商標拒絶査定不服審判
2024-005735
ワンボウルメニュー、ワンボールメニュー
- 審判番号
- 2024-005735
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-050290
- 請求日
- 2024年04月05日
- 審決日
- 2025年04月17日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パナソニックホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】山内 広之
- 【請求人代理人】酒井 壮士
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .16 -Z (W11)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-50290拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年5月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月27日付け:拒絶理由通知書
令和5年12月 8日 :意見書の提出
令和5年12月28日付け:拒絶査定
令和6年 4月 5日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ワンボウルメニュー」の文字を標準文字で表してなり、第11類「電子レンジ,台所用レンジ(オーブン),家庭用電熱用品類,業務用加熱調理機械器具」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原審において、「本願商標は、「ワンボウルメニュー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ワン」の文字は「ひとつ」といった意味を、「ボウル」の文字は「材料を混ぜ、また卵を泡立てるなど、調理に用いる半球状の容器。また、サラダなどを盛る同様の形の器。」といった意味を、「メニュー」の文字は「献立」といった意味を有する語としてそれぞれ親しまれている。そして、1つのボウルや1つの皿で完結する料理が「ワンボウルメニュー」「ワンプレートメニュー」「ワンディッシュメニュー」などと称されているところ、こうした料理を作るに当たり、本願指定商品を活用することを述べる記事が少なからず存在する実情が認められる。こうした実情を踏まえると、本願商標は全体として、「1つのボウルで完結する料理」ほどの意味合いを容易に理解させ、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「1つのボウルで完結する料理」を作ることができる商品であるという、商品の特徴・活用方法を簡潔に表す宣伝文句として認識するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認められるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「ワンボウルメニュー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ワン」の文字は「1。ひとつ。」を、「ボウル」の文字は「材料を混ぜ、また卵を泡立てるなど、調理に用いる半球状の容器。また、サラダなどを盛る同様の形の器。ボウル。」を、「メニュー」の文字は「献立。献立表。特に西洋料理のものをいう。」等(いずれも出典は「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)をそれぞれ意味する語として、一般に親しまれた語であるといえる。
そして、原審提示の情報や別掲1の情報にあるように、「ワンボウルメニュー」の語が、1つのボウルで完結する料理を称する語として普通に使用されていることから、本願商標は全体として「1つのボウルで完結する料理」程の意味合いを容易に認識させるものである。
また、原審説示のとおり、本願の指定商品である電子レンジやオーブンレンジ等の紹介にあたっては、商品の機能等に加えて、「ワンボウルメニュー」や「ワンボウル」、「ボウルメニュー」と称して、ボウル1つで作る料理も紹介されている実情があり、さらに、原審提示の情報や別掲2の情報のとおり、1つの皿で完結する料理が、「ワンボウルメニュー」の語に類する「ワンプレートメニュー」や「ワンディッシュメニュー」と称して使用されている実情にあることも確認できる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「1つのボウルで完結する料理」を作ることができる商品であること、すなわち、その商品の特徴を表した宣伝文句の一種として理解するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標が「1つのボウル(ワンボウル)」と「複数の種類・品目の料理(メニュー)」という互いに矛盾する意味合いを想起させる語が結合し、その修飾関係や意味合いが不明確になっていることから、本願商標の構成中の各語義を組み合わせることで様々な意味合いが生じ、また、原審で提示した使用例は、多義的な意味合いで用いられていることから、本願商標からは、直接的、具体的な意味合いは生じない旨、また、「“ワンボウルメニュー” 電子レンジ」で検索すると、ほとんどが請求人の使用ないし請求人の製品に関連するものであり、他の事業者等が当該フレーズを使用している例は見受けられず、何人もその使用を欲する独占不適応の語とはいえない旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、「ワンボウルメニュー」の語が、1つのボウルで完結する料理を称する語として普通に使用されていること、また、電子レンジやオーブンレンジの紹介の際に、ボウル1つで作る料理が「ワンボウルメニュー」や「ワンボウル」、「ボウルメニュー」と称されていること、さらに、1つの皿で完結する料理が、「ワンボウルメニュー」の語と類する「ワンディッシュメニュー」や「ワンプレートメニュー」と称して使用されていること等の取引の実情に照らせば、「ワンボウルメニュー」の文字に接する取引者、需要者は、「1つのボウルで完結する料理」を作ることができるという商品の特徴を表した宣伝文句の一種と理解するにすぎないことから、特定人によるその独占を認めるのを公益上適当としないというべきである。
また、商標法第3条第1項第6号に該当する商標であるか否かは、現実の使用の事実が、同号の適用の要件となるものではないから、請求人以外に「ワンボウルメニュー」の使用例がないとしても、本件の判断が左右されるものではない。
イ 請求人は、商標と指定商品の関係が「調理対象」と「調理用具」の関係にある過去の商標登録例を挙げ、本願商標も自他商品の識別力が認められるべきである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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