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商標拒絶査定不服審判

2024-004764

審判番号
2024-004764
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-083553
請求日
2024年03月19日
審決日
2025年07月29日
公報発行日
2025年08月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】大崎八幡宮
  • 【請求人代理人】弁理士法人英知国際特許商標事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 吉田 聡一
分類
T18 .13 -WY (W030911141618021222425262728303233363941434445) / T18 .22 -WY (W030911141618021222425262728303233363941434445)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項7号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-83553拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年7月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 3月24日付け:拒絶理由通知書 令和5年 8月 7日 :意見書の提出 令和5年12月14日付け:拒絶査定 令和6年 3月19日 :審判請求書の提出 令和6年 5月21日 :手続補足書(甲第1号証ないし甲第23号証)の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、別掲2に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、以下(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。 (1)商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号について 本願商標は、宮城県仙台市所在の大崎八幡宮の社殿を正面から撮影した写真と、その下の、同建造物を四方向から斜めに撮影した四枚の写真よりなるものである。一般に、観光地など広く知られている地にあっては、各種商品が土産物等として生産、販売されている実情があるところ、同社殿は国宝に指定されている著名な建造物であり、同社殿を含む大崎八幡宮は、観光地としても広く一般に知られていることが伺える。そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば「ちょうちん,キーホルダー・・・白酒」などの(神社で扱われている)商品に使用しても、これに接する需要者は、「宮城県仙台市所在の大崎八幡宮及びその周辺一帯で販売される商品」であることを理解するにすぎず、単に商品の販売地、品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから商標法第4条第1項第16号に該当する。加えて、本願商標をその指定役務中、例えば「写真の撮影,写真の撮影に関する情報の提供,・・・結婚式の企画及び手配」などの、神社で一般的に提供される役務に使用しても、これに接する需要者は、「宮城県仙台市所在の大崎八幡宮で提供される役務」であることを理解するにすぎず、単に役務の提供の場所、質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないから商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第7号について 一般に国宝などの文化的・歴史的価値の認められる文化的所産等は、国民や地域住民に親しまれ、その周知・著名性ゆえに強い顧客吸引力を有するものも多く存在し、これらの文化的所産等のゆかりの地やその周辺地域においては、当該文化的所産等の名称や外観等を利用した地域興し等も盛んに行われている実情が多くみられる。そして、大崎八幡宮は、宮城県仙台市における主要な観光スポットの1つであり、当該地域の重要な観光資源といえる。そうすると、大崎八幡宮の社殿の写真からなる本願商標について、たとえ、当該文化的所産等と関係を有するものであったとしても、出願人が、自己の商標として独占排他的に使用することは、その地域の観光施策を阻害するおそれがあり、適当ではない。してみれば、本願商標について一個人が独占排他的に使用することは、公正な取引秩序を害するおそれがあり、社会公共の利益に反するおそれがあるとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について 本願商標は、別掲1のとおり、神社の社殿を正面から撮影した写真と、その下段に同社殿を四方向から斜めに撮影した4枚の写真を組み合わせた1枚の画像よりなるところ、本願商標は、大小5枚の異なる角度からの社殿の写真を組み合わせた特徴的な1枚の画像(図形)よりなる商標と評価できるものである。 そして、本願商標の各構成部分の特徴等から、本願指定商品及び指定役務の一般の需要者等をして、これより直ちに特定の神社を表したものと認識される格別な事情は見当たらないものである。 さらに、原審説示のとおり、神社の境内又はその周辺エリアにおいて、例えば、各種お土産品等が取扱われたり、宗教儀式の実施等の役務が提供される場合があるとしても、5枚の神社の社殿の写真を組み合わせた構成態様から、必ずしも、これを商品又は役務の販売場所、提供場所等を表す標章としてのみ理解するとは認め難く、むしろ、本願商標全体として、特徴的な1枚の画像(図形)よりなるものと理解するというべきである。 したがって、本願商標は、商品の販売地又は品質、並びに役務の提供の場所又は質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標ということもできないから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第7号について 本願商標は、上記(1)のとおり、神社の社殿を正面から撮影した写真と、その下段に同社殿を四方向から斜めに撮影した4枚の写真を組み合わせた1枚の画像よりなるところ、上記(1)のとおり、本願商標の各構成部分の特徴等から、本願指定商品及び指定役務の需要者をして、これより直ちに特定の神社を表したと認識される格別な事情は見当たらないものである。 さらに、本願商標は、大小5枚の異なる角度からの社殿の写真を組み合わせた特徴的な1枚の画像(図形)よりなる商標と評価できるものであるところ、このような本願商標の請求人による出願について、公益的事業の遂行を阻害する目的など、何らかの不正の目的があるものと認めるに足りる証拠はなく、その他、本願全証拠及び当審の職権調査によっても、出願経緯等に社会通念に照らして著しく社会的相当性を欠くものがあるとも認められないものである。 なお、当審説示の大崎八幡宮は、請求人が所有する神社であり、大崎八幡宮の文化的遺産の維持、管理を図りつつ、これを有効に活用するため、事前に許可を申請するよう境内等に掲示をしており、実際に画像利用規約を作成し、許諾を受けた者がホームページやパンフレットに画像を掲載するよう運営・管理していることが確認できる。 以上を踏まえると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用することが、社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものとまでいうことはできないから、本願商標は、商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するものとはいえない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号、並びに同法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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