商標拒絶査定不服審判
2024-006034
ダンラン
- 審判番号
- 2024-006034
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-032020
- 請求日
- 2024年04月09日
- 審決日
- 2025年04月03日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社OWN
- 【請求人代理人】福地 武雄
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W43) / T18 .262-Z (W43) / T18 .263-Z (W43) / T18 .264-Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-32020拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年3月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月2日付け :拒絶理由通知書
令和5年11月13日 :意見書の提出
令和5年12月19日付け:拒絶査定
令和6年4月9日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第43類「居酒屋における飲食物の提供」を指定役務として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3133950号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成4年9月24日登録出願、第42類「日本料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同8年3月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の役務に使用された場合に、役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその役務の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日判決参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日判決参照)。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、濃淡2種類の茶色及び朱色の太さ長さが様々な線を筆で描いたようなものを組み合わせてなる図形(以下「本願図形部分」という。)の上部に、「団欒」の漢字を筆書き風の書体で大きく表し、「欒」の文字の左下部には「danran」の欧文字を横書きし、右側には赤色の略楕円形の内部に「だんらん」の平仮名を白抜きで表してなる(以下、これらの文字をまとめて「本願文字部分」という。)ところ、本願図形部分は、特定の事物を表したもの、又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じないものである。
次に、本願文字部分についてみると、「団欒」の文字は「集まってなごやかに楽しむこと。」の意味を有する語(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であり、「danran」の文字及び「だんらん」の文字は、ぞれぞれ「団欒」の文字の表音を欧文字又は平仮名で表したものと容易に理解できるものである。また、これらの文字は、役務の質等を表示するものでもないから、自他役務の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得るものといえる。
そして、本願図形部分と本願文字部分とは、重なり合うことなく、スペースを空けて配されており、図形と文字という構成要素を異にしていることから、両者は視覚的に分離して看取されるものである。
また、本願商標は、全体として親しまれた意味合いを表す熟語等を表したものとはいえず、他に、本願商標を不可分一体のものとして把握しなければならない事情も見いだせないことからすると、本願図形部分と本願文字部分は、それぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
以上からすると、本願文字部分と本願図形部分は、そのいずれもが、役務の質等を表すものではなく、それぞれが独立して役務の出所識別標識としての機能を発揮し得るものであって、本願商標の構成において目をひく部分であり、これらはいずれもが取引者又は需要者に対し、自他役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるといえる。
してみると、本願商標は、その構成中の本願文字部分だけを要部として取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成中の本願文字部分の構成文字に相応して「ダンラン」の称呼が生じ、また、「集まってなごやかに楽しむこと。」の観念が生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、黒色の円図形の内部に白抜きで寿司と思しき図形、牛の顔と思しき図形、釜と思しき図形、魚と思しき図形を配したもの(以下、「引用図形部分」という。)の右側に、黒色の略正方形の内部に白抜きで表した「だ」「ん」「ら」「ん」の文字を横一列に配し、その下部に「釜めし・和風料理」の文字を横書きし、さらにその下部に「DAN・RAN」の文字を横書きしてなる(以下、「だ」「ん」「ら」「ん」の文字と「DAN・RAN」の文字をまとめて「引用文字部分」という。)ところ、引用図形部分は、その内部に白抜きで表した図形がそれぞれ上記したような意味合いを認識させ得るものの、全体としては、特定の事物を表したもの、又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じないものである。
次に、引用文字部分についてみると、黒色の略正方形の内部に白抜きで表した「だ」「ん」「ら」「ん」の文字は、それぞれ同じ大きさ、同じ書体で等間隔に、まとまりよく一体的に表されているものであるから、「だんらん」の語を表したと理解、認識されるものとみるのが自然である。そして、当該文字は、「集まってなごやかに楽しむこと。」の意味を有する「団欒」の語を平仮名表記したものと理解、認識されるものであり、引用商標の指定役務との関係において、役務の質等を表すものでもないから、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえる。
また、「DAN・RAN」の文字は、「・」が含まれるものの、上部に大きく目立つように表された「だんらん」の文字を欧文字表記したものと理解、認識されると判断するのが相当であるから、「だ」「ん」「ら」「ん」の文字と「DAN・RAN」の文字は一体のものとして理解されるものといえる。
他方、引用商標中の「釜めし・和風料理」の文字は、その構成中の「釜めし」の文字は、「魚介類・鶏肉・野菜などを米と共に小釜に入れ、しょうゆ・酒などで味付けして炊き込んだ料理。」の意味を有する語である「釜飯」の語(前掲書)の「飯」の文字を平仮名表記したものである。さらに、「和風料理」の文字は、「和風」の文字が「日本風。」の、「料理」の文字が「食物をこしらえること」の意味を有する語である(いずれも前掲書)から、全体として「日本風の料理」の意味を認識させるものである。そうすると、「釜めし・和風料理」の文字は、引用商標の指定役務との関係においては、提供される料理の種類を表したものと理解されるにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を発揮し得ない部分といえる。
そして、引用図形部分と引用文字部分とは、重なり合うことなく、スペースを空けて配されており、図形と文字という構成要素を異にしていることから、両者は視覚的に分離して看取されるものである。
また、引用商標は、全体として親しまれた意味合いを表す熟語等を表したものとはいえず、他に、引用商標を不可分一体のものとして把握しなければならない事情も見いだせないことからすると、引用図形部分と引用文字部分は、それぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
以上からすると、引用図形部分及び引用文字部分は役務の質等を表すものではなく、そのいずれもが、それぞれ独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものであって、引用商標の構成において目をひく部分であり、これらはいずれも取引者又は需要者に対し自他役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるといえる。
してみると、引用商標は、その構成中の引用文字部分だけを要部として取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その構成中の引用文字部分の構成文字に相応して「ダンラン」の称呼が生じ、また、「集まってなごやかに楽しむこと。」の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標は、それぞれの構成中に異なる形状の図形を有しているという差異や色彩の有無という差異等、その構成全体の比較において外観上相違するものであって、本願商標の要部である本願文字部分と引用商標の要部である引用文字部分との比較においても、両者は「団欒」の文字及び「DAN・RAN」の文字の有無という差異、「だんらん」の文字について縦書きか横書きかの差異、色彩の差異等があるものの、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で文字種を相互に表記したり、デザイン化したりすることや、当該商標が表示される場所に合うように縦書きに表記したり、横書きに表記したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、これらの外観上の差異が看者に対し、強い印象を与えるとまではいえない。
そして、両者は、ともに「ダンラン」の称呼及び「集まってなごやかに楽しむこと。」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。
以上によれば、本願文字部分と引用文字部分は、称呼及び観念を共通にするものであって、外観上の相違は、上記のとおり強い印象を与えるものとはいえず、称呼及び観念の同一性をしのぐほどの差異として需要者に認識されるものとはいえないことから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務である。
(5)小括
本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標と引用商標は、両者いずれも、文字と図形が一体不可分として認識されうるものであって、両商標は非類似の商標というべきである旨を主張している。
しかしながら、上記1のとおり、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される。
そして、本願商標は、上記2(1)のとおり、その構成中の本願文字部分を、また、引用商標は、上記2(2)のとおり、その構成中の引用文字部分を、それぞれ要部として抽出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきである。
(2)請求人は、引用商標の構成中の「DAN・RAN」の部分について、この構成中には「・」の記号があるから、「だんらん」を単にアルファベット表記にしたものとは断定できず、当該部分については、別の意味を有する語ともいえる旨を主張している。
しかしながら、「・」の記号は、それのみで特別な意味合いを有するものではないこと、及びその前後にある「DAN」と「RAN」は、それぞれ「ダン」と「ラン」と無理なく読めることからすれば、「DAN・RAN」の部分は、「だんらん」の部分を欧文字表記したものと容易に理解できるものであるから、引用商標に接する取引者、需要者は、そのように認識すると判断するのが相当である。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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