商標拒絶査定不服審判
2024-006479
カツオバー、バー、ビイエイアアル
- 審判番号
- 2024-006479
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-010282
- 請求日
- 2024年04月16日
- 審決日
- 2024年07月30日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社your story
- 【請求人代理人】弁理士法人Toreru
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 10282拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年2月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 6月26日付け:拒絶理由通知書
令和5年 8月 3日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 1月29日付け:拒絶査定
令和6年 4月16日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「鰹BAR」の文字を標準文字で表してなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第29類「粉末鰹,かつお節,鰹を主原料とする加工品,鰹の加工水産物,鰹」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「鰹BAR」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「BAR」の文字は、「棒状の物」の意味を有する語であり、また、食品業界においては、魚を使用した棒状の食品が生産販売され、それらの中には、当該商品について「○○BAR」や「○○バー」と称している実情が認められる。
そして、本願商標の指定商品には「鰹を主原料とする加工品,鰹の加工水産物」が含まれていることからすると、本願商標は、商品の原材料と形状の名称の組合せであると、需要者に無理なく理解されるものであり、本願商標全体として「鰹を使用した棒状の食品」との意味合いを自然に需要者に認識させるものといえ、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「鰹を使用した棒状の食品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえることから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「鰹BAR」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「鰹」の文字は、上記2のとおり、本願の指定商品が「粉末鰹,かつお節,鰹を主原料とする加工品,鰹の加工水産物,鰹」であることからすると、その商品の普通名称又は原材料、品質を表示したといえるものである。
また、同構成中の「BAR」の文字は、「酒場」や「棒、棒状のもの」などを意味する平易な英語であるところ(出典:「新英和中辞典第7版」株式会社研究社)、本願の指定商品を含む、食用の海産物や加工水産物を取り扱う分野においては、原審提示の情報や、別掲の情報にあるように、「棒状」の商品が広く製造、販売等されており、その商品について、例えば「KATSUO BAR」「鰹バー」のように、商品の原材料を表示する文字(○○)と「BAR(バー)」の文字とを組み合わせた「○○BAR(○○バー)」の文字からなる表示がしばしば使用されている実情が認められる。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それより「棒状の鰹」ほどの意味合いを容易に理解し、その商品が「鰹を原材料にしてなる棒状の商品」であるという、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標構成中の「BAR」の文字は、多義的な語であって、必ずしも「棒状のもの」を意味する語として理解されるものではない旨主張し、その証拠として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している(なお、提出された資料中には甲号証の番号が記されてないものであるが、請求人の主張の内容を踏まえ、提出された資料の1番目ないし3番目をそれぞれ甲第1号証ないし甲第3号証であると判断した。)。
しかしながら、「BAR」の文字が一般に「棒、棒状のもの」のみならず「酒場」なども意味する語として知られているものであるとしても、上記(1)のとおり、本願の指定商品を含む、食用の海産物や加工水産物を取り扱う分野において、「棒状」の商品が広く製造、販売等されており、その商品について、商品の原材料を表示する文字(○○)と「BAR(バー)」の文字とを組み合わせた「○○BAR(○○バー)」の文字からなる表示がしばしば使用されている実情があることからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それより「棒状の鰹」ほどの意味合いを容易に理解し、その商品が「鰹を原材料にしてなる棒状の商品」であるという、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
また、提出された証拠において示されている事例は、本願の指定商品とは異なる分野(役務「飲食物の提供」など)に係る事例と考えられるものである上、それらの証拠は、出典や印刷日などが不明であり、本件判断の参考とすることが適切とはいえないものである。
イ 請求人は、「鰹を使用した棒状の食品」といっても多種多様である上、本願の指定商品は、棒状の商品に限られるものではないから、本願商標は、その指定商品の品質を具体的かつ直接的に表示したものとはいえない旨主張する。
しかしながら、「鰹を使用した棒状の食品」といえる商品が多種多様に存在するとしても、それらはいずれも「鰹」及び「BAR」の文字の意味の範ちゅうにおけるものであるし、また、そのような商品が多種多様に存在する事実は、むしろ、本願商標が「鰹を原材料にしてなる棒状の商品」を表示するものとして取引者、需要者に容易に認識され得ることや、本願商標が取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであって特定人による独占使用を認めるのは適当でないことを、裏付けるものであるともいえる。
また、本願の指定商品中には、特に形状に限定のない「鰹を主原料とする加工品,鰹の加工水産物」が含まれるものであって、それらの商品の中には、「鰹を主原料とする棒状の加工品,鰹の棒状の加工水産物」が含まれることは明らかであり、また、仮に、同指定商品中に棒状の商品以外の商品が含まれているとしても、そのことによって、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性が否定されるものでもない。
ウ 請求人は、商品の原材料を表したと考えられる文字と「バー」の文字とを結合してなる商標の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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