商標拒絶査定不服審判
2024-005757
ゼーリシホーリツソーダンカイ
- 審判番号
- 2024-005757
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-040714
- 請求日
- 2024年04月05日
- 審決日
- 2025年06月18日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】弁護士法人ピクト法律事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W45) / T18 .272-Z (W45)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項商標法3条3項商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-40714拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年4月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 9月28日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月 8日 :意見書の提出
令和6年 1月 5日付け:拒絶査定
令和6年 4月 5日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「税理士法律相談会」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第36類、第41類及び第45類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正書により、別掲1のとおりの役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原審において、「本願商標は、「税理士法律相談会」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「税理士」の文字は、「他人の求めに応じ、各種税金の申告・申請、税務書類の作成、税務相談などを行うことを職業とする者。」を、「法律」の文字は、「社会秩序を維持するために強制される規範。法。」を、「相談」の文字は、「問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。」を、「会」の文字は、「ある目的のために多くの人々が集まること。」をそれぞれ意味する。そして、本願の指定役務に関する分野において、「被害者法律相談会」等のように役務を提供される者を示した法律相談会が、「〇〇法律相談会」(〇〇には法律相談を提供される者が表されている。)と称され、提供されている事実が確認できる。そのため、本願商標の構成全体からは、「税理士のための法律相談会」ほどの意味合いが容易に認識される。そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者は「税理士のための法律相談会に関する役務」ほどの意味合いを認識するにとどまるから、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質(内容)の誤認を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「税理士法律相談会」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「税理士」の文字は、「税理士法に従い、顧客の依頼により税務代理・税務書類の作成・税務相談を業とする者。旧称、税務代理士。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する語であり、「法律相談会」の文字は、地方公共団体や日本弁護士連合会、法律事務所等によって開催される、法律について相談可能な催しを「法律相談会」と称して使用され、一般に親しまれているものである。
そして、原審説示のとおり、本願の指定役務の関連する分野において、役務の提供を受ける者を示した法律相談会が、「〇〇法律相談会」(〇〇は「法律相談の提供を受ける者」)と称されており、また、原審提示の情報に加えて、別掲2のとおり、税理士をはじめ、それ以外の士業向けの法律相談が広く行われている実情が認められる。
そうすると、上記の実情に照らせば、本願商標をその指定役務中、例えば、第45類「法律相談」に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、「税理士のための法律相談会」といった「税理士のための法律相談会に関する役務」であることを認識するにとどまり、本願商標は、単に役務の質(内容)を表示したものと認識、理解させるにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「税理士のための法律相談会に関する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質(内容)の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、一般的に開催されている法律相談会は、法律の専門家ではない者に対して開催するものであり、××法律相談会という単語に触れる場合、法的な知識を持たない一般人に対し、広く開かれた法律相談会を想起するものといえるが、本願商標は、税理士という税務に関する専門知識を有する者を対象にしている点で差異があり、これに接する取引者・需要者は、税理士向けの法律相談会が一般的でないことから、出所への印象を強く持つものといえる上、本願商標の名称を検索しても出願人のサービス以外は出てこないため、これに独占使用権を与えたとしても問題ない旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号にいう役務の質(内容)に該当するというには、指定役務に関する取引者、需要者が当該商標に接した場合、これをどのように認識し理解するかが重要であり、取引者、需要者が、役務の質、すなわち、役務の内容を表示したものと一般に認識することをもって足り、それ以上に、現実にその役務が実施されていることまで必要ということはできないと解される(平成21年(行ケ)第10351号)。
そうすると、「税理士法律相談会」の語が一般的に使用されていないとしても、上記(1)のとおり、本願の指定役務の関連する分野において、役務の提供をうける者を示した法律相談会が、「〇〇法律相談会」と称され、また、専門知識を有する税理士等の士業向けの法律相談が広く行われている実情にあることに照らせば、本願商標に接する取引者、需要者は、「税理士のための法律相談会に関する役務」といった役務の質(内容)を表したものと一般に認識するというべきである。
イ 請求人は、「○○相談会」や「○○研究会」の構成からなる商標の登録例を提示し、本願商標が拒絶されるのは、平等原則の観点から妥当ではない旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、「相談会」の文字に他の文字を結合させた構成からなる商標である等、商標の構成態様が本願商標とは異なるものであり、原審や別掲2で提示した取引実情や判断時も異なるという点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3項及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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