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特許拒絶査定不服審判

2024-004242

燃料供給所管理システム

審判番号
2024-004242
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-114444
請求日
2024年03月11日
審決日
2024年10月16日
公報発行日
2024年11月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】ENEOS株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人広和特許事務所
  • 【請求人】株式会社日立国際電気
  • 【請求人代理人】弁理士法人広和特許事務所
  • 【請求人】トキコシステムソリューションズ株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人広和特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 平城 俊雅
  • 審判官 小川 恭司
  • 審判官 尾崎 和寛
分類
P18 .121-WY (B67D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2021-114444「燃料供給所管理システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 1月20日出願公開、特開2023- 10358、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和3年7月9日に出願された特願2021-114444号であり、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和 4年12月20日付け 拒絶理由通知 令和 5年 2月24日 意見書、手続補正書の提出 令和 5年 5月11日付け 拒絶理由通知(最後) 令和 5年 9月12日 意見書、手続補正書の提出 令和 5年12月 5日付け 令和5年9月12日に提出した手続補正書による補正の却下の決定 令和 5年12月 5日付け 拒絶査定 令和 6年 3月11日 審判請求書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和5年12月5日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願の請求項1~6に係る発明は、その出願前に、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開平9-295698号公報 2.特開2000-79997号公報 第3 本願発明 本願の請求項1~6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明6」という。)は、令和5年2月24日に提出した手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりである。 「【請求項1】 燃料供給対象に燃料を供給する複数の燃料供給機と、 表示手段を有すると共に前記各燃料供給機による燃料の供給を管理する管理機と、 前記複数の燃料供給機の各々に対応する燃料供給エリアを撮影するカメラと、 前記カメラにより撮影された画像に基づいて、前記燃料供給エリアの異常の有無を判定する異常判定手段と、 前記複数の燃料供給機の供給状態を表示する一覧画面と、 前記複数の燃料供給機のうち、一の燃料供給機の供給状態と、前記異常判定手段により判定された、前記一の燃料供給機に対応する燃料供給エリアの判定結果と、前記カメラにより撮影された当該燃料供給エリアの画像と、を表示する詳細画面と、 を切換えて前記表示手段に表示させる表示制御手段と、 を備えたことを特徴とする燃料供給所管理システム。」 なお、本願発明2~6は、本願発明1を減縮した発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について (1)引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付したもの。以下同じ。)。 「【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、自動車等に燃料を供給する給油所において事故発生を監視する給油所用監視装置に関するものである。」 「【0008】これらの図において、本実施形態の給油所用監視装置10は、給油所敷地内の各所に設けられた計量機11とその周辺をそれぞれ撮像する複数個のカメラ12と、これらカメラ12からの映像データを順次切り替えて取り込むコントロール手段13と、映像データを順次記憶する記憶手段14と、映像データを一つの画面に分割表示する表示手段15と、各計量機11にそれぞれ設けられ振動を検知する感震器16と、感震器16が振動を検知した停止信号を受信したときに記憶手段14に記憶された該当カメラ12からの映像データを録画する録画手段17と、停止信号により警報を発する報知器18と、停止信号に基づき遠隔地へ報知するためのモデム19等とから構成される。 【0009】上記複数個のカメラ12(12A,12B,12C,12D)は、例えば、敷地周囲の複数か所(4か所)に1台づつ配置されており、それぞれ一定の監視角度を有して敷地のほぼ中央部に配置された所定の対応する計量機11(11A,11B,11C,11D)とその周辺を撮像するように向けられている。」 「【0011】上記表示手段15は、例えば、コンピュータ21に接続されるディスプレイであり、通常では記憶手段14に記憶されている複数のカメラ12の映像データを同一の画面に分割表示し、停止信号によりその事故が発生した映像データを拡大表示するものである。例えば、表示手段15は、通常では図4に示されるように、カメラ12A,12B,12C,12Dの映像データ(A,B,C,D)を同一の画面に分割表示し、感震器16Aが振動を検知した停止信号を受信したとき、図5に示されるように、その振動を検知した計量機12Aを撮像しているカメラ12Aの映像データ(A)が拡大表示される。 【0012】上記感震器16(16A,16B,16C,16D)は、それぞれ計量機11(11A,11B,11C,11D)に対応して設けられており、振動を検知したときに事故発生と判断して停止信号を出力するものである。このような振動の検知は、例えば、所定の強さの振動が生じたときに、機械的動作によりスイッチが閉じる構造等により実現される。」 「【0015】上記構成の給油所用監視装置10では、給油所敷地の各所に配置された複数個のカメラ12の映像データが、コントロール手段13により一定時間毎に順次切り替えて取り込まれ、この映像データが記憶手段14に順次記憶され、同時に表示手段15により同一の画面に映像データが分割表示され、感震器16が振動を検知して、事故有りと判断したときに停止信号を出力する。この停止信号が出力されたときに、対応する計量機11が停止し、その振動を検知した計量機11を撮像している対応するカメラ12の映像データが録画手段17に録画され、表示手段15では対応する映像データが拡大表示され、同時に報知手段である報知器18が警報を発したりモデム19を介して通報される。したがって、事務所20にいる作業員は表示手段15の表示により早期に確実に事故を知ることができ、かついち早く計量機11を停止し、報知器18で知らせ、かつモデム19を介して本部あるいは消防署や警察署に通報することで、事故の拡大を防止することができる。このときの事故の状態は、表示手段15に拡大表示され、録画手段17には事故の前後が録画されるため、事故の確認と後の対処を容易にすることが可能になる。」 (2)【0011】及び【0015】には、感震器16が振動を検知すると、コンピュータ21に接続されている表示手段15では、振動を検知した計量機11を撮像している対応するカメラ12の映像データが拡大表示されることが記載されているから、コンピュータ21は表示手段15に接続されると共に計量機11による燃料の供給を管理していると理解される。 したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「自動車等に燃料を供給する複数の計量機11と、 表示手段15に接続されると共に前記計量機11による燃料の供給を管理するコンピュータ21と、 所定の対応する前記計量機11とその周辺を撮像するカメラ12と、 振動を検知したときに事故発生と判断する感震器16と、 複数の前記カメラ12の映像データを同一の画面に表示する分割表示と、 前記複数の計量機11のうち、前記振動を検知した計量機12を撮像している前記カメラ12の映像データが表示される拡大表示と、 を切換えて前記表示手段15に表示させるコンピュータ21と、 を備える給油所用監視装置10。」 2 引用文献2について (1)引用文献2には、以下の事項が記載されている 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は給油所管理装置に係り、特にセルフ給油化した給油所の管理に好適な給油所管理装置に関する。」 「【0020】監視モニタ14は、屋外に設置された監視カメラ19により撮像された各計量機171~17nの給油ポイントの画像のうち4箇所の画像のみを写し出す。監視カメラ191~19nは、セルフサービスユニット181~18nの設定操作および各計量機171~17nの給油操作等の顧客の様子を写すためのビデオカメラである。給油所制御装置13は、監視カメラ191~19nにより撮像された画像の中から給油作業を行っている給油ポイントを選択し、給油作業中の場所のみを監視モニタ14に写す。」 「【0034】カメラ釦47が押下されると、監視モニタ14の表示が切り替えられる。例えば、画面上の監視したい給油ポイント1~7の何れかに触ってから、カメラ釦47を押下すると、監視したい給油ポイントの画像が監視モニタ14に表示される。また、ポンプ釦48は、各給油ポイント毎に給油を停止したり、再開したりするための操作釦である。許可釦49の機能については、後述するように給油許可を指示するための操作釦である。」 「【0043】このようにして給油操作及び給油代金の精算を行う際、給油所制御装置13の表示装置36には、図4に示すような実際に各計量機111~114の配置パターンとほぼ同じレイアウトで各計量機111~114のアイコンA1が表示されると共に、各給油ポイント毎に状態表示A2や、車両への給油状況A3が表示されるので、簡易伝票に記載された給油ポイントの給油データ(油種、給油量等)を簡単に確認することができる。また、給油所の各計量機11の状態を給油所制御装置13の表示装置36に表示されたレイアウト画像25により各給油ポイントの状況を監視することができる。」 「【0045】続いて、設定器部25による設定操作が完了し、当該給油ポイントの計量機17の設定された油種に対応する給油ノズル27がノズル掛け29から外されると、図6(C)に示されるように、状態表示領域A2に「給油待」が表示されるとともに、給油ポイントの表示色が「白色」から「青色」に変化し、且つブザーを短く鳴動させて給油所の係員に給油準備が完了したことを知らせる。 【0046】そして、給油所の係員は、監視モニタ14に表示された当該給油ポイントの画像を確認して、間題なく給油できると判断した場合、表示装置36に表示された許可釦46を押下する。これにより、表示装置36の当該給油ポイントには、図6(D)に示されるように、給油ポイント表示領域A5の表示色が「白色」に戻り、状態表示領域A2に「給油中」が表示されると共に、給油状況領域A3に油種判定機能により判定された油種「ガソリン」が表示される。また、給油中は、図6(E)に示されるように、状態表示領域A2に「給油中」が表示されると共に、給油状況領域A3に現在の累積給油量が表示される。」 「【0048】ここで、設定器部25による設定操作が完了し、図6(B)に示されるように、給油情報領域A3に設定内容が表示される状態で顧客自身が設定した油種とは異なる油種の給油ノズル27、あるいは給油すべき燃料タンクの油種と異なる油種の給油ノズル27を取り上げてしまった場合、給油所制御装置13は表示装置36にノズル間違いであることを表示する。すなわち、図6(G)に示されるように、表示装置36の給油ポイント表示領域A5の表示色が「白色」から「赤色」に変化すると共に給油情報領域A3の給油油種表示欄に給油ノズル27の油種が燃料タンクの油種と異なることを示す「異油種」を表示し、且つブザーを間欠的に鳴動させて給油所の係員に給油ノズル27の油種が異なることを知らせる。」 したがって、引用文献2には次の技術的事項が記載されていると認められる。 「給油所管理装置において、監視モニタ14にはカメラ19により撮像された4箇所の計量機17の画像を映し出し、表示装置36には各給油ポイント毎の状態表示A2、給油状況A3、及び、ノズル間違いであることを表示する点。」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、引用発明の「自動車等」は「燃料供給対象」に相当し、以下同様に、「計量機11」は「燃料供給器」に、「表示手段15」は「表示手段」に、「コンピュータ21」は「管理機」ないし「表示制御手段」に、「所定の対応する前記計量機11とその周辺を撮像する」という事項は「前記複数の燃料供給機の各々に対応する燃料供給エリアを撮影する」という事項に、「カメラ12」は「カメラ」に、「事故発生と判断する感震器16」は「前記燃料供給エリアの異常の有無を判定する異常判定手段」に、「複数の前記カメラ12の映像データを同一の画面に表示する分割表示」は「前記複数の燃料供給機の供給状態を表示する一覧画面」に、それぞれ相当する。 引用発明の「前記複数の計量機11のうち、前記振動を検知した計量機12を撮像している前記カメラ12の映像データが表示される拡大表示」と本願発明1の「前記複数の燃料供給機のうち、一の燃料供給機の供給状態と、前記異常判定手段により判定された、前記一の燃料供給機に対応する燃料供給エリアの判定結果と、前記カメラにより撮影された当該燃料供給エリアの画像と、を表示する詳細画面」とは、「前記複数の燃料供給機のうち、前記異常判定手段により判定された、前記カメラにより撮影された当該燃料供給エリアの画像を表示する詳細画面」という点で共通する。 引用発明の「給油所用監視装置10」は本願発明1の「燃料供給所管理システム」に相当する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 「燃料供給対象に燃料を供給する複数の燃料供給機と、 表示手段を有すると共に前記各燃料供給機による燃料の供給を管理する管理機と、 前記複数の燃料供給機の各々に対応する燃料供給エリアを撮影するカメラと、 前記燃料供給エリアの異常の有無を判定する異常判定手段と、 前記複数の燃料供給機の供給状態を表示する一覧画面と、 前記複数の燃料供給機のうち、前記異常判定手段により判定された、前記カメラにより撮影された当該燃料供給エリアの画像を表示する詳細画面を表示する詳細画面と、 を切換えて前記表示手段に表示させる表示制御手段と、 を備えたことを特徴とする燃料供給所管理システム。」 <相違点1> 本願発明1では「前記カメラにより撮影された画像に基づいて」、燃料供給エリアの異常の有無を判定しているのに対し、引用発明では「振動を検知したときに」事故発生と判断している点。 <相違点2> 詳細画面に関し、本願発明1ではカメラにより撮影された当該燃料供給エリアの画像とともに「一の燃料供給機の供給状態と、」「前記一の燃料供給機に対応する燃料供給エリアの判定結果と」を表示するのに対し、引用発明では映像データのみが拡大表示される点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み相違点2から検討する。 引用文献2には、上記「第4 2」で検討したとおり、給油所管理装置において、監視モニタ14にはカメラ19により撮像された4箇所の計量機17の画像を映し出し、表示装置36には各給油ポイント毎の状態表示A2、給油状況A3、及び、ノズル間違いであることを表示する点は記載されているが、カメラにより撮像された画像が表示されるモニタ14と、各給油ポイント毎の状態表示A2、給油状況A3、及び、ノズル間違いであることを表示する表示装置36とは、異なる表示手段であるから、燃料供給機の供給状態と、燃料供給エリアの判定結果と、当該燃料供給エリアの画像とを表示する詳細画面については記載されていない。また、このような詳細画面が技術常識であるという証拠もない。 したがって、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて、相違点2に係る本願発明1の構成とすることは、当業者であっても容易に想到し得たこととは認められない。 そして、本願発明1は、相違点2に係る構成を備えることによって、「係員は、モニタ8の詳細画面を目視することにより、異常が有ると判定された給油エリアの稼働状況に関する情報を簡単に、かつ正確に得ることができる。この結果、給油所1の各給油エリアを効率よく管理することができる。」(【0047】参照)、及び、「表示制御手段10は、異常判定手段9による一の給油エリアに関する判定結果と共に監視カメラ31~3nにより撮影された画像を図4、図5の詳細画面に表示させることができる。これにより、係員は、給油エリアの現在の状況を目視で確認することができ、稼働状況を正確に把握することができる。」(【0049】参照)という、引用発明から予測し得ない効果を奏するものである。 したがって、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。 2 本願発明2~6について 本願発明2~6は、少なくとも本願発明1の相違点2に係る構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1~6は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-004242

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