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商標拒絶査定不服審判

2024-006999

ワスレナイ

審判番号
2024-006999
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-015029
請求日
2024年04月24日
審決日
2025年03月19日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社SHIFT
  • 【請求人代理人】IPTech弁理士法人
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 雅也
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 滝口 裕子
分類
T18 .13 -Z (W093542)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023- 15029拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年2月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年8月22日付け:拒絶理由通知書 令和5年10月6日 :意見書の提出 令和6年1月25日付け:拒絶査定 令和6年4月24日 :審判請求書の提出 令和6年12月24日 :審尋 2 本願商標 本願商標は、「ワスレナイ」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、「ワスレナイ」の文字を標準文字で表してなるところ、「ワスレナイ」の文字は、「うっかりしてすべきことをしないままにする。」の意味を有する「忘れる」の語の未然形「忘れ」に、打ち消しの意味を有する助動詞「ない」を付した「忘れない」の語を片仮名で表記したものであるから、その構成全体として「うっかりしてすべきことをしないままにしない」ほどの意味合いを理解、認識させるものといえる。そして、コンピュータプログラムやソフトウェアを開発、提供する業界において、ユーザーが特定の事柄を忘れないようにとの効果をうたったアプリが提供されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定商品又は指定役務中、例えば、第9類「電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン並びにその部品及び附属品,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」、第42類「電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティングを介した仮想コンピュータシステムの提供,クラウドコンピューティングに関する情報の提供,ウェブサーバーの貸与」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に「うっかりしてすべきことをしないままにしないという効果を有する商品」、「うっかりしてすべきことをしないままにしないことに関する商品・役務」、「うっかりしてすべきことをしないままにしないようにするための役務」のように、商品の効能や品質、役務の特徴や質を表すものとして理解、認識するにすぎず、本願商標は、商品の効能や品質、役務の特徴や質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における審尋及びそれに対する請求人の回答 当審において、令和6年12月24日付け審尋により、別掲2及び別掲3の事実を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の合議体の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。 請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答書(意見書)を提出していない。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号について 商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品又は指定役務との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年10月21日判決(平成27年(行ケ)第10107号)、知財高裁令和4年5月19日判決(令和3年(行ケ)第10100号))。 (2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「ワスレナイ」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の「ワスレナイ」の文字は、動詞「忘れる」の未然形である「忘れ」に、打ち消しの助動詞「ない」が付いた「忘れない」(「日本語活用形辞書」weblio)の語を片仮名で表記したものと容易に理解されるものである。そうすると、本願商標は、その構成全体として「忘れない」の意味を容易に理解、認識させるものといえる。 そして、別掲2及び別掲3のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務の分野において、忘れないようにするための商品及び役務が提供されている実情が見受けられる。 そうすると、本願商標をその指定商品又は指定役務中、第9類「電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン並びにその部品及び附属品,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),電子出版物」、第35類「コンピュータデータベースへの情報編集」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティングを介した仮想コンピュータシステムの提供,クラウドコンピューティングに関する情報の提供,ウェブサーバーの貸与,コンピュータ技術に関する助言,コンピュータシステムの分析,情報技術の構築及びインフラストラクチャーに関する助言及び情報の提供」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に「忘れないようにするための商品及び役務」のように、商品の品質、役務の質を表すものとして理解、認識するにすぎない。 加えて、上記2のとおり、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。 したがって、本願商標は、指定商品又は指定役務との関係において、商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (3)請求人の主張について 請求人は、原審の証拠は「ワスレナイ」という片仮名表記が用いられているものはなく、「ワスレナイ」という文字列を目にした際に即座に「忘れない」という意味合いが想起されるとはいえず、また、原審の証拠は全てアプリ等のソフトウェア(一種類の商品)に関するものであり、「ワスレナイ」を「ソフトウェア」に使用した場合でも、最低でも4つの意味合いが生じる得ることになるため、「ワスレナイ」という単独の名称のみでは、どのような商品サービスなのかを特定することができず、「商品又は役務の特性を表示したもの」ということができない旨主張している。 しかしながら、本願商標の語義と、別掲2及び別掲3のとおり、「ソフトウェア」以外でも指定商品及び指定役務の分野において、特定の事柄を忘れないようにするための商品及び役務が提供されている実情が見受けられ、「ワスレナイ」「忘れない」の文字が使用されていることからすれば、本願商標が片仮名から構成されるものであったとしても、これに接する取引者、需要者は、単に「忘れないようにするための商品及び役務」のように、商品の品質、役務の質を表すものとして理解、認識するというべきである。 したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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