商標拒絶査定不服審判
2024-005651
ジイエックスアドバイザー、アドバイザー
- 審判番号
- 2024-005651
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-014111
- 請求日
- 2024年04月04日
- 審決日
- 2024年11月07日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社フォーバル
- 【請求人代理人】林 栄二
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W093536373841424345) / T18 .16 -Z (W093536373841424345) / T18 .272-Z (W093536373841424345)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 14111拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年2月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 8月18日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月 6日 :意見書の提出
令和6年 1月 5日付け:拒絶査定
令和6年 4月 4日 :審判請求書の提出
令和6年 7月30日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月17日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「GXアドバイザー」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第36類、第37類、第38類、第41類、第42類、第43類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「GXアドバイザー」の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは全体として「グリーントランスフォーメーションのアドバイザー」ほどの意味合いが容易に認識されるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品・指定役務(第35類の小売等役務を除く)に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、それが単に商品の品質、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというのが相当である。
また、本願商標を、その指定役務中、第35類の小売等役務に使用した場合、これに接する需要者において、自他役務を区別するための識別標識として認識されるものと認めることができないことから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当し、前記意味合いに照応する商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質、役務の質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における拒絶理由通知及びそれに対する請求人の意見(要旨)
当審において、請求人に対し、令和6年7月30日付けで、別掲のとおりの事実を示した上で、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、役務の質の誤認を生じるおそれがあるものであって、また、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の拒絶理由を通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
この拒絶理由通知に対し、請求人は、令和6年9月17日に意見書を提出し、要旨下記5(3)のとおりの意見を述べた。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「GXアドバイザー」の文字を横書きしてなるところ、これは、「GX」の欧文字と、「助言者。忠告者。顧問。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する「アドバイザー」の文字を結合したものと、容易に理解できるものである。
そして、その構成中「GX」の文字は、原審提示の情報にあるように、「化石燃料由来のエネルギーを中心とする社会からクリーンエネルギーを中心とする社会への転換による社会経済システム全体の変革」を意味する「グリーントランスフォーメーション」の略語として、広く一般的に使用され、理解されているものであるから、本願商標よりは、「グリーントランスフォーメーション(化石燃料由来のエネルギーを中心とする社会からクリーンエネルギーを中心とする社会への転換による社会経済システム全体の変革。以下同じ。)の助言者」ほどの意味合いが容易に認識し得るといえる。
さらに、原審提示の情報や、別掲の情報にあるように、昨今、中小企業などへの事業支援の分野を中心に、事業活動のグリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う役務が広く提供されている実情が認められ、その中には、そのような役務を担う者を「GXアドバイザー」と称している事例も見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定役務中、例えば「事業の能率化に関する診断・指導及び助言,事業に関する指導及び助言」などの、事業支援の分野に係る役務に使用するときは、それに接する取引者、需要者は、それが「グリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う者による役務」であるという、役務の質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
また、本願商標を、上記役務以外の事業支援の分野に係る役務に使用する場合は、役務の質の誤認を生じるおそれがあるものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標の構成態様や、その構成文字の意味合い、及び、「GXアドバイザー」の文字が、「グリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う者」を指称する語として、複数の者によって使用されている実情等が認められることについては、上記(1)のとおりである。
そうとすれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合には、これに接する需要者は、それが単に上述のごとき「事業活動のグリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う者」を表したもの、又は、その商品又は役務が当該者によって製造、販売、提供、監修等されるものであるという、商品若しくは役務の特性や優位性を表したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当であるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願の指定商品又は指定役務の需要者が「GX」の文字を見ただけで直ちに「グリーントランスフォーメーション」の略語を表していると認識することができるとは考えられず、また、提示された情報をもってしては、本願商標にある「GXアドバイザー」や「GX」の文字だけで「グリーントランスフォーメーションの助言者」であるとか、「グリーントランスフォーメーション」の略語を表していると認識されることを裏付けているとはいうことができない旨主張する。
しかしながら、原審提示の情報にあるように、「GX」の文字が、「グリーントランスフォーメーション」の略語として、インターネット上の辞書類において記載されている事例があることに加え、同情報や、別掲の情報にあるように、昨今、中小企業などへの事業支援の分野を中心に、事業活動のグリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う役務が広く提供されている実情が認められ、その中には、そのような役務を担う者を「GXアドバイザー」と称している事例も複数見受けられることからすれば、本願商標に接する需要者は、それより「グリーントランスフォーメーションの助言等を行う者」ほどの意味合いを容易に認識し、それがその役務の質又は商品若しくは役務の特性や優位性を表したものと理解するにとどまり、自他商品役務の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
イ 請求人は、仮に、本願商標を「グリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う者」と理解した場合であっても、それは、商品又は役務の関係者の素性を表示したに過ぎず、商品又は役務の特性や優位性を「直接的かつ具体的に」表すものではないことから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するものではない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、昨今、中小企業などへの事業支援の分野を中心に、事業活動のグリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う役務が広く提供されている実情が認められ、その中には、そのような役務を担う者を「GXアドバイザー」と称している事例も複数見受けられることを踏まえれば、本願商標に接する取引者、需要者は、それが「グリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う者による役務」であるという役務の質を表示したものとして、又は、単に上述のごとき「グリーントランスフォーメーションに係る助言等を行う者」を表したもの、若しくは、その商品若しくは役務が当該者によって製造、販売、提供、監修等されるものであるという、商品若しくは役務の特性や優位性を表したものとして、認識するといえるものである。
そして、そのような表示は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品役務の識別力を欠くものというのが相当である。
ウ 請求人は、何らかの語の略語のアルファベットの文字に「アドバイザー」又は「Advisor」の文字を組み合わせた商標などに係る過去の登録例や審決例を挙げ、本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ 請求人は、上記4の拒絶理由通知において、如何なる範囲までが拒絶の理由に該当するのかについて明らかにされておらず、また、個々の指定商品又は指定役務との関係で如何なる商品又は役務の特性や優位性を「直接的かつ具体的に」表示していると認定されているのかも明示されていないことから、その適用範囲の判断、さらには、事前の開示の有無について、不服がある旨主張する。
しかしながら、上記4の拒絶理由通知においては、本願の指定役務中「事業支援の分野に係る役務」との関係において、商標法第3条第1項第3号(及び同法第4条第1項第16号)に該当するとしているところ、同理由中に併せて例示した役務や、本願の指定商品及び指定役務の表示内容、及び、特許庁の公開する「類似商品・役務審査基準」(https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/index.html)や「商品及び役務の区分解説」(https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/bunrui/index_kubun_kaisetsu.html)などの内容からすれば、同号に該当する指定役務の外延は十分に明確なものといえる。
また、同拒絶理由通知においては、本願商標が、その指定商品及び指定役務すべてとの関係において、商標法第3条第1項第6号に該当するとしているものであり、そのことは、上記4の意見書の内容からすれば、請求人も十分に理解していると考えられるものであって、その上で請求人は、本願の指定商品及び指定役務のうち、どの商品又は役務であれば当該拒絶理由に該当しないといえるかについて、何ら具体的な主張をしていないものである。
オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、いずれも採用することができない。
なお、請求人は、本願商標に拒絶の理由が存在すると判断される場合は、指定商品及び指定役務の補正又は分割出願を行う用意がある旨主張するが、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号、同項第6号又は同法第4条第1項第16号に該当することは、上記(1)のとおりであって、指定商品及び指定役務の補正によって、その拒絶の理由のすべてが解消し得るものではないから、本件の審理において、改めて本願の指定商品及び指定役務の補正の機会を与える必要はないと合議体は判断した。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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