商標拒絶査定不服審判
2024-004667
ラシェル
- 審判番号
- 2024-004667
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-021226
- 請求日
- 2024年03月18日
- 審決日
- 2025年05月30日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】バウシュ アンド ロム インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】曾我 道治
- 【請求人代理人】鈴木 昇
- 【請求人代理人】吉元 梨江子
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W09) / T18 .262-Z (W09) / T18 .263-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-21226拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年3月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 8月 8日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月16日 :意見書の提出
令和5年12月 7日付け:拒絶査定
令和6年 3月18日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ラシェル」の文字を標準文字で表してなり、第9類「コンタクトレンズ,眼鏡」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4908121号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年4月6日に登録出願、第9類「眼鏡」を指定商品として、同年11月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、「ラシェル」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「ラシェル(フランスの悲劇女優),明るい黄褐色,肌色」を意味する「Rachel(rachel)」(出典:「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館、「コトバンク」のウェブサイト https://kotobank.jp/word/%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%88%E3%82%8B-3174542)を片仮名で表したものと理解されるものであるから、その構成文字に相応して、「ラシェル」の称呼を生じ、原審提示の情報も考慮すると、「女子の名,ラシェル(フランスの悲劇女優),明るい黄褐色,肌色」の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、赤色で塗りつぶした2つの凹四角形を左右対称にそれぞれの2つの頂点を結んだ図形(以下「引用図形部分」という。)を配し、その右側に赤字で「Rachel」の文字(以下「引用文字部分」という。)を表してなるところ、その構成中、引用図形部分と引用文字部分は、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上、明確に分離して看取し得るものである。
そして、引用図形部分は、特定の事物又は意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じないものである。
また、引用文字部分である「Rachel」の文字は、「ラケル(Jacobの妻でJosephとBenjaminの母),ラシェル(フランスの悲劇女優),女子の名,明るい黄褐色,肌色」等(出典:前掲書)を意味する語であり、引用商標の指定商品との関係で、引用文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有しないという理由は見いだせない。
そうすると、引用図形部分と引用文字部分の間には、称呼及び観念上のつながりを見いだせず、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないから、引用商標は、その構成中の引用図形部分と引用文字部分が、それぞれ独立して出所識別機能を有する要部となり得るものであり、引用文字部分の「Rachel」を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その要部である「Rachel」の文字部分(以下「引用商標の要部」という。)に相応して、「ラシェル,レイチェル」の称呼を生じ、「女子の名」等の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成よりなり、それぞれの商標は、全体の外観において、構成文字の差異や図形部分の有無等を有することから区別できるとしても、引用商標の要部との比較においては、本願商標が片仮名のみからなるのに対し、引用商標の要部は欧文字のみからなるところ、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、本願商標と引用商標は、称呼において、「ラシェル」の称呼を共通にするものであり、観念において、「女子の名」等の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては相違があるものの、本願商標と引用商標の要部との比較において、外観上の差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、「ラシェル」の称呼及び「女子の名」等の観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品である「コンタクトレンズ,眼鏡」は、引用商標の指定商品である「眼鏡」と同一又は類似する商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品も、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「Rachel」の語が「ラシェル」の称呼を生じるフランス語であるとしても、フランス語の習得率が高いとは決して言えない我が国においては、そのような称呼を生じることが一般に広く知られているとはいい難く、まずは英語読みに伴う「レイチェル」の称呼を直ちに認識する旨主張している。
しかしながら、原審提示の情報に加えて、「rachel」の文字が、上記(1)で提示した英和大辞典に掲載されており、その発音記号から英語でも「ラシェル」とも発音されることが認められることからすれば、引用文字部分からは、その構成文字に相応して、「レイチェル」の称呼の他に、「ラシェル」の称呼も生じるものであるから、本願商標についての上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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