後に結合させて、独自性を出しているもので、これらの事実は、「飲食料品の小売等役務」を提供する事業者において「フードベース」という称呼に顕著な識別力を意識してはいないという実情を示すものである旨主張している。
しかしながら、小売業者が「FOOD BASE(フードベース)」の語を他の用語とともに使用している事情が複数あるからといって、引用商標に識別力がないとはいえない。また、職権をもって調査するも、「FOOD BASE(フードベース)」の文字が、引用商標の指定役務「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「飲食料品の小売等役務」という。)との関係において、役務の質、飲食料品の小売等役務の取扱いに係る商品の品質を表示するものとして、一般に使用されている事実は発見できず、さらに「FOOD BASE(フードベース)」の文字に接する取引者、需要者が、当該文字を役務の質等を表示するものと認識するというべき事情も発見できなかった。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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