商標拒絶査定不服審判
2024-007473
ナポメシ、ナポハン
- 審判番号
- 2024-007473
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-020479
- 請求日
- 2024年05月02日
- 審決日
- 2025年03月13日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社B級グルメ研究所
- 【請求人代理人】戸塚 朋之
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 幸志
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .13 -Z (W3043) / T18 .272-Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 20479拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年2月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 7月25日付け:拒絶理由通知
令和5年 8月 4日 :刊行物等提出書
令和5年10月10日 :意見書の提出
令和6年 1月30日付け:拒絶査定
令和6年 5月 2日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ナポ飯」の文字を標準文字で表してなり、第30類「調理済みの冷凍スパゲティ,調理済みのスパゲティ,即席スパゲティ,スパゲティーのめん,レトルトパウチされた調理済みスパゲッティ,スパゲッティー用ソース,パスタの弁当,パン,スパゲッティー入りのパン,サンドイッチ,ホットドッグ,菓子,ハンバーガー,中華まんじゅう,ピザ,弁当,チキンライス,オムライス,ハヤシライス,チャーハン」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「ナポ飯」の文字を標準文字で表してなるものである。
ところで、食品を取り扱う業界において、「ナポリタンスパゲッティとご飯を一緒に調理した料理」や「ナポリタンスパゲッティの味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した料理」が「ナポ飯」や「ナポめし」と称されている実情がある。
そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、「ナポリタンスパゲッティとご飯を一緒に調理した食品」、「ナポリタンスパゲッティの味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した食品」、「ナポリタンスパゲッティとご飯を一緒に調理した料理や、ナポリタンスパゲッティの味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した料理の提供」に使用するときは、これに接する需要者、取引者は、単に食品名(又は提供する料理名)を表示したものと理解するにすぎず、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示したものにすぎないと言わざるを得ない。
したがって、本願商標を前記意味合いに照応する商品又は役務に使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「ナポ飯」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成は「ナポ」の片仮名と「飯」の漢字を組み合わせた結合商標であると直ちに認識できるものである。
そして、本願商標を構成する各文字についてみるに、「ナポ」の語は、辞書等に載録がなく、「飯」の漢字は、「穀類、特に米を炊いたもの。ごはん。」(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店、以下同じ。)の意味を有するところ、食品を取り扱う分野において、「ナポ」の文字は、「(「ナポリ風」の意)ゆでたスパゲッティと炒めた玉ネギ、ピーマン、ベーコンやソーセージを合わせ、トマト‐ケチャップで調味した料理。」である「ナポリタン」を指称するものとして使用されている事実があり(別掲1)、「飯」の文字は、例えば、「焼きそばと飯とを合わせて炒めたソース味の料理。」を「蕎麦飯(そばめし)」と、「茸を炊き込んだ飯。」を「茸飯(きのこめし)」と、「牛肉を煮て、汁とともに丼どんぶり飯にかけたもの。」を「牛飯(ぎゅうめし)」と、「鶏肉を具とした炊込みご飯。」を「鳥飯(とりめし)」と表すように、「〇〇飯」(「〇〇」には食品を表す名称が入る。)は、「○○メシ」と称呼し、「○○とご飯が一緒に調理された料理」であることを表す語として一般に使用されているものである。
また、原審で通知した証拠のとおり、「ナポ飯」(「ナポめし」を含む。)の文字が「ナポリタンとご飯を一緒に調理した料理」又は「ナポリタンの具材及び味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した料理」を表す語として使用されている事実がある。
上記事実を勘案すると、本願商標は、その構成全体から「ナポリタンとご飯を一緒に調理した料理」又は「ナポリタンの具材及び味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した料理」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品又は指定役務中、第30類の指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「ナポリタンとご飯を一緒に調理した料理用の商品」又は「ナポリタンの具材及び味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した料理用の商品」であること、すなわち、商品の用途、品質を表示するものであることを認識するにとどまり、また、第40類の指定役務に使用しても、「ナポリタンとご飯を一緒に調理した料理を提供する役務」又は「ナポリタンの具材及び味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した料理を提供する役務」であること、すなわち、役務の質を表示するものであることを認識するにとどまるから、本願商標は、商品の用途、品質又は役務の質を表示するものというのが相当である。
さらに、本願商標は標準文字で表してなるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。
してみれば、本願商標は、その商品の用途、品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、また、これを「ナポリタンとご飯を一緒に調理した料理用の商品」、「ナポリタンの具材及び味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した料理用の商品」、「ナポリタンとご飯を一緒に調理した料理を提供する役務」及び「ナポリタンの具材及び味付けでスパゲッティの代わりにご飯を使用した料理を提供する役務」以外の指定商品又は指定役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、原審において「ナポ飯」の使用例として取り上げた証拠について、「ナポ飯」の内容についての説明を伴っていることから、需要者がその特徴を表すものと認識するものではない旨及び「ナポ飯」の語に他の語を伴った使用であることから、これら「ナポ飯」の使用は、需要者等が商品(役務)の特徴を表すものとして理解するとは認められない旨主張する。
しかしながら、「ナポ飯」の語は、上記(1)のとおり、それを構成する「ナポ」及び「〇〇飯」の文字の使用状況を勘案すれば、当該語の内容を説明する文章を伴うか否か、また他の語を伴うか否かに関わらず、その指定商品又は指定役務との関係で、商品の用途、品質又は役務の質を表したものと理解するにすぎないというのが相当である。
イ 請求人は、原審で引用した「ナポめし」の使用例をもってしては、本願商標「ナポ飯」の使用と同視することはできない旨主張する。
しかしながら、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で漢字と平仮名を相互に変換して表記することは一般的に行われていることに加え、上記(1)のとおり「〇〇飯」の文字が「〇〇メシ」と称されていることからすれば、列挙された「ナポめし」の使用例は、「ナポ飯」と同義で使用されたものというのが相当である。
ウ 請求人は、「ナポ」の語をその構成中に含む、請求人による過去の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであるから、これら過去の登録例が存在することをもって、本願商標の上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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